西洋思想の主潮
Chief currents of
Western thought:
A Graphic Guide 014
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教科書(Cultural Anthropology Remix 協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies
が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は
Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing
Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd.,
2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ
ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな
いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系
にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを
明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿
勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!!
メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 : 978-4768401095
014 |
【II】人類学史 Part
1:西洋思想の主潮 |
14.
西洋思考の主潮 |
14. 西洋思考の主潮 学問(ディシプリン)としての人類学の従来型の歴史を見事に修正したのは、ホッジェンとパジェンに共鳴する人類学者ウィリアム・Y・アダムス(1927- 2019)である。アダムスは、西洋思考の〈主潮〉、つまり〈意識されている理論の段階(レベル)のその下〉で作動する考えに目を向ける。 【台詞】アナザシ「これらの主潮は、人類学がどこからやって来たのか、人類学とは何なのかを説明するものなのさ」 ●進歩主義 どんな歴史の時点で取り上げようとも〈野卑で理性に欠く存在〉から西洋近代へという登りエスカレーターのように進歩するということと、人類の文化の歴史 を同定する思考であり、いつも頂点にあるのは西洋近代であるという思考。 ●未開主義 進歩主義と相反する思考で、未開の単純性へのノスタルジーと、文明によって救済される者がゼロではないとはいえ、人類はその始まりの時点から下降を続け ているとする退化の概念を含む思考。 ●自然法 何度も繰り返される行動ではなく、コードと行動の事前の書き込みと、すべての民族、自然の一部(たとえば起源の生物学的側面)ないし神(たとえば起源の 道 徳的、文化的側面)の意図に共通する規制が存在するという思考。(→「自然権」) ●ドイツ観念論 精神(歴史の実質)と身体(自然の実質)という二元論に基づく思考。 ●〈インディアノロジー〉 いずれも人気のある、アメリカインディアンについてのイデオロギー(特に高貴な未開人に関するさまざまなイデオロギー)と、他者の他者性を中 心とする主要 な研究分野。 |
リ ンク
文 献
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CC
Copyleft,
CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099