はじめによんでください

派生したマイナーな風潮

Minor trends that have emerged: A Graphic Guide 016

池田光穂

■  教科書(Cultural Anthropology Remix 協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd., 2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系 にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを 明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿 勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!! メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4768401095

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【II】人類学史 Part 1:派生したマイナーな風潮
16.    派生したマイナーな風潮
16. 派生したマイナーな風潮

アダムスは、〈マイナーな風潮〉も明らかにしている。これらは劣っている訳ではなく、主潮からの派生であり応用である。

●合理主義
 人間の理性に順応し、理性によって理解することのできる法によって、秩序ある世界が統治されているという考え。

●実証主義
経験主義つまり観察と帰納ないし演繹から成る方法論に対する広義の通称。

●マルクス主義あるいは弁証法的唯物主義
 明らかに進歩主義の一部である、自称のイデオロギーであり〈セクト〉。マルクスとエンゲルスは、イロコイインディアンの研究で最もよく知られるアメリカ の 人類学者ルイス=ヘンリー・モーガン(1818-81)の業績を自らの思考の基盤とした。

●功利主義と社会主義
 イギリスの独特な改革主義の学派で、過去への関心よりも未来に焦点を当てた社会変革のためのアプローチ。

●構造主義
 観察者によって押しつけられたものではない、構造化された世界、あるいは自然の秩序における原初的で一貫した構造があるという考え。構造は、したがって 世 界である。これは自然法の派生である

●ナショナリズム
 過去3世紀に支配的な西洋のイデオロギーであり、人類学とその他の社会科学の国ごとの伝統を方向付ける。

【台詞】アナザシ「大事なことを1つ言い残してしまったよ。大親分(大きなエンチラーダ)を!」

リ ンク

文 献

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CC

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