人類学者たちの加担
Anthropologists'
complicity; A Graphic Guide 018
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教科書(Cultural Anthropology Remix
協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies
が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は
Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing
Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd.,
2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ
ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな
いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系
にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを
明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿
勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!!
メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 : 978-4768401095
018 |
【II】人類学史 Part
1:人類学の複雑性 |
18.
人類学の加担 |
18. 人類学の加担 人類学者は、植民地執行官を訓練した。役に立つ情報は何も得られなかったと執行官からは批判されたとはいえ、人類学者は彼らに報告も行った。 【台詞】植民地執行官「人類学者が我々に役に立つことを伝えたことは、これまで一度もなかったんだがね。だとすれば、何が新しいというのかね」 【台詞】アナザシ「人類学者がどれほど積極的に植民地主義に加担したかについては、多くの論争があるんだよ」 タラル・アサドは、彼の有名な編著『人類学と植民地的出会い』(1973)において、人類学が〈植民地主義の下働き〉という役割を果たしていたと指摘し た。帝国主義のイデオロギーは、人類学を生んだ知的かつ哲学的なルーツと同じものによって支えられており、これらを共同の仲間としたのである。人類学が植 民地主義をつくり出したわけではないものの、人類学の起源は確かに植民地主義と一緒におこった現象である。 ★タラル・アサドの宗教人類学 |
リ ンク
文 献
そ の他の情報
CC
Copyleft,
CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099