はじめによんでください

生物的なるものと社会的なるものの統合

Integration of biological and social aspects; A Graphic Guide 027

池田光穂

■  教科書(Cultural Anthropology Remix 協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd., 2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系 にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを 明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿 勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!! メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4768401095

027
【III】人類学史 Part 2:生物なるものと社会なるものを統合する
26.    27.    生物学的理論と社会的理論の統合
27. 生物学的なるものと社会(学)的なるのものの統合

ダーウィンは、進化論を発明したわけではない。彼は、生物学的進化という限定的な理論を紹介したにすぎない。生物学的進化論は、生物学的な考えと社会的な 考えとを統合することで、すぐに支配的なパラダイムとなり、進化論という概念の威力を生み出した。
熱烈な社会進化主義者であったハーバート・スペンサー(1820-1903)は、ダーウィンよりも以前に人類の生物学的理論を探求した人物であった。スペ ンサーは、人類学の正統な祖先とみてよいだろう。

【台詞】ハーバート・スペンサー「なぜならダーウィンの関心は、生物学的なものと社会的なものとを一つの理論的分野に統合することにあったたからだ」

【台詞】学者(人類学者)「〈適者生存〉という用語はスペンサーによってつくられ、ダーウィンによって応用されたのじゃ」

すべてのモダン人類学は、多かれ少なかれ進化論的である。一般化、分類、類型化はいずれも、進化論的な考えと階層的な関係を暗示的ないし明示的に思い起こ させるものだ。

【台詞】学者(人類学者)「社会変化、変容、発展もまた、進化論的概念を伴う考えじゃな」

リ ンク

文 献

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