人種という名のでっち上げ
The Race Spindle;
A
Graphic
Guide 029
■
教科書(Cultural Anthropology Remix
協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies
が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は
Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing
Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd.,
2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ
ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな
いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系
にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを
明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿
勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!!
メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 : 978-4768401095
029 |
【III】人類学史 Part
2:人種という名の詐欺 |
29.
人種というペテン |
29. 人種という名のでっちあげ 未開人は、他の人種から区別することができなかった。「他の人種」(という概念)は、未開人の概念を定義し、〈未開状態〉の研究手段を提供した。文明は、 白い人種が優越するように発達した唯一の「環境(メディウム)」を表す用語であったが、他のすべての人種は、社会進化論と人種的な階層における野生的で野 蛮に満ちた初期のレベルに留まっていた。 【台詞】アナザシ「つまり、ある時点で俺自身の歴史や創造する力、変化のための能力を俺は失なわれたんだな。すべてが基本的にでっちあげられた《私たち- -彼らたち》だったんだよ」 【台詞】アナザシ「19世紀の未開の発明(インベンション)は、人種主義で溢れていたのさ。人種主義は、帝国主義を正当化し、それを支えるものだったんだ よ」 Civilization was a singular term for the unitary medium through which the white race had risen to prominence, while all other races were left stalled at earlier levels of the evolutionary and racist hierarchy of savagery and barbarism. 現代人類学は、人種概念との争いから始まる。それは、人種主義をその知的起源のなかで糾弾し、人種主義の数々の起源を提供した圧倒的多数の人種主義者の作 品を疑問視する。 【台詞】現代人類学者「しかし、私は、未開という過去の人類学者たちによる発明の重荷というものを、まぁ何があっても、背負わされているのだ」 【台詞】アナザシ「存在しなかったということを装っても、消えてなくなりはしないよね。現代人類学者は、祖先が誰であるのかをただ忘れ去りたいんだろう ね」 Modern anthropology begins in contention with the concept of race. It denounces the racism in its intellectual origins and discounts the overwhelming mass of racist writing that informed these origins. |
リ ンク
文 献
そ の他の情報
CC
Copyleft,
CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099