はじめによんでください

人種単元論と人種多元論

Monogenism and Polygenism; A Graphic Guide 033

池田光穂

■  教科書(Cultural Anthropology Remix 協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd., 2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系 にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを 明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿 勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!! メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4768401095

033
【IV】人類学の四大領域:人種単元論と人種 多元論
33. 人種単元論と人種多元論
33. 多元説〈対〉単元説

形質人類学の大きな論争は、多元説論者と単元説論者との間のものであった。多元説は、異なる「人種」の起源をそれぞれ異なる祖先に求める。これは、アメリ カ先住民の起源を説明するために考案発達したものであり[アメリカ先住民と白人が同じ祖先から由来したことを嫌う]アイザック・ラ=ペイレール(1594 -1676)によって最初に着想されたものである。

【台詞】未開人の奴隷「この論争は、19世紀に、特にアメリカ大陸での奴隷制をめぐる論争のなかで激しく再燃したんだよ」

【台詞】未開人の奴隷「聖書の説明は単元説だね」

【台詞】聖職者「アダムとイブは、すべての人類の祖先なのじゃ」

ダーウィン主義の(自然淘汰による組み換えを伴う出自仮説である)人間進化モデルは単元説である。理論としてのダーウィン主義の成功により、自然人類学は 人間の進化についての研究に変わっていった。

リ ンク

文 献

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