文化人類学、はじめの一歩
Introduction to CulturalAnthropology
[授業目標]文化人類学の基礎を学ぶと同時に、最新の人類学理論にも触れる
(1)文化人類学についての理念と学問の方法論上の特色について把握す る。
(2)1980年以前・以後の文化人類学の学問上の変化とその社会的意義 について理解する。
(3)実践概念がなぜ社会科学分野において重要なテーマになったのかについて歴史的文脈化す ることができる。
(4)なぜ日本において文化人類学を勉強するのかについて、 この受講を契機に議論することができるようになる。
[授業の内容]
授業は以下の15回のプログラムから成り立つ。
(1)文化人類学とは何か?:この学問の基本的な考え方を学ぶ
(2)実践知とは何か? :「実践知の系譜」『生き方の人類学』【1章】
(3)ハビトゥス論 :「実践を生みだす母胎」『生き方の人類学』【2章】
(4)共同参加することの意味:「実践コミュニティ」『生き方の人類学』【3章】
(5)霊媒カルトにおける実践:「儀礼における実践」『生き方の人類学』【4章】
(6)エイズとともに生きる:「苦悩のなかの実践」『生き方の人類学』【5章】
(7)自己統治と他者:「アイデンティティと生き方」『生き方の人類学』【6章】
(8)障害者カテゴリーの文化的構築『みんなが』【1章】【2章】
(9)医療人類学の生物学的基礎『みんなが』【3章】【4章】
(10)文化人類学ワークショップ[a]
(11)文化人類学ワークショップ[b]
(12)障害者の社会化/非障害者の社会的適応 『みんなが』【5章】【6章】
(13)共生社会は「強制」社会か? 『みんなが』【7章】【8章】
(14)まとめの授業
(15)試験
[キーワード]文化人類学、モダニスト、実践、生き方、手話、ハンディキャップ、スティグマ
[テキスト]
田辺繁治、2003『生き方の 人類学』(現代新書1655)講談社
グロース,N.E.『みんなが手話で話した島』佐野正信訳、築地書館、1991年(→「みんなが手話で話したよ」)
[参考文献]
田辺繁治・松田素二編『日常的実践のエスノグラフィ』世界思想社、2002年
[評価方法]
質問やコメントを通した授業への貢献度(20%)出席※、課題レポート(20%)、試験 (60%)の総合評価(※7割以下の出席は受講停止)
[履修上の指導]
[事前学習]
受講前にテキストの通読をすすめます。「授業の内容」に【X章】とあるのは、各テキストの章 を指しますので、授業前の予習が必要です
[事後学習]
授業中に復習のための文献を提示します。また、受講に関する様々な情報は、「文化人類学の最 前線」を参照してください。適宜情報を更新します。
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[科目分類]文化表象学分野
[時間割コード]62140
[授業科目]文化人類学概説
[授業題目]文化人類学、初めの一歩
[英文科目名]Introduction to Cultural Anthropology
[担当教官]池田光穂
[開講年次]1年以上
[学期]前期
[曜日]月曜日
[時限]4限
[選択/必修]選択(文化表象学コースを将来選択する学生は必修)
[単位数]2
文化人類学、はじめの一歩(各論、2004年:具体的実例)
1 | 2004
4/12 Mon. 14:30-16:00 |
文化人類学とは何か? |
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2 | 4/19
Mon. 14:30-16:00 |
実践知とは何か?
「実践知の系譜」『生き方』【1章】 |
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3 | 4/26
Mon. 14:30-16:00 |
ハビトゥス論
「実践を生みだす母胎」『生き方』【2章】 |
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4 | 5/10
Mon. 14:30-16:00 |
共同参加することの意味
「実践コミュニティ」『生き方』【3章】 |
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5 | 5/17
Mon. 14:30-16:00 |
霊媒カルトにおける実践
「儀礼における実践」『生き方』【4章】 |
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6 | 5/24
Mon. 14:30-16:00 |
エイズとともに生きる
「苦悩のなかの実践」『生き方』【5章】 |
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7 | 5/31
Mon. 14:30-16:00 |
自己統治と他者
「アイデンティティと生き方」『生き方』【6章】 |
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8 | 6/7
Mon. 14:30-16:00 |
障害者カテゴリーの文化的構築
「ほかの人とまったく同じ!」『みんなが』【I 章】 「マザーズ・ヴィンヤード島の歴史」『みんなが』【II章】 |
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9 | 6/14
Mon. 14:30-16:00 |
医療人類学の生物学的基礎
「ヴィンヤード島の聴覚障害の由来」『みんなが』【III章】 「ヴィンヤード島の聴覚障害の遺伝学」『みんなが』【IV章】 |
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10 | 開講日注意!
6/19 Sat. 9:00-10:30 場所:文学部法学部B−3教室 |
文化人類学ワークショップ[a] |
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11 | 開講日注意!
6/19 Sat. 10:40-12:10 場所:文学部法学部B−3教室 |
文化人類学ワークショップ[b] |
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12 | 6/21
Mon. 14:30-16:00 |
障害者の社会化/非障害者の社会的適応
「聴覚障害への適応」『みんなが』【V章】 「島でろう者として育つ」『みんなが』【VI章】 |
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13 | 6/28
Mon. 14:30-16:00 |
共生社会は「強制」社会か?
「歴史的にみた聴覚障害」『みんなが』【VII章】 「あの人たちにハンディキャップはなかった」『みんなが』【VIII章】 |
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14 | 7/5
Mon. 14:30-16:00 |
まとめの授業 | |
15 | 7/12
Mon. 14:30-16:00 |
試験 |