指標=インデックスの世界
Culture and Communication by Edmund Ronald Leach
解説:池田光穂
まずリーチは、コミュニケーションの基本的対立項として、信号(シグナル)と指標(インデックス)を区分する。ここで、メッセージを運ぶも のをA、伝わるメッセージをBとする。
● これはソシュール派言語学では、signifian (=A), signifie' (=B) に対応する。[解説はこちら]
信号(signal)では、AとBの関係は機械的でかつ自動的に決まる。動物は、信号に応答して生きている。信号は因果的で、そして信号は つねに動的である。
指標(index)は、AはBの表示する。表示の作用は顕示的あるいは暗黙の約束に由来する。表示は記述的で、静的である。
指標は約束にもとづくAとBの関係の表示体系である。約束は、社会性・文化性を帯びる。また約束の中にも経験的事実が反映する。それが指標 の中にある自然指標(natural index) である。煙(=A)が出ていると、そこに火(B)があることを、我々は知っている。自然指標ではない、のこりの指標のまとまりはシグナム=標記号と、リー チは呼んでいる。
● 隠喩と換喩の説明については、こちらのページを参照してください。
【文献】
Leach, Edmund Ronald. - 1976. - Culture and communication : the logic by which symbols are connected : an introduction to the use of structuralist analysis in social anthropology / by Edmund Leach. - Cambridge ; London [etc.] : Cambridge univ. press, 1976. - 105 p. ; 24 cm. - (Themes in the social sciences):『文化とコミュニケーション : 構造人類学入門 』/ エドマンド・リーチ著 ; 青 木保,宮坂敬造訳. -- 紀伊國屋書 店, 1981. -- (文化人類学叢書)
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099