文化とはなにか?
What is Culture?;
A
Graphic
Guide 041
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教科書(Cultural Anthropology Remix
協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies
が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は
Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing
Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd.,
2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ
ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな
いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系
にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを
明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿
勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!!
メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 : 978-4768401095
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【IV】人類学の四大領域:文化とは何か? |
41.
文化とは何か? |
41. 文化とは何か? アメリカ合衆国の文化人類学とイギリスの社会人類学との主なちがいは、人類学者の研究対象である「全体」としての文化に焦点を当てているのか、あるいは文 化がそのなかではたらく「全体」としての社会、その構造や組織に焦点を当てているのかの違いである。大西洋の両側で、文化についての莫大な定義が存在す る。1952年にアメリカ合衆国の優れた人類学者アルフレッド.L.クローバー(1876-1960)とクライド・クラックホーン(1905-60)が (それまでの学者が使ってきた)100を超える定義を引用している。 【台詞】学者(人類学者)(E.B.タイラー著『未開文化』を開きながら)「とはいえ、すべての人類学者に馴染み深いのは、『未開文化』(1871)のな かでのE.B.タイラーによるものは、正典となる定義であろうな」 【台詞】エドワード=バーネット・タイラー卿「文化とは、人が社会の構成員として獲得する知識、信念、芸術、法、道徳、慣習、あらゆる能力や習慣を含む、 すべての複合的全体なのである」 タイラーにとって、文化は単数形の用語である。つまり文化は、単純なものから複雑なものへという進化論的進歩において、すべての人間社会がそのなかで発展 する領域であった。 専門的職業学問としての現代人類学は、複数形の文化(それぞれの独自の言葉で、理解されなければならない複数形の生のあり方)という思考から始める。 【台詞】アナザシ「今日、文化という概念は、ヘンリエッタ・ムーア(1957-)がそう言うように…」 【台詞】ヘンリエッタ・ムーア「権力のフィールドのなかにある、異議を唱えられる表象と抵抗からなる一連の場所ね」 アメリカ合衆国の人類学者ロイ・ワグナーは、「文化の核は……精神から精神へと直接的に伝達することはできないが、引き出され、輪郭を示し、描写すること はできる心象と類似性の、首尾一貫した流れである」と主張する。さらに、文化的意味は、集合的な表象の不変的システムであるというよりもむしろ、「絶えず 続く、絶え間ない再=創造からなる流れの中に生きている」という。 |
リ ンク
文 献
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CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099