エスニシティの諸問題
Issues of ethnicity;
A
Graphic
Guide 083
083 |
エスニシティ(民族性)の諸問題 |
83.
エスニシティの諸問題 |
83. エスニシティの諸問題 一般的にエスニシティ(民族性)は、各集団がそれぞれを区別し、「私たち自身」ないし「私たち」という感覚もつ方法に関するものである。人類学者は、人び とがこの差異を表現するさまざまな方法や、差異の経験のされ方に関心を持つ。エスニシティは、人種とは異なる。 【台詞】男性「他者や他者の実践をステレオタイプ化することにより、人種はほかの集団に対して「私たち」を「彼ら」とは区別するんだね」 【台詞】別の男「それが結局のところ、人種主義、差別、暴力を生み出すんじゃよ」 他者性(alterity)は、よそ者つまり客体化された他者のことであり、人類学では最近に登場した概念である。すべての社会と集団は、他者性について 気づいていることが指摘されている。しかしそれは、人類学そのものの歴史と実践についての「自己再帰的」論争をも含んでいるのだ。 ★「エスニシティ」(→「民族」)→「エスニシティ(ethnicity)は、民族集団から派生した用語で、民族の (ethnic)という形容詞の名詞形から、それ自体で民族=民族集団の意味 をもつ」 ★「人種」「民族と民族性をめぐる用語集」 ★「 他者性(alterity)」 |
■ 教科書(Cultural Anthropology Remix 協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies (1949-2021) が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd., 2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系 にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを 明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿 勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!! メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 : 978-4768401095 [総合目次]
★ 著者紹介:Merryl Wyn Davies (1949-2021)
メ
リル・ウィン・デービス(1949年6月23日 -
2021年2月1日)は、ウェールズのイスラム教徒の学者、作家、放送作家でした。イスラム教を専門とし、ジアウディン・サルダールと共同で書籍や記事を
執筆しました。イスラム人類学の権威であり、ロンドンのムスリム研究所の所長も務めた。メリル・ウィン・デービスは、1949 年 6 月 23
日、ウェールズのマーサー・ティドフィルで生まれた。サイファースファ・グラマースクールで A
レベルを取得。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジで人類学を学んだ後、放送局やジャーナリズムの分野でのキャリアをスタート。ウェールズの地方紙、
BBC ラジオを経て、BBC テレビの宗教番組で 10 年間働き、「Everyman」、「Heart of the
Matter」、「Global Report」[4] などの受賞番組や、シリーズ番組「Encounters with
Islam」に携わった。1981 年、31
歳でイスラム教に改宗。1985年にBBCを退職し、フリーライターとして、ロンドンを拠点とするイスラム教徒の雑誌「Inquiry」で働き始めた。
1990年代には、マレーシアの元副首相で、後に野党党首となったアンワル・イブラヒム氏の顧問およびスピーチライターを務め、マレーシアのテレビ局
TV3で「Faces of
Islam」シリーズを制作した。イブラヒム氏が逮捕されると、ウィン・デイヴィスは逃亡し、シンガポールに移住した。1996年に英国に戻り、英国イス
ラム教徒評議会のメディア担当官に就任した。2010年にロンドン・ムスリム研究所に入所し、所長に就任した。2018年に「第二の故郷」であるマレーシ
アに戻ったメリル・ウィン・デーヴィスは、2021年2月1日、クアラルンプールのペタリンジャヤで、長年の病気のため心臓発作で71歳の生涯を閉じた。
英語ウィキペディア"Merryl
Wyn Davies (1949-2021)"より
リ ンク
文 献
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Copyleft,
CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099