はじめによんでください
北朝鮮をどのように民主化すべきなのか?
Problem-Based Learning, How to democratize Totalitarians North
Korea?
池田光穂
PBL(問題にもとづく学習)
課題「北朝鮮をどのように民主化すべきなのか?」
[緒言]
日本において北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の政治的経済状況が劣悪化しているという報道に触れない日はない。拉致被害者を支援し、日本 への 帰還運動を支援する報道も事欠かない。また(現在では随分)風向きが悪いとは言え、帝国主義時代の日本の朝鮮半島への侵略や、人種差別を伴った皇民化(こ うみんか)政策や、日本敗戦後に起こった冷戦下の朝鮮戦争(1950年6月-53年7月)など日本における朝鮮半島への歴史的関与や、その後の民間レベル での国際支援が、結果的に北朝鮮の全体主義体制をつくりあげたという〈曖昧な戦争責任論〉もある。
人民の自決(self-determination)という権利からみれば、北朝鮮の民主化云々は、北朝鮮人民の人たちじしんが考え行動す べき ということになる。
他方、北朝鮮の人たちが、自分たちの政治権力について自由に思うところを述べ、議論し、行動できないのであれば――ただし、このようなこと をど のように測定し、どのように評価すべきなのか明確な根拠は私たち(=日本人民)にもなかなか持ちにくい――、私たちじしんの社会の民主化の自己決定の議論 のためにも、北朝鮮の民主化のプログラムについて、学習課題にするのには、日本と北朝鮮の人民のためになんらかの意義はあるだろう。
北朝鮮とかつての南アフリカ共和国の状況は決して同じではないが、アパルトヘイト(人種差別政策)が国家の公的イデオロギーとして機能して いた 時代に、人種差別を呪う世界の国の多くの人たちが、そのことに眉をひそめ、またアパルトヘイトの廃絶のための声を、南アフリカの外からも上げていた。
[最初のステップ]
[人民による人民のための自決]
[民主化とはなにか]
以下、この授業の留意点です……
日本人の学生向け:在日コリアンの学生や韓国や中国・ロシアからの留学生がいれば、議論はかなり白熱するはず――ただし留意点では唯一無二の答
えを出すことが問題ではなく、複数のシナリオをつくるべきで、授業の着地点が、(1)国際問題の解決が、かなりのところ【経路=プロセス依存】であること
を理解すること、(2)現実の国籍や民族性について拘泥することなく、あくまでも国際機関など中立・価値自由な観点から論じることに留意すべきでしょう。
この授業はディベートでも、国際政治の公式探究の授業でもない。
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『民主朝鮮』1946年4月創刊:横須賀:朝鮮文化社