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戦争[遂行]にとって人類学が役立つとはどういうことか?

Can anthropology contributre to performing warfare in general?

South African paratroops conduct a search and destroy operation against Namibian insurgents during the 1980s

池田光穂

第1章「戦時人類学:グローバルな視点」ヤン・ファン・ブレーメン

・戦争時における人類学は平(和)時における人類学と軌を同じくして出発するが、戦争の進展にとり(研究助成やフィールドワークの必要性から)戦時人類学に変化してゆく

・戦時人類学は、それをもとめる軍部や現地調査のインテリジェンスエージェントなどが提供する技術や情報により《より戦時色に特化した》人類学に洗練されてゆく

・すなわち、(結果的に)平和時の人類学と戦時の人類学には、著しい対比がでてくるものの

第2章「人類学と19305年、19405年の戦時情勢―岡正雄、平野議太郎、石田英一郎と情勢との交渉」清水昭俊

・1930-1940年代の人類学者の動きに注目する

・この時期における、日米の人類学が「人類学」をどのように定義・理解・実践していたのかを「比較」する。

・岡正雄、平野議太郎、石田英一郎が、敗戦前後にどのように態度を変容させたのか?を考察する(→鶴見俊輔流「転向」研究)

第3章 「中野清一と植民地民族学」ケビン・M・ドーク

中野清一(小樽商科大学教授、社会学):1944、東亜に於ける民族原理の開顕(中野清一)『民族研究所紀要』(引用は「日本文化人類学史」より)

・「民族研究講座」満洲諸民族(中野清一)

・中野は大東亜共栄圏におけるナショナリズムや民族論を発展させて、自分自身の社会学理論を経験社会学からより(往時の)社会に適合した社会学に接続させる。

第4章「日本人類学における自己と他者」関本照夫

・日本民族学会誌に掲載された文献分析→太平洋戦争以降のインパクトの大きさ(1941年暮以降の1942-1943年期の戦時期の状況が民族学研究を「実質的」に中断したことを指摘)

第5章「戦時中の日本における自然人類学」野林厚志

・研究の中心は人口研究

第6章「石田英一郎の南サハリン島での研究」

第7章「韓国の民間伝承における秋葉隆のケース」

第8章「日本における韓国研究」

第9章「台湾の民間伝承」

第10章「日本の中国農民社会研究」

第11章「インドネシアの植民地研究」

第12章「ナショナリズムの再生:日本軍政権下のブルネイ、1941-1945」B A Hussainmiya

・ブルネイの日本占領下のナショナリズム

・英国の占領政策から日本の占領政策の転換のために、ブルネイの人々の政治的かつ文化的感受性が目覚めナショナリズムが進展した