はじめによんでください

フェミニスト人類学

Feminist Anthropology ; A Graphic Guide 129

池田光穂

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フェミニスト人類学
129.    フェミニスト人類学
129.フェミニスト人類学

オックスフォード大学の教授エドウィン・アーデナー(1927-87)は、人類学そのものが男性によって支配されており、単に男性の人類学者が優先的に採 用されるということだけでなく、人類学の理論、概念、方法論、そして実践が男性文化の所産であると指摘する。さらにそれは、女性が人類学を実践している場 合にも当てはまるという。

アナザシ——【台詞】——「君は白人男性がつくり出すものに何を期待するのかな?」

フェミニスト人類学は、フェミニズム同様、複雑で多様である。フェミニスト人類学は「女性と男性の関係は、自然と文化の関係か?」というシェリー・オト ナーの問いのようなものも含む。

エドウィン・アーデナー(Edwin Ardener, 1927-87): " Within anthropology, some of his most important contributions were to the study of gender, as in his 1975 work in which he described women as "muted" in social discourse"
「人類学分野では、1975年の著作で、社会的な言説において女性は「沈黙している」と表現するなど、ジェンダーの研究に多大な貢献をした。」
- Shirley Ardener, Shirley G. Ardener is a pioneer of research on women (doing women’s studies more-or-less avant la lettre) and a committed anthropological researcher working with Bakweri people in Cameroon since the 1950s, initially with her husband Edwin Ardener (1927–1987).
「シャーリー・アーデナー(Shirley Ardener)は、女性研究(いわば先駆的な女性学)のパイオニアであり、1950年代からカメルーンでバクウェリ族を研究する熱心な人類学者だ。当初 は夫のエドウィン・アーデナー(1927-1987)とともに研究活動を行っていた。」
-Muted group theory
"The term mutedness refers to a group's inability to express themselves due to this inequity.[1] The theory describes the relationship between a dominant group and its subordinate group(s) as being as follows: 1) the dominant group contributes mostly to the formulation of the language system, including the social norms and vocabulary, and 2) members from the subordinate group have to learn and use the dominant language to express themselves. However, this translation process may result in the loss and distortion of information as the people from subordinate groups cannot articulate their ideas clearly.[1] The dominant group may also ignore the voice of the marginalized group. All these may eventually lead to the mutedness of the subordinate group. Although this theory was initially developed to study the different situations faced by women and men, it can also be applied to any marginalized group that is muted by the inadequacies of their languages.[1]"
-ミュートグループ理論
「ミュート」とは、この不平等により、グループが自己表現できない状態を指す。[1] この理論は、支配的なグループとその従属グループとの関係を次のように説明している。1)支配的なグループは、社会的規範や語彙など、言語システムの形成 に主に貢献している。2)従属グループのメンバーは、自己表現のために支配的な言語を習得し、使用しなければならない。しかし、この翻訳プロセスでは、従 属グループの人民が自分の考えを明確に表現できないため、情報の損失や歪みが生じる可能性がある。[1] 支配的なグループは、周縁化されたグループの声を無視する場合もある。こうしたことが、最終的には従属グループの沈黙につながる可能性がある。この理論 は、もともと男性と女性が直面する異なる状況を研究するために開発されたものだが、言語の不備によって沈黙を強いられているあらゆる周縁化されたグループ にも適用することができる。[1]」

■ 教科書(Cultural Anthropology Remix 協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies (1949-2021) が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd., 2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系 にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを 明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿 勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!! メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4768401095 [総合目次]

★ 著者紹介:Merryl Wyn Davies (1949-2021)

メ リル・ウィン・デービス(1949年6月23日 - 2021年2月1日)は、ウェールズのイスラム教徒の学者、作家、放送作家でした。イスラム教を専門とし、ジアウディン・サルダールと共同で書籍や記事を 執筆しました。イスラム人類学の権威であり、ロンドンのムスリム研究所の所長も務めた。メリル・ウィン・デービスは、1949 年 6 月 23 日、ウェールズのマーサー・ティドフィルで生まれた。サイファースファ・グラマースクールで A レベルを取得。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジで人類学を学んだ後、放送局やジャーナリズムの分野でのキャリアをスタート。ウェールズの地方紙、 BBC ラジオを経て、BBC テレビの宗教番組で 10 年間働き、「Everyman」、「Heart of the Matter」、「Global Report」[4] などの受賞番組や、シリーズ番組「Encounters with Islam」に携わった。1981 年、31 歳でイスラム教に改宗。1985年にBBCを退職し、フリーライターとして、ロンドンを拠点とするイスラム教徒の雑誌「Inquiry」で働き始めた。 1990年代には、マレーシアの元副首相で、後に野党党首となったアンワル・イブラヒム氏の顧問およびスピーチライターを務め、マレーシアのテレビ局 TV3で「Faces of Islam」シリーズを制作した。イブラヒム氏が逮捕されると、ウィン・デイヴィスは逃亡し、シンガポールに移住した。1996年に英国に戻り、英国イス ラム教徒評議会のメディア担当官に就任した。2010年にロンドン・ムスリム研究所に入所し、所長に就任した。2018年に「第二の故郷」であるマレーシ アに戻ったメリル・ウィン・デーヴィスは、2021年2月1日、クアラルンプールのペタリンジャヤで、長年の病気のため心臓発作で71歳の生涯を閉じた。 英語ウィキペディア"Merryl Wyn Davies (1949-2021)"より

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