はじめによんでください

非接触の民

People without contact ; A Graphic Guide 131

池田光穂

131
未接触の人々
131.    穢れなき民
131.非接触の民

ベネズエラのアマゾン熱帯雨林地域に暮らすヤノマミは、世界で最も有名な先住民である。ヤノマミは、ありとあらゆる人類学にとっての最も重要な戦利品—— つまり誰も訪れていないという意味で「非接触の民」——と表現されている。つまり、こういうことだ。その主張によると、地理的に離れた熱帯雨林の飛び地に 暮らしていることから、白人社会と接触しておらず、かつては皆がそうであっただろう最後の遺物であり、消滅していく最後の民族である。

ヤノマミ——【台詞】——「本当かい?スペインの征服者やゴムの木の樹液採取労働者、そして金鉱地で金を掘る労働者たちがアマゾンにいたことを誰も知らな いと言えるのか?」————「俺たちは、〈生存を救えキャンペーン〉や〈熱帯雨林を救え〉、そしてエコロジー運動のポスターのモデルにもなった、最も有名 な民なんだぜ」

別のヤノマミ——【台詞】——「人気のあるアイドルのスティング※が俺たちのところへやって来て、一緒に写真を撮りさえしたんだから」

当然のことながら、ヤノマミは何十年にもわたり人類学者たちによって研究されてきた。


※スティングはシンガーソングライター。本名は、ゴードン・マシュー・ホワイト・サムナー(1951- )

★Yanomami, by Wiki.

"Ethical controversy has arisen about Yanomami blood taken for study by scientists such as Napoleon Chagnon (1938-2019) and his associate James Neel (1915-2000). Although Yanomami religious tradition prohibits the keeping of any bodily matter after the death of that person, the donors were not warned that blood samples would be kept indefinitely for experimentation. Several prominent Yanomami delegations have sent letters to the scientists who are studying them, demanding the return of their blood samples. As of June 2010 these samples were in the process of being removed from storage for shipping to the Amazon, pending the decision as to whom to deliver them to and how to prevent any potential health risks in doing so.[39]" - Controversies.


■ 教科書(Cultural Anthropology Remix 協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies (1949-2021) が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd., 2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系 にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを 明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿 勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!! メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4768401095 [総合目次]

★ 著者紹介:Merryl Wyn Davies (1949-2021)

メ リル・ウィン・デービス(1949年6月23日 - 2021年2月1日)は、ウェールズのイスラム教徒の学者、作家、放送作家でした。イスラム教を専門とし、ジアウディン・サルダールと共同で書籍や記事を 執筆しました。イスラム人類学の権威であり、ロンドンのムスリム研究所の所長も務めた。メリル・ウィン・デービスは、1949 年 6 月 23 日、ウェールズのマーサー・ティドフィルで生まれた。サイファースファ・グラマースクールで A レベルを取得。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジで人類学を学んだ後、放送局やジャーナリズムの分野でのキャリアをスタート。ウェールズの地方紙、 BBC ラジオを経て、BBC テレビの宗教番組で 10 年間働き、「Everyman」、「Heart of the Matter」、「Global Report」[4] などの受賞番組や、シリーズ番組「Encounters with Islam」に携わった。1981 年、31 歳でイスラム教に改宗。1985年にBBCを退職し、フリーライターとして、ロンドンを拠点とするイスラム教徒の雑誌「Inquiry」で働き始めた。 1990年代には、マレーシアの元副首相で、後に野党党首となったアンワル・イブラヒム氏の顧問およびスピーチライターを務め、マレーシアのテレビ局 TV3で「Faces of Islam」シリーズを制作した。イブラヒム氏が逮捕されると、ウィン・デイヴィスは逃亡し、シンガポールに移住した。1996年に英国に戻り、英国イス ラム教徒評議会のメディア担当官に就任した。2010年にロンドン・ムスリム研究所に入所し、所長に就任した。2018年に「第二の故郷」であるマレーシ アに戻ったメリル・ウィン・デーヴィスは、2021年2月1日、クアラルンプールのペタリンジャヤで、長年の病気のため心臓発作で71歳の生涯を閉じた。 英語ウィキペディア"Merryl Wyn Davies (1949-2021)"より

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