動物における安楽死(安楽殺)について
On Euthanasia for Wild and
Experimental Animals
動物研究者にとって、動物を殺し、そこから得られる科学的知見を収集することは基本的に ルーティンになっている。しかしながら、なんでも闇雲に殺害すればよいというものではない。むしろ、殺獣方法を統制管理することは、そこから得られる動物 個体からのデータの管理にもつながる大切なことである。2009年に日本哺乳類学会が、そのことにつきガイドラインを作成し、公開している。
「生け捕りした晴乳類を殺す際には,倫理的にかなった人道的な方法で安楽死させなけ ればならない(法的な根拠として改正動物愛護管理法第23 条および第24 条による努力規定がある:動物愛護管理法令研究会(2001) 参照) .一般的に安楽死(または安楽殺)とは動物に苦痛を/長く与えないように,できるだけ短時間で意識を失わせて死にいたらしめることである(日本実験動物学 会 1991) .行政的には,「化学的または物理的方法により,できる限り処分動物に苦痛を与えない方法を用いて当該動物を意識の喪失状態にし,心機能または腕機能を不 可逆的に停止させる方法によるほか,社会的に容認されている通常の方法によること」(動物の処分方法に関する指針, 1995 年,総理府告示第40 号;浅野ほか2006) とされている.安楽死には麻酔剤を過剰投与する方法やエーテル・炭酸ガスを使う方法などがあるが(田嶋ほか1979;中村ほか1984 ;日本実験動物学 1991 ;内閣総理大臣官房管理室1996) ,その方法の選択にあたっては研究の目的に治ったうえで可能な限り動物に苦痛を与えない方法を用いるべきである.エーテルの吸入は最も頻繁に用いられてき た方法の一つであるが,人体や動物への有毒性や刺激性,爆発性,引火性の点から現在では推奨されていない.炭敵ガスの使用も,種によっては粘膜への刺激の 原因となる(Gannon et a1. 2007). 安楽死は,他の動物に恐怖を感じさせたり過度なストレスを与えたりしないように,他個体に気づかれない場所で行うべきである(Gannon et a1. 2007) .研究に使用する動物の安楽死法について不明な点がある場合には,家畜や実験動物の安楽死法について精通している獣医師や実験動物の専門家に相談するのが よい.なお,動物実験の倫理的側面に関する最新の総説には,鍵山(2008) がある」(日本哺乳類学会、種名・標本委員会 2009:307-308).
出典は、日本哺乳類学会、種名・標本委員会(2009)「晴乳類標本の取り扱いに関する
ガイドライン(2009年度改訂版)」『哺乳類科学』49(2):303-319. 、である。引用文中に使われた文献は別途記載した。
リンク
文献
逆
しまの世界(Roman d’Alexandre, Tournai ca. 1338-1344 (Bodleian Library, MS.
Bodl. 264, fol. 94v))
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