On Problem-Based Leaning, Maastricht University
忙しい忙しいと愚痴をいっても、我々の本務は、知に足がついた研究と教育です。とりわけ、指定国立大学への本学の取り組みと、H29年度に公募 があると言われている卓越大学院を通して、本COデザインセンターが、今後の大学教育改革の先陣を切れるかどうかは、日々の皆さんの教育の成果と斬新なア イディアに大きく依存します。
このたび、添付しましたのは、全学教育推進機構の紀要雑誌『大阪大学高等教育研究』に掲載されました、Problem-Based Leaning (マーストリヒト大学)の試みの紹介私と徐先生(新潟県立看護大学)の共著です。いずれ機関リポジトリーに掲載されますが、新学期に近づいている時節柄、 是非とも御参照にされ、アクティブラーニングが多いCOデザイン科目担当の皆様の何らかの刺激なればと思いました。ちなみに私は(保健教育の専門家であ る)徐先生が代表の薬物利用者に対する政策とその実態をめざす、科研「ハームリダクション時代の依存症ケア:日蘭の文化的差異をふまえた国際比較研究」の 共同研究者で、私が大学院共通教育でPBLをやっていることを知られ、すでに在外調査でPBL教育の受講経験のある先生に紹介の労をとってもらい調査した ものの成果です。(薬物利用者調査で)オランダ側の情報提供してくださった若い先生もPBLで育った世代でオープンユニヴァーシティという英国由来の放送 大学のようなオランダの組織で働いておられました。
さて、論文には具体的に明示していませんが、今回の論文を通して皆さんに主張したいことは以下の3つのポイントにあります。
(1)問題にもとづく学習(PBL)は、学習者の自発性を最大限に引きだす小グループ(SGL)による自律型の教育手法(SDL)の1つである。
(2)PBLは、具体的に問題がおこる現場から考える「シナリオ」という技法をもっとも重視する方法である。
(3)従来の大学教育である系統的受動学習が、予習復習時間を包摂した授業時間負荷を中心に考えるのに対して、PBLは課題への取り組みとシナ リオのステップ的展開時における自己のグループの学習の深度や理解による負荷により、理解をすすめる方法である。
ということができます――これを頭で理解するのは容易ですが、教育の現場に実装することはなかなか容易ではないことは、聡明な皆さんには、すぐ にお分かりになるでしょう。
日本の大学の教育課程でPBLを施行している大学では、この3つのファンダメンタルなポリシーを十分に消化、咀嚼して実践している例は少なく、 PBLについて考えれば考えるほど、教育文化や研究姿勢の大文化的伝統の違いがあるとまで思いたくなります。もちろん、私は、ないものねだりのルサンチマ ン(恨み辛み)でも、なんでもかんがえも輸入すればよいという楽観主義者でもありません。
PBLというものを、素材にして、私たちは、何を教え、そして、学習する彼/彼女から、授業を通してどのようなことを学び、そして、教えの場に フィードバックしていくのか、常に考えましょう。そのための素材を皆様に提供するものです。
この拙い共著が、皆様の日ごろの教育活動のお役に立てばと思います。
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