かならず 読んでください

ブラッカー『あずさ弓』読解

Catalpa Bow by Carmen Blacker

池田光穂

カーメン(カルメン)・ブラッカーさんの著作『あずさ弓』(秋山さと子訳)の読解 のページです。

Carmen Blacker - FBA[Fellow of the British Academy], OST[Order of the Sacred Treasure], OBE[Order of the British Empire] (13 July 1924 – 13 July 2009) was a British scholar of Japanese language. She was a lecturer in Japanese at Cambridge University.

1927 ケンジントンに生まれる。両親はCarlos Paton Blacker (1895-1975) and Helen Maud (born Pilkington)。

『ジャパン・タイムズ』にみられる彼女の訃報

"Carmen Blacker, a British scholar on Japanese culture, died Monday, her birthday, in a Cambridge nursing home, the University of Cambridge said Monday. She was 85. A lecturer on Japanese studies at the University of Cambridge between 1958 and 1991, Blacker spent her academic career studying Japanese religion and folklore. Her most notable publication was “The Catalpa Bow: A Study in Shamanistic Practices in Japan,” published in 1975. When Blacker was studying at Keio University in Tokyo, she researched the life and writings of Fukuzawa Yukichi, founder of Keio University and one of the outstanding scholars of the Meiji Restoration. Blacker received the Minakata Kumagusu Prize in 1997." - July 17, 1997. Japan Times.

◎万葉集3885:動物に思いを寄せよ(修練の課題)

愛子(いとこ) 汝兄(なせ)の君 居り居りて  物にい行くと 韓国(からくに)の 虎といふ神を 生け捕りに 八つ捕り持ち来  その皮を 畳に刺し 八重畳 平群(へぐり)の山に  四月(うつき)と 五月(さつき)の間(ほと)に 薬猟 仕ふる時に  あしひきの この片山に 二つ立つ 櫟(いちひ)が本に  梓弓 八つ手挟(たばさ)み ひめ鏑(かぶら) 八つ手挟み  獣(しし)待つと 吾(あ)が居る時に さ牡鹿の 来立ち嘆かく  たちまちに 吾(あれ)は死ぬべし おほきみに 吾(あれ)は仕へむ  吾(あ)が角(つぬ)は 御笠の栄(は)やし 吾が耳は 御墨の坩(つぼ)  吾が目らは 真澄の鏡 吾が爪は 御弓の弓弭(ゆはず)  吾が毛らは 御筆の栄(は)やし 吾が皮は 御箱の皮に  吾が肉(しし)は 御膾(みなます)栄やし 吾が肝も 御膾栄やし  吾が屎(みぎ)は 御塩の栄やし 老いはてぬ 我が身一つに  七重花咲く 八重花咲くと 申し賞(は)やさね 申し賞やさね

右の歌一首は、鹿の為に痛(おもひ)を述べてよめり。

●語彙集

阿闍梨
修 験道
密教
ゴミソ(161)
イニシエーション(加入儀礼)
霊媒
身体の障害(盲目)
生き神様
ホメロスの夢
笹沼さん=女性(163)
鬼子母神
禁欲
生駒氏(165)
広島龍雲(166)
硬直的トランス(167)
守護霊
加持祈祷師
松山さん(168)
不動明王
仏陀・菩薩・明王
山伏
大黒
役行者
蔵王権現
羽黒山
龍神(171)
弘法大師
稲荷
(タントラ)
シャーマン
精霊
動物霊
鳥人
三州奇談
天狗
預言と占い
仏教説話(181)
輪廻転生(191)
『日本霊異記』
『今昔物語』
錫杖(しゃくじょう)
御嶽山(→御嶽信仰);;
智光と行基(『日本霊異記』)182-
笙 (しょう)の岩屋 扶 桑略記
平田篤胤(193)
寅吉(194)
出口王仁三郎(196)
入峰(にゅうぶ)/峰入(みねいり)
奥駈(おくがけ)
西行(『今昔著聞集』)203
修験者のカソリック改宗(203-204)
曼荼羅(金剛界・胎蔵界)
『修験秘奥鈔』(しゅげんひおうしょう)206
聖護院(金峯山修験本宗)
女人禁制(209)
閼伽(供養水)213
胎児/胎児経験の模倣
溝口氏(239)
憑祈祷(よりぎとう)
閼伽
秋峰
荒行
彩藺笠(あやいがさ)
比丘尼
木剣
梵天(bonden, p.360と表記)
題目
大明神
代理
大先達
荼枳尼
導師
餓鬼
眼通(がんつう)clairvoyant vision
御幣
護法童子
護法実(ごほうざね)
護摩
ゴミソ(当て漢字なし)
御神体

行者、行人
埴輪
蛇の婿入り
火渡り
篳篥(ひちりき)

法印

ホトケ降ろし
一絃琴(いちげんきん)
市子(いちこ)
生き神
犬神
いらたか念珠(最多角念珠 伊良太加念珠、は当て漢字)
石子詰め
イタコ
岩倉
成仏
神楽
回峰行
神、カミ
神がかり、カミ懸かり
神隠し
神(カミ)降ろし
かり(羽黒修験の5人の先達のひとつ)
羽 黒権現
刀渡り(かたな・わたり)
気合

小木(護摩小木)
穀断ち
篭り
篭り人
腰取り
言霊
蟲(く)=中国の呪法
口寄せ
供養
教祖
前座
勾玉
枕詞、枕言葉
マレビト
祭、マツリ
巫女
ミミツ?
水垢離
木喰
無縁仏
中座
南蛮燻(なんばん・いぶし)
肉断ち
祝詞
ノリワラ(=憑依させる対象)
ノロ、ヌル
入峰
入場
オダマキ(苧環)--苧環型=三輪三山伝説のひとつ
お筆先
オガミン

オガミサン(拝みサン)
拝み屋さん
笈(おい)

お仲間
怨霊
オシラサマ
霊人
御 嶽教
六道巡り

竜宮入り(→「浦島太郎」)
柴灯護摩(当山派)、採燈護摩(本山派)

審神者・サニワ
施餓鬼
先達
沙門
新役?
新興宗教
笙(しょう)
正体
託宣祭り

谷 行能の演目
祟り
天狗
鳥居
とりもの(採物、取物、執物)

優婆塞
恨み
うつぼ
葛 城二十八宿
山伏
依祈祷
依り代
湯立て(→「湯立神楽」)
ユタ
罪障
石橋裕(いしばし・ひろこ 1929-2017)への献辞


















◎万葉集3885:動物に思いを寄せよ(修練の課題)

1.橋

2.聖なる存在

3.憑きもの

4.他界

5.苦行

6.古代の女予言者

7.生きている女神

8.盲目の霊媒

9.行者のイニシエーション

10.幻影的な旅

11.象徴的な旅

12.行者の霊力

13.里の託宣

14.山の託宣

15.加持・祈祷

16.結論


●章立て

◎さまざまな議論のテーマ

1.女性の霊能者が多い理由(→女性ジェンダーの社 会的地位、女性観、霊界観、霊能観、社会観、「女人禁制」思想)I.M.ルイスの説明

2.霊媒と行者という二元論

3.召命型と修行型



■ボロブドールの空間概念(205)との比較せよ

●行者

優婆塞、聖、沙門(158)

●旅のモチーフ・あるいは空間移動

【読解文献】※パスワードがかかっています!.

1.橋 【1】04月09日 1-2-Catalpa_Bow_C_Blacker1975JAP.pdf
2.聖なる存在

3.憑きもの 【2】04月16日 3-4-Catalpa_Bow_C_Blacker1975JAP.pdf
4.他界

5.苦行 【3】 04月23日 5-6 -Catalpa_Bow_C_Blacker1975JAP-3.pdf
6.古代の女予言者

7.生きている女神 【4】 05月07日 7-8-Catalpa_Bow_C_Blacker1975JAP-4.pdf
8.盲目の霊媒

9.行者のイニシエーション 【5】 05月14日 9-10-Catalpa_Bow_C_Blacker1975JAP-6.pdf
10.幻影的な旅

11.象徴的な旅 【6】 05月21日 11-12-Catalpa_Bow_C_Blacker1975JAP-7.pdf
12.行者の霊力

13.里の託宣 【7】 05月28日 13-14-Catalpa_Bow_C_Blacker1975JAP-8.pdf
14.山の託宣

15.加持・祈祷 【8】 06月04日
15-16-Catalpa_Bow_C_Blacker1975JAP-9.pdf
16.結論


1.橋(左端より、数字はパラグラフ番号、ページ番 号、コメント)

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p.1
葵上「シテは六条御息所の生霊であり、題にもなっている葵の上は一切登 場せず、生霊に祟られ寝込んでいることを一枚の小袖を舞台に寝かすこと(出し小袖)で表現している。/六条御息所は賀茂の祭の際、光源氏の正妻である葵の 上一行から受けた侮辱に耐え切れず、生霊(前ジテ)となって葵上を苦しめているのである。薬石効なく、ついに修験者である横川の小聖が呼ばれ祈祷が始まる と、生霊は怒り、鬼の姿(後ジテ)で現われるが、最後は般若の姿のまま、法力によって浄化される場面で終わる」葵上)。
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葵上 の象徴表現(小袖)
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 堀一郎によると、朝鮮、琉球、アイヌにシャーマニズム分 布。
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岡正雄の日本類型論
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折口信夫
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2.聖なる存在

3.憑きもの

4.他界

西郷信綱『古事記の世界』

5.苦行

6.古代の女予言者

7.生きている女神

8.盲目の霊媒

9.行者のイニシエーション

10.幻影的な旅

11.象徴的な旅

12.行者の霊力

13.里の託宣

14.山の託宣

15.加持・祈祷


木剣の実際(「東京ボーズコレクション日蓮宗」よ り)

16.結論

●ブラッカーさんからのメッセ0時

『あずさ弓』で有名な宗教学者カーメン・ブラッカー がまだ生きていた時、来日して、桜井徳太郎などいっしょにシンポジウム(たぶん、関西外国語大学のキャンパスでのもの)に参加した。その夜のパーティで、 彼女が、僕(=池田)にむかって真顔でたずねたこと: 「あなたは、三葉虫やアンモナイトという言葉を聞いたことがあるか?」「ええ、はい」「我々のなかには、三葉虫やアンモナイトの記憶が息づいているんです よ」。僕はこの老女はなんて奇矯なことを言っているのだと、かれこれ30数年間思ってきたが、不思議なことに、最近は、このことを僕は次の世代の若い学者 に伝えなきゃと、しばしば思うのであります。

Carmen Blacker FBA, OST, OBE (13 July 1924 – 13 July 2009) was a British scholar of Japanese language. She was a lecturer in Japanese at Cambridge University.

"Blacker was born in Kensington in 1924. Her parents were Carlos Paton Blacker and Helen Maud (born Pilkington). She was interested in Japanese, by the age of 12 [1936] she had a Japanese Grammar and in 1942 she attended the School of Oriental and African Studies (SOAS, University of London) where she was identified for top secret work. Blacker was recruited by the code breakers at Bletchley Park but she left because she saw no benefit in the work. She was paid two pounds a week because she was a young woman. She met the difficult Orientalist and sinologist Arthur Waley at Bletchley and he inspired her to learn Chinese in her spare time.[1] In 1944, she arranged lessons in Japanese for herself from Major General Pigott.[2]/ Blacker became a Fellow of the British Academy.[1]"

1947 Harvard University

1951- Keio University, Japan. She met Daisetsu SUZUKI (1894-1966) during she stayed in Japan.

"She was awarded the Minakata Kumagusu Prize in 1998.[3]/ She married her longtime partner, the Chinese scholar Michael Arthur Nathan Loewe, in 2002. She had met Loewe at Bletchley Park.[2] Blacker died in a Cambridge nursing home in 2009.[3]"- Carmen Blacker, 1924-2009.

Carmen Blacker in 1961, Source http://sainsbury-institute.org/support-us/e-magazine-issue-08/interview-with-patrons/

★GHQとアンモナイト

明治生命館の床にはアンモナイトの化石がある。「太平洋戦争後は、連合国軍最高司 令官総司令部(GHQ)に接収。アメリカ極東空軍司令部として使用され、対日理事会の第1回会議は明治生命館2階の会議室で行われた。1956年(昭和 31年)、アメリカ軍から返還」

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