ヘルシズム
Healthism
★ヘルシズム(healthism)とは、人びとが健康状態を達成しようとすることが強制されるこ とを通してではなく、む しろ積極的に自らすすんで心がけ、それを実践するという社会現象あるいはイデオロギー的実践である。ヘルシズムは、ヘルシシズム(healthsism) と呼ばれたり、健康中心主義(KENKO-CHUSHIN-SHUGI, health-centrism)とも言われる。
☆
公衆衛生キャンペーンは、「ヘルシズム」の一形態として批判されてきた。これは、健康そのものに主眼を置くというよりは、道徳主義的な性質を持つものであ
る。医師のペトル・シュクラバネクとジェームズ・マコーミックは、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、このテーマに関する一連の論文を執筆
し、英国の「Health of The
Nation」キャンペーンを批判した。これらの論文は、生活習慣介入やスクリーニングプログラムを支持するために、公衆衛生当局や組織が疫学や統計を悪
用している実態を暴いた。[28]: 85 [29]: 7
健康を害することへの恐怖や、個人の責任を強く意識させることは、感情的・社会的要因を考慮せずに個人を客体化してしまうとして、一部の学者から「ヘル
ス・ファシズム」と揶揄されてきた。[30]: 8 [29]: 7 [31]: 81
★ヘルシズムは、イデオロギーというよりも不文律のドグマ(dogma, 教理)と言ってもよい面があるので、一般の人には健康中心主義よりも「健康教」と解説したほうが通りが良い場合もある(アガンベン 2021:12)。
☆ワクチンによる副作用や副反応を忌避する行動である、ワクチン忌避や反ワクチン運動は、ワクチンによる弊害から回避し、正常な身体を維持するための行動であるから、ある意味で、反-反-ヘルシズムと判断することも可能である。
| Public health campaigns have been criticized as a form of "healthism",
which is moralistic in nature rather than primarily focused on health.
Medical doctors Petr Shkrabanek and James McCormick wrote a series of
publications on this topic in the late 1980s and early 1990s
criticizing the UK's Health of The Nation campaign. These publications
exposed abuse of epidemiology and statistics by public health
authorities and organizations to support lifestyle interventions and
screening programs.[28]: 85 [29]: 7 Inculcating a fear of ill-health
and a strong notion of individual responsibility has been derided as
"health fascism" by some scholars as it objectifies the individual
without considering emotional or social
factors.[30]: 8 [29]: 7 [31]: 81 |
公
衆衛生キャンペーンは、「ヘルシズム」の一形態として批判されてきた。これは、健康そのものに主眼を置くというよりは、道徳主義的な性質を持つものであ
る。医師のペトル・シュクラバネクとジェームズ・マコーミックは、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、このテーマに関する一連の論文を執筆
し、英国の「Health of The
Nation」キャンペーンを批判した。これらの論文は、生活習慣介入やスクリーニングプログラムを支持するために、公衆衛生当局や組織が疫学や統計を悪
用している実態を暴いた。[28]: 85 [29]: 7
健康を害することへの恐怖や、個人の責任を強く意識させることは、感情的・社会的要因を考慮せずに個人を客体化してしまうとして、一部の学者から「ヘル
ス・ファシズム」と揶揄されてきた。[30]: 8 [29]: 7 [31]: 81 |
| 28.
Fitzpatrick, Michael (2002-01-04). The Tyranny of Health: Doctors and
the Regulation of Lifestyle. Routledge. ISBN 978-1-134-56346-3. 29. Fiona, Sim; Martin, McKee (2011-09-01). Issues In Public Health. McGraw-Hill Education (UK). ISBN 978-0-335-24422-5. 30. Fitzpatrick, Katie; Tinning, Richard (2014-02-05). Health Education: Critical perspectives. Routledge. ISBN 978-1-135-07214-8. 31. Zembylas, Michalinos (2021-05-06). Affect and the Rise of Right-Wing Populism: Pedagogies for the Renewal of Democratic Education. Cambridge University Press. ISBN 978-1-108-83840-5. |
28. フィッツパトリック、マイケル(2002年1月4日)。『健康の専制:医師とライフスタイルの規制』。ラウトリッジ。ISBN 978-1-134-56346-3。 29. フィオナ・シム、マーティン・マッキー(2011年9月1日)。『公衆衛生の諸問題』。マグロウヒル・エデュケーション(英国)。ISBN 978-0-335-24422-5。 30. フィッツパトリック、ケイティ;ティニング、リチャード(2014年2月5日)。『健康教育:批判的視点』。ラウトリッジ。ISBN 978-1-135-07214-8. 31. ゼンビラス、ミハリノス(2021年5月6日)。『感情と右派ポピュリズムの台頭:民主的教育の刷新に向けた教育学』。ケンブリッジ大学出版局。ISBN 978-1-108-83840-5。 |
| https://en.wikipedia.org/wiki/Medicalization#Healthism |
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ヘルシズム(healthism)とは、人びとが健康状態を達成しようとすることが強制されるこ とを通してではなく、む しろ積極的に自らすすんで心がけ、それを実践するという社会現象あるいはイデオロギー的実践である。ヘルシズムは、ヘルシシズム(healthsism) と呼ばれたり、健康中心主義(KENKO-CHUSHIN-SHUGI, health-centrism)とも言われる。
"Healthism, sometimes called public-healthism, is a neologism to describe a variety of ideological constructs concerning health and medicine. The term ‘healthism’ was most likely first used by the political economist Robert Crawford, whose article ‘Healthism and the medicalization of everyday life’[1] was published in 1980. " (Source: Wikipedia, Healthism)
ヘルシズム(公衆衛生主義とも呼ばれる)とは、健康や医療に関する様々なイデオロギー的枠組みを
表す新造語である。「ヘルシズム」という用語は、政治経済学者のロバート・クロフォードによって初めて用いられたと考えられており、彼の論文『ヘルシズム
と日常生活の医療化』[1]は1980年に発表された。
健康法および自然食品運動の隆盛に関連して論じられる議論にヘルシズムがある。
デュボス『健康という幻想』(1977[1959])によると、アメリカ合衆国では1950年代 にはすでに日常生活のなかにヘルシズムが浸透していることがうかがえる。ヘルシズムは、先進工業国においておおむね見られる現象であり、健康とその帰結と して長寿が、人びとの日常生活において高い価値が与えられることに特徴があると同時に、医療および健康維持に関連する専門職支配と密接な関係をもっている ことが指摘されている(Zola,I.K.,1977,Healthism and Disabling Medecalization, in "Disabling Professions"(I.Illich ed.,)Marion Boyars)。
黒田(黒田浩一郎,1992,情報の観点からみた現代医療,思想,817:95ー107)は今日 の社会におけるヘルシズムが増大してきた要因として次の3つを挙げている。すなわち、
(1)第2次世界大戦以降における生活水準の向上や政治的安定の結果、日々の衣食住の不安が 相対的に軽減されたこと。
(2)乳幼児死亡や若年の感染症による死亡が減少し、老齢以前の死亡が“無意味な死”として 見なされるようになってきたこと。および
(3)肉体的および精神的な健全さと若々しさを強調する価値観の浸透である。
この指摘は、健康法や自然食品の需要の増大に関してもある程度符合する。
ヘルシズムというものが一部の市民の過剰な思いこみだと判断される方は、近所の書店の医療や健康のテーマを扱う書棚をご覧になることをおすすめ します。最初やれやれと思って冷静に眺めているけれど、やがてご自身やその家族の病気や健康問題に関するテーマにふと手を伸ばしているご自身に気づくはず ですよ(2010年4月豊中市内で撮影)。
ヘルシズムを めぐる対話も御参照ください。
リ ンク
文 献
そ の他の情報
CC
Copyleft,
CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099