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行動経済
学をつくる!クロノロジー
A Chronology of Making of
Behavioral Economics
Mitzub'ixi Quq Chi'j
エピグラム:「政治経済の基礎、そして社会科学全般の基礎は、まぎれもなく心理学にある。社
会科学の法則を心理学の原理から演繹できるようになる日が、いつかきっと来るだろう」——ヴィルフレド・パレート[Vilfredo Federico
Damaso Pareto, 1848-1923](1906)
ダ
ニエル・カーネマン(Daniel
Kahneman, 1934-)
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エ
イモス・トベルスキー(Amos
Tversky, 1937-1996)
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リ
チャード・H・セイラー
(Richard H. Thaler, 1945- )
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1934 現イスラエルのテル・アヴィヴ
で生まれ、幼年時代をパリで過ごす
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1937 ハイファで生まれる
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1948 イスラエル独立直前のイギリス
委任統治領パレスチナに移住する
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1945 ニュージャージー州イーストオ
レンジで生まれる
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1954 エルサレムのヘブライ大学で心
理学を主、数学を従として学び卒業する(B.A.)。その後、イスラエル国防軍の心理学部門
1958 カリフォルニア大学バークレー校で博士号を得る勉強のために、アメリカに移る
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1961 カリフォルニア大学バークレー
校で博士号(心理学)を取得
1961- ヘブライ大学の講師
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1961 ヘブライ大学(エルサレム)に
おいてB.A.を取得
1965 ミシガン大学においてPh.D.
1966- ヘブライ大学講師(-1969)
1969 ヘブライ大学教授
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1967 ケース・ウェスタン・リザーブ
大学卒業
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1972-1973 スタンフォード大学
行動科学先端研究センター(Center
for Advanced Study in the Behavioral Sciences)で研究
-1977 ヘブライ大学の講師を務める。
1978- ブリティッシュコロンビア大学の心理学教授
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1971 スタンフォード大学教授
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1970-1978《イー
コン[正統派]の経済学に疑問を抱く》
1970 ロチェスター大学で修士号
1974 ロチェスター大学で博士号
1974 ロチェスター大学助教授
1975-1988《セルフコントロール問題に取り組む》
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1986- カリフォルニア大学バーク
レー校の教授
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1985 ヨーテボリ大学(スウェーデ
ン)においてPh.D
1987 ニューヨーク州立大学においてPh.Dを取得
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1979-1985《メン
タル・アカウンティングで行動を読み解く》
1980 コーネル大学准教授
1983-2003《効率的市場仮説に抗う》
1984-1985《カーネマンの研究室に入り浸る》
1986 コーネル大学ジョンソン経営大学院教授
1986-1994《経済学者と闘う》
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1993- プリンストン大学の教授
(Eugene Higgins Professor of
Psychology)、およびウッドロー・ウィルソン・スクールの心理学・公的行動の教授(Professor of Psychology and
Public Affairs)
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1996 スタンフォードで死去する
(59歳)
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1986-1994《経済
学者と闘う》
1995 シカゴ大学教授
1995-現在《シカゴ大学に赴任する》
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2002 ノーベル経済学賞受賞
2007 プリンストン大学名誉教授、およびウッドロー・ウィルソン・スクール名誉教授
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2004-現在《意思決定
をナッジする》
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2016 行動経済学の逆襲 / リチャード・セイラー著 ; 遠藤真美訳, 東京 :
早川書房 , 2016
2017 ノーベル経済学賞
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リチャード・セイラー『不品行にふるまう:行動経済学をつくる!』の目次
第1部 イーコン(econ, Homo
economics)の経済学に疑問を抱く 1970〜78年
- 1.経済学にとって「無関係」なこと
- 2.観戦チケットと保有効果
- 3.黒板の「おかしな行動リスト」
- 4.カーネマンの「価値理論」という衝撃
- 5.「神」を追いかけて西海岸へ
- 6.大御所たちから受けた「棒打ち刑」
第2部 メ
ンタル・アカウンティングで行動を読み解く 1979〜85年
- 7.お得感とぼったくり感
- 8.サンクコストは無視できない
- 9.お金にラベルはつけられない?
- 10.勝っているときの心理、負けているときの心理
第3部 セ
ルフコントロール問題に取り組む 1975〜88年
- 11.いま消費するか、後で消費するか
- 12.自分の中にいる「計画者」と「実行者」
(幕間)
第4部 カーネマンの研究室に入り浸る 1984〜 85年
- 14.何を「公正」と感じるか
- 15.不公正な人は罰したい
- 16.マグカップの「インスタント保有効果」
第5部 経済学者と闘う 1986〜94年
- 17.論争の幕開け
- 18.アノマリーを連載する
- 19.最強チームの結成
- 20.「狭いフレーミング」は損になる
第6部 効率的市場仮説に抗う 1983〜2003 年
- 21.市場に勝つことはできない?
- 22.株式市場は過剰反応をおこす
- 23.勝ち組のほうが負け組よりもリスクが高い
- 24.価格は正しくない
- 25.一物一価の嘘
- 26.市場はたし算と引き算ができない
第7部 シカゴ大学に赴任する 1995年〜現在
- 27.「法と経済学」に挑む
- 28.研究室を「公正」に割り振る
- 29.ドラフト指名の不合理
- 30.ゲーム番組出場者の「おかしな行動」
第8部 意思決定をナッジする 2004年〜現在
- 31.貯蓄を促す仕掛け
- 32.予測可能なエラーを減らす
- 33.行動科学とイギリスの気鋭の政治家たち
XX.今後の経済学に期待すること
【設問】
1.ダニエル・カーネマン、エイモス・トベルスキー、リチャード・H・セイラーの3人の人たちについて調べてみよう。
2.この本の全編を読んで、なぜイーコン(econ, Homo
economics)が、経済学という学問の世界を席巻するようになったのかについて自分なりに説明してみよう。
++++
イーコン(econ, Homo
economics)の世界(項目は、井堀利宏『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』角川文庫、2018年、より)
- 01 経済学とはなにか?
- 02 ミクロ経済学とマクロ経済学
- 03 希少性と価格
- 04 機会費用
- 05 価格と需要と供給の関係
- 06 需要曲線
- 07 供給曲線
- 08 需要の・供給の弾力性
- 09 家計の消費
- 10 所得効果
- 11 価格変化と代替効果
- 12 企業の目的
- 13 生産関数
- 14 費用曲線
- 15 利潤の最大化
- 16 完全競争
- 17 価格調整
- 18 競り人(せりびと、オークショナー;auctioneer)
- 19 市場取引の利益
- 20 資源配分の効率性と厚生経済学の基本定理
- 21 要素価格の決定
- 22 レント
- 23 家計間での配分
- 24 再分配政策
- 25 独占企業の行動
- 26 独占企業の利潤が最大となるのは
- 27 独占度
- 28 異なる市場での価格差別
- 29 寡占と複占(monopoly and duopoly)
- 30 ゲーム理論
- 31 囚人のジレンマ(ディレンマ)
- 32 カルテル
- 33 繰り返しゲームとフォークの定理(→「ト
リガー戦略」)
- 34 市場の失敗
- 35 外部経済の内部化
- 36 コースの定理
- 37 公共財とはなにか
- 38 情報と経済分析
- 39 モラル・ハザード
- 40 逆選択
- 41 マクロ経済活動の捉え方
- 42 GDP(国内総生産)とは?
- 43 GDPに含まれないものはなにか?
- 44 三面等価の原則.
- 45 物価指数
- 46 需要とケインズ経済学
- 47 ケインズ経済学:国民所得の決定のメカニズム
- 48 財市場と貨幣市場の均衡
- 49 家計の消費行動
- 50 企業の投資行動
- 51 政府の存在
- 52 政府の役割
- 53 乗数効果
- 54 自動安定化装置
- 55 財政政策のIS-LM分析.
- 56 財政赤字
- 57 公債発行
- 58 公債を返すのは誰か
- 59 貨幣の役割
- 60 金融
- 61 ハイパワード・マネーと信用創造(→「現金通貨と日銀当座預金[=金融機関が日本銀行に預けている準備預金]の合計をハイパワー
ド・マネーという」)
- 62 中央銀行の役割
- 63 信用不安と金融秩序
- 64 金融政策の考え方
- 65 雇用と労働市場の均衡
- 66 一般物価水準と雇用
- 67 わが国の労働市場
- 68 長時間労働
- 69 インフレ
- 70 インフレ期待
- 71 よいインフレと悪いインフレ
- 72 バブル経済とその崩壊
- 73 高度成長と成長の鈍化
- 74 成長モデルと成長の収束
- 75 政府の大きさと経済成長率
- 76 貿易の利益
- 77 比較優位の原則
- 78 国際収支と為替レート
- 79 円高・円安の功罪
- 80 経済統合と通貨統合
- 81 マクロ経済政策の流れ
- 82 政治と経済の関係
- 83 政治的景気循環論
- 84 政府の信頼性
リンク
文献
- 行動経済学の逆襲 / リチャード・セイラー著 ; 遠藤真美訳, 東京 : 早川書房 , 2016
- Misbehaving : the making of behavioral economics / Richard H.
Thaler, New York : W.W. Norton , c2015
- ファスト&スロー : あなたの意思はどのように決まるか? / ダニエル・カーネマン著 ; 村井章子訳,東京 :
早川書房 , 2012
- ダニエル・カーネマン心理と経済を語る / ダニエル・カーネマン著 ; 山内あゆ子訳,東京 : 楽工社 , 2011
- 実践行動経済学 : 健康、富、幸福への聡明な選択 / リチャード・セイラー, キャス・サンスティーン著 ; 遠藤真美訳,
日経BP社. - 東京 : 日経BP出版センター (発売) , 2009
- Nudge : improving decisions about health, wealth, and happiness
/ Richard H. Thaler, Cass R. Sunstein, New Haven : Yale University
Press , c2008
- セイラー教授の行動経済学入門 / リチャード・セイラー著 ; 篠原勝訳, 東京 : ダイヤモンド社 , 2007
- 市場と感情の経済学 : 「勝者の呪い」はなぜ起こるのか / リチャード・H・セイラー著 ; 篠原勝訳, 東京 :
ダイヤモンド社 , 1998
- The winner's curse : paradoxes and anomalies of economic life /
Richard H. Thaler, Princeton, N.J. : Princeton University Press , 1994
- Advances
in behavioral finance / Richard H. Thaler, editor, New York : Russell
Sage Foundation , 1993
- Quasi
rational economics / Richard H. Thaler, N.Y. : Russell Sage Foundation
, c1991
Mitzub'ixi Quq Chi'j
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099
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