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Ike-Cyclopedia #02

CO*-DESIGN BOOK #02

池田光穂

このページはCO*-DESIGN 用語集01の続編である。詳しい断り書きは、CO*-DESIGN 用語集01に記してあります。These contents are written in Japanese. Your comments and critiques will be welcomed via e-mail to MiTzubixi, rosaldo[at]cscd.osaka-u.ac.jp

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02-000● このページの作者(垂水源之介)について

私(垂水源之介)の属する大学では教育目標として教 養・デザイン力・国際性の3つを揚げています。私の属するセンターでは、私は大学と一般市民のあいだに壁と不信感があるという現状を打破し、それを改善す ること、利害や立場の異なる人々との 間をつなぐコミュニケーションの方法を考え、設計するということを理念としています(→「私の教育について」)。

私の大学への教育方針は、学生・院生への教育・指導(メンタリング)の一言につきます。

私が考える教育・指導(メンタリング)とは、(順不 同ですが)1)元気付ける、2)指導する、3)時間管理する、4)計画を考える、5)ともに遊ぶ、6)診断する、7)助言する、8)始動する、9)エネ チャージする、10)情報の在り処を示唆する、そして、11)分析・評価するからなっています。

02-001■  国際バカロレア

国際バカロレアとは、国際バカロレア機構(本部ジュ ネーブ)が提供する国際的な教育プログラムです。国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育 成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルー トを確保することを目的として設置されました。現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与 等を実施しています。——以上の文章は文科省の「国際バカロレアとは」 から、丁寧に表現したものです。

国際バカロレアについて(文科省)

02-002■  レディネス(Readiness theories of learning)

"Readiness theories of learning lean heavily on the concept of maturation in stages of biological and mental development. It is assumed that a child passes through all stages of development in reaching maturity." - Encyclopedia Britannica

02-003■  ロングテール(the long tail)

"ロングテール(the long tail)とは、インターネットを用いた物品販売の手法、または概念の1つであり、販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃えること、または対 象となる顧客の総数を増やすことで、総体としての売上げを大きくする。……Wired誌の編集者にクリス・アンダーソン(Chris Anderson)による用語" - Wiki, ロングテール

https://www.forbes.com/sites/robinlewis/2016/05/31/the-long-tail-theory-can-be-reality-for-traditional-megabrands/#6db254986372

02-004■  キュレーション、キュレーター

キュレーションとは、もともとは博物館で、展示・収 蔵品を管理し、それらに関する該博な知識をもつ専門家のことを言った。しかし、現在のインターネットのビジネスや働き方イノベーションに関する人は、キュ レーション(curation)を異なる意味で使う。すなわち、キュレーションとは、現在のトレンドを正確に情報収集し分析し、ユーザーにとって必要な情 報を提示・推奨してくれるようなサービスプロバイダー(=キュレイター:curator)の業務をそう呼びます。(→「マクロウィキノミクス・研究・ノート」)

02-005■  デュアルユース問題

「科学コミュニティーは、自分たちの研究がもたらす だろう思いがけない結果に対し、もっと力を入れて取り組む必要がある。化学生物兵器管理 研究所(Chemical and Biological Arms Control Institute)の前ディレクター、マイケル・ムーディーは次のように述べている。「ライフサイエンスの分野で研究している人々の態度は、核コミュニ ティーの人々とはまったく対照的です。核時代が始まったそのときから、物理学者たちは、アインシュタインも含めて原子力の危険性を理解し、その危険性に対 処するためには自分たちが積極的に参与する必要があることも十分認識していました。ところがライフサイエンス分野はこの点に関して遅れています。自分の研 究が危険を招く可能性をもつことに目をつぶっている人が多いのです」。だが、私の経験から言えば、近年の幹細胞研究や人工知能に関する論争に直面して、ラ イフサイエンス分野の科学者のあいだでも、公共的な活動に参加する必要があるという感覚が強くなり、かつ根付きはじめてもいるようだ。同様に、デュアル ユース問題についても、一流の科学者たちにも公共活動の必要性に目覚め、参加し、考えてもらう必要がある」(モレノ 2008:318-319)。→サイト内の出典:「ジョナサン・モレノ『操作される脳』ファ ンサイト

02-006■  ブロックチェーン(Blockchain)(→「ブロックチェーン」)

ブロックチェーンとは「公開された台帳で取引などの記録を行なう仕組みである」(野口悠紀雄 2017:40)

「ブロックチェーン(英語: Blockchain)とは、分散型台帳技術、または、分散型ネットワークである。ブロックチェインとも。ビットコインの中核技術(ナカモト・サトシSatoshi Nakamotoが 開発)を原型とするデータベースである。ブロックと呼ばれる順序付けられたレコードの連続的に増加するリストを持つ。各ブロックには、タイムスタンプと前 のブロックへのリンクが含まれている。理論上、一度記録すると、ブロック内のデータを遡及的に変更することはできない。ブロックチェーンデータベースは、 Peer to Peerネットワークと分散型タイムスタンプサーバーの使用により、自律的に管理される」- Wiki,ブロックチェーン。

野口によるとブロックチェーンの特徴は次の4つであ る:「(1)記録が公開されること、(2)分散的な仕組みで運用され、管理者が存在しないこと、(3)そのため、運用コストが低く、システムがダウンしな いこと、(4)事業主体である組織を信頼する必要がないこと」(野口 2017:40)

02-007■  複線径路・等至性モデル(Trajectory Equifinality Model, TEM)

サトウ・安田・木戸・田・ヴァルシナー (2006)が提唱した、限られた事例から一般化したモデルをつくるときに、非可逆時間の経緯のなかで、分岐点(=その時点での経路が変わるポイント)と 等至点(とうしてん:=異なった経路だが結果的に同じオプションに帰着する事後的な合致点)の組み合わせで、(実際におこったものと/起こりえたかもしれ ない)現象を同等に取り扱う方法である。

文献:荒川歩・安田裕子・サトウタツヤ「複線径路・ 等至性モデルのTEM図の描き方の一例」立命館人間科学研究、25:95-107, 2012

Valsiner,J. & Sato,T.(2006) Historically Structured Sampling(HSS):How can psychology’s methodology become tuned in to the reality of the historical nature of cultural psychology?. J. Straub, C. Kölbl, D. Weidemann, & B. Zielke,( Eds.) Pursuit of meaning: Advances  in cultural and cross—cultural psychology. Bielefeld: Transcript Verlag.

02-008■  サイバーレイシズム

サイバーレイシズム、あるいは電脳人種主義とは、サ イバー空間のなかで繰り広げられる人種主義あるいは人種主義思想(=ある民族集団が先天的に劣っ ており、別の集団が先天的に優等であるように運命づけられている、と語るドグマ)のことをいう。

サイバーレイシズム(Cyber-racism)

02-009■  インダストリー4.0

インダストリー4.0(Industrie 4.0, Industry 4.0)は、2011年にドイツ工学アカデミーとドイツ連邦教育科学省、さらにはボッシュ社が関わり、発表したドイツ政府が推進する製造業の高度化を目指 すコンセプト、国家的戦略的プ ロジェクトである。IoTの普及についてトップダウンで国 家プロジェクトとした官民一体となった『第四次産業革命』の提唱として考えることができる。- Industry 4.0


02-010■ 訪問術、表現術、対話術、協働術、+横断術と総合術(→CSCD科目

「COデザインセンターの教育理念とカリキュラム」 より ※文章は変えています。

◎ CO* Design=〈つながり〉を生み出す術(アーツ):さまざまな要因が 絡み合い、人と人の絆が分断された、孤立した状況において、単独の専門家では解けない課題を認識し、それについて複数のプレーヤーが協働し、社会的インパ クトを生み出す

[基礎]コミュニケーションデザイン科目:人と人の〈つながり〉を学び、分野と 領域を超えた複数のプレーヤーでの社会的課題の発見と解決をめざし、実践するための基礎的な力(汎用力)を習得する

[発展]COデザイン科目:専門のあいだ、社会領域のあいだの〈つながり〉つま り横断(術)総合(術)を通して、複雑な社会課題の解決に向けて協働し実践する力を習得す る。

この続きは「CO*Design (「こ・でざいん」)教育」において!

02-011■ モラルハザード(Moral hazard

モラルハザードとは、依頼人(principal) と代理人(agent)の「情報の非対称性(information asymmetry)」—— 市場における取引する主体が保有する情報に差があるような構造のこと——が原因となって、依頼人がエージェントの行動を容易には観察できない時に、代理人 が依頼人の利益を追求することから発生する契約後のオポチュニズム(機会主義といってしばしば発生することを容認してしまう不正義)のひとつをいう。

"Moral hazard also arises in a principal-agent problem, where one party, called an agent, acts on behalf of another party, called the principal. The agent usually has more information about his or her actions or intentions than the principal does, because the principal usually cannot completely monitor the agent. The agent may have an incentive to act inappropriately (from the viewpoint of the principal) if the interests of the agent and the principal are not aligned." - Moral hazard

この場合の、プリンシパルとは、自らの利益や便益の ための労務を、べつの行為主体であるエージェント(代理人)委任するとき、プリンシパル=エージェント関係があるという。経済学では、株主がプリンシパル で、エージェントが経営者である。他方、労働現場では、今度は経営者が自らの利益のためにプリンシパルとなり、労働者に労務を委任するわけなので、今度は 労働者がエージェントになる。

では、この上記の例では、どのような時に、モラルハ ザードが起こるであろうか? それは、株主と経営者の場合、経営者が株主に定期的に(例:株主総会)経営の状態を報告しないと、あるいは株主の照会にたい して透明性を確保しない場合(例:粉飾決済や虚偽の運用報告)は、代理人である経営者の側にモラルハザードがおこる。また、経営者と労働者の場合、経営者 が労働環境とその活動に必要なリソースを提供しても、労働者が怠業(=サボること)したり、虚偽の労務実績を報告すれば、それはモラルハザードとなる。と もに、株主は経営者の運営を十全に知ることができず、経営者は労働者の勤務状況について完全に知ることができず、それぞれ、経営者や労働者から報告を受け ないかぎり、情報を把握できないという点で「情報の非対称(information asymmetry)」がおこっているからである。

より一般的には、モラルハザードとは、保険加入者 が、保険契約後に保障があるという安心感——リスクを肩代わりしてくれるという誤った認識(=保険会社が掲げる保険による互助システムとは異なる(=非対 称)の認識をもつ)をもつこと——で、リスクを避けようとする意識が低下し、結果的に保険会社の支払い費用が増える行為などをさす。

"In economics, moral hazard occurs when someone increases their exposure to risk when insured. This can happen, for example, when a person takes more risks because someone else bears the cost of those risks. A moral hazard may occur where the actions of one party may change to the detriment of another after a financial transaction has taken place." - Moral hazard

モラルハザードをコントロールする方法には、1)モ ニタリングとよばれる監視を通して情報の非対称を軽減する方法であり、他方は、2)インセンティブ契約の利用である。後者は、例えば、自動車保険料の広告 などで、前年の走行距離の保険金の従量制や、無事故・無利用の期間の長さ——保険利用にはコストが生じるという認識=インセンティブを加入者に植え付ける ——によって負担保険料を下げる(=無事故・無違反のインセンティブを付与する)ような措置である。

02-012■ ユニヴァーサル・ヘルス・カヴァレージ(Universal Health Coverage, UHC)

ユニヴァーサル・ヘルス・カヴァレージ (Universal Health Coverage, UHC)とは、国民皆保険のことである。より一般的な意味では、すべての人が適切な予防、治療、リハビリなどの保健医療サービスの支払いを保険制度が用意 するシステムである。保険制度であるので、支払いは分担金の自己負担を前提にしている。したがって、社会主義制度下における医療費の無料化とは似て非なる ものである。日本では、1961年に各種の社会保険のほかに、国民健康保険を導入し、日本国内に居住して、保険のための分担金を支払い、加入することがで きれば、(高額医療費を除く)およそ3割の自己負担で、医療費を受け取ることができる。この制度は、非常によくできたシステムであり、世界各国は日本のこ の制度をモデルにして、導入を試みてきたり、また独自の制度の導入を常に模索している。また、国連の 持続的開発ゴール(Sustainable Development Goal)の3番目の課題「よき健康と福祉」に、UHCを導入と、用語の普及を目論んでいる。

出典:http://www.who.int/universal_health_coverage/en/

02-013■ 「持続可能な開発のための教育」(Education for Sustainable Development, ESD)

Sustainability education (SE), Education for Sustainability (EfS), and Education for Sustainable Development (ESD) are interchangeable terms describing the practice of teaching for sustainability. ESD is the term most used internationally and by the United Nations.[1] Agenda 21 was the first international document that identified education as an essential tool for achieving sustainable development and highlighted areas of action for education.

For UNESCO, education for sustainable development involves:"integrating key sustainable development issues into teaching and learning. This may include, for example, instruction about climate change, disaster risk reduction, biodiversity, and poverty reduction and sustainable consumption. It also requires participatory teaching and learning methods that motivate and empower learners to change their behaviours and take action for sustainable development. ESD consequently promotes competencies like critical thinking, imagining future scenarios and making decisions in a collaborative way.[2][3]"

02-014■ オープン・リサーチ(Open research)

オープン・リサーチ(Open research)とは、「無料でかつオープン・ソースのソフトウェア」(Free and open-source software, FOSS)をつかおうという精神のもとでおこなわれる研究のことである("Open research is research conducted in the spirit of free and open-source software."- Open research.)。FOSSとは、無料のソフトウェア(Free software)とオープン・ソース・ソフトウェア(Open-source software)を、ともに兼ね添えたソフトウェアのことである。

他方で、電子ジャーナル大手のネイチャーは「オープン・リサーチ」と題されたサイトに、次のように表記している:「オープンアクセスモデルオープンリサーチポリシーは、ネイチャー・リサーチのビジネス展開の中心と なっています。ネイチャー・リサーチとPalgrave Macmillanは、著者や助成機関に対して、オープンアクセスで出版する選択肢をすべての出版形式(雑誌、書籍[Open Access Publishing])において提供しています。/本ポータルサイト(https://www.natureasia.com/ja-jp/openresearch)ではネイチャー・リサーチとPalgrave Macmillanによるオープンリサーチの基本情報を提供しています。」英語サイト:http://www.nature.com/openresearch/

他方、文科省の「オープン・リサーチ・センター構想」とは下記のようなものである。

「私立大学の大学院研究科,研究所(大学院研究科と 研究所の複合組織も可。)の中から,多様な人材を受け入れ,研究と併せて若手研究者や高度専門職業人などの人材養成を行ったり,研究成果を広く公開するな ど,オープンな体制の下に,研究を推進する優れた研究組織を「オープン・リサーチ・センター」に選定し,総合的かつ重点的な支援を行うことにより,私立大 学における研究基盤を強化し,我が国学術研究の発展に資する」もの。1)研究者養成型、2)高度専門職業人養成型、3)研究成果等公開型の、3つのタイプ がある。文科省「オー プン・リサーチ・センター整備事業の概要について」より

02-015■ 論点先取(Begging the question, Petitio Principi)

論点先取とは議論のやり方において、証明すべき命題 が、問題を論じる前提のひとつとして使われている(先に「問題を乞う=必要とする」という意味での"Begging the question") という誤った論法のこと。誤った論法を、誤謬(ごびゅう)ないしは誤謬論法ともいう。論点先取の典型例は、循環論法である。例えば、次のような三段論法を 考えてみよ。1)太郎は嘘を言うような奴ではない。2)太郎は何かを話している。3)だから、太郎の話は本当である。これは、3)太郎の話は本当であると 結論づけられる、前提に1)太郎は嘘を言うような奴ではない、が含まれているので、太郎は嘘をついているか/いないか(本当のことであるか/ないか)とい う議論が、このなかでは永遠に問題にされない。なぜならば、1)と3)は同じ意味内容を繰り返したにすぎない。だから、これを循環論法であり、1)は3) にとっての論点先取の前提であると指摘することができる。

参照:「論点先取」(ウィキペディア)

02-016■  ダンパー数

人間社会において安定した人間関係を維持できる認知 的に可能な数は150人である。これをダンバー数という。ロビン・ダンバーが提唱したので、このように言う——友達の数は何人? : ダンバー数とつながりの進化心理学 / ロビン・ダンバー著 ; 藤井留美訳,インターシフト,2011年。

02-017■  CFP, Contingency Funding Plan, つまり「研究申請書」

学振の科研費(日本学術振興会の科学研究費補助金) などの研究費公募の際に記載しなければならない「研 究申請書」をCFPと略称します。なぜCFPなのでしょうか?なぜコンティンジェンシー=臨時の「資金調達計画(Funding Plan)なのか?——それは通常の大学校費の研究費とはことなり当選すれば「臨時」の歳入になるからだというのが、その理由のようです(→関連課題「研究資金申請書における捏造」)。

02-018■  破壊的イノベーション(disruptive innovation)

崩壊的イノベーションとも言える。 Disruptive は崩壊や分裂の意味のこと。つまり日本語の物理的破壊(destructive)という意味でも破壊的ではない。 "Disruptive innovation is a term in the field of business administration which refers to an innovation that creates a new market and value network and eventually disrupts an existing market and value network, displacing established market leading firms, products, and alliances. The term was defined and first analyzed by the American scholar Clayton M. Christensen and his collaborators beginning in 1995, and has been called the most influential business idea of the early 21st century" - Disruptive innovation.

経営学者の玉田俊平太は、日本初の破壊的イノベー ションの例として、ソニーのトランジスターラジオ、任天堂のファミコン、キャノンのバブルジェット方式によるインクジェットプリンターをあげている。これ らは、両方 とも、前者では装置が大きく電力が必要のために家に置かざるを得ない真空管のラジオや、業務用のビデオゲームしかなかった時代に、家庭で手軽にゲームでき るように、それまでの消費や使用——玉田はそれを「サービスの利用」だとクリストン・クリステンセン『イノベーションのジレンマ』を引用しながらそう表現 する——を根本的に変えて、もとの「サービスの利用」形態を〈破壊〉したと表現する(2015:15-33)。——玉田俊平太(2015)『日本のイノ ベーションのジレンマ』翔泳社。 (→「イノベーション」)

02-019■  VPN, Virtual Private Network

「Virtual Private Network(VPN、バーチャル プライベート ネットワーク)は、インターネット(本来は公衆網である)に跨って、プライベートネットワークを拡張する技術、およびそのネットワークである。VPNに よって、イントラネットなどのプライベートネットワークが、本来公的なネットワークであるインターネットに跨って、まるで各プライベートネットワーク間が 専用線で接続されているかのような、機能的、セキュリティ的、管理上のポリシーの恩恵などが、管理者や利用者に対し実現される。/VPNは2つの拠点間 に、仮想的に「直接的な接続」を構築することで実現できる。専用線ではなくインターネットを経由しながら機密性を保つため、IPベースの通信の上に、専用 の接続方法や暗号化を乗せている。また、近年はインターネットではなく少し広がりの小さい多数の加入者で帯域共用する閉域網を利用し、そのような接続を実 現する技術、もしくは電気通信事業者のサービスもVPNと呼ばれている。後者を指して特にPPVPN(Provider Provisioned Virtual Private Networks)と呼ぶこともある」https://ja.wikipedia.org/wiki/Virtual_Private_Network

なお、日本ではVPNは違法ではない。ちなみに新約聖書で(未来の聖母になる)処女マリアに現れる天使(主の使)やヨセフの夢見の中で登場する天使は、インターネットのない時代におけるVPNである。

   

図の出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/Virtual_Private_Network   / Annunciation (1505-1510) by Andrea Previtali(部分)

02-020■  レントシーキング(rent seeking)または、レント・シーキング

「民間企業などが政府や官僚組織へ働きかけを行い、 法制度や政治政策の変更を行なうことで、自らに都合よく規制を設定したり、または都合よく規制の緩和をさせるなどして、超過利潤(レント)を得るための活動」をレントシーキング(rent seeking)とよぶ(ウィキ「レントシーキング(rent seeking)」)。 レントの代表例は、特許を保持していることで得られる利潤などである。

In economics and in public-choice theory, rent-seeking involves seeking to increase one's share of existing wealth without creating new wealth. Rent-seeking results in reduced economic efficiency through poor allocation of resources, reduced actual wealth-creation, lost government revenue, increased income inequality,[1] and (potentially) national decline./ Attempts at capture of regulatory agencies to gain a coercive monopoly can result in advantages for the rent seeker in a market while imposing disadvantages on (incorrupt) competitors. This constitutes one of many possible forms of rent-seeking behavior./ Gordon Tullock (1922–2014) originated the concept of rent-seeking; Anne Krueger coined the term in a 1974 essay.[2]

文献:世界の99%を貧困にする経済 / ジョセフ・E・スティグリッツ著 ; 楡井浩一, 峯村利哉訳,東京 : 徳間書店 , 2012/世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠 / ジョセフ・E.スティグリッツ著 ; 峯村利哉訳 .東京 : 徳間書店 , 2015

02-021■  ポストヒューマン(→「ポストヒューマン」)

"Posthuman or post-human is a concept originating in the fields of science fiction, futurology, contemporary art, and philosophy that literally means a person or entity that exists in a state beyond being human. The concept addresses questions of ethics and justice, language and trans-species communication, social systems, and the intellectual aspirations of interdisciplinarity. Posthumanism is not to be confused with transhumanism (the nanobiotechnological enhancement of human beings) and narrow definitions of the posthuman as the hoped-for transcendence of materiality.[1] The notion of the posthuman comes up both in posthumanism as well as transhumanism, but it has a special meaning in each tradition. In 2017, Penn State University Press in cooperation with Stefan Lorenz Sorgner and James Hughes (sociologist) established the "Journal of Posthuman Studies" in which all aspects of the concept "posthuman" can be analysed. [2]"

1. Ferrando, Francesca "The Body" in Post- and Transhumanism: an Introduction. Peter Lang, Frankfurt: 2014.; 2. Journal of Posthuman Studies

NICK BOSTROM, 2005, In Defense of Posthuman Dignity,  Bioethics, Vol. 19, No. 3, pp. 202-214.

ポストヒューマン

02-022■  商工会議所(Chamber of Commerce and Industry)

商工会議所法(昭 和二八年八月一日法律第一四三号)にもとづく、地域の総合経済団体で、全国で515ヶ所あり、会員数は約125万からなる商工業者のための組織。商工業者 とは同法によると「自己の名をもつて商行為をすることを業とする者、店舗その他これに類似する設備によつて物品を販売することを業とする者、鉱業を営む 者、取引所、会社及び相互会社」のことである。

外国語のそれに対応するものはChamber of Commerceである。ウィキの英語解説を下記に掲げておく。

 "A chamber of commerce (or board of trade) is a form of business network, for example, a local organization of businesses whose goal is to further the interests of businesses. Business owners in towns and cities form these local societies to advocate on behalf of the business community. Local businesses are members, and they elect a board of directors or executive council to set policy for the chamber. The board or council then hires a President, CEO or Executive Director, plus staffing appropriate to size, to run the organization." - Chamber of Commerce

その歴史は古く、フランス・マルセイユの商業会の 1599年創設が嚆矢である。その約65年後にベルギー(当時のスペイン領オランダ) のブルッヘ、フランス本土のイギリス王室属領ジャージやニューヨーク(ともに1768)、グラスゴー(1783)などに設置された。

02-023■  スピルオーバー効果(spillover effect)

スピルオーバー(スピルオーヴァー)効果とは、漏出 効果、拡散効果などともいわれる。公共サービスから得られるベネフィット(便益)が、それを給付した公共体(国や自治体やその住民)の領域——行政区域 (市町村境、県境、州境、国境など)——を越えて拡散し、費用を負担していない周辺の公共体にもベネフィット(便益)を享受できる現象。公園や公共施設を その地域以外の住民が利用したり、上流の河川の水質規制や下水処理のレベルの高さが、下流域の住民にも便益をえることがあるが、これはスピルオーバー効果 と言える。

"In economics, spillover effects are economic events in one context that occur because of something else in a seemingly unrelated context. For example, externalities of economic activity are non-monetary effects upon non-participants. Odors from a rendering plant are negative spillover effects upon its neighbors; the beauty of a homeowner's flower garden is a positive spillover effect upon neighbors." - spillover effect (Wiki)

02-024■  静学/動学、あるいは経済静学/経済動学(economic statics and economic dynamics)

「同時点に成立する均衡状態における経済変数間の関 係を取扱うものを経済静学という。すなわち各変数の値と時間との関係を捨象した分析を行う理論分野」、「これに対し均衡状態にいたる過程を時間のずれを伴 う経済変数間の相互依存関係により分析するものを経済動学という。この場合には各変数の時間的変化が重要となる」。「静学と動学との区別は R.フリッシュにより初めて明らかにされ,さらに静学的均衡と動学的均衡の関係が安定条件の問題として P.サミュエルソンにより分析された。経済静学は分析手法を表わす概念であり,経済の与件に変化が生じない状態を意味する「静態」と区別されなければなら ない」——出典「経済静学・経済動学」ブリタニカ国際大百科事典

02-025■  ワシントン・コンセンサス(Washington Consensus

ジョン・ウィリアムソン(John Williamson)が、1989年に国際経済研究所に所属していたときに、発表した論文の中で定式化した、ネオリベラル経済の基本原則「最大公約数」 ともいえる、10の基本政策。すなわち、1)財政赤字の是正、2)補助金カットなどの財政支出の変更、3)税制改革、4)金利の自由化、5)競争力のある 為替レート、6)貿易の自由化、7)直接投資の受け入れ促進、8)国営企業の民営化、9)規制緩和、10)所有権法の確立。(ウィキ日語「ワシントン・コ ンセンサス」)

02-026■  イノベーション・デザイン(Innovation-Design)

イノベーションと は、斬新で意外性に富み、「劇的に役に立つだろう」(ないしはそ う思われる)ア イディアを産みだし、それを実際に実行に移すことをいう。デザインとは、頭のなかで浮かんだアイディアや設計図に具体的な形を吹き込むことである。した がって、イノベーション・デザイン(Innovation-Design)は、イノベーティブなアイディアに具体的な形を吹き込むことである。ただし、イ ノベーションは、さまざまな変革を達成した事物に対して、事後的に貼り付けるレッテルでもあるために、個々のイノベーション・デザインは、成功と失敗の両 方の経路を具有していることになる(→「」)。したがって、イノベーションを人為的にコントロールすることは、不可能ではないが、困難な事業となり、すべ ての良好なイノベーション自身は(本質的に)デザインできないことになる。(→「イノベーション・デザイン」)

02-027■  直示(deixis)

直示(deixis)と は、言葉の使い方の技法で、 その単語や文章(=言語表現)の指し示すものが、前後の文の脈絡(=みゃくらく、文脈という)に依存して決まるものをいう。代名詞(わたし、あなた、彼 女、あいつ)や、指示語(これ、それ)あるいは通常の名詞(「先生」)ですら、文脈に注意しないと、指示対象となる具体的意味が混乱することになる。つま り「同じ表現であっても、視点の置き方によって具体的な意味が異なるもの」である。言い方を変えると、「具体的意味が文脈によって定まる表現の総称が直示 である」ウィキ日本語)

02-028■  学び捨て=学んだことを捨て去る(unlearn)

人は自分自身が学びとってきた特権を、自分にとって の損失であると認識することが重要だ。ひとはしばしば、自分が学びとった特権を所与のものとして自然 し、サバルタンに耳を傾け、それを第三者に代弁しようとする。この特権について自覚するためには、そのような特権を、意図的に忘れ去って=学んだことを放 棄(unlearn)みる必要がある(=脱構築の実践)。[→「学んだことを忘れ去ること の重要性」]

02-029■  企業家精神(entrepreneurship)

フランス語源のアントレプルナーもしくはアントレプ レナー(entrepreneur)つまり、企業家(きぎょうか=事業を起こす人)がもっている精神や心を表現したものを、アントレプルナー・シップない しは企業家精神という。独立心、野心、常識にとらわれない態度や発想などが含まれる。これまで、新しい事業をおこしてきた人たちに共通にみられるマインド を総称して、経験的に言われてきたものである。当然、企業することは、過去から現在そして未来まで、そして世界の各地で、そしてさまざまな業種があるの で、企業家精神の類型は星の数ほどの多様性をもつことは明らかである。その意味では企業家精神というのは、成功者にまつわる「現代の神話」に通じるものが ある。しかし、企業家や、それに関連づけらる、リーダーシップ(指導者精神)やコーチング(適切で効果の高い指導の技法)もまた、世に数多あるマニュアル の中にしかない「幻影の人間類型」かもしれない。すくなくとも、そのように疑ってかかる精神こそが、ポスト産業社会の本当の企業家精神かもしれない。

02-030■  スタートアップ会社(startup company起業直後会社、いわゆる和製英語としての 「ベンチャー企業」

スタートアップ会社あるいはスタートアップ・カンパ ニー(startup company)とは、新規の事業に取り組みはじめた新しい企業のことをいう。日本語のベンチャー(ヴェンチャー)ビジネス、ベン チャー企業/ベンチャービジネス(VB)を英語の話者に言っても(とりわけ日本の事情を知らない人)には伝わらないので留意が必要である。とりわけ、ベン チャーには「冒険的事業」というのは野心的のほかに危険や冒険的投機の意味——したがってベンチャー・キャピタルVenture capital, VC)という英語はあるので話がさらにややこしいのだが——があるので、ヴェンチャーですら篤実な動機や計画に基づいて起業することがあるので、 スタートアップ会社や、スタートアップ企業、あるいは単純に起業と表現したほうが安全で正確に相手に伝わるだろう(→「人はベネフィットとは非対称にリス クを高く見積もる」カーネマンの法則があることを思い出せ!)。

Venture capital, VC の説明は、次のとおりである: "Venture capital (VC) is a type of private equity未公開株), a form of financing that is provided by firms or funds to small, early-stage, emerging firms that are deemed to have high growth potential, or which have demonstrated high growth (in terms of number of employees, annual revenue, or both). Venture capital firms or funds invest in these early-stage companies in exchange for equity, or an ownership stake, in the companies they invest in. Venture capitalists take on the risk of financing risky start-ups in the hopes that some of the firms they support will become successful. The start-ups are usually based on an innovative technology or business model and they are usually from the high technology industries, such as information technology (IT), clean technology or biotechnology."

ウィキ(英語)のstartup companyに は、次のような会社としての離陸(テイクオフ)=事業としてのノーマライズ化のプロセスと、起業文化、そして、資金調達のサイクルについての解説がある。 図表としてわかりやすいので、以下に掲げる。


02-031■  機械学習

1959年、アーサー・サミュエルは、機械学習を 「明示的にプログラムしなくても学習する能力をコンピュータに与える研究分野」だとした。トム・M・ミッ チェル(英語版)は、よく引用されるさらに厳格な定義として「コンピュータプログラムが、ある種のタスクTと評価尺度Pにおいて、経験Eから学習すると は、タスクTにおけるその性能をPによって評価した際に、経験Eによってそれが改善されている場合である」とした(→「機械学習machine learning)」)。

02-032■  破壊的イノベーション(Disruptive innovation)

破壊的イノベーションとは、新しい市場と価値(の ネットワーク)を造り出したイノベーションそのものが、既存 の市場と価値をシステムを破壊し、会社や製品、関連物(製造会社)などを生み出してしまうタイプのイノベーションである。ハーバート・ビジネススクールの クレイトン・マグレビイ・クリステンセン(Clayton Magleby Christensen, 1952- )が『イノベーターのジレンマ(The Innovator's Dilemma)』(1997)などで主張し、膾炙した用語である。シュ ンペーターのイノベーションの定義(5つの要素)は、今から みればスタティック(静態的)であり、イノベーションの帰結が(市場が実質的に飽和状態にある現在)何をもたらすのかを「予言」した意味で、すばらしく、 また新しい概念であることは間違いない。

"Disruptive innovation is a term in the field of business administration which refers to an innovation that creates a new market and value network and eventually disrupts an existing market and value network, displacing established market leading firms, products, and alliances." - Disruptive innovation, by Wiki

Criticism: "One criticism of the book by Ben Thompson[4] is that the theory applies best to businesses with business customers. Thompson says that consumers are not as rational and single-minded as business customers, and hence are less susceptible to disruption. Thompson points to the iPhone as a consumer product that is not easily disrupted by a low-end disruption; Christensen maintains that the iPhone and Apple are good candidates for disruption.[5]" - The Innovator's Dilemma by Wiki: 4=Thompson, Ben. "What Clayton Christensen Got Wrong". Stratechery. Retrieved 1 November 2014. 5= Blodget, Henry. "Harvard Management Legend Clay Christensen Defends His 'Disruption' Theory, Explains The Only Way Apple Can Win". Business Insider. Retrieved 1 November 2014.

出典:同じくウィキによるが、英文版では出典が示さ れていないと注文がついている。THE INNOVATOR'S DILEMMA.だとは思われる。

02-033■  IR情報/IR(Investor Relations, IR)

「インベスター・リレーションズ(IR)は、企業の 証券が公正な価値評価を受けることを最終目標とするものであり、企業と金融コミュニティやその他のステークホルダーとの間に最も効果的な双方的コミュニ ケーションを実現するため、財務活動やコミュニケーション、マーケティング、そして証券関係法の下でのコンプライアンス活動を統合した、戦略的な経営責務 (=具体的には投資家への情報、投資家向け広報という訳語もある:引用者)である。」(全米IR協会(NIRI), 2003)——出典はウィキ「インベスター・リレーションズ

02-034■  命題(proposition)

「命題とは、平叙文(〜は〜である)であらわせるも の、あるいはその中味である。命題は英語の proposition の翻訳で、この語の第一義の意味は"The action of setting forth or presenting to view or perception; presentation, exhibition."(OED)と説明されている」(→「命題思考とコミュニ ケーション」)

02-034■  ポートフォリオ評価(portfolio evaluation)

ポートフォリオとは、紙挟み(かみばさみ)つまり、 もともとは証券類の書類が入ったフォルダーのことであった。ポートフォリオ評価は、アクティブラーニングやPBLなどの質的な学習による質的な評価が重要 視される——あるい試験というメリトクラシーでは測定できない——生徒や学生の質を評価し、成績をつけるための、総合診断書類のことである。あるいは、そ のような情報の集積と、評価全体のプロセスを含む場合の意味もある。

エディソン州立コミュニティ単科大学のそれが役にた つので、参照にしてほしい。

https://www.edisonohio.edu/uploadedFiles/_Web_Assets/Documents/Career_and_Job_Services/Portfolio_Evaluation_Guide.pdf

02-035■  デザイン思考/デザイン・シンキング(design thinking)

デザイン思考/デザイン・シンキング(design thinking)は、創造的な問題解決のための方法である。 IDEOのCEOのティム・ブラウンは、デザイン・シンキングを「デザイナーの道具箱から、1)人民のニーズ、2)テクノロジーを動員できること(可能 性)、そして、3)ビジネス上の成功という要求を満たす、ように統合するように描かれた、イノベーションへのひとつの人間中心的アプローチである」と述べ ている。

Design thinking is a human-centered approach to innovation that draws from the designer's toolkit to integrate the needs of people, the possibilities of technology, and the requirements for business success.”
— Tim Brown, CEO of IDEO Source: https://www.ideou.com/pages/design-thinking

手前味噌だが、創造的な問題解決のためには、1)解決されるべき問題(=人民のニーズ)の発見 すなわち問題発見力、2)課題解決に必要な知識と情報の収集力と理解 力と統合力(=テクノロジーを動員できること)すなわち課題解決力、 そして3)実際に社会にその問題解決の技法を社会に実装すること(=ビジネス上の成功)すなわち解法実装力、の3つの能力の陶冶が必要となる(→「高度汎用力」)。

ディヴィッド・ケリーは、IDEOスタンフォード大学dスクールの創設者である。IDEO (pronounced "EYE-dee-oh")

スタンフォード大学dスクールで、デザインシンキングについて言 及するものには、かならず以下のようなヘクサゴン(Hexagon) とその組み合わせが登場する。

下記の左の線形の展開には以下の文字がみえる、1) 共感する(empathize)、2)定義する(define)、3)概念化する(ideate)、4)試作する(prototype)、そして、5) やってみる(test)。右下のものには、灰色のヘキサゴンがあるがそれは、6)くりかえしてみる(repeat)

これらのシリアルなデザイン思考の展開は、環状にな れば、一見PDCA(Plan, Do, Check, and Act!)とにている が、弁証法的思考が希薄で同じ馬鹿を繰り言のように言うPDCAとは根本的に違うことも認識しよう。

02-036■  プロファイリング(Profiling (information science))(情報科学/プログラム用語としての)

情報科学におけるプロファイリングとは、プログラム を実行しつつ、統計情報をとり、そのプログラムの実行において必要な計算時間(=計算量)などを調べることと言う。プロファイルリングをするツールを「プ ロファイラー」という。

"In information science, profiling refers to the process of construction and application of user profiles generated by computerized data analysis.This involves the use of algorithms or other mathematical techniques that allow the discovery of patterns or correlations in large quantities of data, aggregated in databases. When these patterns or correlations are used to identify or represent people, they can be called profiles. Other than a discussion of profiling technologies or population profiling, the notion of profiling in this sense is not just about the construction of profiles, but also concerns the application of group profiles to individuals, e. g., in the cases of credit scoring, price discrimination, or identification of security risks (Hildebrandt & Gutwirth 2008) (Elmer 2004)." - Elmer, G. (2004). "Profiling Machines. Mapping the Personal Information Economy". MIT Press.

02-037■  水平分業と垂直統合(Horizontal specialization and Vertical Integration)

水平分業とは、技術開発、原料調達、部品生産、部品 調達、組み立て工程、品質管理、販売供給、販売促進、アフターサービス、事故苦情処理など の、別々の企業(分社を含む)がそれぞれの得意分野でお互いに協力しあうビジネスモデル。それに対して垂直統合は、それらの複雑な分野を単一の企業体がお こなう場合をいう。→「水平分業と垂直統合

02-038■  多変量解析(multivariate analysis)

多変量解析(multivariate analysis)とは、複数の結果変数(目的変数ともいい、因果関係における結果すなわち関数における出力のことをさす)からなる多変量データを統計的 に扱う手法である。重回帰分析(Multiple linear regression)、主成分分析(principal component analysis; PCA)、独立成分分析( independent component analysis、ICA)、因子分析(factor analysis)、判別分析(discriminant analysis)、数量化理論[I〜IV類](Hayashi's quantification methods)、クラスター分析(clustering)、コンジョイント分析(conjoint analysis)、多次元尺度構成法( Multi Dimensional Scaling, MDS)、共分散構造分析(Covariance Structure Analysis)などがある。

指示関数(indicator function)——集合の元がその集合の特定の部分集合に属するかどうかを指定することによって定義される関数——によってカテゴリデータ(A に属すか属さないか)を 1 か 0 に変換したものをダミー変数 (dummy variable)という。

02-039■  専門家/専門職(professional)

専門家/専門職とは、その領域以外の人には真似ので きない専門的な技能や知識、あるいはその総合としての「技(わざ)」をもつ人びとの社会的集団のことをいう。プロフェッショナルという英語の語源は「宣言 する(profess)」する人であり、その技能や知識・技をクライアントに対して、あるいはその業務に対して、あるいは、同業者や同業者の理念や理想、 さらには「神」などの超越論的なものにたいして、自分の専門性を公言したり約束する(例:「出来なかった時には罰せられてもいい。しかし、業務には相応の 対価や独占(=専門家独占)与えて欲しい/与えるべきだ」)ことである。

したがって、専門家/専門職とは、それを支える/承 認する社会的制度(例:国家認定や、同業者=ギルドの仲間認証など)のもとで、育てられ、入社(=組織に参加すること)されることを承認された職域(=職 業領域)や人びとのことである。後者の集団を専門家集団/専門職集団と呼ぶ。

専門家/専門職は、集団で、排他的独占の形態をと る。それを専門家独占/専門職独占(professional dominance)という。専門職集団の形成や、専門職独占は、技能や知識・技という質 の管理に寄与することがあるので、それ自体はよいのだという考え方と、専門職独占を通して専門家/専門職は傲慢になるので、同業者=ギルドの自己管理に任 せるのではなく、外部からのコントロールが必要であるという肯定的と否定的/消極的な考え方の2つに大きくわかれる。

専門家/専門職集団が、どうあるべきかという問題 は、専門家/専門職とそれを管理する組織や制度(国家や国家認証制度)にとっては重要な問題だが、自立した専門家/専門職集団の、内部ならびに外部とのど のような関係を取り結ぶのか、また変遷があるのかという関心からは、両者から中立的な社会学や人類学のまなざしからの解釈や分析がある。

02-040■  ロードマップ(roadmap)

ロードマップ(roadmap)とは、道路地図のこ とではなく、行程表(こうていひょう)——同音異義語の工程表とは異なる——といい、プロジェクトの進行予定を、左から右への時間的推移のも とで、表現し たものである。ロードマップは、関連性を分布で示すダイアグラム(線図)とも、演算論理の進行をまとめたプログラムのフローチャートとも異なり、想定して いるプロジェクトが時系列的にどのように進み、また、各部所で「何をどれだけ行うのか?」に関する責任分担を指し示し、合意形成のためのプロジェクトマネ ジメントのためのツールと考えたほうがよい(→「ロードマップの考え方」)。

02-041■  安楽死(euthanasia)

安楽死(euthanasia)とは、文字通り「幸 せな(eu-)」と死(thanasia)のことである。[a. Gr. εὐθανασία, f. εὐ- (see eu-) + θάνατ-ος death.] 。OEDには、1.優しくて簡便な死(初出:1646年、以下同様)、2.優しくて簡便な死の状態に導く手段(1742年)、3.[今日的用法]優しくて簡便な死を導く行為(1869)、とある。積極的安楽死(英語: positive euthanasia , active euthanasia)と、消極的安楽死(英語:negative euthanasia , passive euthanasia)の二種類があるが、きちんと定義した形式的議論はあるが、多くの人がそれを受け入れているわけではない。安楽死は、当人に時間的に も因果的にも「自然に訪れる死」ではないので、マイルドな殺害行為にあたるので「安楽殺」という訳語を与えてもよいという立場もある(私がその立場であ る)。人類の文明史を通覧しても、死というものは、辛くて 苦しいものだと非常に長く思われてきたので、まず「安楽死」という用語は、撞着語法であることを忘れてはならない。(→「安楽死の研究」)

02-043■  オープン・ソース・モデル(open-source model

オープンソース・モデルとは、オープンコラボレー ション(open collaboration)を活性化(いわゆる「加油」 する)させる、脱中心化ソフトウェア開発モデルのことである。

The open-source model is a decentralized software-development model that encourages open collaboration - open-source model by Wiki


Johannes Spielhagen, Bamberg, Germany - Provided as files by the author to be published by OSBF e.V. under an open license./ Open Source "Swiss Knife" showing relevant Open movements based on Open Source principles - illustration by Open Source Business Foundation

02-044■  ジェフ・ベゾス的思考(the Jeff Bezosian way of thinking)

英語の正式名称はわからないが『フォーブス誌』(長 者番付などで有名な経済誌と称するビジネス与太話が中心の雑誌、失礼!)のJon Youshaei氏が、同誌の日本語電子版で「「ジェフ・ベゾス的思考」を手に入れる10の方法」(2018年1月13日)でまとめている10のチップス である。このようなチップスが、本当にビジネスの現場力に役立つかどうかは、意見のわかれるところであるが、同誌の2017年の世界長者番付(つまり金持 ちのこと)のナンバーワンになった、アマゾン・ドット・コムの創設者であるジェフ・ベ ゾズJeff Bezos, 1964- )の現代風ビジネスや考え方、さらには彼の生き方についても知ることのヒントになるために引用、再掲することとする。

02-045■  キュレーション(Curation)

もともとは博物館や美術館でコレクションを管理、整 理する専門職をキュレーターと呼んでいたことに由来する言葉である。キュレーションとは(そこから転じて)インターネット上で情報を収集しまとめる作業の ことをいう。ただ単に収集することではなく、収集した情報を整理し、まとめ直し、そしてつなぐこと(=ネットワーキング)する創造行為のことを現在では キュレーションという。そのような創造行為をする人をキュレーター(curator)という。

02-046■  プラットフォーム(platform)

プラットフォームは駅のそれが指し示すように、壇上 や高い足場のことをいう。コンピュータやITにおいてプラットフォームとは、土台のことであるが、アプリケーションに対してはオペレーティングシステム (OS)のことをさし、オペレーティングシステムにとってのプラットフォームはハードウェア(アーキテクチャ)のことである。言い方を変えると、階層化さ れているシステムでは、その直近の土台をプラットフォームということができる。

02-047■  エコシステム(ecosystem)(→「エコシステム」)

エコシステム(ecosystem)とは、エコロジ カル・システム(生態学的体系)略して生態系の ことである。動植物は、それぞれ種と呼ばれる社会を維持し、遺伝現象を通して次世代を再生産するオートマトンである。しかし、ひとつの種だけが自律的に存 立することは不可能であり、種を超えた物理的(土壌や大気や気候現象など)環境的要素をも含めて、それらが相互に依存し、またエネルギー的にも栄養学的に も、複雑な関連性すなわち系(システム)をもっている。我々の戸外に出れば、水たまりの水滴の中にも微生物とその水圏の間にエコシステムがみられる、ため 池の中の動植物なども系をもつことからそうよべる。地域の環境も、どこに境界をもつかは別にして、それらの間には、相互の関係性をもつ。温室効果ガス(= 二酸化炭素)は人間がもたらしたエコシステムへの影響の例であるが、それもさまざまなスケール内で、あるいはスケール間でシステムをもっている。ここか ら、ITやインターネットにおいても、さまざまなネットワークと端末とそれを利用す るさまざまな人間のシステムをなしていることでそれらの系(システム)を比喩的にエコシステムと言うのである。

02-048■  スマートコントラクトとプルーフ・オブ・ワーク(Smart contract and Proof of Work, PoW)(→「ブロックチェーン」)

スマートコントラクト(Smart contract) とは、契約(コントラクト)の実行を人間を介さずにおこなうことだ。言い換えると決められたルールで自動的におこなえる〈ドライな契約〉である。金融取引 はドライな契約であるが、それ以外の実物(財)——たとえば研究者にとっての学術論文や先取性のあるデータなどが考えられる——の拡張は、スマートプロパ ティと言われる。

スマートコントラクトを可能にするためには、それら の機械間が(具体的には端末を操作する個人と個人の相対のピア・ツー・ピア[peer to peer, P2P])確実に情報のやり取りをして不当な第三者に介入されないことが重要である。それがプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work, PoW)つまり「きちんと仕事をした証明」が必要なのである。P2Pのあいだで、どうすれば確実な契約関係(PoW)が構築できるの か?

それを可能にするのがハッシュ関数である。ハッシュ 関数はデータの「集まり」を数字に変換する関数であり、もとのデータをこの関数に通すとハッシュという数字の並びが出力される。一度出力されたハッシュ は、逆向きにアルゴリズム計算で見いだすことができない(この例によく使われるのが大きな数の素因数分解)。ハッシュを含めて逆に計算することが困難な関 数を一方向関数という。

ブロックには一定時間内の全部の取引が前のブロック の記録としてあり、ナンス(Nonce)という条件づけられた数字(最初から一定個数のゼロが並ぶ)が記載される。P2Pのコンピュータのみがナンスを計 算することができるが、このナンスはアルゴリズム計算ではみつけられない。P2Pの片方のコンピュータは数字をひとつづつあてはめていき正しいナンスを見 つける(=マイニング)。正しいナンスを見つけたコンピュータはP2Pのもう一方の相手に発見したと連絡する。受けたP2Pは簡単な計算で確認できる。見 つけた側はタイムスタンプをつけて、P2Pの相手に返事を送る。最初に見つけた相手への報酬へビットコインを得る。このようなやり取りはすべてリアルタイ ムに「公開」される。この取引が終わらないうちに別の取引がおこなわれると、ブロックチェーンの枝分かれ (=フォーク)が生じるが、短い方の枝は取引が無効になり、報酬(=ビットコイン)が得られない。P2Pの取引を第三者がなりすまして改竄しようとして も、ブロックから計算されるハッシュは元のものと異なり、ナンスも計算しなおさねばならない。不正をおこすには計算に膨大なコストがかかる。そのため、正 当な手段でマイニングしたほうが効率がはるかによい。相手を信頼をする必要がなくても、合理的な取引がおこなわれる。つまり、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work, PoW)つまり「きちんと仕事をした証明」が、このシステムでは可能になる。

文献

02-049■  アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)

アマゾン・ドット・コムAmazon.com) をインターネット書店だと定義する人はブー(警告音)である。ア マゾン・ドット・コム(Amazon.com)は、e-コマースを提供するウェブ会社であるというのがその正しい答え(定義)である。その名前の由来は次 のように説明されている(君のお子さんや甥/姪っこに訊ねられたら次のように蘊蓄を語ろう!):「WWW草創期の1994年7月にジェフ・ベゾスによって Cadabra.com(カタブラ)としてワシントン州で法人格を取得し、インターネット書店が開業される。cadabra はアブラカダブラから採られたが、ベンチャー計画を弁護士に電話で話した際に "cadaver?(死体?)" と聞き返されたため、世界で最大規模の流域面積を持つ南アメリカのアマゾン川から Amazon.com とのちに改名」アマゾン・ドット・コム

On July 5, 1994, Bezos initially incorporated the company with the name Cadabra, Inc.[15] Bezos changed the name to Amazon.com, Inc. a few months later, after a lawyer misheard its original name as "cadaver".- Amazon (company)

02-050■  消費者構築メディア(Consumer-Generated Media, CGM)

インターネットのエンドユーザーのための基本的ある いはセミプロ的なレベルでの公衆メディア。以前は、共同の電子掲示板のようなものであったが、双方向に開かれたブログ、ポッドキャスト、SNSのように、 消費者のエンドユーザーの誰もが参加できて、さまざまな情報交換や情報の消費を楽しむ公共空間を、消費者構築メディア(Consumer- Generated Media, CGM)と呼ぶ。

02-051■  集合知、集合的智恵(Collective wisdom)

集合知(Collective wisdom)とは、グループの智恵、あるいは共同的知性(Collective intelligence) ともいい、各個人や各グループからもたらされたみんなに共有された知恵のことをいう。これはインターネットの時代のクラウド・コンピューティングのイメー ジと結びつきやすいが、もともと、集団で意思決定をしていた古代から現在でも使われる「コンセンサス(合意)に基づいた知識の所有と分散化と統合」のこと である。

02-052■  距離をおき切り離されながらも関心をもつ/距離をとりつつ関心をもつ(detouched concern)

医療社会学者レネ・フォックスが、彼女の著作『実験 的な危険性( Experiment Perilou)』 (1959)の中で医師は、距離をおいた感覚(detoucment)と関心をもつこと(concern)の微妙なバランスをもつことが求められていると した。これは、この著作に先立つ、ロバート・キング・マートン(父)の『学生=医師(The Student-Physician)』(1957)では、医師は患者に対してあくまでも客観的中立な態度をとって「氷の上にいるかの感情」をもって接触 しなければならない。かといって、それが過剰にクールになりすぎてもならず、患者の関心に対しては共感するように接しなければならないという主張してい る。ホックシールドの感情労働論(『管理された心』1983年)では、医師のみならず、保健関連の職業全般にこのような、距離をおきつつ患者の関心にも寄 り添うという立場をとるように学生は教育されていることを指摘している。フォックスは、後年(2011)、このあまりにも有名になった《距離をとりつつ関 心をもつ(detouched concern)》について言及し、距離をとること=デタッチメントと、関心をもつように振る舞うこと=コンサーンは、二重性というよりも(相互に排除す る)二分法にであり、《距離をとりつつ関心をもつ(detouched concern)》とは、距離のとることの様態のひとつだとのべ、患者の情動に共感するよりも、患者に対して冷静になることの意義について強調している。

02-053■  MARS(火星ではなく未来に向かうこれからの人類テクノロジー:Machine learning, home Automation, Robotics, Space exploration)

MARSとは、火星のことではなく、未来に向かうこ れからの人類テクノロジー、すなわち、Machine learning, home Automation, Robotics, Space explorationの四項目のアクロニムのことである。

02-054■  人新世(Anthropocene

人新世(じんしんせい)あるいはアントロポシーン (Anthropocene)とは、人類の活動が、地球温暖化を含めて地球の地学的ならびに生態系にインパクト(=衝撃的影響)を与えている地質時代のこ とをさす。この地質時代は、それ以前の258万年前(2,588,000)からおよそ1万年前(11,700 )の時代の期間である更新世(Pleistocene)と、その後の11,700年前から現在までの完新世(かんしんせい; Holocene)の後に、登場しつつある地質時代区分。ただし、人新世(じんしんせい)は、これからの地質時代の予測の部分もあり、これまでの地質時代 と同等なものと考えられるか否かは疑問の余地がある。ただし、この地球にもたらしつつ人類のインパクトについて警鐘をならし、反省をし、全地球的にものご とを、私たちに考える契機をもたらしたという点では、極めて「素敵な」学術用語である。

"The Anthropocene is a proposed epoch dating from the commencement of significant human impact on the Earth's geology and ecosystems,[1][2][3] including, but not limited to, anthropogenic climate change.[4] As of August 2016, neither the International Commission on Stratigraphy nor the International Union of Geological Sciences has yet officially approved the term as a recognized subdivision of geological time,[3][5][6] although the Working Group on the Anthropocene (WGA) voted to formally designate the epoch Anthropocene and presented the recommendation to the International Geological Congress on 29 August 2016.[7]"

02-055■  破壊的イノベーションと破壊的技術=破壊的テクノロジー(Disruptive Innovation, and Disruptive Technology)

破壊的イノベーションとは、新しい市場と価値(の ネットワーク)を造り出したイノベーションそのものが、既存 の市場と価値をシステムを破壊し、会社や製品、関連物(製造会社)などを生み出してしまうタイプのイノベーションである。ハーバート・ビジネススクールの クレイトン・マグレビイ・クリステンセン(Clayton Magleby Christensen, 1952- )が『イノベーターのジレンマ(The Innovator's Dilemma)』(1997)などで主張し、膾炙した用語である。シュ ンペーターのイノベーションの定義(5つの要素)は、今から みればスタティック(静態的)であり、イノベーションの帰結が(市場が実質的に飽和状態にある現在)何をもたらすのかを「予言」した意味で、すばらしく、 また新しい概念であることは間違いない。- 「クリステンセンの破壊的技術 と『イノベーターのジレンマ』について

"Disruptive innovation is a term in the field of business administration which refers to an innovation that creates a new market and value network and eventually disrupts an existing market and value network, displacing established market leading firms, products, and alliances." - Disruptive innovation, by Wiki

02-056■  オープン・イノベーション(open innovation)

オープン・イノベーションとは、組織内部のイノベー ションを促進するために、意図的 かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことで ある(Henry W. Chesbrough, Open Innovation(2003)-「オープン・イノベーション

Open Innovation 2.0: Open Innovation 2.0 is a positive approach for innovation which helps solving key European challenges by embracing change and not resisting it.

出典:https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/open-innovation-20

 SME: Small and medium-sized enterprises.

Garwood Center for Corporate Innovation - University of California, Berkeley|Haas School of Business

02-057■  ビットコイン(Bitcoin)

ビットコインBitcoin)は、ナカモト・サトシ名の論文 の中で提唱、構想され、そして理論化された、P2P(ピアツーピア/peer to peer)の電子キャッシュシステム。ブロックチェーン技術をつかう。

「サトシが提供したイノベーションは、多数のトラン ザクションを結びつける、プルーフ・オブ・ワークを通してシステムに参加する権利を獲得するノードにもとづいた、きわめて単純な分散型合意プロトコルを、 10分ごとにひとつの「ブロック」へとまとめあげ、成長の一途をたどるブロックチェーンを作り出すというアイディアです」(マット・リドレー[2016: 404-405]太田直子ほか訳、一部変えた)。- 原出典は、ethereum.org より

"Bitcoin is a new currency that was created in 2009 by an unknown person using the alias Satoshi Nakamoto. Transactions are made with no middle men – meaning, no banks! Bitcoin can be used to book hotels on Expedia, shop for furniture on Overstock and buy Xbox games. But much of the hype is about getting rich by trading it. The price of bitcoin skyrocketed into the thousands in 2017." - What is Bitcoin? by CNN

"Ethereum is an open-source, public, blockchain-based distributed computing platform and operating system featuring smart contract (scripting) functionality. It supports a modified version of Nakamoto consensus via transaction based state transitions." - Ethereum, by wiki

イーサリアムで は、イーサリアム・ネットワークと呼ばれるP2Pのネットワーク上でスマート・コントラクトの履行履歴をブロックチェーンに記録していく。またイーサリア ムは、スマート・コントラクトを記述するチューリング完全なプログラミング言語を持ち、ネットワーク参加者はこのネットワーク上のブロックチェーンに任意 のDAppsやスマート・コントラクトを記述しそれを実行することが可能になる。ネットワーク参加者が「Ether」と呼ばれるイーサリアム内部通貨の報 酬を目当てに、マ イニングと呼ばれるブロックチェーンへのスマート・コントラクトの履行結果の記録を行うことで、その正統性を保証していく。このような仕組みによ り特定の中央管理組織に依拠せず、P2P全体を実行環境としてプログラムの実行とその結果を共有することが可能に」- イーサリアム .

"Bitcoin mining is the process by which transactions are verified and added to the public ledger, known as the block chain, and also the means through which new bitcoin are released. Anyone with access to the internet and suitable hardware can participate in mining. The mining process involves compiling recent transactions into blocks and trying to solve a computationally difficult puzzle.  The participant who first solves the puzzle gets to place the next block on the block chain and claim the rewards.  The rewards, which incentivize mining, are both the transaction fees associated with the transactions compiled in the block as well as newly released bitcoin" - Bitcoin Mining.

02-058■  暗号通貨/クリプト・カレンシー(cryptocurrency)

"A cryptocurrency (or crypto currency) is a digital asset designed to work as a medium of exchange that uses cryptography to secure its transactions, to control the creation of additional units, and to verify the transfer of assets.... Cryptocurrencies use decentralized control as opposed to centralized electronic money and central banking systems... Bitcoin, created in 2009, was the first decentralized cryptocurrency.[7] Since then, numerous other cryptocurrencies have been created" - Cryptocurrency, by Wiki

02-059■  コミュニケーションデザイン・テーゼ13(Thesis of the Designing Communication #13 )

コミュニケーションデザインとはまずもって、創発性 の管理思想のことである。したがって、コミュニケーションデザイン教育の場とは創発性と管理がせめぎ合う緊張感のある場のことである。(→「コミュニケーションデザイン・テーゼ」)

The designing communication is defined as an administrative thought of one's emerging ideas. And therefore, the place where happens the education for our communication-design is the exciting place where happens both administrative-conservative actions and the emerging dynamic ideas of all participants. - Mitsuho Ikeda, 2018.

02-060■  文字を書くことが記憶を阻害するというソクラテスの主張について

実際のところは、ソクラテスが古代エジプトの神タモ スと、文字を発明した神テウトの対話から、来歴するのが『パイドロス』(274C-275B)の逸話である。 タモスはテウトに向かって、文字を書記することは、「実際の機能」と は逆の記憶の訓練への障害があると窘めるのである。さらにタモスは、テウトに対して、文字は「記憶の秘訣」ではなく「想起の秘訣」だと、その機能を 修正する。ソクラテスによると、記憶は知識そのものであり、記憶を文字情報によりよみがえらせる想起は、知識の外見だという。そして、文字の書記(筆記) の習慣は、記憶をものにしている知者ではなく、「知者であるうぬぼれ」人間を量産するというのだ。しかし、これは、現代においての用法とは根本的に真逆の ことをさす。書記こそが記憶の正統なものであり——それゆえに歴史家は権力者に阿り正史を綴ると常に批判される——、市井の口頭伝承の伝い手、吟遊詩人、 盲目あるいは文盲の膨大な記憶は、想起の産物として、長い間、正統な知識としては与えられなかった。しかし他方で、テウトについて多数派から言われるよう に文字は(恣意的にねつ造され、想起がもつ批判機能を減殺する)「記憶の秘訣」そのものになる。それゆえ、ソクラテスは、記憶と想起の違い、記憶と想起の 正当性の関係について論証することなく、文字の記憶=知者のうぬぼれ、記憶の記憶=知者という、パラドックスを闇雲に主張するに留まっている。それでもな お、ソクラテスの妄言を擁護するとすると、文字に書き起こした瞬間から、そのテキストそのものが正当性をもって、それ自体が真実になりはじめることだ。臨 床の現象学派と呼ばれる人たちが、書き起こしたインフォーマントの文字データを何度も何度も読み返すうちに、真実を発見するという幻惑に捕らわれている と、私には思えるのだが、私はそれを「テキスト・フェティシズム」とかつて批判したことがある。私たちは、ソクラテスのパラドキシカルな批判が、一定の意 味と批判機能をもつと感じると同時に、タモスの主張はテウトへの言いがかりとしか思えないように思われる。

ちなみに、パイドロスは、それをソクラテスによる、 エジプトの逸話を創作した法螺話だと窘める(275B)。それに対するソクラテスの反論は、エジプトの遠くの話だから信用せずに、ただただタモスの主張の 中身を吟味しないのかねと窘める。ソクラテスのパイドロスに対する言説戦略は、文字の機能が「記憶」にあるのか「想起」にあるのか、そして、記憶のほうが 想起よりも上等で本物だという議論をはぐらかすなという手口に通じる。パイドロスはただちに丸め込まれて「文字についてはそのテバイ人の言うとおりだ」と ソクラテスの主張をそのまま頭ごなしに聞いてしまう。

ソクラテスは引き続いていう「文字というものは、ひ とたび書きものにされると、どんな言葉でも、それを理解する人々のところであろうと、ぜんぜん不適当な人々のところであろうとおかまいなしに、転々とめぐ り歩く。そして、ぜひ話しかけなければならない人々だけに話しかけ、そうでない人々には黙っているということができない。あやまって取りあつわれたり、不 当にののしられたりしたときには、いつでも、父親である本人のたすけを必要とする。自分だけの力でゃ、身をまもることも自分をたすけることもできないのだ から」(275D-275E)

文献:プラトン『パイドロス』藤沢令夫訳、岩波文 庫、岩波書店、2010年

02-061■  ゼロ・モーメント・ポイント(zero moment point, ZMP)

「二足歩行ロボットの軌道生成法と制御法において、重力だけでなく慣性力を加えた合力が路面と交わる点」をゼロ・モーメント・ポイントzero moment point, ZMP)という。1972年「ミオミール・ブコブラトビッチ(Miomir Vukobratović, 1931-2012)らは、支持多角形 (support polygon) 内を運動するZMPの時間軌道を予め設定し、これに対応する歩行運動を繰り返し収束計算により求めた。ZMPを用いることにより、遊脚や上半身の質量によ る影響すべてを厳密に考慮した歩行運動を設計することができる」という。 - Punto de Momento Cero.

Miomir Vukobratović and J. Stepanenko (1972). “On the Stability of Anthropomorphic Systems”. Mathematical Biosciences 15: pp.1-37..

02-062■  ヒューリスティクス(heuristic)

「必ず正しい答えを導けるわけではないが、ある程度 のレベルで正解に近い解を得ることができる方法」をヒューリスティクスheuristic)と呼ぶが、計算機科学 と心理学では、指示対象の意味が異なるらしい。前者=計算機科学ではプログラミングの方法をさすが、後者=心理学では人間の思考のレパートリーのひとつで ある。論理学ではヒューリスティクスをアブダクション(推論、仮説推論)と呼ぶ。

"[H]euristic, is any approach to problem solving, learning, or discovery that employs a practical method not guaranteed to be optimal or perfect, but sufficient for the immediate goals. Where finding an optimal solution is impossible or impractical, heuristic methods can be used to speed up the process of finding a satisfactory solution. Heuristics can be mental shortcuts that ease the cognitive load of making a decision. Examples of this method include using a rule of thumb, an educated guess, an intuitive judgment, guesstimate, stereotyping, profiling, or common sense." - Heuristic.

"La heurística aparece en más de una categoría gramatical. Cuando se usa como sustantivo, se refiere a la disciplina, el arte o la ciencia del descubrimiento. Cuando aparece como adjetivo, se refiere a cosas más concretas, como estrategias, reglas, silogismos y conclusiones heurísticas." - La heurística

02-063■  ギフトオーサーシップ(gift authorship)

gift authorship:論文に貢献していない他人(研究者)を共著者に仕立て上げること。論文への「貢献」をグラント提供やスーパーバイズまで含めるべき だという主張と、純粋に具体的な研究の範囲にまで留めるべきだという主張があり、それぞれに根拠があり、一概に決められない。しかし、科学的論証過程が厳 密になり、捏造問題などで、グラント責任者にも塁が及ぶケースもあり、グラント提供者は、共同研究者に研究レベルまできちんとコミットするべきだという考 え方が主流になると、ギフトオーサーシップは、やってはならないし/やらせてはならない、ということになる。また、論文作成への貢献は、実験をスーパーバ イズして、喩え一字の修整字句があれば、その著者への貢献を認められるべきだろう。学術投稿論文は共同で書くというスタイルが主流であるが、これまでない と言われてきた人文社会系の研究も多くなりつつあるので、ギフトオーサーシップの問題は他人事ではありません。(→「だれが論文著者(クレジット)として掲載されるか」)

02-064■  ゴーストオーサーシップ(ghost authorship)

ghost authorship:論文に関わっているにも関わらず、著者として掲載しない行為。(リストに登場していない)幽霊が論文を書いているという風刺からこ う呼ばれる。典型的なものは、ゴーストライターに書かせて、あたかも自分が書いたようにふるまうことです(これは洋の東西を問わず、また理系・人文社会 系・学際融合系を問わず、しばしば見受けられますので要注意です)。データの捏造に対して、これは論文の本人以外の作成ですので、(あたかも自分が作成し たと嘘を言うわけですから)捏造の一種とみていいと思います。また、実際に論文作成にかかわらず、謝辞に載せればその責任が問われないというのも誤った考 え方です。(→「だれが論文著者(クレジット)として掲載されるか」)

02-065■  名誉オーサーシップ、オノラリー・オーサーシップ(honorary authorship)

honorary authorship:ゴーストオーサーシップとは逆に、論文に関わっているにも関わらず、著者として掲載してしま うケースです。これは、推奨されるべきことがらではありません。こんな奇妙なことがどうして起こるのでしょうか? それはその学問領域で著名な人から「ア ドバイス」受けた理由で、著者として招いてしまうケースですが、その招待には、下心があって、著名な人(=セレブ)との共著だと論文に掲載されやすくなる だろうという思惑からです。残念なことに、そのような申し出をうけるセレブ研究者もいるという理由で、実際にこのようなことは存在します。しかし、名誉 オーサーシップへの申し出がきっかけに後に共同研究者になることもあります。ただし、論文執筆や論文ための基礎データ収集時に、論文に貢献しておらず、必 要がありどうしても掲載したい場合は、謝辞に掲載すべきです。その際には、何をどのように貢献したかを明確にし、また、出版の前に本人に了承をとることが 必要です。(→「だれが論文著者(クレジット)として掲載されるか」)

02-066■  サラミ出版・サラミ・スライス化(salami slicing by authors)

salami slicing:1本でまとめられるような研究を、複数の発表論文に小分けして出版・発表する方法です。サラミないしは金太郎飴のように、どの断面も類似 のもので、共著者が順繰りに筆頭著者にするというものがあります。恐ろしいことですが、私の知る旧・帝国大学の医学部のある研究室は、小さな学会発表の時 に、そのような類似の発表を延々をおこなっていたことを目撃したことがあります。このようなサラミ発表やサラミ出版は、論文の中身とは関係なしに、出版点 数を安易にあげるための方法で、学問や研究の真理探究とは何の関係もありません。本当に重要な研究は、必要不可欠なこと冗漫にならない範囲で適格にまとめ たもののはずです。(→「だれが論文著者(クレジット)として掲載されるか」)

02-067■  イノベーションの定義(definition of Innovation)

世界でもっとも簡潔なイノベーションの定義は「びっくりするような新しい出来事 (astonishing newly event)」である(池田光穂・大阪大学COデザインセ ンター教授)

世界でもっとも短いイノベーションの訳語(定義)は 「創新普及」である(玉田俊平太・関西学院大学経営戦略研究科教授)

02-068■  ヘルス・ガバナンス(health governance)

ヘルス・ガバナンス(health governance)とは、、健康(保健)に関わる、競合の影響と需要(要求)のバランスをとる政治的なプロセスのことで ある。その政治的プロセスは、個人から、コミュニティ、地域社会、国家領域、地球地 域領域、そして地球全体に至るまでの領域で起こる。 ヘルス・ガバナンスが、世界保健機関(WHO)においてもその施策理念の中で重要性を増つつあるのは、極めて明確な理由からである。戦争、内戦、大規模災 害、流行病、薬剤耐性、代替医療や多元的医療化など、人間の健康にまつわるさまざまな側面において、マクロ・メゾ・ミクロのレベルでの現実の政治権力関係 が大きく関連しているからである。人間の健康は、そのような疾病や災害からの圧力への防御や予防に、行動変容から政策実施にいたるまで、徹頭徹尾政治的プ ロセスがかかわる(ウィルヒョー「医学は骨の髄まで社会科学である」参照)。そして、それらのガバナンス(ないしはガヴァナンス)の効果は、ベスト・プラ クティス(Best practice)—— 最適解をもとめるもっとも適切な方法や実践——に依存する。下記はWHOのガヴァナンスに関する記述である。

"Governance in the health sector refers to a wide range of steering and rule-making related functions carried out by governments/decisions makers as they seek to achieve national health policy objectives that are conducive to universal health coverage. Governance is a political process that involves balancing competing influences and demands. It includes:maintaining the strategic direction of policy development and implementation;detecting and correcting undesirable trends and distortions;articulating the case for health in national development;regulating the behavior of a wide range of actors - from health care financiers to health care providers; and establishing transparent and effective accountability mechanisms./ Beyond the formal health system, governance means collaborating with other sectors, including the private sector and civil society, to promote and maintain population health in a participatory and inclusive manner. In countries that receive significant amounts of external development assistance, governance should also be concerned with managing these resources in ways that promote national leadership, contribute to the achievement of agreed policy goals, and strengthen national health systems. While the scope for exercising governance functions is greatest at the national level, it also covers the steering role of regional and local authorities./ WHO is supporting countries in building the capacity needed to carry out governance functions effectively. This includes a better understanding of what constitutes best practice." http://www.who.int/healthsystems/topics/stewardship/en/ .

ヘルス・ガバナンス医 療人類学辞典より)

02-069■  エスノグラフィー(ethnography)

人々についての生活・状況・出来事などの質的記述に関する、個別の記述、記述法、記述の概念を すべてまとめてエスノグラフィー(ethnography)と呼ぶ。もともとは、ある特定の「民族」の記述(グラフィー)のことをさしていた術語である。したがって古典的には「民族誌=エスノグラフィー」のことをさしていた。しかし、現在では、冒頭の定義がより一 般的になっており、私もまたそのようなエスノグラフィーの広義の定義を採用する。

より詳しくは「民族誌(ethnography,みんぞくし,エスノグラフィー)」を参照してください。

02-070■  フィラデルフィア宣言(Declaration of Philadelphia)

1944年米国フィラデルフィアで開かれた ILO (国際労働機関)の第26回総会で採択された宣言(Declaration of Philadelphia)。完全雇用や社会福祉の向上など、第二次大戦後の ILO の活動の基本方針となるが、「労働は商品ではない」と謳われ、表現の自由や、(組合などの)組織の自由などが保証されている。Declaration of Philadelphiaを参照。

ILO 憲章、フィラデルフィア宣言(国際労働機関)

02-071■  ビジネス・モデル・キャンバス(Business Model Canvas)

"Business Model Canvas is a strategic management and lean startup template for developing new or documenting existing business models.[1][2] It is a visual chart with elements describing a firm's or product's value proposition, infrastructure, customers, and finances. It assists firms in aligning their activities by illustrating potential trade-offs." - Business Model Canvas

02-072■  ソーシャル・レンディング(social lending)あるいは、P2P・レンディング(Peer-to-peer lending)

ソーシャル・レンディングとは、お金を必要とする人 に、お金のある人が、資金を提供するインターネット上のやりとりのことをさす。しかし、その場合の「お金を必要とする人」と「お金のある人」 の間が、仲間(ピア)と仲間(ピア)の関係であり、金融市場のように、匿名性をおびた関係ではなく、むしろ両者の関係が社会性をおびたものである。例え ば、NPOやNGOの組織が、ある共通の目的のために、その活動資金を、それを必要とする人に対して、提案された目的にみあうだけの成果や活動を社会に示 すことができれば、NPOやNGOの組織は、そのレンディングの正当性をもつ。また、「お金を必要とする人」が、経営ベースで良好な成果を出したすると、 「お金のある人」に対して、その供与された資金にみあう成果を還元することは、両者の間の社会的関係性をより強固にする(いわゆる「互酬性」の関係をつくりだす)。

02-073■  STEM(Science, Technology, Engineering, and Mathematics)

STEM(Science, Technology, Engineering, and Mathematics)、ステムとは、科学・技術・工学・数学のアクロニムを並べた集合的略号、日本語の「理系」ないしは「理系ジャンル」にちかい用語 である。日本では、中味も思想もない、バズワードとして流行語として使う(跪拝する)関係者が多いが、米国のアメリカ国立科学財団National Science Foundation, NSF)で使われている由緒ある用語でもある。ただし、リベラルアーツ教育を尊重してきた、米国でも近 年のこの「理系偏重」のトレンドに危惧する知識人や大学人もまた、多数いることを忘れてはならないだろう。

"Science, Technology, Engineering and Mathematics (STEM), previously Science, Math, Engineering, and Technology (SMET), is a term used to group together these academic disciplines.[1] This term is typically used when addressing education policy and curriculum choices in schools to improve competitiveness in science and technology development. It has implications for workforce development, national security concerns and immigration policy.[1]/ The acronym came into common use shortly after an interagency meeting on science education held at the US National Science Foundation chaired by the then NSF director Rita Colwell.[2][3] " - Science, technology, engineering, and mathematics

02-074■  文化主権、文化的主権(cultural sovereignty, sovereignty of culture)

文化主権とは、民族や言語集団など、それぞれの文化 を担う主体が、文化をめぐる表現や理解さらには各人が意識する帰属アイデンティティなどの決定に関してイニシアチブ(=先取権や優先権)をとるべきだとい う考え方である。この場合の文化主権は、広義の政治的主権の概念として考えられる。とりわけ植民国家の 領域に住まう先住民は、長い間に(つまり歴史的 に)、間違いだらけの「劣等や保護対象のステレオタイプ」を貼られつつけており、そのため天然資源や土地権などの権利が国家やあとから植民してきた支配民 族により収奪されてきた歴史を学ぶ過程の中で、そのような負のステレオタイプを払拭し、再定義し、さらには創造的に付け加えることで、本来の自分たちの主 権を取り戻そうという動きがある。

たとえば、北米先住民(North American Indigenous People)は、しばしば、北アメリカインディアン(=文字通りには「北アメリカのインド人」)と呼ばれるが、彼らの中には、(新大陸「発見」のプロセ スのなかで)先住民を(より西方に住む)「インド人」と錯認してきたという「白人の愚かさ」を記銘するために、自分たちが「インディアン」と呼ばれること を嫌うないしは(白人を含めて)冷笑するためだけに、呼称が使われつづけることに辟易する(うんざりする)という見方がある。

文化的主権の解説としては、Theda Perdue and Michael D. Greenになる"North American Indians: A Very Short Introduction" (Oxford University Press, 2010)の第7章のアブストラクトに次のように書かれている。

"Native people have struggled to get acknowledgement for their diverse cultures just as much as they have for political sovereignty. There is a strong stereotype entrenched in the imaginations of Europeans of the ‘Indian’ which portrays them as savage and primitive, the opposite to civilized Christian Europeans. ‘Cultural sovereignty’ looks at this stereotype, fictional representations of Indians, where this stereotype has come from, and the lengths Indians have gone to contest it. Native Americans have tried to make the Europeans understand the logic of their ways of life and have consistently challenged white representations of them." - Cultural sovereignty.

02-075■  パレート最適(Paretian optimum

パ レート最適とは,ある状況を改善させるためには、他の状況を悪 化させないとならない状態をい う。つまり「ある集団が、1つの社会状態(資源配分)を選択するとき、集団内の誰かの効用(満足度)を犠牲にしなければ他の誰かの効用を高めることができ ない状態を、「パレート効率的(Pareto efficient)」であると表現する。また、誰の効用も犠牲にすることなく、少なくとも一人の効用を高めることができるとき、新しい社会状態は前の社 会状態をパレート改善(Pareto improvement)するという。......(つまり)パレート効率的な社会状態とは、どのような社会状態によっても、それ以上のパレート改善がで きない社会状態のことである(これがつまり「パレート最適(Paretian optimum)」)。- パレート効率性.

ジャ ン=ジャック・ルソーは囚人のジレンマを感じるのか?

02-076■  グリーンフィールド投資(Green Field Investment)

グリーンフィールド投資とは、母体となる会社 (parent company)が外国に直接投資して( foreign direct investment (FDI)会社を組織するタイプの投資である。まさに、何もない緑地(グリーンフィールド)から企業をするために投資するようなものである。グリーン フィールド投資は、そのため資金を回収するまでにスピードが遅く、他のライバル企業との競争についていけない可能性があるために、外国の企業をそのまま M&A(企業買収)するほうが多い傾向がある。

02-077■  クロスバウンダリー・サブシティズ[=領域横断的なサポート](Cross-boundary subsidies)

領域横断的なサポート(クロスバウンダリー・サブシ ティズ) とは、生態学や生物環境科学の用語で、パッチ状になった生息域の境界を横断する生物や物質によって引き起こされる、その近隣の生き物に対するサポート効果 (サブシティ subsitdy)のことである。生き物にとってのサポートは、その自分の住み処にない栄養物や生き物の恩恵(捕食者にとっては外来の被捕食者=餌が)こ のサブシティズ=サポートにより得られるなどの効果のことである(下図のC.を参照)。

" The transferred organisms and materials may provide additional predators, prey, or nutrients to resident species, which can affect community and food web structure. Cross-boundary subsidies of materials and organisms occur in landscapes composed of different habitat patch types, and so depend on characteristics of those patches and on the boundaries in between them. Human alteration of the landscape, primarily through fragmentation, has the potential to alter important cross-boundary subsidies to increasingly isolated habitat patches. Understanding how processes that occur outside of habitat patches can affect populations within them may be important to habitat management." - Cross-boundary subsidy.

"c. Complementary resource use, insect predator abundance is highest near the edge because they need resources present in both patches. This is an example of a reciprocal positive edge response. Redrawn from Rand et al. 2006."- Cross-boundary subsidy.

Rand, T. A., J. M. Tylianakis, T. Tscharntke. 2006. Spillover edge effects: the dispersal of agriculturally subsidized insect natural enemies into adjacent natural habitats. Ecology Letters 9: 603-614.

02-078■  エグゾトピー(exotopie)

ツヴェタン・トドロフは、自文化から距離をおくこと が、いかに困難であるかについて論じている。そのためには自分が属している場所から自分を(多分に認識論的な意味 あいにおいて)引き離すこと=非・所属(エクゾトピー)が必要であると述べて、トゥキュディデスについて触れている。前5世紀頃の『歴 史』Historiaiの著者トゥキュディデスは、彼自身アテネ人でありながら、アテネとペロポネソスとの戦争の歴史を書く資格があるかについて弁明した 根拠は次のようなものである。「自分はアテネ人だが、20年を祖国から離れて暮らした」というのだ(トドロフ『歴史のモラル』p.35)。

トドロフは、自民族中心主義(ethnocentrism)について次のように述べている。

« Pour peu qu'on veuille dépasser l'égocentrisme inné de chaque individu comme de chaque communauté, on s'aperçoit que le membre du groupe, bien que mieux familiarisé avec ses coutumes, occupe une position défavorisée. C'est que, justement, chaque groupe se croit le meilleur au monde, si ce n'est le seul. Hérodote raconte dans son Enquête que les Perses se caractérisent par le trait suivant : ''Parmi les autres peuples, ils estiment d'abord, après eux-mêmes toutefois, leurs voisins immédiats, puis les voisins de ceux-là, et ainsi de suite selon la distance qui les en sépare ; les peuples situés les plus loin de chez eux sont à leurs yeux les moins estimables : comme ils se jugent le peuple le plus noble à tout point de vue, le mérite des autres varie pour eux selon la règle en question, et les nations les plus éloignées leur paraissent les plus viles. »- Tzvetan Todorov,  Les morales de l'histoire (éditions Grasset & Fasquelle, 1991, p. 29)

エクゾトピーの隠喩のほかに、文化人類学が得意とす るメタファーは、フランツ・ボアズが提唱し、ルース・ベネディクトが民族誌を通して、見事に実証した、自民族中心主義の「レンズ」から自由になること可能性についてである。

02-079■  共同研究(Collaborative/ Joint Research)

共同研究を成功させるためにもっとも重要な要素は、 1.コミュニケーション、2.役割分担、3.オーサーシップ(著者性の担保)、4.知的財産、5.説明責任、だと言われている(Macrina 2014)。

共同研究を成功させるために!

02-080■  限界費用と限界収益(Marginal cost and Marginal revenue)

限界費用(Marginal cost)と は、生産量を一定の単位だけ増加させた時に総費用が増えた時の増加分(コスト)をさす。限界費用はマージナル・コストとも呼ばれる。また、生産量を一定の 単位だけ増加させた時に総収益の加分(コスト)を限界収益(Marginal revenue)という。ウィキペディアには下記のように記されている。


 上の左図のカーブがマージナルコスト (MC)である。「企業が利潤最大化を達成している時には、限界費用と限界収益(MR)が一致する(上掲左図のMCとMRの交点)生産量」となる。右図の ARとは平均収益(Average Revenue)のことである。さらにウィキでは「古典派経済学では収穫逓減の法則が働き、dl/dq は生産量の増大とともに増加すると考えて、U字型の費用曲線の右半分となるが、1930年代以後の大企業の現実は、収穫不変に近く、限界費用は、 通常の操業度の下では一定に近い」という。「生産量を増加させていくにつれ、平均固定費用は減少していくのに対し、平均可変費用は一般に 増加していく。平均固定費用の減少分が平均可変費用の増加分を上回る間、平均総費用は減少していくが、平均固定費用の減少分と平均可変費用の増加分が等し くなったとき、下げ止まった平均総費用は最小となる。このときの最小の平均総費用は限界費用と一致する」という(以上すべて「限界費用」より)。

これ以上の詳しい説明は、ウィキペディア「限界費用」を参照のこと。

02-081■  フレデリック・シームンズのテーゼ(Frederick J. Simoons' Thesis)

フレデリック・シームンズは、クライド・マンウェル とアン・ベイカーの所論を紹介して、人類が犬類を手なずけた最大の要因は、その肉を食糧として利用 することであると言っている。さらに彼らの研究よりもさらに1世紀前のベルンハルト・アウグスト・ランカベルというドイツ(プロイセン)の動物学者——こ の人には「犬と野蛮人」という論文もある——は、狩猟採集時代において食物の枯渇は狩人とその家族、ひいては一族(バンドという単位で遊動していた)に とっては危機的な状態であり、犬は非常に便利なタンパク源であったと主張している。この人類最初の家畜の肉は、ずいぶん後になって食べるようになったどの 家畜の肉よりも脂肪分が少なくてヘルシーだというおまけもついてくる。これらのことをまとめて、「犬は共同で狩猟をするために人間を助けるのみならず時に は食われてタンパク源も提供する」ことを《シームンズのテーゼ》と言う(→出典:「さあ犬の肉 を食べよう!」)。

02-082■  改ざん(改竄)、実験データの改竄(falsify)

改ざん(改竄)、実験データの改竄 (falsify)とは、その文字通り、実験データを事実とは異なるものとして意 図的に変更を加えて、自分の研究に利するようにデータを操作することである(→「研究不正(Research misconduct)」)。

02-083■  ねつ造(捏造)(fabrication)

ねつ造(捏造)(fabrication)とは、事 実に基づくはずである実験データを、全く人工的に 加工してでっちあげることである。そのことにより自分の研究に利するようにデータを捏造することである(→「研究不正(Research misconduct)」)。

02-084■  剽窃[ひょうせつ](plagiarism)

剽 窃[ひょうせつ](plagiarism)とは、論文引用等の手続きなしに、他者の著作からの文章や 図表などを盗用し、あたかも自分の創作であるようにすることである(→「研究不正(Research misconduct)」)。

02-085■  データ窃盗(data theft)、他の研究からのデータの窃盗

データ窃盗(data theft)、他の研究からのデータの窃盗とは、論文引用や、非公開の実験データを、当人たちの承諾 を得ずに(つまり、引用された研究者に敬意を払うことなく)盗むことである(→「研究不正(Research misconduct)」)。

02-086■  共著者としての名義貸し(gift authorship)

共著者としての名義貸し(gift authorship)とは、実際の論文に貢献していないのに、共著者としての資格をその人にプレゼントすることです。なぜ不正なのか、以下に説明しま しょう。論 文の著者は、実際に実験に参加したり、当事者とし ての著述に携わったり、論文という共同制作の行為に関わった人だけが《著者》として名乗ることができます。研究費を取ってきて、共同研究者に配分しても、 研究に全くかかわらない人は、言葉の正しい意味での共著者になることができません。とりわけ、名義貸しの禁止は、従来の日本の考え方よりも厳しく考えるよ うに なってきたのがグローバルスタンダートで、今日では常識(良識)化しつつあります(→「研究不正(Research misconduct)」)。

02-087■  名声を利用した名義借り、あるいは名誉著者(honorary authorship)

名声を利用した名義借り、あるいは名誉著者 (honorary authorship)とは、著者のなかに著名な学者を「招待」することで、査 読過程を有利にすすめようとするかなりグレイな不正です。近年の共著論文では、複数の著者の投稿の場合は、論文中ないしは脚注の中に役割分担に関する記載 をすることになり、仮に、名誉として著者として招待されても、〈論文の完成に実質的に貢献〉しない限り、著者とは認めないようになってきました。また、共 著の中にセレブリティが入ることで、逆に厳しく査読されることもあり、名誉著者性(honorary authorship)とは実際には不名誉な著者性(dishonourable authorship)にもなりかねません(→「研究不正(Research misconduct)」)。

02-088■  幽霊著者(Ghost Authorship)

幽霊著者(Ghost Authorship)とは、名義貸しや次に述べる「名声を利用した名義借り(honorary authorship)」のよう に、実際に著述に関わらない、倫理的に全く無責任な著者のことです。以前、私は、学術雑誌の編集長を務めたことがありますが、投稿されてきた共著論文の内 容があまりにも酷く、その最後の(著名な)著者が私の知人であったために、直接照会し、実際に論文に関わったのかどうかを調べたことがあります。具体的に その後の対処については、守秘義務もあるので、多くは語れませんが、その知人には(今後は重大な倫理違反になりえる可能性があるので)厳しく対処するよう にアドバイスしました(→「研究不正(Research misconduct)」)。

02-089■  テクニカル・コミュ ニケーション(Technical Communication)

テクニカル・コミュニケーション (technical communication)とは、科学、工学(エンジニアリング)、あるいはその他の情報を、その専門家以外の人に伝える手段や伝達の現象のことであ る。テクニカル・コミュニケーションの専門家は、テクニカル・コミュニケーター(technical communicator)やテクニカル・ライター(technical writer)と呼ばれる。したがって、彼/彼女の活動は、テクニカル・コミュニケーション(=伝達の現象)あるいはテクニカル・ライティング (technical writing)という(→「テクニカル・コ ミュ ニケーションへの招待」)。

02-090■  抑制的移民政策と選択的移民政策

抑制的移民政策は、移民を受け入れる方針を抑制する 方向に誘導する政策である。この政策は、帰化手続きを複雑にし、その認可を厳しくすることで、定住目的で入国している外国人の「帰化」を困難にさせたり、 出身国への帰国を促進させる方法である。抑制政策のもっとも最たるものは「ゼロ移民政策」というものである。ただし抑制政策にマイナス政策というものはな い、もし仮にマイナス移民政策というのは、国内から「異質な国民/不法滞在者」を排斥する政策になり、これは、彼/彼女らの出身国との外交問題や、移動民 の権利保証を承認する国際社会のグローバルな基準とは逸脱するものであるからだ。他方、移民を無条件に受け入れるのではなく、21世紀初頭の英国の「高度 技術移民プログラム(Highly Skilled Migration Programme)」などのように、移民申請をする者とその家族を選別する政策が選 択的移民政策(Selective immigration policies)である。

02-091■  出版倫理委員会( Committee on Publication Ethics, COPE )

「COPE(出版倫理委員会)は英国の医学ジャーナ ル編集者たちの小さなグループにより1997年に設立された。その後、英国で公益有限責任保証会社として登録された後、2007年に基本的な規範である Memorandum of Associationを制定する。……COPEは新人編集者向けに、e-ラーニングコースを開設している。コースは合計11モジュールで構成され、現在 受講可能なものは、出版倫理入門、剽窃、オーサーシップ(著者資格)などである。 COPEはまた、出版倫理に関する研究に資金提供を行い、世界規模で年次セミナーを企画・運営している。さらに、会員が、ジャーナル編集者向け行動規定及 びベストプラクティスガイドライン(Code of Conduct and Best Practice Guidelines for Journal Editors)とベストプラクティスガイドライン(Best Practice Guidelines)を順守しているかどうかを評価するための監査ツールも開発した」(出典:大鵬薬品「Committee on Publication Ethics ( COPE ) とは」)

02-092■  カルチュラル・アジリティ(文化的敏捷さ; Cutural Agility)

"Cultural agility is the ability to understand multiple local contexts and work within them to obtain consistent business results.  For today’s global organisations, cultural agility is the new competitive edge. While individual capacities are important, successful organisations build an institutional level of a global mindset and skills for effectively coordinating, negotiating and influencing across boundaries. Building cultural agility often includes making structural changes as an organisation moves from active operations in a few countries to multiple continents.  This brings about diversity of experience and thinking and this usually results in better business decisions. - Cultural agility, by Finalcial Times.

02-093■  剰余価値(じょうよかち; surplus-value, Mehrwert)

マルクス主義における基本概念。具体的には、労働者 が労働力を資本家に提供して得た賃金として計上されていない不払賃金のこと。不 払賃金と言っても、資本家はイケズをして労働者の賃金をピンハネしているわけではない。資本家もまた「資本」によって使われる(ある意味で労働者と同様 に)奴隷の身分と意識しかなく、剰余価値は資本家をして、資本の増殖に使われる。マルクス主義では、「貨幣G-商品W-貨幣G'(G+ΔG)」における 「ΔG」(つまり差分の利益)として表現される。このことを理解するためには、カール・マルクスが、アダム・スミスやデイビッド・リカードらの古典派経済 学が前提とする労働価値説(labour theory of value)に立ち、資本主義社会における「利潤」は剰余価値がかたちを変えたものだと考える。マルクス主義では、労働者の 労働は、労働力「商品(W)」 であり、労働者はその価値のある(労働力)商品を売り渡して——これを[労働を賃金と交換するので]交換価値があるという——賃金を稼ぐが、(工場やオ フィスを所有し、ビジネスとして利潤=儲けをあげなければならない)資本家のほうは、労働者をして使役せしめて(つまり働かせて)製品をつくったりビジネ スを運営したりしなければならない。このため、資本家にとって、労働者の労働——つまり労働力商品——は、彼/彼女らをはたらかせてのみ意味がある。つま り後者の労働力の価値は利用することに意味があり、これを「使用価値」と名付けている。

ウィキペディア(日本語)は、「剰余価値」を次のように解説している:「剰余価値(=不払い労働としての儲け=資本の利潤)はいかにして生まれるのか。労働力はその使用価値そのものが価値を生み出す独特な性質を持つ一商品であり、 労働者の肉体[と精神:池田追記]に存在している。労働力商品の価値額はその再生産 に必要な労働時間によって規定される。ところが資本の生産過程において現 実に支出された労働量[=労働者が商品として働いたこ とをこのように言い換える]、したがってそれが商品に対象化されたものとしての価値 量は、労働力商品の価値量を超過する。この超過分が剰余価値で ある」と(出典は文中下線部リンク)。

Surplus value is a central concept in Karl Marx's critique of political economy. "Surplus value" is a translation of the German word "Mehrwert", which simply means value added (sales revenue less the cost of materials used up), and is cognate to English "more worth". Conventionally, value-added is equal to the sum of gross wage income and gross profit income. However, Marx uses the term Mehrwert to describe the yield, profit or return on production capital invested, i.e. the amount of the increase in the value of capital. Hence, Marx's use of Mehrwert has always been translated as "surplus value", distinguishing it from "value-added". According to Marx's theory, surplus value is equal to the new value created by workers in excess of their own labor-cost, which is appropriated by the capitalist as profit when products are sold. - Surpulus value.

Turret lathe operator machining parts for transport planes at the Consolidated Aircraft Corporation plant, Fort Worth, Texas, USA.

02-094■  KGI(けー・じー・あい:Key Goal Indicator)/ KPI(けー・ぴー・あい:Key Performance Indicator)

KGI(けー・じー・あい:Key Goal Indicator)とは「重要目標達成指標(KGI)」と呼ばれ、個人や部門が達成すべき最終的な成果を目的量と示すことで、そこにどれだけ達成するか、あるいはそれ らの達成を超えてより高い目標に到達するのかを競い合わせる強化指標。フランチャイズ・チェーン店舗の社長が「目標XXXX店舗達成!」とスローガンを掲 げるのは、前者をあげたKGIを実践していることになる。質的なものはKGIには評価しにくいので、具体的でわかりやすい数値が使われる。現状の成長の微 分係数と一定時間後の到達目標から、到達可能なKGIとそうでなさそうなKGIまで幅がとれるが、職場の管理者は、後者のような状況では、より労働の強度 をあげたり、労働者の職場管理に血道をあげる傾向がある。そのような場合、労働は辟易し、時には管理者がいないところで手抜きをするようになり、職場はさ らにブラック化する。

KPI(けー・ぴー・あい:Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標(KPI)」とも呼ばれ、企業のみならずあらゆるタイプの組織において、個人や部門の成果を定量化、評価するために、達成する目標に対してどれだけの進 捗(進歩)がみられたのかを予(あらかじ)め宣言させた指標にもとづいて評価するものである。これは、組織の管理者が各個人や各部門の業績達成の評価を、 自己管理(自己監視)させ、最終的に自己報告させることで、各個人や各部門を支配しより上位の組織に従属させるための巧妙な管理手段のことである。

02-095■  電子商業取引、e-コマース(E-commerce)

"E-commerce is the activity of buying or selling of products on online services or over the Internet. Electronic commerce draws on technologies such as mobile commerce, electronic funds transfer, supply chain management, Internet marketing, online transaction processing, electronic data interchange (EDI), inventory management systems, and automated data collection systems." - E-commerce

第4 次産業革命が到来、グラフで探る経済への影響(The Wall Street Journal, 日本版,2018年11月14日)

Inside the New Industrial Revolution, Christopher Mims

02-096■  中国の電子商業取引、e-Commerce in China

中国の電子商業取引は、アリババ阿里巴巴集団, Alibaba Group)グ ループと、テ ンセント腾讯, Tencent)の2大産業により市場が席巻さ れています。それぞれの企業集団は(外部)リンク先の情報をご確認ください。

02-097■  一帯一路(いったい、いちろ:Belt and Road Initiative)

正式名称は「シルクロード経済ベルトと21世紀海洋 シルクロード(シルクロードけいざいベルトと21せいきかいようシルクロード、[Chinese: 丝绸之路经济带和21世纪海上丝绸之路] 拼音: Sīchóu zhī lù jīngjìdài hé èrshíyī shìjì hǎishàng sīchóu zhī lù、英語: The Silk Road Economic Belt and the 21st-century Maritime Silk Road)とは、2014年11月10日に中華人民共和国北京市で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平総書記が提唱した経済圏構想」。略称 が「一帯一路(いったい・いちろ、拼音: Yídài yílù、英語: The Belt and Road Initiative, BRI; One Belt, One Road Initiative, OBOR」とよばれる。(出典:「一帯一路」wiki)

"The Belt and Road Initiative (BRI)... is a development strategy adopted by the Chinese government involving infrastructure development and investments in countries in Europe, Asia and Africa. "Belt" refers to the overland routes, or the Silk Road Economic Belt; whereas "road" refers to the sea routes, or the 21st Century Maritime Silk Road. Until 2016, the initiative was officially known in English as the One Belt and One Road initiative but the official name was changed as the Chinese government considered the emphasis on the word "one" prone to misinterpretation."

Fig.01. The Belt and Road Economies from its initial plan Fig.02. Asian Infrastructure Investment Bank (Light green and blue: Prospective members [regional and non-regionak]; Deep green and blue: Members [regional and non-regionak])

02-098■  テンセグリティ(Tensegrity)

テンセグリティ(tensegrity)とは、構造 システムが破綻しない範囲で、部材を極限まで減らしていったときの最適形状の一種であるが、基本的には《連続した引張材》(=例えばワイヤーやゴム)と 《不連続の圧縮材》(=例えば硬くて棒状のもの)からなる。用語は、バックミンスター・フラー(Richard Buckminster "Bucky" Fuller, 1895-1983)により提唱された概念からなり、Tension(張力)とIntegrity(統合)の造語に由来している。関節を媒介にして骨格は 《不連続の圧縮材》であり、《連続した引張材》たる筋肉により、動物の身体は支えられているが、筋肉だけでも、また骨格だけでも身体がさえられないこと は、筋肉ならびに神経系と、骨系のそれぞれが障害がある場合には、統合的な構造支持構造をつくることができない。テンセグリティ以前の構造概念では、部材 を極限まで減らしていったときの最適形状は、三角形からなるトラスなどの幾何学要素の集合と考えられていたので、この発想は重要でありかつ画期的である。 また生物体の構造を考える上でも重要である。- テ ンセグリティTensegrity

Largest Tensegrity bridge in the world Kurilpa Bridge- Brisbane

02-099■  デジタルオブジェクト識別子(Digital Object Identifier, DOI, doi

doi とは、インターネット上のドキュメントに恒久的に与えられる識別子(identifier)である。識別子(identifier)の定義は「ある実体の 集合の中で、特定の元を他の元から曖昧さ無く区別することを可能とする、その実体に関連する属性の集合」をさす(ISO/IEC 25760-1:2011)。

"In computing, a Digital Object Identifier or DOI is a persistent identifier or handle used to uniquely identify objects, standardized by the International Organization for Standardization (ISO)." - https://www.iso.org/obp/ui/#iso:std:iso:26324:ed-1:v1:en

なぜDOIが必要になるのか?:「URLは、サーバ の移転などによって変化するため、古い情報になるほどリンク切れなどの不都合が生じやすい。DOIは、ユーザーとファイルの所有者(出版社や音楽配信業者 など)の間にDOIディレクトリを経由させることで、これを回避する」ため(出典:「デ ジタルオブジェクト識別子」)。

ISO/IEC 25760-1:2011

3.1.1
entity
item inside or outside an information and communication technology system, such as a person, an organization, a device, a subsystem, or a group of such items that has recognizably distinct existence
EXAMPLE:A human subscriber to a telecom service, a government agency, a SIM card, a passport, a network interface card, a website.
3.1.2
identity
partial identity
set of attributes (3.1.3) related to an entity (3.1.1)
Note 1 to entry: An entity can have more than one identity.
Note 2 to entry: Several entities can have the same identity.
Note 3 to entry: In a particular domain of applicability an identity can become a distinguishing identity or an identifier to allow entities to be distinguished or uniquely recognized within that domain.
Note 4 to entry: ITU-T X1252[13] specifies the distinguishing use of an identity. In this part of ISO/IEC 24760 the term identifier implies this aspect.
3.1.3
attribute
characteristic or property of anentity (3.1.1) that can be used to describe its state, appearance, or other aspects
Note 1 to entry: The primary function of the concept of an attribute in this part of ISO/IEC 24760 is to be a particular, well-defined aspect of the description of an entity in an identity management system. The values of attributes in an identity together describe the entity in a domain.
EXAMPLE:An entity type, address information, telephone number, a privilege, a MAC address, a domain name are possible attributes.
3.1.4
identifier
unique identity
distinguishing identity
identity information (3.2.4) that unambiguously distinguishes one entity (3.1.1) from another one in a given domain (3.2.3)
Note 1 to entry: An identifier may be suitable for use outside the domain.
Note 2 to entry: An identifier may be an attribute with an assigned value.
Note 3 to entry: An identifier may be the one or more attributes that determine if an identity passes or fails specific criteria.
EXAMPLE:A name of a club with a club-membership number, a health insurance card number together with a name of the insurance company, an email address, or a Universal Unique Identifier (UUID) can all be used as identifiers. In a voter’s register, the combination of attributes name, address and date of birth is sufficient to unambiguously distinguish a voter.

source: https://www.iso.org/obp/ui/#iso:std:iso-iec:24760:-1:ed-1:v1:en

02-100■  教育の学年制(Educational stage)

学年制(Educational stage)は、 各国によって微妙に異なる。日本は、6,3,3制であるが、アメリカ合衆国では、幼稚園の年長時代も含めて6年制で小学校の最終学年は5年生である。中学 は、6年生・7年生・8年生であるが、アメリカの8年生は、日本の中学2年生である。ただし、高校は4年制であり、9年生・10年生・11年生・12年生 で、高校を修了することになる(下図)。

他方で、フランスもまた18歳で高校までの履修が終 わるが、日本風にいうと、小学が5年生まで、中学は4年制で、高校(リセ)が3年制となって、日本とも似て非なる(図表)

イギリス(スコットランド)は、小学は7年生まで、 中学・高校が一貫して6年制である。


02-101■  現場(genba, on site, in situ

現場(げんば;genba, on site, in situ)とは、私たちが何かの活動を行なっているときに、その前に広 がる時空間のことである。現場は、英語では、オンサイト(on site)、ラテン語ではイン・シチュ[イン・サイチュ:in situ]という。現場という時空間で発揮される人間の力(コナトゥス:conatus)のことを、現場力という。現場力の英訳は、Genba-ryoku,とそのまま言うか、 empowerment faculty and sensibility in practice であると、池田光穂の「現場力」は定義している。

02-102■  ヤズィディ教(Yazidis)

ヤズィーディー(Yazidi) ヤジーディー、ヤズィード、ヤジディとも表記される、イラク北部のクルド人発祥の宗教。「ヤズィーディーは一神教であり、ゾロアスター教とメソポタミアの 伝統儀式が入り混じるほか、キリスト教、ユダヤ教、スーフィー、イスラム教などの影響を受けており、七大天使、就中、孔雀天使マラク・ターウースを信じ、 太陽に祈りを捧げる」(ヤズィーディー:ウィキペディア)。現在では、イラク の65万人をはじめとして、ドイツの10-12万人、シリア7万人など世界に多く信徒がいる(Yazidi)。

IS の攻撃で論文未完は許せない (スウェーデン・ルンド大学)教授がイラクに傭兵派遣し学生救出」("University professor sent elite mercenaries to rescue student from Isil warzone") The Telgraph 2018年12月12日原文配信

02-103■  トリガー戦略(Trigger strategy)

ゲーム理論においては、どのような場合でも非協力 ゲーム(non-cooperative game)のなかで採用される戦略をいう。トリガー戦略とは、最初は協力するが、一度でも罰(=逸脱の一種であり、これを「トリガー」という)を受ける と、以降は、非協力の戦略をとりつづける戦略のことをいう。外交関係で最初、同盟関係を維持していたものが、一旦侵略をうけたり、軍事的敗北をうけると、 それ以降は敵対的(=非協力)行動をつづける戦略がそれである(例:日本とソ連・ロシアとの関係)。トリガー戦略である非協力行動は、ゲームを無限に繰り 返す試行において、協力より利得がすくないために、最初から協力しあったほうが長期的にみて全体の利得が増える——これを、囚人のジレンマゲームでの非協 力の解よりもペイオフをナッシュ均衡として実現することができる、と言う。

"In game theory, a trigger strategy is any of a class of strategies employed in a repeated non-cooperative game. A player using a trigger strategy initially cooperates but punishes the opponent if a certain level of defection (i.e., the trigger) is observed. The level of punishment and the sensitivity of the trigger vary with different trigger strategies." - Trigger strategy.

02-104■  法案の原案作成から法律の公布まで(内閣法制局)

日本で法律がつくられるためには、次のようなプロセ スを踏む。1)法律案の原案作成、2)内閣法制局における審査、3)国会提出のための閣議決定、4)国会における審議、5)法律の成立、そして、6)法律 の公布、である(→「法案の原案作成から法律の公 布まで(内閣法制局)」)。

02-105■  マイクロバイオーム(microbiome; 細菌叢)

マイクロバイオーム(microbiome)とは、 マイクロビオータ(microbiota)つまり細菌叢(さいきんそう)に含まれる遺伝子物質の全体のことをさします。

微生物たち(Microbial Multitudes)とは、別名、マイクロビオータ(microbiota)あるいは専門用語 では細菌の集まり、叢(訓読みで「くさむら」音読みでソウ)つまり「細菌叢」と もいい、いわば極小の世界のコミュニティのことをさします。

"The microbiome comprises all of the genetic material within a microbiota (the entire collection of microorganisms in a specific niche, such as the human gut). This can also be referred to as the metagenome of the microbiota." - nature.com.

Microbiome Research Is Becoming the Key to Better Understanding Health and Nutrition - by Dirk Hadrich (13 June 2018 | https://doi.org/10.3389/fgene.2018.00212)

マイクロバイオーム研究小史

02-106■  変性意識状態(altered states of consciouness, ASC)

薬物の助けを借りたり、自らの技法により憑依したり 恍惚状態になった日常とは異なる意識状態の変容状態を変性意識状態(altered states of consciouness, ASC)という。変性意識状態(へんせいいしきじょうたい)は、覚醒状態であり睡眠中の奇妙な体験ではないことに留意しなければならない。

"An altered state of consciousness (ASC),[1] also called altered state of mind or mind alteration, is any condition which is significantly different from a normal waking state. By 1892, the expression was in use in relation to hypnosis[2] although an ongoing debate about hypnosis as an ASC based on modern definition exists. The next retrievable instance, by Dr Max Mailhouse from his 1904 presentation to conference,[3] does however, as it was in relation to epilepsy, and is still used today. In academia, the expression was used as early as 1966 by Arnold M. Ludwig[4] and brought into common usage from 1969 by Charles Tart.[5][6] It describes induced changes in one's mental state, almost always temporary. A synonymous phrase is "altered state of awareness." - Altered state of consciousness.

[1] Bundzen PV, Korotkov KG, Unestahl LE (April 2002). "Altered states of consciousness: review of experimental data obtained with a multiple techniques approach". J Altern Complement Med. 8 (2): 153–65. doi:10.1089/107555302317371442. PMID 12006123. [2]"Aberdeen Evening Express". An Aberdeen Doctor on Hypnotism. [Occurrence 3/4 down page, 3rd column, adjacent to article spacing rule in 2nd column.] December 14, 1892 – via British Library. The faculties of reason and judgement, the elaborate and regulative faculties, in this altered state of consciousness, are obviously dependent on sense perceptions, and vary accordingly as they do. [3] Mailhouse, Max (1905). The Duties of the State with Reference to Epileptics. Bulletin of State Institutions [under the Board of Control], Volume 7. p. 83. Read at the 4th Annual Meeting of the Assoc. for the Study of Epilepsy and the care and treatment of Epileptics, 22 Nov 1904: 'That is to say the psyche may take on an independent action entirely foreign to the nature and personality of the epileptic when free from an attack, and this altered state of consciousness may lead to acts more or less harmful to patient or bystander' [4] Ludwig, Arnold M. (September 1966). "Altered States of Consciousness (presentation to symposium on Possession States in Primitive People)". Archives of General Psychiatry. 15 (3): 225. doi:10.1001/archpsyc.1966.01730150001001. Retrieved 29 September 2010.[5] Tart, Charles T. (1969). Altered States of Consciousness: A Book of Readings. New York: Wiley. ISBN 0-471-84560-4. [6] Tart, Charles T. (2001). States of Consciousness. Backinprint.com. ISBN 0-595-15196-5.

02-107■  TRIPS(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)

TRIPS(知的所有権の貿易関連の側面に関する協 定)は、Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights、 のアクロニム。1994年に制定(WTO協定のひとつで、WTOが管理する)。ウィキ(日本語)によると「パリ条約やベルヌ条約といった知的財産に関する 既存の条約の主要条項を遵守することを義務づけるとともに(たとえば第2条第1項、第9条第1項など)、特許権の存続期間など一部の事項については、これ らの条約を上回る保護を求めている(パリ・プラス・アプローチ、ベルヌ・プラス・アプローチ)/知的財産に関する既存の条約では内国民待遇のみが規定され ていたが、TRIPS協定では、GATT及びWTO諸協定の例にならい最恵国待遇が定められている(第4条)/知的財産権の権利行使(エンフォースメン ト)について、条約として初めて規定している(第3部(第41-61条)/ある商品の品質や評価が、その地理的原産地に由来する場合に、その商品の原産地 を特定する表示である地理的表示についても定めている(第22-24条)」という特徴がある(TRIPS)。

民族医療の領有について

文献

02-108■  規模の経済(Economies of scale

「規模の経済(Economies of scale)」が働いている場合は、生産量(Q)が拡大すれば、平均費用(C)が低下する(下図の曲線の左側の部分)。それに対して曲線の右側のように、生産量が拡大する につれてコストが再上昇する場合、「規模の不経済(Diseconomies of scale)」という。

"In microeconomics, economies of scale are the cost advantages that enterprises obtain due to their scale of operation (typically measured by amount of output produced), with cost per unit of output decreasing with increasing scale. (In economics, "scale" is synonymous with quantity.)" - Economies of scale .

02-109■  インテリジェンス(intelligence)

インテリジェンス(intelligence)とは かつて諜報(ちょ うほう)と翻訳されていたことばを外来語として読み直したものである。Google - Dictionary によると二番目の意味に、2. the collection of information of military or political value(=軍事的または政治的価値のある情報収集)とあり、その同義語(synonyms)として「 information gathering(情報の収集), surveillance(監視), observation(観察), reconnaissance(偵察), spying(スパイ行為), espionage(スパイ活動), undercover work(諜報), infiltration(潜入[調査]), ELINT(電子偵察:electronic intelligenceの略号), HUMINT(人間諜報活動:Human intelligence), cyberespionage(サイバースパイ活動), humint(情報分析)」からなる。

それらをまとめると、軍事あるいは現実政治(リアルポリティーク)の世界で、秘密裏にすすめられる、人または通信や 機械(コンピュータ)を使っておこなわれる、(1)情報の収集、(2)蓄積、(3)分析、(4)報告、そしてそれに基づく(5)作戦遂行、の5要素が諜報 =インテリジェンス[intelligence](あるいは軍事的インテリジェンス:military intelligence)である

02-110■  例外状態(Ausnahmezustand, state of exception)

例外状態(Ausnahmezustand, state of exception)とは、主権者が宣言する非常事態=緊急事態 (State of emergency)のことである。カール・シュミットは 『政治神学』(1922)において、主権者(Sovereignty)とは、例外状態において決断を下せるものもの=人・神学などの抽象事物・AIなどのコミュケーション主体]だと定義し た。シュミットは、主権者の内在的性格から主権者を定義するのではなく、例外状態という社会的文脈の中での社会的役割をとおして主権(Sovereignty)=至高なる者 の定義をおこなった。これは政治学における革命的な出来事である。なぜなら、主権あるいは主権者の定義とは、統治体(=統治され る主体)がもつ完全な権利と力(=権力)のことだからである。シュミットの理論によれば、例外状態こそが、その統治体が何であり主権(者)が何ものであるのかを明らかにすることができ るからである。

この議論から敷衍できることは、革命勢力が、王宮や 大統領官邸あるいは首相官邸——主権の在りかのシンボル——を占拠することは、抽象 的な実体と考えれられる主権の権能を表象行為として簒奪することができることを、それを見る者に確信させることができる(→「『想像の共同体』論」)。つまり、例外状態の理論は、主権と権力は、通常状態には不可視で空疎なもの(つまり不要なもの)であると いうことを、明らかにした。これが重要な貢献である(解説者である私の貢献でもある!)。シュミットは自分の思考実験(=それゆえに「政治神学」と自著を 正直に名付けることをした。これは政治的合理主義者にはできない判断=思考である)を通して、このような空前絶後の偉業をやりとげた。これはトマス・ホッ ブス以来の政治権力概念の刷新(イノベーション)であり、これ以降、政治学者にとってその時(1922)まで社会契約論のシンボルであった、ホッブスの主 権のシンボル=リヴァイアサン像による政治権力の表象がもはや不要なものになった。

HAL9000

02-111■  カリキュラム・マッピング(curriculum mapping)

カリキュラム・マッピングとは、カリキュラムに関連 するデータを収集したり、記録(記述)したりすることだ。カリキュラムに関連するデータとは、それぞれの教科領域や学年・履修習熟度にあわ せた、中核にな る技術や学習内容、採用される方法や過程、そして利用される評価法などのことであり、それらを、このカリキュラム・マッピングの過程で明確にする(=位置 付ける)ことである。

もとになったデータ:"Curriculum mapping is a process for collecting and recording curriculum-related data that identifies core skills and content taught, processes employed, and assessments used for each subject area and grade level. The completed curriculum map then becomes a tool that helps teachers keep track of what has been taught and plan what will be taught." - Curriculum mapping, What is it?

The Curriculum Mapping Resources Page

How to Create a Curriculum Map, By: Jacqui Murray

02-112■  ゴンゾー★メソッド(Gonzo Method)

ゴンゾー・メソッド(Gonzo Method)とは、対象者の情報を客観化し たり、あるいは逆に操作しようとするのではなく、対象者のコミュニ ティのなかに参与することで、対象者の仲間そのものに なってしまおうという手法である。ゴンゾー・マーケティングと は、クリストファー・ロックによる、従来のマーケティングとは根本的に異なる、また異端のマーケティング手法のこ とで、対象者の情報を客観化したり、あるいは逆に操作しようとするのではなく、対象者のコミュニティのなかに参与することで、対象者の仲間そのものになっ てしまうマーケティング手法のことである」(出典「ゴンゾー★メソッドとは?」)

ゴンゾー★メソッドとは?

02-113■  メッシュ・ネットワーキング(Mesh networking)

メッシュ・ネットワーキング(Mesh networking)あるいはメッシュネット、さらにはメッシュとは、ノードの一部分が直接接続(ピアツーピア;peer to peer, P2P[ソーシャル・レンディング])しているネットの様態のトポロジーのことをさす。ピアツーピアが、チェーンのようにつながれば、中央配信のようなサーバーどころか(茫漠とはして いるが)クラウドのような集合的な情報源にアクセスしなくても、ネットーワクを経由した情報通信(コミュニケーション)が可能になる。これを可能にしたの が、情報通信速度の速いインターネットであり、通常の口コミ、さらには手紙や電話のノードを経由するような時間の損失を回避することが可能になった。ま た、サーバーやクラウドでは、それを中央監視(パノプティコン)するような検閲からの情報通信のプラバシーの漏洩が軽減されるという利点もある。ピアツー ピアのみが知りうる暗号化の技術を利用すればさらに、情報の信頼性と即応性は確保できる。

上掲の図は、"Mesh networking" を改造したものである

「メッシュネットワークには自己修復性がある。1つ のノードがダウンしたり、1つの接続が不良となっても、ネットワーク全体は運用可能である。結果として、非常に信頼性の高いネットワークとなる」メッシュネットワーク.

"A mesh network (or simply meshnet) is a local network topology in which the infrastructure nodes (i.e. bridges, switches and other infrastructure devices) connect directly, dynamically and non-hierarchically to as many other nodes as possible and cooperate with one another to efficiently route data from/to clients. This lack of dependency on one node allows for every node to participate in the relay of information. Mesh networks dynamically self-organize and self-configure, which can reduce installation overhead. The ability to self-configure enables dynamic distribution of workloads, particularly in the event that a few nodes should fail. This in turn contributes to fault-tolerance and reduced maintenance costs."- Mesh networking.

02-114● 学んできたことを忘れ去ること(unlearning)

知識人や今で学んだことが何らかの生活に役立ってい る人にとって、学んできたことを忘れ去ること(unlearning)は、認知症者(患者ではない!)になることに似て、恐怖の感情を引き起こすようだ。 しかし、経済的貧困や現実的暴力のために、学ぶことが妨害されているサバルタンにとって、自分自身が学んできていないわけだから、それを忘れ去ること (unlearning)に恐怖は感じない。学 んできたことを忘れ去ることことは、学ぶことを特権として保証されてきた人にとって重要なのである。人は自分自身が学びとってきた特権を、自分にとって の損失であると認識することが重要だ。ひとはしばしば、自分が学びとった特権を所与のものとして自然化 し、サバルタンに耳を傾け、それを第三者に代弁しようとする。この特権について自覚するためには、そのような特権を、意図的に忘れ去って=学んだことを放 棄(unlearn)みる必要がある(=脱構築の実践)。

学んだことを忘れ去ることの重要性

もっともそれとは違った文脈のなかで、学んできたことを忘れ去ること(unlearning)を管理する人たちもいる。下記を参照せよ

Unlearning – an idea that transforms research outcomes - in "Creating research innovations and breakthroughs by thinking differently"

02-115■ 認識論的アナキズム(epistemic anarchism)

ある科学的事実を「検証」するためには、それを支え る「事実」そのものが、理解(=解釈)に伴う約束事に拘束されていることを前提にしている。しかし約束事に拘束されているばかりでは、科学は進歩しない。 マイナーな約束事の破壊(反証による論駁)も、メジャーな約束事の破壊や破棄(異常例[アノマリー])も、科学の進歩には、従来のものの見方の破壊が多か れ少なかれ見られる。ポール・ファイアーベントは、その見方の破壊行為を「認識論的アナキズム」と呼んだ(池田 2014)。

文献:池田光穂、科学における認識論的アナーキズムについて、『現代思想』42巻12号、 Pp.192-203、2014年8月

"Epistemological anarchism is an epistemological theory advanced by Austrian philosopher of science Paul Feyerabend which holds that there are no useful and exception-free methodological rules governing the progress of science or the growth of knowledge. It holds that the idea of the operation of science by fixed, universal rules is unrealistic, pernicious, and detrimental to science itself."- Feyerabend, Paul (1993). Against Method. London: Verso.

Paul Karl Feyerabend (1924-1994) in Berkeley, California

02-116■ ロー・スクールでの基本科目

ロー・スクール(法科大学院)での初年時の基本科目は、契約法Contract Law)、不法行為論(Tort, Tort law)、物権法Property law)、刑事法Criminal law)、民事訴訟法Civil procedure)である(タロー 1985:12)

タロー、スコット『 ハーヴァード・ロー・スクール』山室まりや訳(ハヤカワ文庫)、早川書店、1985年/One L  / Scott Turow, Putnam , 1977

02-117● 知識人の果たすべき責任

知識人の果たすべき責任とは「真理を語り、虚偽を暴露すること」である。

02-118■ マルコフ連鎖(Markov chain)

「マルコフ連鎖(マルコフれんさ、英: Markov chain)とは、確率過程の一種であるマルコフ過程のうち、とりうる状態が離散的(有限または可算)なもの(離散状態マルコフ過程)をいう。また特に、 時間が離散的なもの(時刻は添え字で表される)を指すことが多い(他に連続時間マルコフ過程というものもあり、これは時刻が連続である)。マルコフ連鎖 は、未来の挙動が現在の値だけで決定され、過去の挙動と無関係である(マルコフ性)。各時刻において起こる状態変化(遷移または推移)に関して、マルコフ 連鎖は遷移確率が過去の状態によらず、現在の状態のみによる系列である。特に重要な確率過程として、様々な分野に応用される」マルコフ連鎖

02-119● 集合カテゴリーに訴えて開発プロジェクトが失敗すること

タンザニアのウジャマー移住村(compulsory ujamaa villages)、ソ連の集産のための集団農場、ブラジリアのル・コルビジェ風の都市デザイン、中国の大躍進運動など、権力は、人々をある種の集 合カテゴリーに訴えてプロジェクトに動員するが、そのほとんどが失敗している。ジェームズ・スコットによると、そのような「開発理論」は帝国主義的で、主 体(=開発の対象になる人々)の価値、欲望、不服について過小評価する。それらの災厄について、彼は4つの条件を提示する。1)国家による自然と社会に従 うことを命じる、2)科学を通して生活が改善するという近代主義者のイデオロギーを振り回す、3)生活の領域に深く関わる権威主義的な国が先導する事柄に 従うことを命じる、4)計画に効果的に反抗できないように社会を従属的にする。

文献

02-120■ 政教分離(Separation of church and state)

政教分離とは、国民国家と宗教諸派(西欧では「教 会」)とのあいだに政治的距離をおく哲学的あるいは司法的概念である。宗教諸派=教会との間に法的な分離をするというのは、世俗国家(secular state)を確立することで、国民の間に政治権力が宗派による差別を無くすることを旨とするものである。

"The separation of church and state is a philosophic and jurisprudential concept for defining political distance in the relationship between religious organizations and the nation state. Conceptually, the term refers to the creation of a secular state (with or without legally explicit church–state separation) and to disestablishment, the changing of an existing, formal relationship between the church and the state." - The separation of church and state.

日本では、明治憲法下では実質的に神道(組織的に整 備されたもので「国家神道」と呼ぶ)が国家の祭礼の公的イデオロギーになっていた。これを祭政一致の政体のひとつと判断される。第二次大戦の敗北後に、米 国を中心にした占領軍は、国家神道を解体し、また、日本国憲法の制定(1947年)を通して、第20条と第89条に、信仰の自由を保証することと、宗教・ 宗派により差別することを禁じかつ政府が特定の宗教・宗派に公的な関与をすることを禁じている。

"Shinto became the state religion in Japan with the Meiji Restoration in 1868, and suppression of other religions ensued.[56] Under the American military occupation (1945–52) "State Shinto" was considered to have been used as a propaganda tool to propel the Japanese people to war. The Shinto Directive issued by the occupation government required that all state support for and involvement in any religious or Shinto institution or doctrine stop, including funding, coverage in textbooks, and official acts and ceremonies./The new constitution adopted in 1947, Articles 20 and 89 of the Japanese Constitution protect freedom of religion, and prevent the government from compelling religious observances or using public money to benefit religious institutions." - The separation of church and state.

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障 する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。/2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを 強制されない。/3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

02-121■ 合理的配慮(Reasonable accommodation)

合理的配慮とは、障害者からの何らかの救助・救援・配慮などが求められたり、そのように表明された場合、負担にならない範囲で、社会的障壁をとりのぞく必要な便宜(accommodation)のことである。

"[N]ecessary and appropriate modification and adjustments not imposing a disproportionate or undue burden, where needed in a particular case, to ensure to persons with disabilities the enjoyment or exercise on an equal basis with others of all human rights and fundamental freedoms" - "Convention on the Rights of Persons with Disabilities"[pdf]. United Nations..

02-122■ International Panel on Artificial Intelligence (IPAI)

"The mission of the International Panel on Artificial Intelligence (IPAI) will be to support and guide the responsible adoption of AI that is human-centric and grounded in human rights, inclusion, diversity, innovation and economic growth. The International Panel on AI will facilitate international collaboration in a multistakeholder manner with the scientific community, industry, civil society, related international organizations, and governments.... By relying on the expertise of the scientific community, industry, civil society and governments, and by providing a mechanism for sharing multidisciplinary analysis, foresight and coordination capabilities in the area of AI, the International Panel on AI will conduct analysis in order to guide AI policy development and the responsible adoption of AI, grounded in human rights. To this end, the International Panel on AI will produce reports and assessments, at the request of its members. It will also establish working group(s) or other multistakeholder mechanisms to, among other things, share information./ In addition to its own work, International Panel on AI will monitor and draw on the work being done domestically and internationally in the area of AI (e.g. countries of the G7 including the European Union, G20, OECD, United Nations). The International Panel on AI will seek to identify gaps, maximise coordination, and facilitate international collaboration. The International Panel on AI will aim to cover the field of AI and its impacts in a global and comprehensive manner by considering the perspectives related to (i) scientific and technological advances, (ii) economic transformation, (iii) respect for human rights, (iv) the collective and society, (v) geopolitical developments, and (vi) cultural diversity." - Mission Statement by JUSTIN TRUDEAU, PRIME MINISTER OF CANADA.

02-123■ 徴用工訴訟問題(Korean Ex-slave labors vs. Japanese Private companies of the Empire of Japan)

徴用工訴訟問題と は、第二次世界大戦中日本の統治下にあった朝鮮および中国での日本企業の募集や徴用により労働した元労働者及びその遺族による訴訟問題。元労働者は奴隷の ように扱われたとし、現地の複数の日本企業を相手に多くの人が訴訟を起こしている。韓国で同様の訴訟が進行中の日本の企業は、三菱重工業、不二越、IHI など70社を超える[1]。2018年10月30日、韓国の最高裁にあたる大法院は新日本製鉄(現新日鉄住金)に対し韓国人4人へ1人あたり1億ウォン (約1000万円)の損害賠償を命じた。徴用工訴訟において大法院で結審したのは初めて」ウィキペディア「徴用工訴訟問題」)

02-124■ キスの原則=コラっ!簡単にやれ、間抜けっ!("keep it simple, stupid," KISS principle)

米海軍での標語を、ロッキード・スカンクワークス(Skunk Works) の技術者のケリー・ジョンソン(1910-1990)によって標題化されたものとされる。しばしば、Keep it simple, stupid.(シンプルにしておけ!この間抜け)と言われるが、もともとは、Keep it simple stupid.(シンプルで愚鈍にする)が本来の意味だったという。(→KISSの原則

"KISS, an acronym for "keep it simple, stupid" or "keep it simple stupid", is a design principle noted by the U.S. Navy in 1960.The KISS principle states that most systems work best if they are kept simple rather than made complicated; therefore, simplicity should be a key goal in design, and unnecessary complexity should be avoided. The phrase has been associated with aircraft engineer Kelly Johnson. The term "KISS principle" was in popular use by 1970.Variations on the phrase include: "Keep it simple, silly", "keep it short and simple", "keep it simple and straightforward", "keep it small and simple", "keep it stupid simple" or the less offensive "keep it simply stupid."  - KISS Principle.

Skunk Works logo

02-125■ 問題に導く学習(Problem-Oriented Learning, POL)

問題に導く学習(Problem-Oriented Learning, POL)とは「問題に基づく学習(Problem-Based Learning, PBL)」の変種で、PBLよりも、問題志向の強度が軽く、他方で教師は学生に学習課題を習得させながら、徐々に学生を問題の領域に導く方法である。学習 者は、教師の問題の導出の現場に、居合わせることと、自然になじむと同時に、自分がその問題導出の当事者であるという意識をもつことを動機づけることを主 眼とする(→「最近接発達領域(ZPD)」)。

この用語『問題に導く学習(Problem-Oriented Learning, POL)』 は、2019年6月4日に池田光穂(垂水源之介)によって思いつかれた。もちろん、アイディアの開発、用語法、命名権などは、CC(creative common)=クリエイティブ・コモンであり、誰もが自由に使い、また発展させることができる。他方、同時に、商標権などを主張して、独占することなど はできない。行うものには天罰(Punishment by supernatural powers)が降るであろう。


02-126■ CSDS (the Center for the Study of Developing Societies)

"The Centre for the Study of Developing Societies (CSDS) is an Indian research institute for the social sciences and humanities. It was founded in 1963 by Rajni Kothari and is largely funded by the Indian Council of Social Science Research Government of India.It is located in New Delhi, close to Delhi University." Centre for the Study of Developing Societies - Wikipedia.

"Since its inception in 1963, the Centre for the Study of Developing Societies has been recognised as one of the leading intellectual institutions of the global south. The Centre has accomplished a generational transition by reinventing itself in the 21st century, with a fresh commitment to forging links between the social sciences and the humanities, and to discovering non-European lineages of political and ethical thought in Indian languages." - CSDS.

02-127■ ISO 45001 労働現場の健康と安全(ISO 45001 - Occupational health and safety)

「事業者と従業員にとり、職場の安全衛生を維持する ことは意欲的に業務に取り組み、高い生産性を実現するために必要な前提条件です。労働安全衛生マネジメントの新規格ISO 45001は、従来の労働安全衛生規格である OHSAS 18001 を置き換えるもので、職場における健康被害や事故のリスクを最小限に抑えることを目的としています。新規格ISO 45001は、英国規格協会(BSI)によって策定されたBS OHSAS 18001を基礎として用いています。2013年3月、BSIから国際標準化機構(ISO)の「プロジェクト委員会PC 283」に新規国際規格の提案書が提出され、2018年3月にISO 45001が発行されました」テュフ ラインランドのHPより)

"Over 7 600 people die each day from work-related accidents or diseases - that’s over 2.78 million every year*. The burden of occupational injuries and diseases is significant, both for employers and the wider economy, resulting in losses from early retirements, staff absence and rising insurance premiums./ The standard was developed by a committee of occupational health and safety experts, and follows other generic management system approaches such as ISO 14001 and ISO 9001. It will take into account other International Standards in this area such as OHSAS 18001, the International Labour Organization's ILO-OSH Guidelines, various national standards and the ILO's international labour standards and conventions." - ISO 45001 - Occupational health and safety.

ISO 45001 - Occupational health and safety [pdf by ISO] - ISO 45001 [actual sheet]

worker の定義

3.3 worker [is] person performing work or work-related activities that are under the control of the organization (3.1)

Note 1 to entry: Persons perform work or work-related activities under various arrangements, paid or unpaid, such as regularly or temporarily, intermittently or seasonally, casually or on a part-time basis.

Note 2 to entry: Workers include top management (3.12), managerial and non-managerial persons.

Note 3 to entry: The work or work-related activities performed under the control of the organization may be performed by workers employed by the organization, workers of external providers, contractors, individuals, agency workers, and by other persons to the extent the organization shares control over their work or work-related activities, according to the context of the organization.

※つまり、組織(=3.1で定義)のコントロール下に置かれていない業務は、ワークでもワーカーでもないこ とになります。組織のコントロールにおかれていることがワーカーの務めであり、また、それゆえ、組織は、ワーカーの健康や安全を達成することが必要になり また可能になります。注1では、ワークであることは、賃金の有無、常勤あるいは非常勤、断続的にあるいは季節的に、機会的あるいはパートタイムで問われず ワークとみなされます。注2では、トップマネージメント(=3.12)、マネージメント、あるいは、マネージメントしないものも、すべてワーカーとみなさ れます。注3は、組織のコントロールにおかれているあらゆるタイプの活動がワークあるいは、ワーク関連活動とみなされます。

02-128■ API あるいはアプリケーションプログラミングインタフェース(Application Programming Interface, API)

API あるいはアプリケーションプログラミングインタフェース(Application Programming Interface, API)とは「API は自己のソフトウェアを一部公開して、他のソフトウェアと機能を共有できるようにしたもの」であり「ソフトウェアの一部をWEB上に公開することによっ て、誰でも外部から利用することができるようにな」る。それにより「自分のソフトウェアに他のソフトウェアの機能を埋め込むことができるようになるので、 アプリケーション同士で連携することが可能になる」。「ただし、外部からソフトウェアの機能を利用するといっても、内部のコードまでは公開していない。つ まり、外部からは機能の使い方や仕様がわからないため、「こうすると機能を利用できる」「この機能はこのように使って欲しい」のような使い方を説明する必 要がある」。「また、セキュリティの観点から、「このような使い方はできない」「このような使い方はしてはいけない」などのルールも定められている。 APIは、このような仕様やルールと一緒にまとめてWEB上に公開しているものが一般的である。したがって、APIとは機能+仕様書と言い換えることもで きる」(出典:「いまさら聞けない!APIとは何か?」より、文体を変えた)

02-129■ 情報(information)の定義

情報とは「不確実性の解決(resolution of uncertainty)」であると定義することができる。そして、その情報の中身とは、データや知識などで表現されるものであり、それらが提供される と、それまでの不確実性や不確かさが解消される。情報が正しく伝わったり、伝わらなかった(言い換えると、情報が共有されたり、共有されなかったり)する には、情報の発信者と受け手が、別々の存在であるということが、このモデルの前提になる(コミュニケーション理論とヒューマンコミュニケーション→http://bit.ly/2O0Q2AT)。

02-130■ 愛情の寄生虫(lovely parasite , parasite of your love, love parasite

愛情の寄生虫とは、犬にとっての人間のこと。普通 は、犬は、人間と共に暮らし、ペットとして徒食し、また人間からケアを受けているために、犬が人間の寄生虫に思われるが、「愛情を注ぐ対象にのめり込む盲 目的性向が、犬よりも人間が強いという動物行動学的特徴から言って、犬は人間にとっての寄生虫と言うより も、人間が犬にとっての《愛情の寄生虫》に他ならない」と、天才・池田光穂は、逆転の発想で、そのことを喝破したのである。 大石高典, 近藤祉秋, 池田光穂編『犬からみた人類史 』勉誠出版、2019年の第19章を参照のこと。

Fad Gadget - Love Parasite

02-131■ リヴァース・イノベーション(reverse innovation)

リバース・イノベーションとは、先進国企業が新興国や途上国に開発拠点を設け、現地のニーズを基にゼロから開発した製品や商品を先進国市場に流通・展開させる戦略を指」す。あるいは別の解説によると「新興国市場向けに開発を行った商品を、先進国でも展開し、グローバル市場のシェアを拡大する戦略のこと……。これまでのグローカリゼーションが、先進国で製品開発を行い、その商品をマイナーチェンジした廉価版を新興国向けに投入してきたのに対し、リバース・イノベーションでは、新興国市場に合った商品を一から生み出す「イノベーション」を行い、その商品をリバース(逆戻り=逆流)させ、先進国に投入する」とわかりやすい。しかし、これだけだったら、なんで逆向きなんだとわからない向きがある。そのヒントは、ウィキペディアの英語版の解説(下記)にあった。

"Reverse innovation or trickle-up innovation is an innovation seen or used first in the developing world, before spreading to the industrialized world. The term was popularized by Dartmouth professors Vijay Govindarajan (1949- ) and Chris Trimble and GE's Jeffrey R. Immelt (1956- )" - Reverse innovation.

この用語の別名「トリクル・アップ・イノベーション (trickle-up innovation)」である。開発経済学を学んだ人は、かつてのロストウの「低」開発国の経済の「離陸(take-off)」理論が、もはや神通力を 持たなくなり、従属理論や世界システム論などが、低」開発国の経済の全地球的搾取現象を批判した後に出てきたのが、ト リクル・ダウン理論(trickle-down theory)であるということはよくわかる話である。後者は、先進国のイノベーションや経済発展を通して、途上国にも、中心地の利益の雫が滴り落ちるよ うに、発展途上国もイノベーションの恩恵を受けるだけでなく、また経済的にも潤うのだという理論である。

リヴァース・イノヴェーション(イノベーション)が興味深いのは、グローバル企業にとって、イノベーション・マネジメントは、どこで開発し、どこで生産し、また開発された商品がどのような経路で、どこでブレイクするのか、ということを全地球的に考えないといけないということだ。

02-132■ 宗教(religion)

宗教(Religion)は、超自然的、超越論的、 あるいは霊的な要素に人間が関わりをもつ、行動と実践、道徳、世界観、テキスト、聖なる場所、預言者たち、倫理、あるいは組織の社会文化的システムのこと であると、ここでは定義しておこう。しかし、社会人類学者ロドニー・ニーダム(1981)が言うように「religion と翻訳できるような印欧語族の諸言語に共通する言葉はありません」(ニーダム、ロドニー「宗教の諸特性」『人類学随想』江河徹訳、岩波書店(岩波選書)、 1986年(原著1981))と、宗教あるいは宗教的と言う用語でまとめたからとしても、実際は、何も言っていないことが、宗教の通文化的研究のジレンマ ではある(→「宗教人類学入門」)。

02-133■ 思弁的実在論(Speculative realism)

Speculative realism のスペキュラティブには、思弁的/推論的的な、という意味のほかに、投機的/思惑の/危険な、という意味があることが興味ふかい。日本語のウィキペディア は、それが何であるかを差し置いて、人脈やその用語の歴史的挿話でお茶を濁しているので、英語のものを採用すると。

"Speculative realism is a movement in contemporary Continental-inspired philosophy (also known as post-Continental philosophy)[1] that defines itself loosely in its stance of metaphysical realism against the dominant forms of post-Kantian philosophy (or what it terms "correlationism").[2]"; [1] Paul John Ennis, Post-continental Voices: Selected Interviews, John Hunt Publishing, 2010, p. 18. . [2]. Mackay, Robin (March 2007). "Editorial Introduction". Collapse. 2 (1): 3–13. - Speculative realism.

ここでの、post-Kantian philosophyとは、カント以降の観念論ないしは単純にポスト・カント主義という「ドイツ観念論(German idealism)」のことをさしている。そして、思潮としては、" German idealism was closely linked with both Romanticism and the revolutionary politics of the Enlightenment."

しかし、形而上学的実在論という言挙げは、素朴実在論からみると、恐るべき撞着語法(oxymoron)に陥っているように思えるが、こんな解説を、同じ項目の中で説明している "metaphysical realism  maintains that "whatever exists does so, and has the properties and relations it does, independently of deriving its existence or nature from being thought of or experienced."[Laird Addis, Greg Jesson, Erwin Tegtmeier (eds.), Ontology and Analysis: Essays and Recollections about Gustav Bergmann, Walter de Gruyter, 2007, p. 107.]"。それゆえ「パスカル・アンジェルは、思弁的実在論とその他の現代的実在論を扱った論考において、メイヤスーの立場を「キッチュな実在論(réalismes kitsch)」と呼び批判的に反応」というのも分けがわかる話である。

つまり、他人がかつて所有していた呪物に、その人の魂が内在するとか、遺骨に対して敬意を払わないとならない、われわれの慣習行為の「哲学的根拠」は、形而上学的リアリズムである。

人脈に関しては、日本語の「思弁的実在論」 があるのでそれを引用する:「これまで支配的だったポスト・カント哲学に反旗を翻し、形而上学的実在論(あるいは相関主義 (correlationism))に対する立場を緩やかに共有していることが特徴である。思弁的実在論という名称は、ロンドン大学ゴールドスミス・カ レッジで2007年4月に行われた学術会議の名前から取られている。その会議を組織したのはゴールドスミス・カレッジのアルベルト・トスカノ[Alberto Toscano, 1970- ]であり、発表者に名を連ねた人物には、レイ・ブラシエ[Ray Brassier, 1965- ](アメリカン大学ベイルート校、当時の所属はミドルセックス大学)、イアン・ハミルトン・グラント[Iain Hamilton Grant, n.d. - ](西イングランド大学)、グレアム・ハーマン[Graham Harman, 1968- ](アメリカン大学カイロ校)、カンタン・メイヤスー[Quentin Meillassoux, 1967- ](パリ高等師範学校)がいた。「思弁的実在論」の命名者はブラシエだとされるのが一般的だが、それより先にメイヤスーが自らの立場を「思弁的唯物論(speculative materialism)」という言葉で呼んでいる」「思弁的実在論」。

形而上学的実在論の実戦例としての「アイヌ遺骨等返還の研究倫理」はこちら

02-134■ インテリジェンス(intelligence)

インテリジェンス(intelligence)とは かつて諜報(ちょ うほう)と翻訳されていたことばを外来語として読み直したものである。Google - Dictionary によると二番目の意味に、2. the collection of information of military or political value(=軍事的または政治的価値のある情報収集)とあり、その同義語(synonyms)として「 information gathering(情報の収集), surveillance(監視), observation(観察), reconnaissance(偵察), spying(スパイ行為), espionage(スパイ活動), undercover work(諜報), infiltration(潜入[調査]), ELINT(電子偵察:electronic intelligenceの略号), HUMINT(人間諜報活動:Human intelligence), cyberespionage(サイバースパイ活動), humint(情報分析)」からなる。それらをまとめると、軍事あるいは現実政治 (リアル ポリティーク)の世界で、秘密裏にすすめられる、人または通信や機械(コンピュータ)を使っておこなわれる、(1)情報の収集、(2)蓄積、(3)分析、 (4)報告、そしてそれに基づく(5)作戦遂行、の5要素からなるものが、言葉の正しい意味での、諜報=インテリジェンス[intelligence] (あるいは軍事的インテリジェンス: military intelligence)の定義となる。→「軍事的インテリジェンスの人類学序説」より)

02-135■ 観光目的地マネージメント組織/観光地マネージメント組織(Destination Management Organization, DMO)

観光目的地マネージメント組織/観光地マネージメン ト組織(Destination Management Organization, DMO)とは、観光がもたらす商品(事物やサービス)の構成要素間を調整する組織のこと。観光地(観光の目的地 torurism destination)にはたくさんのサービスや商品(事物)という介在物(下図では時計回りに観光会社→地元民やNPO→観光客→他のDMO→地元の 役所→地元のコミュニティ)が存在するためにマネージメントする組織がないと、観光産業そのものは持続的に成長することができない。

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UNWTO - Destination Management Organizations.

02-136■ Deferred Action for Childhood Arrivals, DACA - 「若年移民に対する国外強制退去の延期措置

"Deferred Action for Childhood Arrivals (DACA) is an American immigration policy that allows some individuals with unlawful presence in the United States after being brought to the country as children to receive a renewable two-year period of deferred action from deportation and become eligible for a work permit in the U.S. To be eligible for the program, recipients cannot have felonies or serious misdemeanors on their records. Unlike the proposed DREAM Act, DACA does not provide a path to citizenship for recipients, known as Dreamers.[1][2] The policy, an executive branch memorandum, was announced by President Barack Obama on June 15, 2012. U.S. Citizenship and Immigration Services (USCIS) began accepting applications for the program on August 15, 2012." - Deferred Action for Childhood Arrivals, Wiki.

《近年の動向》「延期措置を得るため には、2007年6月以前に、16歳の誕生日を迎える前にアメリカ合衆国に入国し、現在就学中であり、高校の卒業資格をもつか軍隊から名誉除隊しており、 2012年6月15日現在で31歳以下、重罪、深刻な軽犯罪、その他3件以上の軽犯罪による有罪判決を受けておらず、国家安全保障に脅威を与えるおそれが ない、ことが条件となる。この措置は不法移民に法的地位を与えるものでも、市民権への道を保証するものでもない。また、連邦政府による福祉・教育支援を受 ける権利を与えるものでもない。/2017年1月に就任したドナルド・トランプ大統領は同年9月にDACA撤廃を表明[出典]。半年間の猶予期間を経て2018年3月に打ち切られることになったが反対意見が相次ぎ、2018年1月には若年移民を保護する新たな法案について、移民の制限やメキシコとの国境に壁を建設することを盛り込むならば支持すると表明している[出典]-若年移民に対する国外強制退去の延期措置.

1.  Young (Fall 2006). "To Dream or Not to Dream: A Cost-Benefit Analysis of the Development, Relief, and Education for Alien Minors (Dream) Act". Cornell Journal of Law and Public Policy. 16 (1): 8, 9. Retrieved 12 February 2018. The DREAM Act is a bipartisan Congressional effort to allow certain illegal alien students who were brought into the U.S. as a child the opportunity to attend college and eventually to become permanent residents and citizens of the United States.

2. "What is the DREAM Act and who are DREAMers?". LawLogix. Hyland. 2013-07-09.

02-137■ スマート・オフィス(smart office)

スマート・オフィスとは、IoT(アイオーティー)を媒介(メディア)にして、創造的な仕事や開発(研究も含まれます)をストレスなく、自由に愉しく、かつ有意義にするためのコミュニケーションの場所のことをさします。

02-138■ スマート・キャンパス(smart campus)

スマート・キャンパスとは、IoT(アイオーティー)を媒介(メディア)にして、大学がおこなう教育・研究・社会貢献などを実現している新しい大学キャンパ スとキャンパスの中での学び方・働き方のことです。

02-139■ スマート・シティ(smart city)

スマート・シティとは、IoT(アイオーティー)を媒介(メディア)にして、創造的な仕事や生活をストレスなく、自由に愉しく、かつ有意義に過ごせる市民の居場所 としての街のことです。

02-140■ 4-1-4学年暦あるいは4-1-4 アカデミック・カレンダー(4-1-4 calendar)

普通の大学の授業は、セメスターズ(Semesters)という6ヶ月(実際はそれぞれ15週の3ヶ月半)からなる学期を、前期と後期に分けて1年間のあいだに2 回おこなうカレンダー。セメスターという名称は、年度をまたいで使うメリットがある。例えば、3セメ、4セメと呼ぶのは、それぞれ「2学年前期」「2学年 後期」のことをさし、大学修学期4年ないしは6年間を、時期を特定することができる。この方法は、余裕のあるカリキュラムが組めるが、同時に、科目数を増 やして少人数教育をするのには向いていない。

つぎにクオーターズ(Quarters)というのは 4学期制で、一年間を四期にわける。日本では春夏秋冬の本当に4分割(春夏冬の休業を除いて7.5週 X 4 = 年間30 週)する。アメリカでは10週間を3つの学期でおこない、同様に年間30週をおこなう。日本の大学のように本当に4学期すると、たくさんの授業を開講する ことが可能になるが、その分スケジュールが非常にタイトになる。そのため、4学期制を導入したところの多くの教員は、春夏と秋冬をそれぞれひとまとめにし て、以前のセメスターズと同じように前期と後期のスタイルで授業を続けるという「守旧的」行動に出ることが多い。

それに対して、4-1-4 アカデミック・カレンダー(4-1-4 calendar)は、エッカードカレッジイーロン大学ウィリアムカレッジ、 などのリベラルアーツカレッジやMITなどの有名大学が採用している方法である。これは、セメスターズに似て、年間に15週の授業の学期を2回おこなう が、その間に1ヶ月間短い授業すなわち4週間4回(0.5単位)ないしは8回(週2コマ、1単位)のショートコースを開設する。アメリカで実際に実践して いるところでは、新春の1月におこなわれ、教員がなかなか他の通常授業では取り扱えないユニークな授業テーマを設けることができる。あるいは、この授業期 間中は、通常の2単位取得の授業が開講していないために、大学を離れてインターンシップに参加したり、自学自習タイプの授業(演習や各種の体験型のワーク ショップ授業)を開講することも可能になる。

02-141■ アクラシア(Akrasia)

アクラシア(Akrasia)とは、古代ギリシャ語 で、統御がとれないことを意味する言葉で、「意志の無さ」とか「そうしてはいけないのにやっちまうこと」を意味する。ある、小学校校長が、未成年の青年を 「買春」し、その後の、警察当局に捕まり、その事情聴取に対して「教職員に倫理的教育をする立場として違法だとわかっていたが、性的欲望を抑えられなかっ た」と述懐するのは、典型的なアクラシアである。以下の説明にあるように、プラトン『プロタゴラス』やアリストテレス『ニコマコス倫理学』などに登場す る。

"Akrasia (/əˈkreɪziə/; Greek ἀκρασία, "lacking command"), occasionally transliterated as acrasia or Anglicised as acrasy or acracy, is described as a lack of self-control or the state of acting against one's better judgment. The adjectival form is "akratic".The problem goes back at least as far as Plato. In Plato's Protagoras Socrates asks precisely how it is possible that, if one judges action A to be the best course of action, one would do anything other than A?/ In the dialogue Protagoras, Socrates attests that akrasia does not exist, claiming "No one goes willingly toward the bad" (358d). If a person examines a situation and decides to act in the way he determines to be best, he will pursue this action, as the best course is also the good course, i.e. man's natural goal. An all-things-considered assessment of the situation will bring full knowledge of a decision's outcome and worth linked to well-developed principles of the good. A person, according to Socrates, never chooses to act poorly or against his better judgment; and, therefore, actions that go against what is best are simply a product of being ignorant of facts or knowledge of what is best or good." - Akrasia.

the Nicomachean Ethics.:"In VII.1–10 Aristotle investigates character traits—continence and incontinence—that are not as blameworthy as the vices but not as praiseworthy as the virtues. (We began our discussion of these qualities in section 4.) The Greek terms are akrasia (“incontinence”; literally: “lack of mastery”) and enkrateia (“continence”; literally “mastery”). An akratic person goes against reason as a result of some pathos (“emotion,” “feeling”). Like the akratic, an enkratic person experiences a feeling that is contrary to reason; but unlike the akratic, he acts in accordance with reason. His defect consists solely in the fact that, more than most people, he experiences passions that conflict with his rational choice. The akratic person has not only this defect, but has the further flaw that he gives in to feeling rather than reason more often than the average person...." https://plato.stanford.edu/archives/sum2017/entries/aristotle-ethics/#Akr

02-142■ プレカリアート(precariat; précariat;  precariato)

プレカリアート(precariat; précariat;  precariato)とは、従来の労働者階級(プロレタリアート)の雇用システムが崩壊し、より不安定な雇用で確保される不安定雇用の労働者ならびに不安定労働者階級のことをさす。

"In sociology and economics, the precariat (/prɪˈkɛəriət/) is a social class formed by people suffering from precarity, which is a condition of existence without predictability or security, affecting material or psychological welfare. The term is a portmanteau obtained by merging precarious with proletariat." - precariat.

"Précariat est un néologisme de la sociologie, formé à partir des mots précarité et prolétariat, et définissant les « travailleurs précaires » comme une nouvelle classe sociale." - Précariat.

"Con il termine precariato si intende l'insieme dei soggetti lavoratori che vivono una generale condizione lavorativa di incertezza che si protrae, involontariamente, per molto tempo." - precariato.

プレカリアートは、失業者と労働者の間の関係として 捉えられるが、両者の間の移行概念というよりも、弾力的な雇用をするために、システムがそのような階級的を実質的に「つくりあげた」階級と呼ぶことができ る。また、これは、マルクス主義が伝統的に呼んできた、階級意識のない/欠如したプロレタリアートすなわち「ルンペン・プロレタリアート」とも性格を異に する。

02-143■内省的なレポートにおける結論のもっていきかた

What Should the Conclusion Do in a Reflective Essay? という表題で、学生むけの「内省的なレポートにおける結論のもって行きかた」についての解説があった。理にかなうアドバイスなので、引用する。

"A reflective essay, also known as a personal essay, requires you to not only tell a story about an event, person or other important element from your past but to have a purpose for telling the story. You will state this purpose in your thesis statement, and throughout the body of your essay, you will connect the story back to this main purpose. Your story will end in the last paragraph of the body, and you will only have the conclusion left to write./ In the conclusion, the last paragraph of your essay, you will reflect back on the story you told in your essay. Think of your thesis statement and use that purpose to guide your reflection. You might begin your conclusion with something such as “When I look back on that day, I consider how lucky I am to have survived.” You will then continue by restating some of the main points of your story that prove your thesis."

02-144■智政学(knowledge-politics)

地政学(geopolitics)とは、 Rudolf Kjellen (1864-1922)[チェーレンと読む]によって考案された用語で、政治地理学に対抗した動態的な権力政治論として構想された。国家を領土を維持・開 拓・進展させようする有機的形態(Lebesform)とみる考え方である。しかし、ウィアム・ハーベイのいう、「時間と空間の圧縮」がすすんだ現在。お よそ1世紀近く前のこの概念は古すぎる。むしろ、その地政学にはインテリジェンス(諜報)などの知識情報を加えた、智政学(knowledge- politics)を構想する必要ある。つまり、智政学(ちせいがく)は動態的な権力政治論として構想される。つまり、国家よりも「権力志向構造体」とし てとらえ、知識と情報の空間(スペース)を維持・開 拓・進展させようする有機的形態(Lebesform)とみる考え方こそが智政学(knowledge-politics)そのものである。

つまり、智政学(knowledge-politics)とは、国家ならびに「権力志向構造体」が、知識と情報の空間(スペース)を維持・開 拓・進展させようする有機的形態(Lebensform)のことである。

02-145■ 単純接触効果(mere exposure effect)

「単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか: mere exposure effect)は、(閾下であっても)繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。1968年、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが論文 Zajonc (1968) にまとめ、知られるようになった」#Wiki.

"The mere-exposure effect is a psychological phenomenon by which people tend to develop a preference for things merely because they are familiar with them. In social psychology, this effect is sometimes called the familiarity principle. The effect has been demonstrated with many kinds of things, including words, Chinese characters, paintings, pictures of faces, geometric figures, and sounds. In studies of interpersonal attraction, the more often someone sees a person, the more pleasing and likeable they find that person." -#Wiki.

02-146■ メディア等式(The Media Equation)

メディア等式(The Media Equation)」 とはバイロン・リーブス(Byron Reeves)とクリフォード・ ナス(1998)の提唱になるもので、メディアを現実とみる認識の方法で ある。メディア等式は、(彼らによる と)長らく「錯認」の一種であるかのように誤解されてきたが、彼らの研究を通して、人間界にみられるきわめて一般的な現象だということが明らかになった。 実験心理学的研究により、霊長類にもメディア等式があてはまる[と解釈することができる]例が報告されている。リーブスとナスの『メディア等式』 (1998)は人間とメディアの相互作用に関する壮大なレビューである。

From the mere-exposure effect :"Gustav Fechner conducted the earliest known research on the effect in 1876.[2] Edward B. Titchener also documented the effect and described the "glow of warmth" felt in the presence of something familiar,[3] but his hypothesis was thrown out when results showed that the enhancement of preferences for objects did not depend on the individual's subjective impressions of how familiar the objects were. The rejection of Titchener's hypothesis spurred further research and the development of current theory./ The scholar best known for developing the mere-exposure effect is Robert Zajonc (1923-2008). Before conducting his research, he observed that exposure to a novel stimulus initially elicits a fear/avoidance response in all organisms. Each subsequent exposure to the novel stimulus causes less fear and more interest in the observing organism. After repeated exposure, the observing organism will begin to react fondly to the once novel stimulus. This observation led to the research and development of the mere-exposure effect.[citation needed]..../ In 1980, a speculative and widely debated paper entitled "Feeling and Thinking: Preferences Need No Inferences," invited in honor of his receipt of the 1979 Distinguished Scientific Contribution Award from the American Psychological Association, made the argument that affective and cognitive systems are largely independent, and that affect is more powerful and comes first. This paper precipitated a great deal of interest in affect in psychology, and was one of a number of influences that brought the study of emotion and affective processes back into the forefront of American and European psychology." #Wiki.

02-147■ トランスメディア・ストリーテーリング(Transmedia storytelling)

"Transmedia storytelling (also known as transmedia narrative or multiplatform storytelling) is the technique of telling a single story or story experience across multiple platforms and formats using current digital technologies./ In other words, the study of Transmedia Storytelling, a concept introduced by Henry Jenkins (1958- ), author of the seminal book Convergence Culture, warns that this is an emerging subject and different authors have different understandings of it. He warns that the term "transmedia" per se means "across media" and may be applied to superficially similar, but different phenomena. In particular, the concept of "transmedia storytelling" should not to be confused with traditional cross-platform, "transmedia" media franchises,[1] or "media mixes". One example that Jenkins gives is of the media conglomerate DC comics. This conglomerate released comic books prior to the release of its films so the audience would have knowledge of the character's backstory. Much of transmedia storytelling is not based on singular characters or plot lines, but rather focuses on larger complex worlds where multiple characters and plot lines can be sustained for a longer period of time.[2] In addition, Jenkins focused on how transmedia extends to attract larger audiences such as DC comics releasing coloring books to attract younger audience members. Sometimes, audience members will feel as though some transmedia storylines have left gaps in the plot line or character development, so they begin another extension of transmedia storytelling, which would be something such as fan fiction.[3] Transmedia storytelling exists in the form of transmedia narratives, which Kalinov and Markova define as: "a multimedia product which communicates its narrative through a multitude of integrated media channels".[4]"

Transmedia Narratives: Definition and Social Transformations in the Consumption of Media Content in the Globalized World, Postmodernism problems, Volume 7, Number 1, 2017. (in pdf form)

Transmedia 202: Further Reflections, by Henry Jenkins (1958- )

メディア・ミックス手法

02-148■ デジタル考古学(Digital archaeology)

"Digital archaeology is the application of information technology and digital media to archaeology.[1][2] It includes the use of digital photography, laser scanning, augmented reality, virtual reality, and 3D printing, among other techniques.[3] Computational archaeology, which covers computer-based analytical methods, can be considered a subfield of digital archaeology, as can virtual archaeology.[4]" - #Wiki.

"Virtual archaeology is a term introduced in 1990 by archaeologist and computer scientist Paul Reilly to describe the use of computer based simulations of archaeological excavations.[1] Since that time, scientific results related to virtual archaeology were annually discussed, among others, at Computer Applications and Quantitative Methods in Archaeology (CAA).[2] The keyword "visualization" defined the aim of the virtual archaeology in the London Charter Initiative:" - #Wiki.

02-149■ Accreditation(認定・認証)

"Accreditation is the process in which certification of competency, authority, or credibility is presented. Organizations that issue credentials or certify third parties against official standards are themselves formally accredited by accreditation bodies (such as UKAS or IAS); hence they are sometimes known as "accredited certification bodies". The accreditation process ensures that their certification practices are acceptable, typically meaning that they are competent to test and certify third parties, behave ethically and employ suitable quality assurance." - #Wiki.

Accreditation standards には以下のものがある:ISO/IEC 17020: "General criteria for the operation of various types of bodies performing inspection" (2012);ISO/IEC 17021: "Conformity assessment. Requirements for bodies providing audit and certification of management systems" (2011);ISO/IEC 17024: "Conformity Assessment. General requirements for bodies operating certification of persons" (2012);ISO/IEC 17025: "General requirements for the competence of testing and calibration laboratories" (2005)

02-150︎▶︎ 服部桂(HATTORI Katsura)

服部桂(HATTORI Katsura)は「朝日新聞社ジャーナリスト学校シニア研究員。1987〜89年、MITメディアラボ客員研究員。科学部記者や雑誌編集者などを経て現 職。著書に『メディアの予言者―マクルーハン再発見』〈廣済堂出版〉ほか多数。2014年には、US版『WIRED』初代編集長ケヴィン・ケリーの著書 『テクニウム』〈みすず書房〉を翻訳。3月に、電子書籍「『テクニウム』を超えて─ケヴィン・ケリーの語る力」〈インプレスR&D〉を刊行」ぼくらはいま「イノヴェイション自体のイノヴェイション」を考えるべき時期に来ている - Wired 2015年5月21日

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