はじめによんでください

協働術A:ネオ・アクションリサーチの探究:2018
Art of Collaboration A: Theory and Practice of Action Research

池田光穂

-----【結論:まとめ】-----------------------

マ クロウィキノミクス5原則
改 革のための基本原則(=ウィキノミクス成功ルール)
批 判
批 判への反論
1.コ ラボレーション(ウィキノミクス原則1)Collaboration
共有財の価値を見直す(II)
自由にさせる(III)
活動をになう前衛を発掘し、強化する(IV)
コラボレーションの文化をつくる(V)
ネット世代への権限委譲する(VI)
・人はコラボとエゴイズムを往還するので は?
・悪いコラボや、よいエゴイズム(例:新古典派経済学)があるのでは?
・コラボを可能にするプラットフォーム=インフラの整備も必要になるのでは?
・政府や企業は、市民や消費者のコラボを要求することで自分たちの利益を囲いこまないだろうか?
・コラボを賞賛する人は、エゴイズムの蔓 延を防ぐためには個人の道徳に働きかけるのではなく、システムや制度を、コラボすることがうまくいくように構築して誘導するのが本義。
・プラットフォーム=インフラの整備の発想は重要だが、それは政府や企業が提供するのを待つのではなく、自ら構築し、育てて、鍛えるべき、それがウィキノ ミクスの方法だろう(Wikinomics way)
2.オー プン(ウィキノミクス原則2)Openess
共有財の価値を見直す(II)
自由にさせる(III)
コラボレーションの文化をつくる(V)
ネット世代への権限委譲する(VI)
・利益をどのようにして囲い込めるのかに ついて企業のみならず政府も推奨する。
・悪い政府の現状では、市民の側の透明性/可視性が強調されて、政府の不透明性がこの標語で隠されてしまうのではないか?
・オープンには無秩序を生むという危険性はないのか?
 ・人間集団の行動の常とし て、オープンでコラボを拒絶する傾向がみられる(例:ミートホープ事件)が、それでいい わけはなく、それを克服するのがウィキノミクスなのでは?
・試みずに批判するのは、コラボやオープンの精神に最初から反している。
・他の原則もそうだが《いまだ達成されていない良好な原理》と考えてみてもよいのではないか?
3.共 有(ウィキノミクス原則3)Sharing
クリエイターではなくキュレイターをめざ す(I)
共有財の価値を見直す(II)
自由にさせる(III)
コラボレーションの文化をつくる(V)
・利益をどのようにして囲い込めるのかに ついて企業のみならず政府も推奨する。
・誰かがクリエーションをやらないと社会は回らないのでは?
・政府や企業は、市民や消費者のコラボを要求することで自分たちの利益を囲いこまないだろうか?――共有は強者が弱者に求めるスローガンである
・社会主義や共産主義(=これらは社会の 名の下に国家が人民を収奪するという負の遺産を持つ)ではない。共有はとは、誰もがチャレンジできて、失敗を恐れず、また、その失敗を破局的にしないよう な方策がウィキノミクスではないか?
・共有することのコスト減は明確だが反論は常にある。だがしかし、たとえそれを経済的に実証できぬとも、そのようなコスト減の意識は、サステイナブルの発 想を定着させ、社会を変える発想につながるはずだ。
4.公 正さ(ウィキノミクス原則4)Integrity
自由にさせる(III)
活動をになう前衛を発掘し、強化する(IV)
ネット世代への権限委譲する(VI)
・公正さには秩序が要求されないか?それ は自由な活動を削ぐのでは?(例:政府の法規制をクリアしたころには、プロジェクトの自由度は遥かにつまらないものになる)
・ネット世代が、それほど現在の世代よりも無条件によいとは言えぬ。
・前衛と自由は両立しないのでは?
・公正さは、ウィキノミクス擁護派にも批 判派にも共通の善のように思える。ただし、それがつねに反省的眼差しのもとになければ、容易にシステムは腐敗/不正化するだろう。
・共通善だからこそ、自由と公正が両立するように、具体的に考え、具体的に行動すべきだろう。
5.相互依存(ウィキノミクス原則5) Interdependence
クリエイターではなくキュレイターをめざ す(I)
共有財の価値を見直す(II)
活動をになう前衛を発掘し、強化する(IV)
コラボレーションの文化をつくる(V)
ネット世代への権限委譲する(VI)
・相互依存は、市民の間の課題で、それは 政府や企業が相互依存をさせずに、制度や商品に依存するように仕向けているのではないか?
・コモンズの悲劇のように、市民が相互依存を享受できるのは、各人が自覚してから後なのでは?
・ネット世代が、それほど現在の世代よりも無条件によいとは言えぬ。
・たしかに相互依存を自覚させ、それを実 践するのは難しい。サステイナブルという用語は耳に心地よいが、相互依存の持続可能は、健全な競争原理が入らないと機能しないだろう。
・旧世代が先に死んでゆくためにも、また次の世代には、前の世代の負の遺産を軽減するためにも(例:Intergenerational equity)、世代間の相互依存を真剣に考えるべきは、高齢化社会の デザインの議論でもつねに議論されているはずだ。


以上が、2017年7月27日の授業の中で議論したことを、まとめたものです。(pdf版:macro-wikinomics_matrix2017

マクロウィキノミクス・研究・ノート」の情報は、それに至る道程です。