Innovation Cult
まず、結論から言おう《イノベーションは決して完全にはマネージメントできな い!》ということ。それを頭ごなしに聞くとバカは、自分が否定されたと思って、僕の言うことを聞かなくなる。だから、ここでイノベーションの「語と概念」の成り立ちを説明して、みなさんを論理的に、イノベーション信仰のカルトから、棄教するように僕は説得しよう。
イノベーション(=びっくりするような刷新を社会 システムにまで影響を与え成し遂げること)を、冷静な分析なしに、宗教のごとく崇拝することをイノベーション・カルト(=イノベーション崇拝)という。
まず、イノベーションに関する3つの誤解を正しておく。つまり「1.イノベーションはすごい!、2.イノベーションは人を幸せにする!、3.イ
ノベーションは儲かる!」と言う期待を皆さんは、過度に抱かないほうがよろしでしょう(→イノベーションに関 する3つの誤解)。
このサイトは、イノベーションを自分は起こすこと ができる!という確信に満ちた狂信者や、イノベーションなんて出来っこないと最初から諦めて いる気弱な学徒にはオススメのサイトではない。ブラウザーの【もどる:back to previous page】をクリックしてお別れしたい。このサイトに必要な人材や学徒は、1)イノベーションには憧れるがイノベーティブじゃない指導教員の法 螺(ほら)に辟易し ている学生や、2)かつてイノベーションを起こしたと目されている上司や大先生(イノベー ター)についたけど、よくみるとフツーのおばさん/おじさんで「こんな凡人に付い ていてもイノベーションをおこせないんじゃないか?!」と不 安になっている院生やビジネスパーソンである。また、それら以外にも、3)イノベーションに素 直に興味がある人にも開かれている。要するに(自称)イノベーション・エリートやイノベーション懐疑論者以外のすべての人に開かれたものである。
世界でもっとも簡潔なイノベーションの定義は「びっくりするよ うな新しい出来事」のことである(下線でリンク)あ るいは「びっくりするような刷新を社会システムにまで影響を与え成し遂げること」 である。 また、破 壊的イノベーションとは、新しい市場と価値(の ネットワーク)を造り出したノーマル・イノベーションの時間に対するパフォーマンスの強度が、既存の市場と価値をシステムを破壊し、会社や製品、関連物 (製造会社)などを生み出してしまう急速に成長する(積極的な意味をもつ)アブノーマル・イノベーションのことをさす(下の左図を参照)。
また、イノベーションの普及過程には、それを積極的に最初から採用する初期適合者(early adopter)と、市場における普及によりようやく受け入れる後期適合者(late adopter)がいる。初期適合者は、事後的にはマイノリティで あるが、この人たちの製品やサービスを利用する行動パターンが、ある種の流行をつくると、製品やサービスへの評価よりも、その初期適合者の消費・利用する スタイルを「模倣」し、イノベーションはいっきに加速する。
さらに、イノベーションではなく、イノベーション研究には、たくさんの資金が現在では投入されているために、イノベーションではなく、イノベー
ション研究そのものが、役に立たないファッション研究、つまりバロック化を遂げるという問題もおこっている(→「なぜシステムはバロック化をとげるか?」)。
結論から言おう《イノベーションは決して完全にはマネージメントできな い!》ということだ。
にも関わらず、この極東の島国では、一橋大学イノベーション研 究センター編『イノベーション・マネジメント入門』 なる本が、2版を重ね、初版は1万8500部の売り上げをあげたそうだ。この島国では「イノベーション・カルト」の花盛りのようである。類書に野城智也 『イノベーション・マネジメント』東大出版会、2016年があるが、これは一橋に完全に負けている。法螺を吹くことにかけても歴史の重みが前者の書物に軍 配が上がりそうだ。もっともこのカルトぶりを詳細に分析するには、やはり、この前者の教科書を分析するほかはない。
第1部 イノベーション現象の全体
第2部 イノベーション創出プロセス
第3部 イノベーションと経済政策
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わがサイトに 「イノベーション」サイト内検索をかけて出てきたもの(2019年6月の時点でおよそ 130件ある)2020年6月の時点で246件に増加している)が以下のものだ。
クレジット:池田光穂、元々のタイトルは「イノベー ション・カ ルトあるいはイノベーション・マネジメント入門」です!
リンク(イノベーション・マネジメント用語集)
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