科学のイノベーションはあらかじめ計画できるか?
Can
Scientific Innovation be premeditated? - Obviously NO!
現代科学におけるイノベーションのイメージは、西 洋世界では、大きく3つの歴史的イベントに呪縛されているようだ。そのひとつは、1)古代ギリ シャにおける西洋哲学の誕生あるいはソクラテス・プラトン・アリストテレス等の哲人に科学的精神の起源の誕生をもとめるもの。ふたつめは、2)ガリレオに よる地動説やデカルトにはじまる合理的方法論の誕生あるいはニュートンらが切り開いた近代物理学などの科学革命。そしてみっつめは、3)アインシュタイン の相対性理論の発見と亡命科学者たちがアメリカ国家による秘密プロジェクトとして完成させた原子爆弾(その後につづく原子爆弾や電子計算機さらにはイン ターネット社会の到来など今日まで続く「イノベーションの継 続状態」)である。
人類史は、これらのエポックメイキングな革命(レヴォリューション)ないしは刷新(イノベーション)により、停滞を挟んで進歩や大変革をなしと げたという発想がある。これらは人為的で操作可能なニュアンスを我々にもたらした。また、それは人間のみならず生物一般がもつ普遍的特性として、こちらの ほうは、チャールズ・ダーウィンの進化論(あるいは進化学説)の比喩から「科学や技術の進化」というふうに語られることがある。
今日では、ニュートンらの物理学を中心とした科学革命(the Scientific revolutuion,
と単数で定冠詞や大文字で書く)と、これらをモデルにした科学の大規模な刷新現象としての科学革命(scientific revolutions,
と複数形で定冠詞をつけず小文字で表記される)——トーマス・クーン『科学革命の構造』(1962)で刷新変化のモデルが示された——というように、「革
命」の比喩で示されることが多い。
免疫学者であったピーター・ブライアン・メダヴォー(メダワーとも表記:Peter Brian Medawar, 1915-1987)によると、科学的方法論という共通のものがあるという信念が長く続いてきた。これらのイメージは、それらの科学者のほかに、古くは、 フランシス・ベーコン、J.S.ミル『論理学体系』、カール・ピアソン『科学の文法』などで表現されてきたもので、科学には科学的方法論というものがあ り、それを使うと科学の発見が可能になるという考え方である。それに棹さす考え方は20世紀になって科学史や科学論から登場したもので、科学の発見はあら かじめ計画できるものではないという考え方である。その代表格はカール・ポパーや、先のトーマス・クーンなど、科学的認識論の変化について立場はそれぞれ 異なるものの、ベーコンのような科学万能で、人間の叡知のもとで科学を人間にかしづかせるものとは考えない立場である。
パスツールの4分類とは、科学研究における応用を目的とする判別基準(用途を考慮する/考慮しない)という軸と根本原理の探求の有無を軸とする 4象限で区切られる領域を配し、科学の基礎研究と応用研究の二分法を克服するためにドナルド・ストークスによって考案された、研究の分類である。オリジナ ルの図は下記のとおりである(原著:73ページ)
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Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1997-2099
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