かならずよんで ね!

学位なんてどうでもいい!私たちは学びたいのだ!

 No Logo of University, No Diploma as Personal Certificate, But We Wish to Learn!

池田光穂

「多くの人たちはイノベーション教育とは対立する 存在だと考えている。ところが、さまざまな注目すべきイノベーションは教育現場の姿を一変させようとしている。2004年、インターネット経由で自宅学習 の場を提供している営利教育企業、企業内大学そしていくつかのコミュニティカレッジは勢いよく成長を続けていた。……トレーニングプログラムといった企業 内大学では、従業員やマネジャーに対してかれらが日々直面する具体的な問題を解決するために必要な、具体的でなおかつきわめて高度なスキルを教えている。 またコミュニティカレッジは、看護学や情報技術を始めとして多くの専問職の資格が取れる安い費用の仕組みを提供し、これが学生にとっては、それよりも費用 のかかる四年制の教育機関を迂回できる機会になっている」(クリステンセンら 2005:204)。

また、クリステンセンは『イノベーターのジレンマ』 のなかで、破壊的技術(disruptive technology)が、既存の確立された技術(established technology)を置き換えていく形態の対比表をならべているが、そのなかの教育的なものに関する3つのジャンルを対照的に描いている (Christensen 2011:xxix)。教育は典型的な非消費(nonconsumption)行為であり、教育費は(税金をはじめ保険料などとは異なり[コンテンツや未 来のアウトカムに満足するのなら]好んで支払われる)非消費支出である。

破壊的技 術(disruptive techonology) とは、それを用いた商品が市場(マーケット)に参入した時点では、品質(パフォーマンス)も悪く人気のない商品が、その消費者へのニーズを満たす点におい ては他の対抗商品とは比較にならないほどの魅力ないしは刷新性(innovatiove)をもっているために、短期間の間に売り上げと品質を向上すること を通して市場を席巻するような潜在力をもった技術のことを言う」。

確立された技術 (established technology) 破 壊的技術(disruptive technology)
経営大学院(Graduate schools of management)
企業内大学、社内マネジメント研修プログラム
(Corporate universities and in-house management training programs)
キャンパスと教室での授業
(Classroom and campus-based instruction)
主にインターネットを利用した遠隔教育
(Distance education, typically enabled the Internet)
標準的な教科書(Standard textbooks)
オフセット印刷(Offset printing)
カスタムメイドのモジュール式デジタル教科書
(Custom-assembled, modular digital textbooks)
デジタル印刷(Digital printing)

クリステンセンは、このようなイノベーションに関連 した技術に関する「破壊」の意味を次のように説く:「破壊とは、それまで決められた不便な場所にいる金のかかる専 門家にしかできなかったことを、技能や資力のない人たちにもできるようにすることで、産業に大きな新しい成長をもたらす力である」(クリステンセン 2008:iv)

そして、クリステンセンは、高等教育には、1)変化 のシグナル、2)競争(私の属する組織の言葉では「共創」)のための戦い、3)戦略的な決断、3つの観点からコメンタリーを掲げている(クリステンセンら 2005:238)。

1)変化のシグナル:「営利機関、企業内トレニン グ・プログラムそしてコミュニテイカレッジはどれもみな、低コストと新たなマケットモデルを同時に絡めた破壊的な成長を続けている」

2)競争(私の属する組織の言葉では「共創」)のた めの戦い:「成長は、多種多様な学生を目標にするための独自の手法を取ることによって、不均等の意欲をうまく活かしている。また、新規参入企業は独自の能 力を開発してカスタマイズされしかも履修しやすい課程を整備する」

3)戦略的な決断:「一流校は自ら独自の破壊的な教 育課程をっくり出すのか出さないのか、あるいはまた破壊的な参入企業にモジュールを与えるのか与えないのか、その決断をしなければならない」

ちなみに、私のウェブサイト「授業=裏バス (裏のシラバス)」は、誰にでも開かれていて、まさに大学・大学院・高度 教養教育における「破壊的技 術」の塊であることは言うまでもない。

●消費と非消費

個人ないしは世帯(家族)が生活を維持するためにお こなう支出は消費支出といい、授業料や税金などの消費を目的としない支出を非消費支出という。この論理を敷衍すると、学習において、文具やパソコン、教科 書を購入する行為(非コロナ時代における通学の交通費)は消費であるが、遠隔授業を受けるためにインターネットを接続したり、授業料などのネットで振り込 むことは、そして勉強そのものは非消費である。学習者は、端的にいって非消費者である。

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Maya_Abeja

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