高度教養教育とはなにか?
What
is the liberal arts education for adults?
高度教養教育とは、学部高学年と大学院生
ならびに社会人を対象としたリベラルアーツ教育のことである。学部低学年(入学後1-2年)のそれは一般教養あるいは教養教育と呼ばれてあるが、教育のコ
ンテンツの中身には差がなく(=誤解をする教育専門家が多いのは嘆かわしい事態だ)、教師は学生の熟度により、より高いパフォーマンを持つように指導する
ことが求められる教育である(→「大人のための知の理論」)。
ここでは、大学の学部高学年(3年次以 上)と 大学院 生(一般社会人を含む)の人たち(=大人)を対象とした「教養」をつけること、すなわち自己陶冶(じこ・とうや:self-training, self-education, self-cultivation)としての「高 度教養教育(liberal arts education for adults, ilberal arts education as andragogy)」について考える。陶冶(とうや)とは、陶器を焼き上げたり、鋳物をつくること(ともに他動詞)であるが、そこから 転じて、人の能力や資質をつけてあげることを、育成=陶器をつくりあげることに模して、陶冶(training, education, cultivation)あるいは「陶冶する」という。
さて、教養教育(liberal arts education)の由緒正しい語義とは、自由人(市民)に対して、その市民生活を陶冶するために、必要不可欠な古典教育を授けることであった(→ウィ キペディア[英語:liberal arts education])。
時代は過ぎ、また、その教養(リベラル アーツ)教育 の中心地である西欧の伝統ある大学から、遠く離れた、極東の日本の大学で教養教育、とりわけ「大学院生に対する教養教育」いわゆる「高度教養教育」——現 時点では直訳風になるが super-liberal arts としか言いようがない——を実施する部局で働く私は、職場で言われている情報をもとに、自らその概念と中身の構築をしていかざるを得ない。
■高度教養教育の ジレンマ
このように、高邁な高度教養教育を吹聴し ても、その理念は、学生や大学院生に伝わっても、先生方には伝わらない。先生方の多くが、このような自由なリベラルアーツの教育を受けたことがない専門馬 鹿の予備軍団であり、こちらが高度教養教育の必要性を説き、また、学生や大学院生が満足しています と報告し ても、「専門教育」が疎かになるといって、まじめにこちらの言うことに耳を傾けてくれない。野依良治さんが、「問題解決型プログラム創設の必要性」について主張する気持ちはよくわかる。
そのために、元の同僚の教員と共同で、 『大阪大学学際融合教育:教員向けFAQ』を造ってみた(2016年3月4日)。FAQ-Osaka-Univ-Liberal-Arts-2016.pdf
以下にその画像(三つ折りのシートなの で、表/裏2葉)とpdfのリンクを貼っておく。興味のある方は活用してほしい。
+++
「学際融合教育」と「副専攻/高度副プロ
グラム」と「知のジムナスティックス(高度教養プログラム)」の関係は?
「知のジムナスティックス(高度教養プログラム)」として、どのような科目の提供がよいのでしょうか?
副専攻/高度副プログラムを提供する場合、受講者の多様性を考慮して連携部局の提供科目を検討すべきですか?
指導学生が、副専攻/高度副プログラムの受講を希望しています。これが原因で、院生の研究がおろそかにならないでしょうか?
+++
さまざまな〈学際〉のタイプがあります
タイプ1:学生の学修履歴が学際的
タイプ2:教員が学際的
タイプ3:扱うテーマや内容が学際的
タイプ4:受講生が学際的
+++
その他
++
文献
リンク