イデオロギーの崇高な対象
Uncychropedia of Slavoj Zizek
章立て
1. 症候
1.1 いかにしてマルクスは症候を発明したか
1.2 症候からサントムへ
2. 他者の欠如
2.1 汝、なにを欲するか?
2.2 汝は二度死ぬ
3. 主体
3.1 〈現実界〉のどの主体か?
3.2 「実体としてだけではなく主体としても」
◎はじめに
ハバーマスにおけるラカンラカンへの言及における「欠如」を読みとる(11)
ハバーマス=壊れていないコミュニケーションの倫理、普遍的で間主観的な共同体という理想(12)。
ラカンの倫理は、分離の倫理(15)——ワーグナーのヴァルジファル(15)
本質的論理との真の訣別が、精神分析のラカン的読解(17)
すべての文化は反動形成である(18)。
(文化にはさまざまな対立する)欲望(があるがその対立そのもの)を廃絶しようというのが全体主義の誘惑の起源である(18)
文化——エコロジー——フェミニズム——民主主義、これらは、「対立する欲望」そのものを廃絶しようとする、不可能な企てだ(18-19)
ラクラウとムフ=象徴化・全体化の企てはすべて「外傷」の受け入れの後にくる。最初からある裂け目を縫い合わせようとする企てであり、この企ては定義からして挫折する運命にある(19-20)
「もっとも崇高なヒステリー症者」
ポーランドのヤルゼルスキー政権下での狙撃兵のジョーク(21)
本書の目的(22-)
1)ラカン理論は啓蒙主義のもっとも根源的ヴァージョンである
2)ヘーゲルに見出されるのは、差異と偶然に対する最強の肯定である
3)ラカンの最重要概念を読み直すことで「イデオロギー理論」に貢献する——クッションの縫い目、崇高な対象、剰余=快楽
ヘーゲルを救うための唯一の方法は、ラカンを通して、ヘーゲルを読み直すことだ(23)——しかし、なぜヘーゲルを救わねばならないのか(池田)は疑問に思う。
1. 症候 | 25 |
・商品の分析と夢の分析(マルクスとフロイトの交差点)27 |
1.1 いかにしてマルクスは症候を発明したか | 27 |
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1.2 症候からサントムへ | 107 |
・サマセット・モーム戯曲『シェピー』における「サマラでの約束」(112-) |
2. 他者の欠如 | 165 |
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2.1 汝、なにを欲するか? | 167 |
・理想自我と自我理想の差異 |
2.2 汝は二度死ぬ | 249 |
・外密性(252) |
3. 主体 | 283 |
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3.1 〈現実界〉のどの主体か? | 285 |
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3.2 「実体としてだけではなく主体としても」 | 369 |
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文庫版167 | イデオロギーのキルト |
・ラカンのいうクッションの縫い目 ・イデオロギー空間は浮遊するシニフィアンでできている(168) |
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