じめに よんでください

パブロ・エスコバルとホアキン・エル・チャポ・グスマン

Pablo Emilio Escobar Gaviria (1949-1993) y Joaquín Archivaldo Guzmán Loera (1957- )


池田光穂

パブロ・エスコバールホアキン・グスマン・ロエラの対照年表

Pablo Emilio Escobar Gaviria (1949-1993)
Joaquín Archivaldo Guzmán Loera (1957- ), or Joaquín "El Chapo" Guzmán
12月1日 リオネグロで生まれる
1949


1950


1951


1952


1953


1954


1955


1956


1957
4月4日La Tuna, Badiraguato Municipality, Sinaloa,で生まれる

1958


1959


1960


1961

1962年ごろ墓石を盗んで墓碑名を消して転売したのを皮切りに高校を中退
1962


1963


1964


1965


1966


1967


1968


1969


1970
Miguel Ángel Félix Gallardoがボスを務めるグアダラハラ・カルテルに所属し、後のシナロア・カルテルのボスとなるHéctor Luis Palma Salazar の下で働く

1971


1972


1973


1974


1975


1976


1977


1978


1979


1980
シナロア・カルテルのボスHéctor Luis Palma Salazar専属運転手。グアダラハラ・カルテルは1970年代後半から1980年代初頭にかけてコロンビアとアメリ カーメキシコ国境を結ぶコカインの仲介業者として活動するとともに、カリブ海やフロリダ半島を結ぶ麻薬の輸送ルートを新たに開拓して組織を巨大化
メデジン・カルテルは販売ルートを拡大して、ペルーとボリビアから持ち込んだ良質のコカインをメキシコ、プエルトリコ、ドミニカに売り込んだ
1981

1982年には与党・コロンビア自由党に所属する上院議員
1982

上院議員辞職
1983


1984
DEA(Drug Enforcement Administration)エージェント、キキ・カマレナ(Kiki Camarena, 1947-1985)はガジャルドを含むボスとも繋がりを持つようになり、やがてカマレナから情報提供を受けたメキシコ軍が1984年11月にグアダラハ ラ・カルテルが所有する1000ヘクタールもの広さをもつ大規模なマリファナ畑に奇襲をかけ、80億ドルもの損害を組織に与えた
左派ゲリラによるコロンビア最高裁占拠事件はエスコバルの関与
1985
・コロンビアマフィアが得ていた権益をメキシコマフィアが引き継ぎ、さらに組織は巨大化
・Miguel Ángel Félix Gallardo、キキ・カマレナ(Kiki Camarena, 1947-1985)白昼堂々彼を拉致し、残忍な拷問にかけて殺害した。この事態にアメリカ政府は激怒し、メキシコ当局はカマレナ殺害犯を逮捕すべく大規 模な捜査を行う

1986


1987
アメリカ当局がグスマンの捜査を初めて行い、法廷で証言者が語ったとこ ろによるとグスマンがシナロア・カルテルの事実上のボスであり、1987 年9月19日から1990年5月18日までの間に2トンのマリファナ及び4.7トンのコカインをアメリカに密輸し、約15億ドルの利益を上げていたことが 判明

1988

メデジン・カルテルは、ルイス・カルロス・ガラン・サルミエントら大統領候補者3人の暗殺、アビアンカ航空機203便の爆破、ボゴタの治安ビル の爆破などのテロ行為を実行
1989
Miguel Ángel Félix Gallardo、キキ・カマレナ(Kiki Camarena, 1947-1985)殺害容疑で逮捕。
Miguel Ángel Félix Gallardo、刑務所から使者を通して幹部をアカプルコに招集させ、グスマンを含む幹部達はカルテルを3つ(ティフ アナ・カルテル、フアレス・カルテル、シナロア・カルテル)に分割することを決定。
セサル・ガビリアが大統領に就任。彼は大統領候補時代に暗殺されかけた事から、エスコバルを恐れ、そして屈服
1990

エスコバルは5年の服役とアメリカへの引渡忌避を条件にコロンビア政府 と合意すると、「ラ・カテドラル(La Catedral、教会や大聖堂[1]の意)」または「オテル(ホテル)・エスコバル」と称されるエスコバル個人用の豪華な設備を備えた刑務所(この施設 自体がエスコバルによって建設されたものだった)に収監
1991

エスコバルが刑務所内で2件の殺人事件を起こし(殺された2人の内、1人はエスコバルの幼馴染だった。幼馴染の友人は、囚人の前で幼馴染である エスコバルに気安い態度を取り、それに激昂したエスコバルが男性を射殺した)
7月22日移管の日、エスコバルは刑務官の前を堂々と歩いて刑務所を出ると、移管先の刑務所に向かわず、そのままメデジン市中に姿を隠した
1992

12月2日、コロンビア国家警察直下のコロンビア治安部隊の電波調査斑 が、メデジンの中産階級住宅街の隠れ家から息子と携帯電話で通話するエス コバルの居場所を突き止め、治安部隊の特捜チームが突入して屋根の上に逃れたエスコバルに一斉射撃を加えて殺害した。44歳で死去
1993
グアテマラで逮捕され、殺人及び麻薬密輸の罪で20年の刑を受け刑務所に収監されていたが、2001年1月に清掃作業車(洗濯物用カート)に隠 れて脱獄に成功。

1994


1995


1996


1997


1998


1999


2000


2001


2002


2003
ライバルであるGulf CartelのボスであるOsiel Cárdenas Guillénが逮捕されてから急速に勢力を拡大させ、アメリカ合衆国財務省はグスマンを「世界最大の麻薬組織のボス」と推測
2008 12月元婚約者殺害される。

2004


2005


2006


2007


※2008年当時のコカインの消費ルート
2008


2009
2009-2011 フォーブス誌ではグスマンを世界でも有数の影響力を持つ人物として認定しており(3年間の順位は41位、60位、55位)

2010


2011


2012


2013
シカゴ当局が「アル・カポネ以来、最大の社会の敵」だとコメント

2014
2月22日、メキシコ軍とアメリカ捜査当局(アメリカ麻薬取締局、アメリカ国土安全保障省など)の合同作戦により、メキシコシナロア州マサトラ ンの高層マンションで身柄を拘束された

2015
7月11日厳戒レベルの警備で知られるエル・アルティプラーノ刑務所より、地下トンネルを用いた2度目の脱獄
9月28日以降「ショーン・ペンが語る:麻 薬王エル・チャポとの会談(前半)」(Kate del Castillo, 1972- のとりなし)

2016
1月8日、故郷であるメキシコ中西部シナロア州で通報を受けて駆けつけた当局との銃撃戦の末、グスマンの身柄が確保される。グスマン自身はこの 現場からは車で逃れたが、その後すぐに捕まった。

2017
1月19日にグスマンはアメリカに飛行機で移送

2018
11月5日、グスマンの公判がニューヨークのブルックリン地区連邦裁判所で開始

2019
2月12日、ニューヨークの連邦地裁の陪審はグスマンに対する米国への麻薬密売など10の罪に対して、すべての罪状で有罪評決
7月17日、連邦地裁はグスマンに対し、仮釈放なしの終身刑を言い渡し、罰金126億ドル(当時レートで約1兆3600億円)の支払いを命じた
7月19日にコロラド州フローレンスにあるADXフローレンス刑務所に収監

2020


2021


2022


2023


2024


2025


★ドラッグカルテルの経営問題

麻薬王は名経営者なのか?

アンデスのコカ畑から、エルサルバドルの監獄まで、麻薬の「聖地」をくまなく取材。
M&A、CSR、サプライチェーン管理、オフショアリング……巨大カルテルの多国籍企業顔負けの経営戦略を解き明かす!
「ラテンアメリカを訪れた私は、麻薬産業の恐ろしい供給面を目撃することになった。そして、麻薬密売について書けば書くほど、麻薬ビジネスが組織的なグ ローバル・ビジネスと酷似していることに気づきはじめた…蒸し暑い独房で一味の支配する縄張りの広さを私に自慢したエルサルバドルの極悪ギャングのボス は、まるで合併を発表するCEOのような口ぶりで、抗争中のギャング間の手打ちについて陳腐な台詞を並べた。コカを栽培するボリビアの無骨な農民は、まる で商業園芸家のような自負と専門知識をひけらかしながら、自身の植物について興奮気味に話した。…世界じゅうの麻薬産業を調べるにつけ、麻薬ビジネスを一 般企業と同列に論じたらいったいどうなるだろうかと、ますます興味が湧いてきた。その集大成がこの本というわけだ」「麻薬カルテルの運営を理解すれば、麻 薬カルテルが繰り出す次の一手を予測し、税金や人命を無駄にすることなく企みを阻止しやすくなる。本書は麻薬王向けのビジネス・マニュアルであると同時 に、彼らに勝つための攻略マニュアルでもあるのだ」(本文より)
地を這う取材と最新の学術成果を結び付け、麻薬取引を、経済学的、経営学的に分析した初のノンフィクション。

『ウェインライトは、楽しくかつ精緻な筆致で、驚くほど儲かる洗練されたビジネス企業という、麻薬カルテルの内情を暴き出している。本書を読めば、麻薬取引をまったく異なる視点から、より現実的に把握できるだろう。必読だ」
――モイセス・ナイム(『権力の終焉』)

「本書は、麻薬をめぐる暴力が無鉄砲なものではなく、経済的計算が極端に残酷化した結果であることを示している。……麻薬対策法の改革についての、もっとも簡潔かつ説得的な議論だ」
――『ニューヨーク・タイムズ』紙

「粘り強い取材と学術的研究の調査に基づいた、才気煥発かつ魅力的な本だ」
――『ウォールストリート・ジャーナル』紙


ハッパノミクス : 麻薬カルテルの経済学 / トム・ウェインライト [著] ; 千葉敏生訳, 東京 : みすず書房 , 2017.12




リンク

文献

その他の情報


Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

池田蛙  授業蛙  電脳蛙  医人蛙  子供蛙ふくろう

++

Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099