統治ユニットとしての家族
familia moderna como unidad de la gobernabilidad
■ 統治のユニットとしての〈家族〉、あるいは「医療化され−医療化する家 族」
「18世紀にヨーロッパのすべての国々ではっきりと形をとりだした医療政策は、最初の成果として、家族、というより家族−子供の複合体を、個人に対する医療普及の最初で直接的な機関とし て組織した。家族に、(1) 社会集合体の保健に関わる一般的目標と、(2) 個人からの治療願望あるいは治療欲求との接点の役割を果たせたのである。家族によって、健康という「私的」倫理(両親と子供の相互的な義務)が、集団的な 衛生の統制や科学的な治療技術と結びつくことができ た。個人や家族の求めに応じ、この治療技術を保証したのは、資格を持ち、国家によっても推挙された専門の医師団である。自身や他人の健康に関する個人の権 利と義務、医学的治療の需要と供給が出会う市場、衛生と病気の領域への権力の高圧的な介入、しかしま た医者との私的な関係の制度化と保護、こうしたすべては、その多様性と一貫性において、19世紀の健康政策が全体としてどう機能したかを示しているが、そ れは18世紀に形成された、医療化され−医療化する家族とい う、この中心要素を抜きにしては 理解できないのである」(フーコー2001:15)[番号は引用者による]。
リンク
文献
その他の情報