植民学・植民地学の系譜
On history of Japanese Colonial studies
解説:池田光穂
植民国家あるいは殖民国家(settler state)とは開拓移民国家ともいい、国家主権や領土を確立する際に、先にそこに存在していた人々 すなわち先住民を、排他的にあるいは包摂する形で、成立が保証される国家のこ と。植民国家建設のためには、その統治領域空間(国土、植民地、帝国領内)における「植民・殖民による植民地主義」(settler colonialism:→殖民・植民地主義)という考え方とそれを支える殖民技術および殖民 技法というものが確立あるいは、開発途上にある必要があり、このことは歴史上の植民国家の成立にもみることができる。この定義によると、近代の国家形 態の成立経緯は、ほとんどこの植民国家としての性格をもつことになる。(→「植民国家」「植民地学・植民地政策学」)
植民学・植民地学の研究に関する大きな研究は、ジョン・アトキンソン・ホ ブスン『帝国主義:その一研究』(1902)年である。その12年後に公刊されるレーニン『帝国主義』(1914)も、ホブスンの研究成果に負っ て(ローザル・ルクセンブルグの『資本蓄積論』(1913)を反面教師にして/あるいは影響をうけながらも)グローバルなマルクス主義の観点から、植民地 収奪競争の行く末を占ったものである。
日本の植民地学あるいは植民学の系譜は、年表形式にすると以下のようになる。
ここで、新渡戸稲造『新渡戸博士植民政策講義及論文集』 矢内原忠雄編、岩波書店、1943(→教文館『新渡戸稲造全集』第4巻: 植民政策講義及論文集に相当)を検討しよう。
講義(→ 01-nitobe_on_colonialism_1943.pdf )
論文(→ 02-nitobe_on_colonialism_1943.pdf )
文献
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