かならず読んでください

アレクサンドル・コ ジェーヴ『ヘーゲル読解入門』を読む

On reading Alexxandre Kojeve's "Introduction to"

池田光穂

このテキストは、上妻と今野の日本抄訳版(1987)全9章プラス付録に準拠している。

ヘーゲル精神現象学(→「G.W.F.ヘーゲル」Georg Wilhelm Friedrich Hegel, 1770-1831, Phänomenologie des Geistes, 1807.)(→「ヘーゲル『精神現象学』1807ノート」)

章立て

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アレクサンドル・コジェーヴ(Alexandre Kojève, 1902-1968)アレクサンドル・ヴラジーミロヴィチ・コジェーヴニコフ. ワシリー・カンディンスキー(Wassily Kandinsky, 1866-1944)の父方の甥。

1902 モスクワ旧市街の一角で生まれる。父は 富裕な商人で、父方の伯父は、画家のヴァシーリー・カンディンスキー
1904 コジェーヴの父は、1904年に勃発し た日露戦争に招集
1905 父、1905年、満洲で戦死。母は、父 と共に満洲に来ていたが、夫の死後、モスクワに帰還するその際、コジェーヴの義父であり、後の夫であるレムキュールと出会う
n.d. コジェーヴは、モスクワでも評判の私立 学校に入学し、個人教授も受ける。以後、コジェーヴは、ラテン語、フランス語、英語、ドイツ語を学ぶ。
1917 二月革命、十月革命の時、コジェーヴは 15歳になっており、彼はこのときから、「哲学日記」という手記を始める。このとき、すでに後にコジェーヴにとっての主要なモチーフとなる「死の観念」に ついての考察が始まっていた。
n.d. 革命の混乱の中、コジェーヴの義父レム キュールは、賊に暗殺される。この頃コジェーヴは、慢性的な食料難のため、闇市に出入りし、その咎で投獄される。仲間たちは銃殺されるが、コジェーヴ自身 は親戚の口利きによって助かる。

これら一連の経験が、コジェーヴをして大きく動揺せしめた。このこと が、彼に「死=実在せざること」をどう理解するか、ということについて、生涯を通じて考察させるきっかけとなった。この「死についての考察」は、後に 『ヘーゲル読解入門』において、大きく展開されることになる。
1920
1920年、コジェーヴは祖国を捨て、ドイツに亡命する。1926年に 至るまで、ドイツのハイデルベルクとベルリンで研究を続ける。この間彼は、ドイツ語、哲学、東洋語(サンスクリット語、中国語、チベット語)、ロシア文学 について学ぶ。
1926
1926年、ハイデルベルクで学位を取得したコジェーヴは、フランス・ パリに移り、ソルボンヌ大学で研究生活を続ける。この頃、高等研究院で教鞭をとっていた科学史家アレクサンドル・コイレと知り合い、1933年(『精神現 象学』講義の始まる年)まで、高等研究院で研究活動をした。ソルボンヌでは数学と物理学、高等研究院では宗教哲学と東洋語を主に研究する。この頃、マル ティン・ハイデッガーは『存在と時間』を著している。
1933
1933年、「ソロヴィヨフの宗教哲学」という論文を著す。1933年 (『精神現象学』講義の始まる年)まで、高等研究院で研究活動をした。
1934
「ソロヴィヨフの宗教哲学」という論文を著す。この論文により、 1934年、高等研究院の修了証書を取得。この頃、ヒトラーが首相に就任。同年、コイレがカイロに招聘されることになり、それまで高等研究院で行われてい た講義がコジェーヴに託される。夏の間、準備のために『精神現象学』を数度、読み返す。このときに、「ナポレオンに具現化された歴史の終焉」という手がか りを見付け、このことが、コジェーヴのヘーゲル解釈に大きく影響することになる。またこの頃、講義と共に著述活動も活発になり、それらはフランス語、ドイ ツ語、ロシア語で著され、いくつかの雑誌に掲載される。
1943
1943年、コジェーヴの記念碑的著作である『法の現象学(権利の現象 学)』を著す。
1945
1945年、ヒトラー自殺。ドイツ政府は無条件降伏。原爆投下。コ ジェーヴは、フランスの政策に関する覚書を数編著し、また、講義の参加者の1人であるロベール・マルジョラン(フランス対外経済関係局の局長)によって、 特務官に任ぜられる。この年以降、コジェーヴはフランス政府の仕事を続けることになる。
1947
1947年、レイモン・クノーにより、高等研究院での講義録である 『ヘーゲル読解入門』が公刊される。6月、米国のマーシャル国務長官がヨーロッパ支援計画(マーシャル・プラン)を発表する[1]が、ソ連がこれを拒否 [2]。7月、ヨーロッパ16か国はパリに集まり、ヨーロッパ経済協力委員会を創設[3]。コジェーヴはハバナで開催された国際貿易機関に関する会議に参 加。
1948
1948年3月、53か国がハバナ憲章に調印。これに、コジェーヴはフ ランス代表団の一員として参加。この憲章をアメリカが批准しなかったため、これは発効しなかった。そのため、暫定的に形成されたのが、GATTである [4]。4月、トルーマンが対外援助法に署名し、マーシャル・プランが始動する[5]。援助金はヨーロッパにおける機関設立によって投入されることになっ たが、そのための機関として、ヨーロッパ経済協力機構が創設される[6]。事務総長はロベール・マルジョランであり[7][8]、コジェーヴは対外経済関 係局特務官として活動。
1953
1953年、コジェーヴは結核に冒され政府活動を停止、その間に、自身 の知の体系の充実に着手する。「カント論」、「概念・時間・言説」の執筆を始める。この年の3月、スターリンが死去。その死に際して、コジェーヴは「父を 失ったようだ」と語った。
1959
日本を訪問し、感銘を伴い帰国する。そこに、「歴史の終焉」後の人間の 存在様式のある形を見出した。
1962
1962年、ジュネーヴで行われた国連貿易開発会議の準備会議に、フラ ンス代表として出席し、貧しい国々のために演説をする。彼はそのとき、ケネディ・ラウンドに大きな期待を寄せていたが、しかし11月、ケネディは暗殺され る。
1964
1964年になると、交渉はジョンソンの下で開始され、コジェーヴはこ れに参加。
1967
定年になる時期だったが、官僚としての活動を続けることを望み、将来の 国際貿易問題検討会の座長に任命される。
1968
歴史の終わりに関して、『ヘーゲル読解入門』の注に日本のことを付け加 える。6月、ブリュッセルにおける共同市場の会議に出席している最中、心臓発作で急死した(享年66歳?か)。
1987
『ヘーゲル読解入門――『精神現象学』を読む』 上妻精・今野雅方訳、国文社、1987年
1996-2015
『法の現象学』 今村仁司・堅田研一訳、法政大学出版局、1996年、新装版2015年
2000
『概念・時間・言説――ヘーゲル「知の体系」改訂の試み』 三宅正純・根田隆平・安川慶治訳、法政大学出版局、2000年
2001
ドミニック・オフレ 『評伝 アレクサンドル・コジェーヴ』 今野雅方訳、パピルス、2001年。
2010
『権威の概念』 今村真介訳、法政大学出版局、2010年
2015
『無神論』 今村真介訳、法政大学出版局、2015年

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The Preface

Introduction

Consciousness

I. Sense-Certainty, This, & Meaning

II. Perception, Thing, & Deceptiveness

III. Force & Understanding

Self-Consciousness

IV. True Nature of Self-Certainty

A. Lordship & Bondage
B. Unhappy Consciousness
(AA) Reason
V. Certainty & Truth of Reason
A. Observation as Reason
B. Realization of rational self-consciousness
C. Individuality
(BB). Spirit
VI. Spirit
A. Objective Spirit: the Ethical order
B. Culture & civilization
I. World of spirit in self-estrangement
II. Enlightenment
III. Absolute Freedom & Terror
C. Morality
a. The Moral View of the World
b. Dissemblance
c. Conscience: The “Beautiful Soul”:Evil and the Forgiveness of it
(CC). Religion
VII. Religion in General
A. Natural Religion
B. Religion as Art
C. Revealed Religion
(DD). Absolute Knowledge
VIII.Absolute Knowledge
池田光穂の■読書メモ
承前
9 ノートの来歴

11 自己意識、自己感情、19

12 欲望

31 承認、主と奴(主人と奴隷)

32 自立的意識の真理は奴の意識である

32 歴史とは労働する奴の歴史である

33 奴は当初から他者(主)を承認していた

34 奴は自由を知っている

35 労働が奴を自然から解放するとき……

38 動物から発して人間を形成=教化するのは労働である

42 主人は世界に隷属する

第2章

49 デカルトの哲学が不十分であるのは……

51 自己意識

52 そして、欲望

53 闘争と労働(行動)

54 動物と動物的欲望

56 闘争、歴史、主と奴

57 奴の労働の意味

58 主と奴の間の闘争、歴史の誕生

59 主と奴の本質

61 闘争の果てに彼(主人)は、奴に承認されているにすぎない

62 主であることは現存在の袋小路である

63 人間は恐れたために奴となった

68 生命を危険にさらすこと

69 奴のイデオロギーの最初のものがストア主義

70 人間は存在を否定することにより無化する無である

71 独我論

72 キリスト教、74

75 非キリスト教的社会

76 主と奴の対立が廃棄される

77 国家

80 非キリスト教的世界は労働を排除するために滅亡する

81 キリスト教的人間の誕生

81 ブルジョア、84

82 私的権利

86 死すべき人間の意味

88 ナポレオンの帝国

89 イエス・キリスト

90 観念、悟性、労働

第3章

91 宗教、92

93 精神

94 本質的実在、客観的精神

95 神

96 国家と個人

98 民族=フォルクの絶対精神、ヘーゲルからの引用

99 人倫の体系からの引用、民族の神(Goertlichkeit des Volks)

100 ニュートン物理学

102 キリスト教徒の心理

103 彼岸、人格神

104 知識人、芸術家

108 自己自身を知る精神

109 宗教と自己意識

111 プロテスタンティズムと無神論の親和性

112 人間は自己に至高の価値を帰属せしめる

114 有神論と革命

116 神学のかたちで人間学をつくる人間

第4章

第5章

134 賢者、139、141

138 完全であるためには

145 知恵の理想

146 哲学者、哲学者と賢者 148
151 現存在の態度には3つの類型が可能であり……

152 失敗するヘーゲル

153 なぜヘーゲルは『精神現象学』を書いたか?

158 誤謬にあらず、真理にあらざるもの、それは観念

160 賢者、スピノザ

第6章

163 真理 世界内人間

164 観念、概念、時間

165 概念は永遠

167 イデア

169 永遠性は時間の外にある(プラトン)、永遠性は時間の中にある(アリストテレス)

171 犬という語は、犬の本質を開示する(→狗類学)

176 プラトンは徳を教えることが可能であると信じる

178 アリストテレスは永遠を時間の内にみる

178 (プラトンの永遠を時間の外にみるという)永遠性が犬のイデアである

182 スピノザの体系は、非合理な完全な体系である、192

184 スピノザの体系は、絶対知の観念である

194 超越論自我(カント)は、スピノザの神に相当する

198 パルメニデス、時間の講釈

199 ヘーゲルにおける概念と時間
201 経験的に——現存在する——概念

202 未来によって生み出される運動

203 他者の欲望に向かう欲望

205 世界における時間の実在的現前が人間と呼ばれる。時間は世界—内—人間

205 精神は時間(イエナ講義)

206 時間は経験的に現存在する概念そのものだ

207 ロゴス、222

210 労働、概念が労働でり、労働は概念だ

211 労働は人間本質そのもの

211 生命の否定

213 概念と時間の同一化の重要性

214 世界史

216 言説による思惟

218 時間が穴

219 アリストテレスにおける「犬」、実在する犬

220 定立

221 存在、概念、時間
第7章

225 確実に現存在

226 知

227 精神、自然
228 総合と演繹

230 人間の存在しない自然

231 歴史の終末(→フランシス・フクヤマ)

233 国家の確立、自己の廃棄(234)

235 犬の概念の話、243

237 歴史的現在、行動と知

239 『精神現象学』の位置付けをめぐる言及

240 シラーの詩を改作するヘーゲル

242 感性の全領域(『信仰と知』)

246 日本に旅行するコジェーヴ

247 生のスノビズムが、日本にはある(生のままのスノビズムが日本では自然的あるいは動物的な所与を否定する規律を創り出していた)

第8章

250 真なるものと概念

250 存在と思惟

251 フッサール的意味での現象学

254 真理において、概念と対象との完全な一致がある

258 ヘーゲルの方法は、弁証法的ではない

263 神的対話者は実は虚構

264 自分(ヘーゲル)は、プラトンの弁証法を再発見したにすぎない

268 人間だけが誤謬を犯す

269-270 労働という誤謬

270 真理は必然的に弁証法的である

271 暗殺者、闘争

272 哲学的方法としての弁証法

274 闘争、労働、行動

275 思惟のすべて

276 全歴史

276 ヘーゲルの方法は現象学的

278 悟性の思惟と同一性

280 真理と存在、そして理性

288 実在する弁証法

292 弁証法的揚棄

293 自由=行動=否定性

296 ヘーゲルの精神

300 自然の弁証法はよくわからない

301 骨相学

302 即自、対自存在

303 動物と自由、否定性

305 否定を通して自由になる人間

306 否定と創造

307 主と奴、承認、闘争

308 主と奴

311 否定性の実現、労働は自己を否定する活動

312 労働する奴が創造する理由

313 奴と主、そして消費

314 奴の労働

315 闘争と労働

317 創造的行動

319 総合の意味、総体性(325)

320 社会と人間

324 同一性、動物性など

327 愛の分析断片

328 公民と賢者、主と奴

329 死の本源的役割、愛する者の死

330 人間の死の意味

332 否定する絶対者

333 死は自由の補完的な一側面

336 死、ロマン主義、歴史、国家

337 歴史における人間の死

338 存在の否定性

339 人間の否定性と死

340 自己の死の意識

343 歴史を仕上げる人間

344 ヘーゲルの弁証法

344 注釈、量子力学の講釈!(ヘーゲルではなくコジェーヴ)

345 ロゴス、実在するもの

346 存在と思惟は同一である(パルメニデス)

347 『エンチクロペディー』関連の、どんぐりや樫(柏?と記載)

348 否定性の注釈、総体など

349 人間と自然の関係

350-351 二元論的存在、二元的存在論

352 存在と無

353 観念は欲望から生まれる

353 技術

355-356 愛と存在、危険

356 ドストエフスキー『悪霊』キリーロフの自殺

358 イエスの個体性

第9章

361 真なるもの、主体

364 真なるものは全体

367 絶対者は精神

368 自由とコスモス、イデア、本質

369 ヘーゲルにとって人間とは?、人間=死すべきもの(372)

373 精神とは世界—内—人間である

374 人間は自己の死を意識する

375 分離

376 直接態、知恵、賢者

378 概念がつくられるとき、今ここから引き離される

378 プラトンのイデア、アリストテレスのエンテレケイア

380 存在

381 存在と悟性

383 奇跡

383 自然的世界と人間

384 否定なるもの(das Nagative)

385 精神の生

386 精神が再度、自己を見出す、真理を知る

388 自己の死

389 死の観念へのこだわり、『精神現象学』序文

391 経験的現存在(原文引用)

392 動物の有限性との関連

393 動物の病いあるいは精神の生成

394 人間と動物、病いと死の位相

394 動物は死ぬ(イエナ講義、1805-1806年)

395 人間は自然に内在する死に至る病いである

396 否定的絶対者

398 恐怖政治、革命、国家

399 歴史は死を前提にする

400 北アメリカの未開人は親を殺し、我々も同じことをする(→「ヘーゲルと親殺し」)

400 子供を教育することにより……

401 『自然法』論文

402 普遍者としての国家

403 殺しあう戦争の必要性

406 国家の公民

407 個体は個別なもの普遍なものとの総合だ!

409 死は完成——ヘーゲルは、死は完成といったけど、私は、「よい死に方」を主張した講演会で、会場の聴衆の1人から、子供の死もよい死ですか?と聞 かれてはじめて、自分が、人生において理想的な死(ヘーゲル的死)を前提にしていることに気付かされた。

410 主と奴の血の闘争

415 他者を死に至らしめねば他者が総体であるかどうかを知ることができぬ(→「先住民による人体実験とその推論に関する資料と紹介」pdf)
416 意識が他者の死を目的としている

418 奴の人間性を認めること

420 宗教は表象された精神

423 人間は空虚な無

424 ヘーゲル以外の哲学者は、魂は不死という同一性の概念から自由になれなかった

425 ハイデガーは、人間の現存在は死への生である

426 闘争と労働はマルクスへのバトンタッチ
Although not an orthodox Marxist,[6] Kojeve was known as an influential and idiosyncratic interpreter of Hegel, reading him through the lens of both Karl Marx and Martin Heidegger. The well-known end of history thesis advanced the idea that ideological history in a limited sense had ended with the French Revolution and the regime of Napoleon and that there was no longer a need for violent struggle to establish the "rational supremacy of the regime of rights and equal recognition". Kojeve's end of history is different from Francis Fukuyama's later thesis of the same name in that it points as much to a socialist-capitalist synthesis as to a triumph of liberal capitalism.[7][8] Mark Lilla notes that Kojève rejected the prevailing concept among European intellectuals of the 1930s that capitalism and democracy were failed artifacts of the Enlightenment that would be destroyed by either communism or fascism.[9] In contrast, while initially somewhat more sympathetic to the Soviet Union than the United States, Kojève devoted much of his thought to protecting western European autonomy, particularly so France, from domination by either the Soviet Union or the United States. He believed that the capitalist United States represented right-Hegelianism while the state-socialist Soviet Union represented left-Hegelianism. Thus, victory by either side, he posited, would result in what Lilla describes as "a rationally organized bureaucracy without class distinctions".[10]
コジェーヴは正統派のマルクス主義者ではない(=もちろんソビエト信奉 者ではあった:オフレの所論)が、カール・マルクスとマルティン・ハイデガーの両方のレンズを通してヘーゲルを読み解く、影響力のある特異な解釈者として 知られていた。よく知られている歴史の終わりのテーゼは、限定的な意味でのイデオロギーの歴史はフランス革命とナポレオンの政権で終わり、「権利と平等な 承認の体制の合理的な優位性」を確立するために暴力的な闘争をする必要はもはやないという考えを進めた。コジェーヴの歴史の終わりは、後にフランシス・フ クヤマが発表した同名の論文とは異なり、自由主義資本主義の勝利ではなく、社会主義と資本主義の統合を指し示している。マーク・リラは、コジェーヴが、資 本主義と民主主義は啓蒙主義の失敗作であり、共産主義かファシズムによって破壊されるという1930年代のヨーロッパの知識人の一般的な概念を否定したこ とを指摘している。一方、コジェーヴは、当初はアメリカよりもソ連にやや同情的であったが、西ヨーロッパの自治、特にフランスをソ連やアメリカの支配から 守ることに思想の多くを費やした。彼は、資本主義のアメリカは右ヘゲリアニズム、国家社会主義のソ連は左ヘゲリアニズムだと考えていました。そのため、ど ちらかが勝利すれば、リラが言うところの「階級の区別のない合理的に組織された官僚主義」が実現すると考えていた。
Kojève's lectures on Hegel were collected, edited and published by Raymond Aron in 1947, and published in abridged form in English in the now classic Introduction to the Reading of Hegel: Lectures on the Phenomenology of Spirit. His interpretation of Hegel has been one of the most influential of the past century. His lectures were attended by a small but influential group of intellectuals including Raymond Queneau, Georges Bataille, Maurice Merleau-Ponty, André Breton, Jacques Lacan, Raymond Aron, Michel Leiris, Henry Corbin and Éric Weil. His interpretation of the master–slave dialectic was an important influence on Jacques Lacan's mirror stage theory. Other French thinkers who have acknowledged his influence on their thought include the post-structuralist philosophers Michel Foucault and Jacques Derrida.
コジェーヴのヘーゲルに関する講義は、1947年にレイモンド・アロン によって収集・編集・出版され、現在では古典的な『Introduction to the Reading of Hegel』として英語で要約されて出版されている。Lectures on the Phenomenology of Spirit(精神現象学についての講義)』として英語で出版された。彼のヘーゲル解釈は、過去100年で最も影響力のあるものの一つである。彼の講義に は、レイモン・クノー、ジョルジュ・バタイユ、モーリス・メルロ=ポンティ、アンドレ・ブルトン、ジャック・ラカン、レイモン・アロン、ミシェル・レイリ ス、ヘンリー・コービン、エリック・ワイルなど、少数ながらも影響力のある知識人たちが参加していた。彼の主従弁証法の解釈は、ジャック・ラカンの鏡像段 階説に重要な影響を与えた。また、ポスト構造主義の哲学者であるミシェル・フーコーやジャック・デリダなども彼の影響を認めている。
Kojeve's correspondence with Leo Strauss has been published along with Kojève's critique of Strauss's commentary on Xenophon's Hiero.[11] In the 1950s, Kojève also met the rightist legal theorist Carl Schmitt, whose "Concept of the Political" he had implicitly criticized in his analysis of Hegel's text on "Lordship and Bondage"[additional citation(s) needed] . Another close friend was the Jesuit Hegelian philosopher Gaston Fessard.
コジェーヴとレオ・シュトラウスとの往復書簡は、クセノフォンの『ヒエ ロ』に対するシュトラウスの注釈に対するコジェーヴの批判とともに出版されている。1950年代、コジェーヴは右派の法理論者カール・シュミットにも会っ ている。彼の「政治的概念」は、ヘーゲルの「領主権と束縛」に関するテキストの分析において暗に批判していた[要追加引用]。もう一人の親しい友人は、イ エズス会のヘーゲル哲学者ガストン・フェサールである。
In addition to his lectures on the Phenomenology of Spirit, Kojève's other publications include a little noticed book on Immanuel Kant and articles on the relationship between Hegelian and Marxist thought and Christianity. His 1943 book Esquisse d'une phenomenologie du droit, published posthumously in 1981, elaborates a theory of justice that contrasts the aristocratic and bourgeois views of the right. Le Concept, le temps et le discours extrapolates on the Hegelian notion that wisdom only becomes possible in the fullness of time. Kojève's response to Strauss, who disputed this notion, can be found in Kojève's article "The Emperor Julian and his Art of Writing".[12]
コジェーヴは、『精神現象学』の講義のほかに、あまり注目されていない イマヌエル・カントについての著書や、ヘーゲル思想やマルクス主義思想とキリスト教との関係についての論文などを発表している。1943年に出版された "Esquisse d'une phenomenologie du droit"(『法の現象学』)は、1981年に死後出版されたもので、貴族とブルジョアの右派の見解を対比させた正義論を詳述している。"Le Concept, le temps et le discours"(『概念・時間・言説』)は、知恵は時が満ちることで初めて可能になるというヘーゲルの考え方を外挿したものである。この考え方に異議 を唱えたシュトラウスに対するコジェーヴの回答は、コジェーヴの論文「皇帝ユリウスとその著述術」にある。
Kojève also challenged Strauss' interpretation of the classics in the voluminous Esquisse d'une histoire raisonnée de la pensée païenne which covers the pre-Socratic philosophers, Plato and Aristotle, as well as Neoplatonism. While the first volume of the previous work was still published during his life-time, most of his writings remained unpublished until recently. These are becoming the subject of increased scholarly attention. The books that have so far been published are the two remaining volumes of the Esquisse d'une histoire raisonnée de la pensée païenne (1972, 1973 [1952]), Outline of a Phenomenology of Right (1981 [1943]), L'idée du déterminisme dans la physique classique et dans la physique moderne (1990 [1932]), Le Concept, le Temps et Le Discours (1990[1952]), L'Athéisme (1998[1931]), The Notion of Authority (2004[1942]), and "Identité et Réalité dans le "Dictionnaire" de Pierre Bayle" (2010[1937]). Several of his shorter texts are also gathering greater attention and some are being published in book form as well.
コジェーヴは、また、ソクラテス以前の哲学者であるプラトンやアリスト テレス、そして新プラトン主義を網羅した広闊な分量のある"Esquisse d'une histoire raisonnée de la pensée païenne"で、シュトラウスの古典解釈に挑戦している。前作の第1巻は生前にも出版されていたが、彼の著作の多くは近年まで未発表であった。これら は、学術的にも注目されるようになってきた。これまでに出版された書籍は、"Esquisse d'une histoire raisonnée de la pensée païenne"(1972年、1973年[1952])、"Outline of a Phenomenology of Right"(1981年[1943])の残りの2巻である。L'idée du déterminisme dans la physique classique et dans la physique modernne (1990[1932]), Le Concept, le Temps et Le Discours (1990[1952]), L'Athéisme (1998[1931]), The Notion of Authority (2004[1942]), and "Identité et Réalité dans le "Dictionnaire" de Pierre Bayle" (2010[1937])などがある。また、短い文章も注目されており、書籍化されているものもある。



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