科研費をどのようにしてゲットするか?!
How to get the KAKENHI,
grants-in-aid for scientific research,by the GAKUSHIN, Japan Society
for the Promotion of Science, JSPS
これから科研をゲットするためのチップ集です。まず最初に科学研究費補助金申請書における 「用語の確認」をしておきましょう!!!
学術的「問い」 | 2018年度の科研費制度改革により、学術的「問い」が重要 視されるようになったため、より長期的な視野に立った研究が望まれるようになった。本研究 の研究目的が数年先を目標にされるのに対し、学術的「問い」は、長期スパン(例えば 10年程度)で捉えた、より広い視座での学術的課題であると捉えること ができる。すなわち学術的「問い」とは、いわゆるリサーチクエスチョンのことではなく、その上位にある学術分野に共有される問題意識のようなものとして整 理いた だくのが分かりやすい。 |
多様な審査員のバックグラウンドに対しての学術的「問い」 | 申請書が採択されるためには、先生が申請された研究内容につ
いてなじみがなく、研究にあたって前提となる知識を持ち合わせていない審査委員からも評価を得る必要がある。研究対象となるテーマや地域を超えて、どの審
査委員からも評価されるための学術的「問い」とは何かを考えた上で、書きぶりを考える必要がある。 |
リサーチクエスチョン | 「研究テーマ」と、「何をどこまで明らかにしたいのかという
命題」という2つのセットでできあがる、構造化された問いのこと。 |
本研究 の研究目的 | 当該研究課題における、数年先の解決を目標にするタームの、
回答が望まれる、問題設定のこと。 |
学術的独自性 |
学術的独自性とは、本研究の優れた点、他の研究と比較して優
位にある点である。学術的独自性とは、他の研究と比較して優れた点であり、そこでアピールしているポイントがどのような意味において他の研究として優れて
いるのかを具体的に提示されることが必要。一般論として「優れている」と表現しても、審査員には???となる。 |
学術的創造性 |
学術的創造性とは、本研究の今後の発展や、将来的な波及効果
と捉えられる。学術的創造性については、本研究が今後、どのように発展し、さらに他の研究分野に波及していくのかを(これもまた)具体的に提示する必要が
ある。 |
着想に至った経緯 |
着想に至った経緯においては、申請者本人がどのように「こ
の」研究をする着想に至ったのかが問われる。申請者の研究活動において、具体的にどのような経緯で本研究の着想に至ったのかを記述する必要がある。 |
本研究で明らかにしようとすること |
本研究の目的と研究の手順が整合しているかどうかを、学術的 「問い」との関わりを踏まえた上で審査される。本研究における学術的「問い」が明確になっていない時には、研究全体の方向性を見失ってしまい、研究の意義 そのものを掴むことが困難になることがある。ここでは、学術的「問い」にもどって、「問い」を明確にして、研究全体の方向性をその都度提示し、審査員が、 研究の意義そのものを掴むことを明確に意識しなければならない。 |
エフォート |
大体の相場感では10から25%ぐらいですかね。25%は代表者で「気
合い入れてます」という感じになりますけど、他の研究課題を掛け持ちで申請したりされる方は、エフォートが100%を超えるので、マックス25%ぐらいに
しておけばいいでしょう。ただし、審査員はエフォートみても、それで、好印象あるいは悪印象をもつことは、ふつうはありません |
◎ここから、総合的なレクチャーに入ります。
1 |
研究費公募には、科学研究費補助金に代
表されるような、1)ボトムアップ型研究と、JSTやNEDOなどの組織が募集するような、2)トップダウン型のものがある。 |
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2 |
◎研究の学術的意義がチェックされるのは:1)研究課題の学術的重要性と、2)研究方法の妥当性である。 ◎研究計画の実行可能性がチェックされるのは:2)2)研究方法の妥当性と、3)研究遂行能力および緩急環境の適切性、である。 |
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3 |
【再掲】 ◎研究の学術的意義がチェックされるのは:1)研究課題の学術的重要性と、2)研究方法の妥当性である。 ◎研究計画の実行可能性がチェックされるのは:2)2)研究方法の妥当性と、3)研究遂行能力および緩急環境の適切性、である。 |
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4 |
1)科研費は、研究者の自由な発想に基づく全ての分野にわたる研究を格段に発展させることを目的とし、豊かな社会発展の基盤となる独創的・先駆的な研究を 支援します。 2)科研費では、応募者が自ら自由に課題設定を行うため、提案課題の学術的意義に加え、独自性や創造性が重要な評価ポイントになります。このため、「基盤 研究」、「若手研究」及び「研究活動スタート支援」の研究計画調書様式では、学術の潮流や新たな展開などどのような「学術的背景」の下でどのような「学術 的『問い』」を設定したか、当該課題の「学術的独自性や創造性」、「着想に至った経緯」、「国内外の研究動向と本研究の位置付け」はどのようなものか、な どの記述を求めています。 3)審査においては、総合審査又は二段階書面審査における審査委員間の議論・意見交換等により研究課題の核心を掴み、学術的な意義や独自性、創造性など学 術的重要性を評価するとともに、実行可能性並びに研究遂行能力も含めて総合的に判断します。 4)科研費に応募するに当たっては、上記に留意の上、公募要領や審査基準、様式の説明書き等を十分に確認し、審査委員に学術的重要性等が適切に伝わるよう に研究計画調書を作成してください。 |
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科学研究費補助金(科研費)とは? ※
2021年度版『科研費ハンドブック』に準拠 |
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科研費のルールは? |
3 |
年間のスケジュールは? |
4 |
応募資格は? |
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応募時に注意することは? |
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審査は? |
7 |
研究費はいつから使えるのか? |
8 |
機関管理とは? |
9 |
直接経費は何に使えるのか? |
10 |
間接経費とは? |
11 |
研究計画の変更は? |
12 |
補助金分の使い方は? |
13 |
基金分の使い方は? |
14 |
研究期間中や終了後の評価は? |
15 |
研究実績や成果の報告は? |
16 |
ルールに違反したら? |
17 |
研究者が遵守すべき行動規範とは? |
18 |
科研費審査システム改革2018について |
19 |
最近の競争的研究費の主な制度改善につい
て |
●このページは、まだ、科研をゲットした後の人のた
めのものです(鋭意作成中)
以下は倫理的側面に関するものです。調査研究の研究 費の申請書の審査について(文意)
研究費助成事業(研究助成事業)は、当該国(当該組 織の)学術振興に寄与すべく、人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、学術研究を格段に発展させることを目的とするのが、いわゆる「競争的 資金」である。
学術研究は、研究者コミュニティが自ら選ぶ研究者 が、科学者としての良心に基づき、個々の研究の学術的価値を相互に評価・審査し合うピアレ ビュー(Peer Review)のシステムにより発展してきた。
研究助成事業にかかわる審査は、こうしたシステムの 一翼を担う重要な要素である。
研究助成事業の審査委員は、学術の振興のために名誉 と責任あるピアレビューアーの役割を任されている。研究者同士が「建設的相互批判の精神」に則って行う科研費の審査は、学術研究の将来を左右すると言って も過言ではない。
このため、次の点に留意しなければならない。
1.審査は応募者の研究を尊重することが前提であ る。審査委員は、応募者の研究計画が自身の専門分野に近いかどうかにはかかわらず、応募者がどのような研究を行おうとしているのかを理解し、その意義を評 価・審査することとしている。科研費の審査は研究課題の審査であり、研究計画調書の内容に基づいて研究計画の長所(強い点)と短所(弱い点)を見極めて評 価するとともに、審査意見ではそれらを具体的に指摘することとしている。
2.一方で、応募者は、自ら設定した課題の背景や経 緯、国内外での位置づけ、新規性、独自性、創造性や具体的な研究計画が審査委員に分かるように研究計画調書に記載することが求められている。
3.審査委員と応募者がこのような姿勢で審査に臨む ことにより、ピアレビューによる研究助成事業の審査が健全に機能しする/するはずである。
4.研究助成事業の審査委員としての経験は、学術的 視野をさらに広げる貴重な機会でもある。学術コミュニティ全体が「建設的相互批判の精神」に則った審査を積み重ねることで、当該国(当該組織)の学術水準 の向上につながることが期待されておいる——そのことを審査を通していまいちど再確認すること。
以上の内容を確認することとする。
旧クレジット:研究調査費申請書の審査の倫理につい
て
リンク
文献
その他の情報