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倫理委員会

Institutional Revew Boad, Independent Ethics Commitee (IRB, IEC), a Japanse version

解説:池田光穂

倫理委員会(りんり・いいんかい)とは、日本ではしばしば「医の倫理委員会」と言われるものであるが、おもに医学研究や治療行為において、その 妥当性の判断の独自性を保証された組織内機関である。それゆえ欧米とくに米国における、施設内委員会、施設審査委員会(共に Institutional Review Board, IRBの翻訳)や、独立倫理委員会(Independent Ethics Commitee, IEC)に相当するものと考えられている。

経験的な文化相対主義という観点からみると、医学研究や治療行為においても、その価値判断には文化的・社会的・状況論的なものが影響するため に、さまざまな歴史的ならびに文化的バイアスがかかった判断がされる可能性がある。従って、日本における倫理委員会も、組織化のされ方、議事進行、意思決 定さらに判断の責任の負い方などに特異性があり、その社会に埋め込まれたものである可能性はある。

さらに医学研究や治療行為においても、人類学や社会学の調査、あるいは心理学にもとづくカウンセリングなどでも、倫理的な逸脱が起こりうるの で、組織によっては事前審査を要求するものがあり、また組織内で設置されていることがある。2007年3月13日付の読売新聞によると日本全国の病院(大 学附属病院を含む)や医学部・医科大学では少なくとも448の委員会があることが報告されている(読売新聞 2007)。この中には、ワーキングと呼ばれ る審査の実務組織や親委員会に属する小委員会組織、さらには、薬事法にもとづく臨床試験(いわゆる治験)のみを審査する委員会などもある。

倫理委員会は、施設内の委員のほかに、施設外の第三者委員を加え、議事や審査のプロセスなどを基本的に公開にして透明性を高めることが期待され ているが、実態としては非公開や事後的な審査の過程の記録が不明瞭である場合も多い(前項の読売新聞報道による)。

倫理委員会が則る、倫理的判断の基準や指針(ガイドライン)は、歴史的に定められた国際間の合意や、所轄の省庁が定めた倫理指針 (ethical guideline)などを踏襲することが期待されている。それらの指針には以下のようなものがある。

《研究倫理委員会にまつわる有名なジョーク》

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文献

医療人類学辞典

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