価値形態論
theory of form of value
池田光穂
「マルクス経済学の最も基本的な理論の一つ。商品は 価値と使用価値という2要因から成るが,商品の価値は他の商品の使用価値との関係で しか表現できないというメカニズムから出発して貨幣形態の生成を解明する理論。最も単純な価値表現関係は,ある1つの商品と異種の任意の1 商品に対する価値関係であって,これは x量のA商品=y量のB商品と 表現でき,このA商品を相対的価値形態にある (価値がB商品の使用価値の一定量との相対関係において表示されている) といい,B商品を等価形態にある (A商品の等価物として機能している) という。これは,A商品からみればB以外のどの任意の商品をも等価形態におく表現へと拡大できる (拡大された価値形態) 。無数にある価値表現のなかで,常に等価 形態におかれ,相対的価値形態から排除される単一の商品 (一般的等価物) が生成してくる (一般的価値形態) 。歴史的には,貨幣が一般的等価物としての役割を社会的慣習によって独占するにいたった (貨幣形態) 。 以上のような『資本論』の論理を,歴史的発展過程になぞらえて理解するか,純論理的に理解するか,については論争がある」ブリタニカ国際大百科事典 小項目「価値形態論」より)。
「マルクスの主著《資本論》の第1巻(1867)は
資本の生産過程を扱い,労働力という商品の特殊な性格から剰余価値が発生し搾取されることを明らかにする。資本の流通過程を対象とする第2巻(1885)
は,マルクスの死後にエンゲルスにより公刊されたが,資本の回転,再生産表式などを論ずる」コトバンクより)。
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