人類学リテラシー
Anthro-Literacy, anthropological literacy
講師:池田光穂
人 類学リテラシー、人 類学的リテラシーとは、人 類学上の情報を見つけ だし、解釈し、分析し、それらを統合し、評価し、人 類学のコミュニティのみならず外部世界へ伝達する能力のことをいう。
リ テラシーとはもともと、識字(文字の読み書き能力)に由来するので、人類学リテラシーとは、単に人 類学・文化人類学に知っているだけでなく、人類学・文化人類学が使える状態のことを言う。
人 類学的リテラシーとは、人類学を学ぶ上での基礎知識や技法(スキル)の習得を前提にしているが、ただ単に〈知識〉 や〈技法〉が身についているということ だけではなく、広義には、何が重要であるかを把握し、その問題解決のための情報をどのようにして得ることができるのかという見通しをもち、かつ、情報に適 切にアプローチできる、総合的な〈能力〉のことを指す。
そ の意味では、情報リテラシー(information literacy)の定義同様、文字の読み書きを修得モデルにするリテラシー(=読み書き能力)という用語ほうは、不適切であると思われるが、現代用語に おけるリテラシーの拡張的用語法にしたがってこれを採用しておく。
エ ヴァンズ=プリチャードは言う:「人類学者は、数カ 月ないし数年間、未開民族と生活を共にします。そしてできるだけ彼らと親しく生活し、彼らの言語を学び、彼らの観念によって考え、彼らの価値観に従って感 ずることを学びとります。そこで、人類学者は、自分の文化の、概念上のカテゴリーや価値観によって、また人類学の全般的な知識によって、未開人との生活体 験を、批判的に捉え、これに解釈を加えてゆくのです。言いかえますと、人類学者は一つの文化を別の文化に翻訳するわけです。」(p.22)。【出典】
※未開社会(みかい・しゃかい)とは、ヨーロッパや北米の移民たちが、自分たちとは違う素朴な社 会形態をもつ人たち(=未開人)の手段を、自己の集団と呼ぶために苦心して「創造」した操作的概念である。
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文 献
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