競争的パーソナリティ
competitive personality
解説:池田光穂
自由主義的資本主義、レッセフェール経済、ならびにネオリベラリズム(新自由主義) 経済活動のなかで、重視される人間性の性質(=パーソナリ ティ)のこと。
もちろん、この人間性の性質、それ自体はいけ好かないものではあるが、さまざまな文脈の中では価値があるものとされる。
たとえば、社会が学力や経済力を自由に参加できて、努力に見合っただけの納得できる報酬を得えることができる場合や、敗残者のケアも社会が保証 する(=「セーフティネット」というらしい)場合、このようなパーソナリティは好まし いものとされて、子供たちの親は、子供をそのようにけしかけて訓育する。
もちろん、そのようなパーソナリティによって社会的成功を得た保護者の場合は、子供に対する訓育のイデオロギーの強度は増し、自明なものになる だけでなく、社会の犠牲者のことを忘れるための都合のよい言い訳にもなる(→犠牲者非難)
このパーソナリティが極限まで当該の社会制度に適合的になると、「競争こそが人間社会をよくする」という、今日われわれが親しくなじむネオリベ
ラリズム論者が妄信する社会の自動調整仮説(=神の「
見えざる手」による)の信仰にも行き着くことになる。
The Psychology Behind Competitiveness One study of just this concept found that nearly half of people surveyed would rather make $50,000 in a world where the average salary is $25,000 than make $100,000 in a world where the average is $200,000; that is, they prioritized making more relative to other people rather than having a higher overall income. As the saying goes, “If you and I are being chased by a bear, I don’t have to outrun the bear; I just have to outrun you.” Of course, like most behavioral characteristics, competitiveness is a spectrum: some people are relatively less competitive, others more so, and a few seem obsessed with winning in every single context. Beliefs regarding competitiveness, too, are a spectrum: most people draw a line between healthy and unhealthy competition, have a sense of what is too much or too little competition, but determining just where those distinctions lie in any given context is (perhaps ironically) quite contentious. To be clear, as psychologists, we’re not in the business of weighing in on whether more or less competitiveness is a good thing, except to the extent it may cause quantifiable psychological problems (but more on that in a bit). Here’s one thing we are interested in, though: why are we wired for competition? Is it for fun, survival or something else? Let’s take a dive into the psychology of competition. この概念に関するある調査によると、平均給与が20万ドルの世界で10万ドルを稼ぐよりも、平均給与が2万5千ドルの世界で5万ドルを稼ぐことを選ぶ人が半数近くいた。諺にあるように、"もしあなたと私が熊に追われているのなら、私は熊を出し抜く必要はない。 もちろん、ほとんどの行動特性がそうであるように、競争力にも幅がある。比較的競争力の低い人もいれば、高い人もいるし、あらゆる場面で勝利に執着するよ うな人もいる。ほとんどの人は、健全な競争と不健全な競争の間に線を引き、何が過度な競争か過少な競争かという感覚を持っているが、どのような状況におい ても、その区別がどこにあるかを決定することは(おそらく皮肉なことに)非常に論争的である。はっきりさせておきたいのは、私たちは心理学者として、競争 心が高いことが良いことなのか低いことが良いことなのかを論じる仕事をしているわけではないということだ。 なぜ私たちは競争するようにできているのだろうか?それは楽しみのためなのか、生存のためなのか、それとも別の何かなのか?競争の心理を探ってみよう。 |
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ソーシャル・コンペティション (小さな)群衆から抜きん出る どのような人間の性格も、内的要因と外的要因の両方の産物であり、競争心の強い人の心理も例外ではない。競争心は、ほとんど定義上、集団の中で顕在化し、集団の特性が個人の社会的競争に影響を与える。 例えば、2009年に発表された研究では、「N効果」(集団の大きさが参加者個人の競争意欲と負の相関関係があるという考え方)が検討された。具体的に は、この研究では、ある会場の受験者数が増えるほどテストの得点が下がることを発見し、受験者は競争相手が多ければ多いほど競争意欲が低下することを示し ている。この研究の第2部では、クイズ受験者が100人のグループではなく10人のグループの一員として競争していると考えた場合、終了時間が著しく速く なることがわかった。 しかし、この行動には個人的要因も大きく関わっている。この研究では、社会的比較を志向する人はN効果に非常に敏感である一方、社会的比較を志向しない人 はN効果の影響を受けにくいことがわかった。つまり、他者との比較に意欲を燃やす人は、少人数の競争相手の中では目立つ機会を感知して競争心を高めるが、 自分を有利に比較できる可能性が低い大人数の中では意欲が低下するのである。 要するに、競争の心理学では、大人数よりも少人数で競争する方が有利なのである。このことは、例えば職場や教室など、競争が重要な要素となるあらゆる場面で意味を持つ。 |
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競争力の多様性:進化論的視点 競争心の強い人がいることは直感的に理解できるが、ここで取り上げた研究はその考えを裏付けている。人間は多くの点で多様であり、競争心も例外ではない。しかし、なぜ人によって競争心にこのような違いがあるのだろうか? 2014年のある研究では、動物において最も競争力の高い個体は、より多くの、より質の高い資源を確保することができ、それは明らかに進化上の利点がある と仮定している。しかし、同じように競争力の高い個体でも、その資源を効率的に利用する能力は低く、競争力の低い個体は少ない資源で効率的にやりくりする ことができる。競争力とは、少なくとも自然界においては、優位性と効率的な生存の間の連続体であり、どちらが有利かは外的影響に左右される。 もちろん、動物の観察から人間の競争心理学への飛躍は推測の域を出ないので、この分析に過度の深読みはできない。それでも、人間の行動にもこのトレードオ フの類型を見ることができる。競争心の強い人は、効率よりも勝利を優先するため、短期的なことに過度に集中し、資源の活用方法において慎重さを欠くかもし れない。競争的な性格にもそうでない性格にも長所があり、その多様性の価値を認識することが重要である。 |
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過当競争の本質 競争力には確かに利点があるが、競争力が高すぎると心理的に重大な欠点が生じる。 心理学的に過競争性は、"何が何でも競争して勝ちたい(負けたくない)という無差別な欲求 "と定義できる。過度の競争心を持つ人は、多くの役割や仕事を引き受けようと無理をし、結果的に目標を達成できなかったり、時間や労力を使いすぎたりする ことがある。また、競争心の強い人は対人関係がうまくいかない傾向がある。 心理学的研究によると、過度の競争心を持つ人の心理には、主に内的要因よりも外的要因による動機付けが含まれている。仕事を極めたいという欲求に突き動か されている人や、自尊心が高い人は、競争に執着する可能性が低い。対照的に、主に勝利から自己価値を見出したり、勝利から得られる社会的地位や目に見える 報酬から自己価値を見出したりする人は、不健康なまでの競争心を持つ可能性が高い。 |
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競争の心理を理解することは幅広い応用が可能である 競争というと、まずスポーツ、あるいは法律や金融のようなあからさまに競争的で敵対的な分野を思い浮かべることが多い。しかし実際は、学問、社会、仕事、 家庭など、競争はいたるところに存在する。競争の心理を理解すれば、人間の行動やモチベーションをより深く、より微妙に理解することができる。 これは、心理学を厳格に学ぶことで、幅広いキャリアパスで成功するための準備ができることを示す一例に過ぎない。イースタン・オレゴン大学の完全オンライン心理学学士課程について詳しくは、入学カウンセラーに問い合わせる。 |
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https://online.eou.edu/resources/article/psychology-of-competitiveness/ |
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