いま暴力について何を考えるべきなのか?
what do we think on violence ?
クレジット:いま暴力について何を考えるべきなのか? 2009年6月22日 (C)池田光穂
■現代暴力論テーゼ
1)現代社会の暴力問題についての多くの議論は、肉体的なものよりも「象徴的」なものであり、その象徴的なものの中でも「心の苦悩」に焦点 化したものが多くみられる。
2)他方で、現代暴力について取り組む学者や専門家は、2−1.暴力が「理解可能」であることを標榜し、かつ2−2.抑止あるいはかぎりな く廃絶すべきものであると主張している。だが、彼らの論考をいくら読んでも、この両方の論拠を十分に信じることができる主張を見つけるものは難しい。
3)研究者はなぜこのような背徳(2−1.理解可能という嘘、2−2.抑止可能という偽善)に陥るのか。それは端的に言うと、この象徴的 「暴力」の現実を直視し、その前においても、心を揺さぶられることなく、冷静に考える習慣を、実は彼らがどこかで喪失しているからである。「現実を直視 し、冷静に考えること」からは暴力を手段としても目的としても使えないことは自明だからである。
4)現代社会の暴力問題を理解することを可能にするものは、「現実を直視し、冷静に考えること」に他ならない。ただし、これは到達点ではな いし、また本当のところ出発点でもない。「現実を直視し、冷静に考えること」は通過点であるが、暴力問題を理解することにおいては、人間存在に一生の間つ きまとうである。ただ持続的に「現実を直視し、冷静に考えること」を一生の習慣、一生の友にすること。これが結論。
■授業評価(重要なアナウンス)
7月20日(火)の授業をもって終了:終了日にレポートを提出していただきます。このレポートをもって学期の成績評価とします。レポート の表題および内容:この授業で取り上げたり触れたテーマであれば、どのようなものでもかまいません。 レポートは印刷媒体として提出:表紙をつけて本文2000字以上(上限はありませんが節度のある分量で)。文献表記の方法は、各所属研究室の学問分野の 標準的なものを使ってかまいません。インターネットからの引用はOkですが、出典なき剽窃と認められるものはゼロ点とします。以下のネット情報を参照のこ と。
■暴力について考えるリンク集
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