暴力について考える
Thinking continuously on Violence: an anthropological issue
講義題目 暴力について考える(2010年のシラバス)※現在は独学用資料としてお使いください。
授業の目的
【履修上の注意】
この授業は、さまざまな具体的な暴力事象を取り扱うため、受け取り方に よっては、人びとの心に劣情をもたらすような資料体(文書、音響、映像な ど)や現在のところ評価が定まらず論争あるいは係争中の社会的議論を利用す ることがあります。暴力事象はたとえ伝聞であっても受け手に強い感情を引き 起こしたり、時に傷つけたりすることもあります。そのために受講開始時に、 授業担当者の免責事項について了承を受講者に求めます。そのような契約に同 意する意思のある方のみ受講可能となりますので予めご了承ください。
講義内容
今日ほど暴力現象の脅威とそれに対する社会的対処が叫ばれる時代はない。 他方で今日ほど暴力表象が社会に横溢している時代はない。我々が暴力への対 処に神経質になればなるほど、あらゆる社会現象にまつわる力(権力・パ ワー)の行使について我々は過敏になり、ますます暴力に対する嫌悪が増す。 熟慮のない暴力への嫌悪は、暴力それ自体(violence per se)が我々の精神生活 をいらつかせる体系的思念つまりナーヴァス・システムとなり、闇雲な暴力嫌 悪を引き起こすか、根拠にもとづかない平和崇拝へと我々を導く。このような 事態を食い止めるためには、いまここで立ち止まり暴力現象とは何かについ て、我々が暴力とよぶものについて熟考することが要請される。
現代社会における暴力の社会現象、表象、暴力表象を手がかりにする社会的 想像などについて、さまざまな事例をもとに文化人類学の研究対象として「暴 力」概念を構想する。そこから得られる考察が、現実の社会現象、表象、暴力 表象を手がかりにする社会的想像力へ、どのように回帰し、どのような効力を もつのかについても考察する。
教科書
教科書は指定しませんが、資料を配付したり、適宜参考文献を示します。授 業が終わった時点で、それらが授業内容に関する必読資料のテキストに事後的 になりうる可能性があります。
参考文献
授業開始時期以降に講義担当者(池田)授業紹介のウェブポータルページ http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/jyugyo.html からリンクする「暴力を考 える」(大阪大学授業版:ファイル名:100228violencia.html)に適宜参考文献を示したり、ダウンロード可能な pdf(パスワード付)のリンクを設けます。このことは授業中に適宜指示します ので、予習復習に活用してください。(このハンドアウトは実際にhttp://cscd.osaka- u.ac.jp/user/rosaldo/100228violencia.htmlのプリントアウトを印刷したものです)
関連授業
◎グローバルコラ ボレーションの理論と実践(2010年第1学期)/暴力について考える(サブノート)//////////
成績評価
受講生は全回の出席を求めます。8割以上の出席者に受験資格を与え、論述 あるいは口述形式の試験により成績判定をおこないます。試験実施の具体的な 要項などは授業の後半で口頭でお知らせすると同時に、別掲の授業紹介のウェブポータルページにリンクする「暴力を考える」(大阪大学授業版)ページで もお知らせします。
この授業には受講条件があります。授業の内容では過激な表現や劣情をもよ おす資料の提示があります。授業の目的の【履修上の注意】「受講開始時に、 授業担当者の免責事項について了承を受講者に求めます。そのような契約に同 意する意思のある方のみ受講可能となりますので予めご了承ください」と示し ていますので、よく授業の趣旨を理解して参加してください。
授業計画
授業は15回を目標におこない。次のような内容の順序展開でおこなう。(a)暴力現象につい て、(b)残虐行為論、(c)戦争行為論、(d)ナーヴァス・システム、(e)悪の陳腐さについ て、(f)暴力と権力、(g)革命的暴力論、の7つの下位テーマの集合からなりたつ。ただしそれ ぞれの順番は論理的な展開を示したものではないし、それぞれのテーマは相互に関連するので、議 論の展開のなりゆきでは順序が逆転したり、議論が重複、関連することがあることを予めお断りし ておきます。
下記の標題の後のリンク先・ダウンロード源については、その都度更新しますので、ブラウザーのリロードにて最新画面にてお確かめください。
なお、プロテクトをかけているファイルの解除コードは[_________]です。受講者以外には漏洩しないでください。
教員とのコミュニケーション
メールアドレス:現在受け付けていません
FB:垂水源之介: https://www.facebook.com/quqchij.mitzubixi ...
リンク先
文献
15.まとめ:暴力について考える
1. 暴力現象について |
アーレント「暴力について」(1) |
資料[OnViopart01L.pdf] 約616K |
2. 暴力現象について(続き) |
アーレント「暴力について」(2) | [→「暴力の 効用」概念の衰退][OnViopart02L.pdf] |
3. 残虐行為論 I |
アーレント「暴力について」(3) | [OnViopart03L.pdf] |
4. 残虐行為論 II |
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5. 戦争行為論 I |
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6. 戦争行為論 II |
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7. ナーヴァス・システム I |
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8. ナーヴァス・システム II |
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9. 悪の陳腐さについて I |
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10. 悪の陳腐さについて II |
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11. 暴力と権力 I |
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12. 暴力と権力 II |
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13. 革命的暴力論 I |
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14. 革命的暴力論 II |
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15. まとめ:暴力について考える |