認知症コミュニケーション(2016年版)シナリオ(A):05
「夫のケアパートナー※をしていた間も、私は自分でつくった「カギ」を常に実践したことによって、日々変わる状況を夫と共に乗り切ってこられた のです。夫が1976年に亡くなったとき、私は4歳から16歳までの4人の子どもたちと、自分の両親の家に引っ越しました。最初は、その後の私の身の振り 方を考える数週間だけの同居という約束でしたが、結局その後15年間、一緒に住むことになりました。その問、私は自分の傷を癒し、子どもたちはリトルリー グや高校サッカー、陸上に水泳といろいろな経験をしながら成長していきました。そして友達や恋人に恵まれ、大学や仕事場へと巣立っていきました。現在、家 族以外の人間と人生を共有している彼らを見て、もし彼らが違った人生を送っていたら、つまり、夫のアルツハイマー病によるつかみ所のない不安、苦悩、恐怖 を体験せずに育ってきたら、はたしてこの子たちはどのように成長してきたのだろうか、と思うことがあります。たぶん家族みんなの——私の夫を含めた——協 力があったからこそ、悲劇にならずにすんだのだろうと心から思うのです。
私は両親の家に引っ越してすぐ、地元の病院が経営しているナーシングホームで看護助手として働き始めました。ですが、その後すぐに回復期ユニッ トのディレクターになることができましたので、進行性認知症(当時は「器質性」とか「慢性」脳症候群などという高尚な診断名に、うんざりさせられている人 たちが多かったのですが)の患者さん何人かと、例のハビリテーションの「5つのカギ」に基づいた新しいプログラムを始めることができるようになりました。 やがて、新たに入所される患者さんたちも、「5つのカギ」に基づくハビリテーションのプログラムへの参加を希望されるようになりました。私は、日々患者さ んたちとの集まりを取りまとめ、施設のケアパートナーたちとともに働き、そして配偶者のためのサポートグループなども立ち上げました。私はこれらのグルー プを1978年から今日に至るまで支援し続けてきていますし、こうした仕事は私の生きがいになっているのです」。
※ケアパートナーについては、シナリオ(A):04を参照のこと。
シナリオリンク:【ちゅうい!】 それぞれのシナリオに基づく討論と予復習をしないと先に進んでもPBL学習の効果が期待できません。
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