認知症コミュニケーション(2016年版)シナリオ(A):06
「このように、私のプログラムを患者さんたちとともに日々遂行し、スタッフをトレーニングしていくうちに、施設の半分以上の人たちがこのプログ ラムの参加者となっていました。そこで私はこの「ハビリテーション」という考えに基づいた新しいケアを、個人情報の保護や診断書のプライバシーを管轄する 州や国政府の関係省庁に認めてもらおうと試みました。しかし、1970年代のあのころは、人権擁護団体などのグループが認知症患者のプライバシー保護の立 場から、彼らのためのユニットを作ることにすら大反対をしていた時代でした。
私にとってこの時代はつらいものでした。アルツハイマー病は新しい病気として診断がなされ始めたころでしたので、認知嘩害を持つ成人患者のケア を変えていきたいと頗う私の考えには、数名の友人を除けば誰も耳を貸してはくれませんでした。ですから、コーネル大学のジョン・パネラという人が、ニュー ヨーク州ホワイトブレーン市のデイケア施設で、アルツハイマー病患者に影響を与える特別なプログラムの研究をしているということを聞いたときは大喜びでし た。
1980年に設立された全米アルツハイマー病協会は、私も含めて、専門的な施設やプログラムの設置を推進する多くの人びとに勇気を与えてくれま した。1981年には、私たちのナーシングホームにおけるプログラムも、特別ユニットとしての認可が下りました。また、私たちのやり方をモデルにしたプロ グラムが北東部諸州で展開され始め、私はそれ以来プログラムについての講義や指導に追われています。
それから二十数年、全米アルツハイマー病協会は現在各州にその支部を持ち、ファミリーサポートやケア、教育活動、研究等に貢献しています。ま た、各分野の専門家がアルツハイマー病に関心をち始めたことにより、「ハビリテーション」の考え方を導入することも容易になりました。アルツハイマー病の アドボケート(擁護者)は州や国の関係機関に、これらの特別なケアが患者や家族、病院にどれだけ良い影響を与えているかを話してまわり、その結果として現 在ではどの州にも特別ケアユニットが設置され、高齢者用住居や高齢者用施設、デイケアセンターなど、いくつもの施設でアルツハイマー病患者のための特別な プログラムが行われています。
しかし、現在でも専門的なケアとは名ばかりで、ただドアにカギを付けただけの施設があることも確かです。十分に訓練を受けたスタッフと継続的な
教育カリキュラム、そしてスタッフ全員がハビリテーションという理念を信じて運営することによってはじめて、本当の意味で「専門的なケア」となりうるので
す。全米アルツハイマー病協会や各州にある支部では、施設が名ばかりのところなのか、本当に専門的なケアを提供してくれる施設なのかを見極める手助けをし
てくれるはずです」。
シナリオリンク:【ちゅうい!】 それぞれのシナリオに基づく討論と予復習をしないと先に進んでもPBL学習の効果が期待できません。
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