解説:池田光穂
【お
ねがい】児童・生徒・学生・院生と対話し知識と技術を伝達し、未来の人材を育てるスタッフ(教員)は、僕の定義では、すべてコミュニケーション・デザイ
ナーの資格をもつものだと信じています。したがって、このページは、全世界のすべての教員であることを自覚している人のためのものです。
I. コンテクストの理解
II. あなたじしんの研究倫理
- □ 研究倫理や研究公正のことを学ぶのに、なぜ倫理的正しい研究や公正な具体的事象から学ぶのではなく〈研究不正〉の事例が取り上げられる
のでしょうか?
- □ さまざまな研究倫理上の用語や術語(ジャーゴン)——例えば〈盗用(とうよう)→剽
窃(ひょうせつ)〉〈捏造(ねつぞう)〉〈改竄(かいざん)〉〈不適切なオーサーシップ(gift authorship, ghost
authorship)〉〈二重投稿〉〈サラミ出版〉等等——について通暁していなければならないのでしょうか?
- 【〈サラミ出版〉とは?】「一つの研究を複数の小研究に分割して細切れに出版すること」。ボローニャ出版とも言う(『科学の健全な発
展のために』丸善出版、p.70、2015年)。
- □ 大学での知識生産は、人類の福利の増進に寄与するものなのに、なぜ、調査上の〈守秘義務〉が必要なのでしょうか?
- □ 私たちの研究では研究室で実験をおこなわないのに、なぜ〈ラボノートのつけ方や管理〉について知る必要があるのでしょうか?
- □ 授業における著作権上の特例行為が、研究や社学連携活動においては許されないことがあるのはなぜでしょうか?
III.
各人が倫理的であると同時に倫理的な人材を陶冶する
- □ みなさんは、大学教員です。大学教員の活動は、〈研究〉〈教育〉〈管理〉〈教員としての社会活動〉などの領域に多岐にわたるものがあり
ます。
- □ それらの活動に固有の〈倫理的課題〉というものがあります。
- □ 他方、それらの活動は有機的に関連し、内容によって重複していたり、より高次なものに統合されているものがあります。また断片的に見え
ていても、問題の発覚後に、その原因を探究すれば、事後的に〈高次なものに統合されていた〉ことがわかることもあるでしょう。
- □ 皆さんの各人が倫理的であると同時に、みなさんはコミュニケーションデザイン教育を通して倫理的な人材を陶冶する具体的な機会も多いか
と思います——コンプライアンス=遵守についても研究や教育の機会おいて、学生・院生・研究員に、そのことについて〈指導〉するように推奨されています。
- □ コミュニケーションデザイン・センターのすべての教職員に期待されていることついて自覚的になりましょう。また、研究や教育において得
られた〈有益な情報や実践経験〉は、センター内での研究会を通して、シェア(分有・共有)していくように心がけましょう。
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なし、著作権フリーです。誰でも御自由に使えます)For_Commucation_Designers.pdf