はじめによんでください

ドゥールズ派ヒューム

Deleuzian Hume, 1711-1995

Allan Ramsay, Hume, 1754

解説:池田光穂

デ イヴィッド・ヒューム(David Home; 7 May 1711 NS (26 April 1711 OS) - 25 August 1776)は、スコットランドの啓蒙主義の哲学者、歴史家、経済学者、司書、エッセイストで、哲学的経験主義、懐疑主義、自然主義という非常に影響力の大 き な体系で今日最もよく知られている人物である。『人間本性論』(1739-40)を皮切りに、ヒュームは人間性の心理的根拠を検証する自然主義的な人間科 学の創造に努めた。ヒュームは、生得的な観念の 存在に反対し、人間の知識はすべて経験のみから得られると主張した。これはフランシス・ベーコン、トーマス・ホッブズ、ジョン・ロック、ジョージ・バーク レーと共にイギリスの経験主義者と位置づけられる。 ヒュームは帰納的推論と因果関係の信念は合理的に正当化することができず、その代わりに習慣と精神的な習慣から生まれると主張した。私たちはある事象が別 の事象を引き起こすことを実際に認識することはなく、事象の「一定の連関」を経験するだけである。この帰納法の問題は、過去の経験から因果関係を推論する ためには、未来が過去と似ていることを前提にする必要があり、この前提自体が過去の経験に基づくことができないことを意味している。 哲学的合理主義者の反対者であるヒュームは、人間の行動を支配するのは理性よりもむしろ情熱であるとし、「理性は情熱の奴隷であり、またそうでなければな らない」と有名に宣言していた。ヒュームはまた感傷主義者で、倫理が抽象的道徳原理よりも感情または情緒(情動)に基づいていると主張していた。彼は、道徳的な現象の自然主義的な説明への初期のコ ミットメントを維持し、通常、最初に明確に「〜すべき」問題、または事実の声明だけでは何がなされるべきかという規範的な結論を決して生じさせること ができないという考えを説明したとみなされている。 またヒュームは人間が自己という概念を持つことを否定し、人間は感覚の束を経験するだけであり、自己はこの因果的に結びついた知覚の束に過ぎないとした。ヒュームの自由意志の両立論は、因果的決定論を人間の自由と完全に両立するものとしている 奇跡の否定神の存在に対する設計からの議論など、宗教哲学に関する彼の見解は当時としては特に議論を呼ぶものであった。イマヌエル・カントは、 ヒュームを「独断的な眠り」から目覚めさせた霊感の持ち主と信じている」デイヴィッド・ヒューム)

ダーウィン進化論への子どもじみた反抗である創造説やインテリジェントデザイン論が出てくる遥か以前からディヴィッド・ヒュームはそのバカバカしさが無知蒙昧ではなくむしろ帰納的推論から生まれることを予言していた.——垂水源之介.

ジル・ドゥルーズ経験論と主体性』のノートはこちらです。


ジル・ドゥルーズによる「ヒューム」(「経験論と主体性」ノート、からの引用)

※経験論は外在性のためにある、ということは何を意味するのか?

1. 経験論の意義, p.279
・経験論の意義は、感官や感覚の内にない何かが、観念の内にあるのかという問いを肯定するか、否定するかに関して、合理論を逆転するもの
・生得性とアプリオリ性を批判するもの
・ヒュームの経験論は別のところにある
・一種のSFの宇宙、つまり虚構の世界に別の生命体がやってくる。我々の世界に、我々と言う生命体がやってくる(→火星の人類学者)
・フランシス・ベーコン:理論(法廷)→調査(科学理論)→実践(ヒューム)《虚構にみえる世界の実践》
・連合論
・法と正義の実践〜〜連合論の使命と真理(280)
2. 関係の本性, p.281 ・ヒューム「関係は関係する項目に対して外在的」
・関係性のパラドックス(280-281)
・関係する項目、→関係を内在させる
・関係が内在するような包括的で深層項を発見する
・連言「と」と関係
・ピエールはポールより小さい:この関係は外在的
・ピエールは内在項、ポールもまた関係項
・古典経験論……一切の起源、感覚の内、精神による感覚の操作
・ヒュームの経験論(=外在的関係を問う)は、「観念に、感覚印象の内にあるもの以外のもの、以上のものが含まれていないのは、関係する項目に対して(すなわち)印象や観念に対して関係が外在的で異質だからである」(281)
・ヒュームの思考は原子論と連合論の複式簿記でできている(282)
・精神の物理学:いかにして観念や感覚印象が空間と時間を産出する最小点に関連するかを示すもの。
・関係の論理学:いかにして関係がいつでも項に外在的な別の原理に依存しているにもかかわらず、項の間でできあがるかを示すもの
3.人間の本性, p.282 ・関係とはなにか。関係とは私たちを与えられた印象や観念から現実には与えられていない何かの観念へ移行させれるもの(ジル・ドゥルーズ)
・関係:連合の原理、隣接の原理、類似の原理、原因性の原理→人間本性、特定の観念から別の観念へ。ことの帰結。私・世界・神概念の破壊。形而上学の頂点をなす
4.虚構, p.284 ・虚構と自然はある仕方で経験論の世界に配分される
・自然宗教についての対話
ディア(啓示的宗教論者)

クレアンテス(自然宗教論者)

フィロン(懐疑論者)

・経験の超越などない(286)
5.想像, p.288 ・連合の原理は、情念と関連している。
・連合の原理、とりわけ原因性
・人間はエゴイストではなく、むしろ偏向的である。
・社会は、法と契約による制限のシステムではなく、制度の発明による。
6.情念, p.290 ・人間本性の原理が、拡大と超越を確立すると同時に、それを空想が利用して偽の信念を流通させる
7.民衆的で科学的な哲学, p.293 ・人性論、25歳
・『自然宗教についての対話』を驚くべき書物のとドゥルーズは指摘する(294)

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文献

医 療人類学辞典

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