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アイデンティティ・ポリティクス

Identity Politics, Politics of Identies

池田光穂

アイデンティティ・ポリティクスあるいはアイデン ティティの政治(またはアイデンティティの政治学)とは、アイデンティティに基づく集団の利益を代弁して行う政治活動のことである。ここで焦点化されるア イデンティティとは、ジェンダー、人種、民族、先住民、性的指向、障害などの、いわゆる社会的不公正の犠牲になっている人々のカテゴリーのものであるが、 必ずしも少数派である必要はなく、その集団が他の集団から特異な差異をもちうる時には、ア イデンティティに基づく集団の利益を代弁して行う政治活動が可能になる。社会的に抑圧されているアイデンティティ集団に属する人びとは、彼/彼女らに共通 の社会課題に取り組むため、それらのアイデンティティのもとに団結してすることがみられ、それが多数派にとっても、是正しなければならない課題になるとき に、その権力性を有効に発揮することができる。アファーマティブ・アクションはアイデンティティ政治が社会的不公正を是正し改善し時に立法化するために推 進する政治的威信行為である。

"The term identity politics in common usage refers to a tendency of people sharing a particular racial, religious, ethnic, social, or cultural identity to form exclusive political alliances, instead of engaging in traditional broad-based party politics, or promote their particular interests without regard for interests of a larger political group. In academic usage, the term has been used to refer to a wide range of political activities and theoretical analysis rooted in experiences of injustice shared by different social groups. In this usage, identity politics typically aim to reclaim greater self-determination and political freedom for marginalized groups through understanding their distinctive nature and challenging externally imposed characterizations, instead of organizing solely around belief systems or party affiliations.Identity is used "as a tool to frame political claims, promote political ideologies, or stimulate and orientate social and political action, usually in a larger context of inequality or injustice and with the aim of asserting group distinctiveness and belonging and gaining power and recognition."" - Identity politics, by Wikipedia.

「アイデンティティの政治は、生物学的 性、性的志向性、人種、エスニ シティのいずれによって決定されるのであれ、社会的アイデンティティがあらかじめ存在することを 前提にしている。したがって、それは、たとえば、イタリアのアルバニア人、合衆国の同性愛者、ペ ルーの女性先住民、デイアスポラのインド人女性など、社会的アイデンティティの研究を活性化して いる。アイデンティティの政治は必ずしも大きな物語をともなうものではないが、その叢生が意味す るのは、排除されてきた人びとの包摂を通じてのみ民主化が達成されるということにあった。それは また、政治権力は国民の物語の支配を基盤にしているということであり、女性、マイノリティ、移民 集団などは、歴史や博物館などの記憶の場において国民に対する貢献が認識されれば、正当な政治的 役割が得られるということである」(18)」リンハント「文化理論の盛衰」より)

「アイデンティティの政治は、とりわけ急激な変化を経験していた。なぜなら、アイデンティティ集 団の歴史は、集団の政治的要求の中心にあったからである。たとえば、女性の歴史を考察してみよう。 女性史家は、支配者、著述家、参政権運動家、賃金労働者、妻や母としての女性の役割についての重// 要な史料を発掘したが、それは、女性たちが過去において重要な役割を果たしていたことを証明する ためであった。しかし、文化理論の影響を受ける研究者は、女性史ではなくジェンダーの歴史を論じ ている。ジェンダー史家にとって問題となるのは、社会的カテゴリーとしての女性ではなく、むしろ 文化的ならびに言説的な手段であって、その手段によってカテゴリー自体が構築されたものとなる。 差異とは意味論的なものではない。女性と男性を差異化するシステムとしてのジェンダー関係は、女 性が何をおこない考えてきたかを研究することによっては把握できない。性を基盤とした相互作用の システム全体に注意が払われねばならないのであって、とりわけ男性が何を語りおこなってきたかと いうことが重要である。要するに、そうした関係性は、文化論的な枠組みのなかで理論化されねばな らないのである。女性自身は、再び背景へと退却していく危険性のなかにいた」(29-30)リンハント「文化理論の盛衰」より)

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