大阪大学名誉教授
池田光穂(Mitsuho IKEDA)Professor Emeritus , Osaka University (also known as the University of Osaka)
韓国ハルリム大学第4回医療観光国際フォーラム(2010年3月)
About Center for the Study of Co* Design
"The Center for the Study of Co* Design
(CSCD) was established in July 2016. My name is Mitsuho Ikeda. I am a
cultural anthropologist and have taken over the role of director from
Dr. Hisakazu Matsushige in April 2020.
The CSCD is a front-runner of the university's initiative to tackle
emerging challenges in contemporary society, by encouraging both
technological and social innovations. Our mission is to design
communications that facilitate cross-border collaboration among actors
from diverse professional fields and citizens, and to generate
innovative knowledge, values, and systems in society.
The asterisk in the logo of Co*Design represents our operational
principles of openness, dynamism, flexibility, and both inter-and
cross-disciplinary approaches and expertise. Our educational programs
welcome students from various disciplines and encourage them to learn
beyond their core subjects. Our research activities include extensive
co-creation with experts in business, government, academia, and other
public and private sectors, offering a space for up-to-date and
cross-boundary discussions.
We develop stronger connections between our university and the local
communities through public seminar programs. We also collaborate with
international partners in both business and academia, and welcome
opportunities for new partnerships in line with our Co*Design
philosophy.
For any questions about the Center, our research/educational
activities, and future collaborative opportunities, please contact us."
【専門分野】文化人類学・ ラテンアメリカ民族誌学・医療人類学・狗類学・
(研究内容)
私の主たるフィールドは中央アメリカです。とくに近年は30余年わたる内戦終結後のグアテマ ラ共和国のマヤ系先住民の文化復興運動を継続して調査しています。また、これまでの国際医療援助協力の現場の民族誌研究の経験を生かして、多文化共生を可 能にする社会状況下における医療・福祉サービスのあり方について研究をおこなってきました。
(研究関心)
中央アメリカ地域をフィールドにする文化人類学(とくに医療人類学)が専門です。
国際保健医療協力のボランティアとして の活動経験から、多元的医療体系についての文化人類学的理 解について長年研究をしてきました。 保健医療協力の現場は、異文化を含めたさまざまな社会的背景をもった人たちとの交渉が欠かせません。そのため臨床コミュニケーション プロジェクトの活動メンバーであると同時にそのマネージメントの仕事をしています。研究関心はどんどん広がってゆくほうがよいという のが私のモットーです。最近は「現場力」に関する理論的考察や、中央アメリカの先住民族の人たちの文化的アイデンティティと国民国家 の関係、資本主義経済システムの土着的展開、さらには生物医学の研究室の民族誌方法論の開発も手がけています。一見難しそうな研究テ ーマですが、論理立ててみると現代社会の諸問題に取り組まれている他の研究と多くの共通点が見つかります。
【自己紹介・オルタ版】(→ウィキペディア日本語「池田光穂」)
冷戦と高度経済成長の中で人工甘味料・ 保存料による食生活を送り、ベトナム反戦と大阪万博の中で 厭戦と科学技術信仰の思想を浴びる——後年それらがこうじて知のアナーキズム信 仰に帰依。大阪、鹿児島、中央アメリカ、北海道、熊本、万博跡地と遍歴を続 け、大阪大学豊中キャンパスに漂着。専門は中央アメリカ民族誌学と医療人類学。著書『実践の医療人類学』など。
Saint
James the Elder by Rembrandt, 1661. He is depicted clothed as a
pilgrim; note the scallop shell on his shoulder and his staff and
pilgrim's hat beside him.
外部からの電子メールアドレスは、本人高齢化と人間嫌い(misanthrope)のため、メールは受け入れておりません。悪しからずご了承くださいませ。
2007年当初(ca.平成19(2007)年2月当初の私の所感です) 私は1981(昭和56)年に自分の専攻分野を医療人類学に選択して以来、つねに人間社会におけるコンフリクト現象の分析と、その解消に関する具体的な対 策について考えてきました。
医療人類学とは、人間の健康と病気に関わる文化人類学的研究のことですが、私は 1984(昭和59)から87(昭和62)年まで中央アメ リカ・ホンジュラス共和国の保健省にJICAの青年海外協力隊員として、マラリア対策および農村におけるプライマリケアの社会啓蒙プログラムに参加してい ます。農村社会における近代公衆衛生観念の普及は、つねに現地社会の文化体系—疾病観や身体観ひいては社会構造—との関連において、その成否が左右されま す。また同じ国民においてもさまざまな社会関係によって構成されており、さまざまなコミュニケーション過程が観察されます。かりに洗練された社会分析・文 化分析がなされても、実践の現場ではさまざまな調整行動が必要になり、文化人類学におけるフィールドワークの重要性が強調されることを、私は上記の現場で 発見しました(その成果は拙著『実践の医療人類学』2001年に集約されています)。
1995(平成7)年以降は主たるフィールドワークの現場を隣国のグアテマラ共和国に移し、エコツーリズム、民族観光—先住民族の日常生 活や祭礼などの見学を目的とする先進国の人々を中心とする観光—や先住民族運動などを中心に文化人類学的研究を継続しています。とくに2000(平成 12)年5月にはグアテマラの西部地域において日本人観光客へ暴力事件が発生しましたが、これは先住民族の粗暴な暴力の発露と理解すべきではありません。 1996年暮におこなわれた35年間の内戦終結に関する平和協定以降の社会的不安定、軍による治安維持から国民警察の創設期の混乱、内戦終結後の国民対話 の不履行、ネオリベラル経済システムの導入と“戦後復興”のための外国からの投資による経済的格差の増大など、まさに今日のイラクが抱えているような「人 間の安全保障」がゆらいでいた社会状況の中で発生したものと考えることが妥当です。私は政治的暴力が先住民族の人々の生活基盤を破壊するのと同様に、彼ら の経済観念や道徳観へも影響を与えることをいくつかの論文(池田 1998,2002;Ikeda 2000)を通して考察してきました。
過去の職場であった大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(2016年 6月30日に廃止)では、全学の研究科の院生を対象に臨床コミュニケーションプログラムの立 案・実施ならびにマネジメントをおこなっていました。ここでは、臨床というミクロな対人関係の現場における、さまざまなコミュニケーション齟齬を自己反省 的 手法で発見し、観察やビデオを利用した相互作用の社会分析を試み、ミクロなコンフリクト現象の生成と発生初期段階における回避方法を、[マルセル・モース が提唱した]身体技法論を参照にして模索しています。論文の草稿やアイディアをいち早くウェブで発信し、コメントをもとに書き直し、論文を仕上げる新しい 形の学術研究の方法も提唱しています。私がコンフリクト現象に関して他の研究者と協力し、効率的な研究教育成果をあげる可能性をもつのはこのような理由か らです。
2022年春までの職場は、大阪大学COデザインセンター(COは co-creation[共創]の{こ}と読ませます)の社会イノベーション部門の部門長ならびに、大阪大学COデザインセンターセンター長でした。現在は、大阪大学名誉教授です。
リンク
文献
その他の情報
以下は私のウェブページの四大入り口(ポータル)サイトです。
1.池田光穂 2.大学院生のための授業関連情報
3.こども向けのページ 4.医療人類学プロジェクト