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インターネット・トラップ

The Internet Trap, by Matthew Hindman, 2018; インターネットの罠

chameleon1969

Mitzub'ixi Quq Chi'j

プリンストン大学出版局の宣伝文句 https://press.princeton.edu/books/hardcover/9780691159263/the-internet-trap

"The internet was supposed to fragment audiences and make media monopolies impossible. Instead, behemoths like Google and Facebook now dominate the time we spend online—and grab all the profits from the attention economy. The Internet Trap explains how this happened. This provocative and timely book sheds light on the stunning rise of the digital giants and the online struggles of nearly everyone else—and reveals what small players can do to survive in a game that is rigged against them.

Matthew Hindman shows how seemingly tiny advantages in attracting users can snowball over time. The internet has not reduced the cost of reaching audiences—it has merely shifted who pays and how. Challenging some of the most enduring myths of digital life, Hindman explains why the internet is not the postindustrial technology that has been sold to the public, how it has become mathematically impossible for grad students in a garage to beat Google, and why net neutrality alone is no guarantee of an open internet. He also explains why the challenges for local digital news outlets and other small players are worse than they appear and demonstrates what it really takes to grow a digital audience and stay alive in today’s online economy. The Internet Trap shows why, even on the internet, there is still no such thing as a free audience."

「インターネットは視聴者を細分化し、メディアの独 占を不可能にするはずだった。それどころか、グーグルやフェイスブックのような巨大企業が、私たちがオンラインで過ごす時間を支配し、アテンション・エコ ノミーからすべての利益を奪っている。インターネットの罠』は、なぜこのようなことが起こったのかを説明する。この挑発的でタイムリーな本は、デジタル・ ジャイアントの驚くべき台頭と、それ以外のほとんどすべての人のオンライン上の闘争に光を当て、彼らに不利に操作されたゲームで生き残るために小さなプ レーヤーに何ができるかを明らかにする。

マシュー・ハインドマンは、ユーザーを惹きつけるという一見小さな利点が、時間とともに雪だるま式に増えていくことを示す。マシュー・ハインドマンは、ユーザーを惹きつけるための一見小さな利点が、時間とともに雪だるま式に増えていくこ とを示す。インターネットは、オーディエンスにリーチするためのコストを削減したわけではない。ハインドマンは、デジタルライフの最も永続的な神話のいく つかに挑戦し、インターネットが世間で売ってきたポスト産業技術ではない理 由、ガレージの大学院生がグーグルに勝つことが数学的に不可能になった理 由、ネット中立性だけではオープンなインターネットを保証できない理 由を説明する。また、地方のデジタル・ニュースやその他の小規模なプレーヤーにとっ ての課題が、見た目以上に深刻である理由を説明し、今日のオンライン経済でデジタル視聴者を増やし、生き残るために本当に必要なことを示 す。インターネットの罠』は、インターネット上でさえ、いまだに無料の視聴者という ものが存在しない理由を示している」。

デジタルエコノミーの罠 : なぜ不平等が生まれ、メディアは衰亡するのか / マシュー・ハインドマン著 ; 山形浩生訳、NTT出版 , 2020/The internet trap : how the digital economy builds monopolies and undermines democracy  / Matthew Hindman. Princeton University Press , 2018.

第1章 関心経済を見直す
関心の希少性/集中をもたらす力/モデル の改善/ニュースと公共圏/無料の観衆なんかいらない/
"Sticky content refers to content published on a website, which has the purpose of getting users to return to that particular website or hold their attention and get them to spend longer periods of time on this site.[1] Webmasters use this method to build up a community of returning visitors to a website. Examples are chat rooms, online forums, webmail, Internet games, weather, news and horoscopes. Sticky content is also sometimes called sticky tools or sticky gear, and websites featuring sticky content are often referred to as sticky sites."Kominers, Scott Duke. "Sticky content and the structure of the commercial web." In 2009 Workshop on the Economics of Networks. 2009.
第2章 傾いた土俵
ネットワーク効果/アーキテクチャーの優 位性/デザインの優位性/広告とブランディング/利用者の学習/経路依存とロックイン力学/

第3章 パーソナル化の政治経済学
サーチの費用/ネットフリックスとコンテ ンツ推薦/ネットフリックスプライズの教訓/グーグルニュース/ヤフーと行動ターゲティング/推薦システムと政治ターゲティング/教訓と疑問

第4章 サイバー空間の経済地理学
バンドリングとアグリゲーション/広告の 新しい経済学/選好についてわかっていること/デジタルコンテンツ生産の簡単なモデル/デジタル経済での収穫逓増(132)/

第5章 ウェブトラフィックでの動学
株式市場としてのウェブトラフィック/高 解像度データ/(トラフィックでみたボラリティ)/ウェブトラフィックをシミュレート/物事が変化すればするほど、すべては同じまま(159)/

第6章 同じものがさらに少なく——オン ライン地方ニュース
オンライン地方ニュースについてのデータ /オンライン地方ニュース消費の基礎/サイトはいくつある?その種類は?/ウェブ上の地方ニュース競争/オンライン専門ニュースサイトの詳細調査/回帰分 析/地方ニュースの声を拡大するまたはしないためには/

第7章 ニュースの粘着性を高めるには
マネタイゼーションの神話/デジタルニュース観客の動学/解決策もどき /課金制の問題/オープンウェブ/慈善・非営利ニュース・政府補助金/タブレットやモバイルデバイス/「動画への転回」/デジタル観衆の粘着性——何が成 功する?/成長インフラ(236)/費用/協力/最後にして最大の希望/

第8章 インターネットの「自然」
観衆の進化モデル/デ ジタル配信は決して無料ではない/政治的な声/コンテンツのピア生産/ネットの中立性を超えて/反トラスト法の施行強化/民主主義と国家の安全保 障/公共の対話と虚報/新聞——笛吹きに誰が支払いをするのか/

カール・シャピロとハル・ヴァリアン『情報経済の鉄 則』大野一訳、日経BP社、2018年

●ペシミズム派の効用=能天気で闇雲なインター ネット万歳論(=1.ユーザーに経済的チャンス与える;2.自由で平等な意見表明の チャンスを与えてくれる;3.みんなの協働で情報革命が起こる)への警鐘をならす!!

1.ユーザーに経済的チャンス与える

2.自由で平等な意見表明のチャンスを与えてくれる

3. みんなの協働で情報革命が起こる

このようにして、Web2.0における多幸感は完全 に失望に終わったことを示すのが『インターネット・トラップ』のストーリーラインである。しかし最近、Web 3.0という再度、バカな多幸感を取り戻すのだという妄言を吐く連中が登場した。日本語のサイトによるとこうある;「Web3(Web3.0)を一言で要 約すると、これまで情報を独占してきた GAFAM や巨大企業に対して、テクノロジーを活用して分散管理することで情報の主権を民主的なものにしようという概念のことです」出典 https://cloud-ace.jp/column/detail247/ 。そこでの要点は、権力分散型で、ブロックチェーン技術をつかって、権力の集中を回避しようという処方箋である(回避したらデモクラシーが戻ってくるという愚かさについての自己反省はない)。 言うならば「カーゴカルト・インターネット・サイエンス」ということ ができよう。

■第1章 関心経済を見直す(Mhindman_internettrap2020.pdf

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・Googleが検索結果を増やす仕様に 変更するとトラフィックが減少する

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・粘着性( stickiness)→「インターネットの粘着性

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・オンラインオーディエンスの集中の理由 はなにか?
・関心の希少性

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・階層性を解消するためにWWWが設計さ れたが、その結果は真逆

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・GAFAなどの独占
・関心経済(attention economy)についての考察
"Attention economics is an approach to the management of information that treats human attention as a scarce commodity and applies economic theory to solve various information management problems. According to Matthew Crawford, "Attention is a resource—a person has only so much of it."... Attention is focused mental engagement on a particular item of information. Items come into our awareness, we attend to a particular item, and then we decide whether to act. (Davenport & Beck 2001, p. 20)"
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・関心経済(attention economy)への最初のアイディアは、ハーバート・サイモンらしい
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・関心経済は古い経済学理論では使えない という主張があるが、それはまちがい

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・集中をもたらす力
・集中をもたらす力への洞察は少ない

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・都市形成のモデルが可能になったのは、不完全競争が都市集中を促すこ とがわかったから。
・デジタル化も完全競争ので回っているのではなく不完全競争の世界がおこっている?
In economics, imperfect competition refers to a situation where the characteristics of an economic market do not fulfil all the necessary conditions of a perfectly competitive market, resulting in market failure.
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・オンライン聴衆はべ き乗則のパターンにしたがう

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・デイリー・ミーを消費する、各ユーザーのSNSやオンラインニュース 消費のパターン

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・ブルーチップ=優良株企業

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・FBはCNNより、なぜトラフィックが安定しているのか?
・ニュースと公共圏

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・(各章の解説は続く)

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・無料の聴衆なんかいない

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・ネット経済は収益逓増がおこる(という神話)は、著者はまちがいと指 摘。

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・配信費用を誰が負担しているのか?
・配信費用と粘着性の問題

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・デジタル聴衆の進化モデル
・インターネットはエコシステムなどという呑気な時代は終わり、デジタルニッチの獲得は残酷で脆弱なものだ

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■第2章 傾いた土俵(Mhindman_internettrap2020.pdf

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・最高の知性のあるやつが俺たちにどう やって広告をクリックさせるのかを考えている、むかつく(ジェフ・ハマーバッカー)

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・Google社の巨大工場、精錬してい るのは金属ではなくまさに「情報」

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・粘着性を出すために躍起になっている
・ネットワーク効果


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・ユニヴァーサル・サービス
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・クリティカルマス

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・潜在利用者への社会的圧力を増す

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アーキテクチャーの優位性

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・インターネット企業の、生産手段:1)大量のハイテク設備、2)大量 のソフトウェアコード
・規模の経済の有効性は続く

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・ソフトウェア、ソフトウェア、ソフトウェア!!!
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・深層学習、ニューラルネットウェアの導入
・ピア化
深層学習、ま たはディープラーニングとは、人間の神経細胞の仕組みを再現したニューラルネットワークを用いた機械学習の手法の1つであり、多層構造のニューラ ルネットワークを用いることが特徴」
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・スケールアップすると効率性が増す

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・速度の福音

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・グーグルは、速度のペナルティを他の企業に課す


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デザインの優位性

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広告とブランディング

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・ブランドは確立したら維持することに傾注されるものだ

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・閾値効果

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利用者の学習

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・(ブランドにロックインされるさま)

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経路依存とロックイン力学

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・ロックイン解説

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・収穫逓増があるところでは、のちに非効率とおもわれる技術を採用しか ねない。
【例】コロナ禍において遠隔教育やブレンディド教育のチャンスができた のに、それへのシフトを模索せずに、闇雲に対面授業に戻そうとした萩生田元文科大臣

■第3章 パーソナル化の政治経済学(Mhindman_internettrap2020.pdf

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・ニコラス・ネグロポンティ(=ビーイン グ・デジタル)の予言のひとつにディーリー・ミーがある。


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・ディーリー・ミーは影響を与えた
・ディーリー・ミーは、エコーチェンバー(効果)をもたらす。

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フィルターバブル

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探索費用

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ネトフリとコンテンツ推薦

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・イーライ・パリサー『フィルターバブル』

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・データ収集、集積、保存、分類、更新などインフラづくりは、すざまじ い投資を必要とする

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・グーグル・ニュース

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・協働フィルタリングは、人気投票よりもパワフル

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・行動ターゲティング(言うは易しおこなうは難し)

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・SVD(特異値分析)

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・1)推奨(推薦)システムはデジタル聴衆を激増させる
・2)推薦システムは、大規模デジタル社が有利
・3)推薦システムは、インフラや職員の優れた企業が有利

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■第4章 サイバー空間の経済地理学(Mhindman_internettrap2020.pdf

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クルーグマン以前の国際貿易論は、比較優位説(リカード)
・クルーグマンの改善:1)企業は規模の経済をもつ、2)消費者は多様な選好をもつ、3)輸送費がある。

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・バンドリングとアグリゲーション

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・バンドリングが効果があるのは、価格差 別になっているから

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・バンドリングは競争を抑制する
・オンライン消費のコンテンツは、消費する人が直接お金を払っていないので、伝統的なバンドリングの説明は不十分である

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・インターネットがメディアを破壊するというネグロポンテの主張は外れ た
・アンドリュー・サリバンの、インターネット民主化も外れる

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・メディアの選好性についてはよくわからないことも多い
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・多くの市民は、自分の嗜好と似たニュースコンテンツを好む。
・ただし、メディアの選好性についてはよくわからないことも多い
・デジタルメディアの民主化力については法螺と判断してよい

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・モデル:消 費者は楽しみを最大化したい。ウェブサイトは利潤を最大化したい。利潤は、売り上げからコストを引いたもの。売り上げはあるサイトで消費されたそうコンテ ンツの増加関数になると仮定する。サイトの生産費用は、固定費と人件費。人件費は労働者するに賃金率をかけたもの。コンテンツの量は従業員の数に比例し て、品質は賃金率に比例する.

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・品揃えでの選好

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・バンドリングとアグリゲーション

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・伝統メディアは、いくつかのコンテンツをバンドリングしたものである

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・選好は均等分布なのに、ポータルサイトが観客を独占する

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・バンドリングモデルのくらい予言

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・検索エンジン

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デジタル経済での収益逓増

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検索エンジンは諸刃の剣

■第5章 ウェブトラフィックでの動学

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・確率的動学システム(SDS)について 学べ
System Dynamics Statistics ??? Stochastic Dynamics for Systems
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・トラフィックのボラリティ

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・ウェブの深層構造
・ウェブトラフィックは基本的に安定構造にある

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・オンライン観衆は、自然に分散するという根拠はない

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・べき乗の傾きが、ロックインの程度を把握できる

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文献

その他の情報



Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1997-2099