Time concept in
the universe of Massively Multiplayer Online
Role-Playing Game, MMORPG
コスモロジー:「メタバース」という言葉は、「メタ」という接頭語と、「バース」という語幹(「ユニバース」からの逆変換)からできている。 この言葉は、一般的に、将来 のインターネットの概念を説明するために使われている。広い意味でのメタバースは、仮想世界だけでなく、拡張現実の全領域を含むインターネット全体を指す 場合もある。この言葉は、1992年に発表されたニール・ステファンソン(Neal Town Stephenson, 1959- )のSF小説「スノークラッシュ(Snow Crash, 1992)」の中で生まれた。この小説では、現実世界のメタ ファーを用いた3次元の仮想空間の中で、人間がアバターとしてお互いに交流し、ソフトウェアエージェントとも交流している。ステファンソンはこの言葉を、 仮想現実をベースにしたインターネットの後継者という意味で使った。メタバースに似た概念は、1981年に発表された小説『True Names』の中で、サイバーパンクというジャンルの小説にさまざまな名前で登場している。ステファンソンは『スノークラッシュ』のあとがきで、この小説 を書き終えた後、メタバースに似た初期のMMORPGであるHabitat(棲み家)について知ったと述べている(→「メタバースにおける 係留点について」)
human relations in the Game
「空想世界でありながら人間社会が存在する。人対人のコミュニティである以上、社 会と同様に派閥もあれば、人間関係のいざこざも存在する。 MMORPGがアバターによるチャットシステムから進化したという側面もあり、MMORPGの中でも他者とチャットを行うことが出来る。これは一人でプレ イする従来のRPGよりも行動の幅が広まり、プレイヤーの間で自然言語による意思疎通を行う事にも、有意義に作用する。これによりゲーム内アイテムのやり 取りの条件、複数のプレイヤーが集まって特定の行動をするなど複雑な行動が可能となるのである。それが続くと自然と「仲の良いプレイヤー」という状況が発 生するのである。 MMORPGではチャットシステムに(ゲームごとの違いはあるものの)そういったコミュニケーション手段を支援する仕組みが組み込まれている。フレンドリ スト(他のキャラクターを登録しておいてメッセージを送信する)、ギルド(特定の目標を持って組織をつくる)などは多くのゲームで実装されており、さらに 複雑なシステムを持つゲームも発生している。 ただし、自然言語でのコミュニケーションはあいまいなものになることも多く、常に十分な意思疎通が行われるとは限らない。特にアイテムの分配などゲームの 進行に直接関わることをうやむやに行うと後になって不満を表明するプレイヤーが発生したり、目立った行動をするプレイヤーに対して本人にわからない場所で 「陰口を叩く」ことなどはよくある風景である。 また、意識的にゲーム内で「詐欺行為」を働くことも可能となってしまった[1]。初期のゲームではアイテムの交換などで良い条件を出しておいてそれを自分 だけ遂行しないまま消えてしまう(チャットで指摘しても無視されてしまう)といったこともあった。アイテム交換専用の機能が実装されるなどの対応がとられ ているが、最終的にはプレイヤー間の意識の問題となる。アイテム課金で購入したアイテムをゲーム内で騙し取ったことが詐欺行為として刑事罰を認められた事 例も発生している(4gamer.net「メイプルストーリー」のポイントアイテム詐欺に有罪判決)。 さらに、より単純な問題としては、チャット機能を使用してハラスメント行為(たとえば相手が女性だとわかると性的ないやがらせを想起させる単語を連続して 送信するなど)を行うプレイヤーや、ゲーム中で相手の個人情報を聞き出し、嫌がらせなどに使用するといった問題も発生することになった。上記、自然言語で のコミュニーケーションとも相まって、ゲームの世界観を損なうことになる。 MMORPGを一般的にした『ウルティマオンライン』ではこういったプレイヤー間のやりとりは(セクシャルハラスメントなどを除いて)プレイヤー間で解決 すべきという姿勢で制作された。特にプレイヤー間で戦闘が出来るシステムを売りの一つにしていたが、ある程度強くなったプレイヤーが他のプレイヤーを狙い 撃ちして倒すというプレイヤーキラー(Player Killer、PKer)なども発生し、初期の状態では一部のプレイヤー(特にゲームを始めたばかりで対抗手段をもたない場合は致命的)が満足にプレイで きない状態になったこともある。この状態に不満のあるプレイヤーはさらにそういったプレイヤーを倒すというプレイヤーキラーキラー(Player Killer Killer、PKKer)行為を行ったり、その組織(自警団)を作るなどといった試行錯誤があった。さすがにシステムを構築する側もこの問題に対処する 必要を認め、ゲーム中にそういったプレイヤーキラー行為をするキャラクタを認識できるシステム(名前の色が変わるなど)や一定の不利益を与えるシステムを 実装している。 一部ではあるが、基本的にPK、MPKなどの行為は禁止されているが特定のサーバーに関してのみPKやMPKを含め、露天詐欺や暴言などのノーマナー行為 を許容するとし、運営は関与を行わないと明言しているタイトルも存在する[2]。この場合でも人種差別に発展するような極めて重大な案件についてはペナル ティが課せられる恐れがあるため注意が必要。」
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Well, I don't think there was much to Cyberpunk as a literary phenomenon except the form, that was sort of deliberate.- William Gibson, "Conversations with William Gibson." Patrick A. Smith ed., Univ. Press of Mississippi, 2014.(「そうだね、形式のことを除いたら文芸的現象としてのサイバーパンクに ついていっぱい何かあるとは思えないんだ、だってある意味で[サイバー パン クは]意図的につくられたもの だから」ウィリアム・ギブソン:1993年のアンディ・ディジルとのインタビューにて)。当 該論文「サイバーパンクにおいて倫理は可能か?」は、サイバースペース(=イン ターネット空間)におけるサイバーパンクという概念を扱い、その倫理的あるいは非倫理的特質について人類学的に分析するものである。その際、社会に対する サイバーパンクの抵抗者としての特徴を確認するとともに、それがアイデンティティとよばれる社会的拘束に根差した概念ではなくエージェンシーという言葉で 表現されうる、より行為実践に依拠した概念と関連する性質のものであることが論じられる。
In the Time-in-the-Game
「常に ゲーム世界が存在し、時間が流れている。ゲームサーバ内に作られた 世界には時間の存在がある。仮にプレイヤーが一人も接続していなかった としても、ゲーム世界が存在し続けており、また時間が流れている。 通常のマルチプレイヤーゲームではゲーム参加者を募った後、実際のゲームを開始するときにゲームの世界が作られ、ゲーム終了とともにその情報は(スコアな どを除いて)消去される。スポーツの試合のように翌日別のメンバーでゲームを開始しても前日とゲーム世界は変わらないのである。 MMORPG では行動は逐次サーバに記録される。前日にレベルアップしていれば 次の日からはより強い状態であるし、アイテムを何日もかけて収集していくこ とも可能である。 この点では一人でプレイする従来のRPGよりも難しい問題が発生する。コンピュータゲームでは操作を誤った場合やその他、前の状態に戻りたいと思うことが 多々発生する。特にRPGでは一部のゲームを除いて最悪の場合に陥っても「セーブされたデータ」からやり直せることを前提としてゲームが構築されているこ とが多かった。MMORPG ではこれは他のプレイヤーの操作との矛盾を引き起こすため、「セー ブされたデータ」からやり直すという概念は存在しなくなる。 MMORPGではゲーム内のキャラクターが死亡した際は以前の状態に戻るのではなく、一定のペナルティ(一定の割合の経験値を失う、一時的に能力値が低下 する、アイテムをその場に放棄しなければならないなど)を受けて生き返る形で続行することになる。一方で、『Survived By』の様にゲーム内のキャラクターが死んでしまいやり直せない物もある。」
Economic system in the Game
「従来の操作する主体が一人のシングルプレイRPGでは物を売買するといった経済システムは、プログラム上で「販売価格」が完全に決まっていた り、「在庫の概念」がないかあっても結局は一人のプレイヤーしか存在しないため「一定の個数以上売ってくれない」といった単純なシステムにならざるを得な い。複雑な経済システムを構築しようとしても、価格や在庫を決めるための関数の入力項としては結局は単一の操作する主体のものしかないためである。 MMORPGはこれよりも複雑な経済システムを構築する余地がある。複数のプレイヤーがひとつの世界、ひいてはその世界の「経済システム」に関わることに より、その経済システムに複雑なダイナミクスな動きが発生することになる。 一例としてあげれば、NPC側が販売するアイテムを販売するごとにサーバ側で販売量をカウントし、販売量が多いアイテムは販売価格を上げていく、といった 挙動をさせることができる。さらには一定時間内に販売されるアイテム量を制限したり、複数の貨幣を定義し、その間での為替レートを変動させるといったこと も可能になった。 特記すべきは従来のゲームでは存在し得なかった「生産」を専門とするキャラクタが発生する余地が生じたことである。ゲーム中で使用されるアイテムを、その 素材となるアイテムから作り上げるための技能を定義し、NPCからだけではなく実際に操作されているプレイヤーから生産されたアイテム(技能によっては付 加価値をつけることも可能)を購入する(さらにはその生産を得意とするプレイヤーに対して素材を売る)というゲーム内における流通が発生することになっ た。当然その生産物の価値は生産する側と消費する側の需要と供給によって決定されるため、一定の価格は存在しない。 また、希少なアイテムもプレイヤー各自が一定の操作をすれば必ず獲得できる物だけでなく、数量が限定されたり(極端に言えば、「世界で唯一の武器」といっ たものも導入が出来る)、プレイヤーごとの技能で必要・不必要が発生しより必要としている他のプレイヤーに譲渡することも必要になってきた。そのため希少 性や有用性によって市場価格が決定され、アイテムによっては思いもかけなかった高額の(ゲーム内での)資金が移動することもある。 これがエスカレートすると、ゲーム内での貨幣やアイテムなどを、現実世界での現金などと交換する行為も行われることになる。この仮想資産を現実世界の貨幣 で購入・販売する行為をリアルマネートレーディング(RMT)と呼ぶ。RMTは一般には規約で禁止されていることが多い。 しかし、現実世界と違って中央銀行のようなものが存在しないことがほとんどで、サービス開始から年月が経過するごとにインフレが進行する場合がある。これ はゲーム内で流通する通貨量を制限するシステムが存在せず、増加の一途をたどるためである。それが故に新参プレイヤーが新たに金銭を稼いで目的のアイテム を購入するという行為の難易度が上昇し、それを嫌忌してRMTによって手軽にゲーム内通貨を購入する原因のひとつとなっている。」
ゲーミング理論
ゲーム理論(game theory)とゲーミング
理論は異なる。
★情報科学におけるオントロジー(存在論)
情報科学におけるオントロジー(存在論)とは、 「ウェブ構築の過程
で、
文書や文章あるいは単語の内容をより上位のレベルで包含する(=メタ・データ)概念や用語から成り立っている意味内容(=意味論、セ
マンティクス、semantics)を構築する論理的プロセス――すなわち学の体系化がなされている論理構築――をオントロジーと呼ぶ。こ
こで重要なことは、セマンティクスを動員するために、オントロジーははじめて「語として意義をもつ」ということだ。ハイデガーの『存在と時間』
においても、結局著者ハイデガーは、現存在の存在を実存が把握することや、死という契機(=現存在の存在のクライシス)のことを、言わざるを得なかったこ
とと符合している。オント
ロジーの中に――哲学の――認識論(エピステモロジー、epistemology)や――言語学由来の――意味論(セマンティクス、semantics)
が入っている。そのために、哲学分野の人が、情報科学におけるオントロジーという用語法を聞いても意味をとりかねることがある。そして、オントロジーの歴
史 は哲学の歴史と同じくらい深く数千年の議論の伝統がある。したがって、その「語の正しい意味にしたがって(in the strict sense
of the
term)」、「情報科学におけるオントロジー」と言う用語は、存在意味論(onto-sementics)/オントセマンティクスと改称
されるほうが、この分野の研究はより進展するものと思われる(→オントロジー)。
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文献
その他の情報
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