かならずよんで ね!

人類学者たちの出アフリカ強迫神経症

The Obsessive feeling of the our ancestral Exodus from Africa

池田光穂

出エジプト記』は、旧約聖書の2番目の書であり、 『創世記』の後を受け、モーセが「虐げられていたユダヤ人」を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれている。モーセ五書すなわち、トーラーのひと つであり、ユダヤ教では本文冒頭より2番目の単語から『シェモース』と呼ぶ[注釈 1]。全40章から成る。エジプト脱出とシナイ山での契約が二つの大きなテーマとなっている。キリスト教において旧約聖書という時、「旧約」すなわち古い 契約というのはこのシナイにおける神と民との契約のことをさしている。

出エジプト記』(The Book of Exodus;古代ギリシャ語:Ἔξοδος、ローマ字表記:Éxodos: 聖書ヘブライ語: שְֹת Šəmōṯ, 'Names'; ラテン語: 出エジプト記』(Liber Exodus)は、聖書の第2巻。出エジプト記の物語であり、聖書のエジプトで奴隷の身であったイスラエルの民が、ヤハウェという神の力によって奴隷の身 から解放されたという起源神話である。その後、イスラエルの民は伝説の預言者モーセとともにシナイ山へと旅立ち、そこでヤハウェは10の戒めを与え、彼ら はヤハウェと契約を結ぶ。ヤハウェは、彼らが忠実であることを条件に「聖なる国民、祭司の王国」とすることを約束する。ヤハウェは彼らに掟を与え、幕屋を 建てるように指示する。幕屋とは、ヤハウェが天からやってきて彼らと共に住み、聖戦に導いてカナンを征服するための手段である。。現代の出エジプトの変奏として「ハム族仮説」がある。

さて、現在の進化人類学者がハマっている強迫神経症 は、我々の祖先が、唯一アフリカから来歴したという祖先神話である。これは、かつての、キリスト教の人種のダイヴァーシティ理解において、白人は黒人と同 一の祖先を持ってはならないという人種多元論(polygenist)に比べれば、多少なりとも、単起源論者あるいは人種単元論 (monogenist)にて、認識論的「汚染」を認めようというリベラルな言説のひとつではある(→「アフリカ単一起源説(Recent African origin of modern humans)」「人種単元論と人種多元論」)。

Successive dispersals of   Homo erectus greatest extent (yellow),   Homo neanderthalensis greatest extent (ochre) and   Homo sapiens (red).

このアフリカ単一起源説(Recent African origin of modern humans)は「遺伝子研究の裏付けもあり、現在、多くの科学者が一致してこの見解を支持」すると言われているらしい。いましばらく、日本語ウィキペディアの解説を続けよう。


●母系(ミトコンドリアDNAのハプログループの分布)から推定した人類伝播のルートおよび年代

人類の共通祖先はアフリカに存在したとする仮説は19世紀では進化論で有名なチャールズ・ダーウィンが主張していたことで知られていた[2]。

アフリカ単一起源説と対立する説に、ジャワ原人・北京原人・ネアンデルタール人などがおよそ150万年前には各地域で現生人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)に進化していったとする多地域進化説がある。

ただし、多地域進化説も時間を十分さかのぼってヒト科の祖を200万年前のホモ・ハビリスに代表される種が東アフリカで誕生した、という点で意見は一致し ており、この二説の相違点は「現生人類の祖先はいつアフリカから出発したか[3]」でもある。そのため両者を「新しい出アフリカ説」「古い出アフリカ説」 と呼ぶ。

現在では先行したと考えられるホモ・エルガステル、ホモ・エレクトスが7万5000年前のトバ事変により始まった最終氷期で絶滅し、その後にアフリカを出 たホモ・サピエンスを現世人類の祖とする説が有力になっている。ホモ・サピエンスはネアンデルタール人(約2万数千年前に絶滅)とともに約47万年前の共 通の祖先から分化したと考えられ、その後の進出の過程は、ハプログループの分類によって精力的に研究されている。

ただし、もはやゲノムの差異はわずかであり、化石人骨から得られる外見上の差異をもって種を分類しているため、以降の分化が「いつ」おきたのか、ユーラシ ア大陸各地で先人類と置き換わったのが「いつ」であるかの端成分的な断定は、先住の旧人や新人の混血のため生物学的な種としては明確にならない可能性があ る。

ミトコンドリアのハプログループL0からL3がアフリカにのみ存在する一方その他の地域はMかNどちらかしか存在しない。

分子系統解析

分子系統解析の進展(いわゆるミトコンドリア・イブやY染色体アダムなど)によって、人類は14 - 20万年前に共通の祖先を持つことがわかり、これはアフリカ単一起源説(=新しい出アフリカ説)を強く支持するものである。ミトコンドリアDNAの分析で は、現代人の共通祖先の分岐年代は14万3000年前±1万8000年であり、ヨーロッパ人とアジア人の共通祖先の分岐年代は、7万年前±1万3000年 であると推定され[4]、最も古いミトコンドリアDNAハプログループはアフリカに偏在した。

Y染色体ハプログループの分析結果からも最も古くに分岐したハプログループA (Y染色体)、ハプログループB (Y染色体)がアフリカのみに見られることから、アフリカ単一起源説は疑いようのないものとなっている。

ジェノグラフィック・プロジェクトThe Genographic Project) とは、ヒトのY染色体ハプログループ(父系)やミトコンドリアDNA(母系)の情報を基に、人類の共通祖先の発祥地から全世界への拡散ルートを特定しマッ プ化[1]していくことにより、人種・民族の起源と相互関係を視覚的に明らかにしていくことを目的とした進化人類学的研究[1]。個人ユーザー向けのY染 色体・ミトコンドリアDNAハプログループの検査サービスを活用した非営利目的の学術研究プロジェクト。現在のプロジェクト名はGeno 2.0 次世代(ジェノ2.0 ネクスト・ジェネレーション)。2020年6月1日終了したプロジェクト。

参加希望者が、ナショナルジオグラフィック協会のジェノグラフィック・プロジェクトのwebサイト上から、参加キットの購入手続きをすると「プロジェクト 内容の説明用のDVD(1枚)・自分に振り分けられたID番号・採取用の綿棒(2本)・採取後のサンプルを入れる小型のプラスチックケース(2個)・人類 の拡散経路の想定地図・サンプル採取説明書・同意書・返送用封筒」などの一式が入ったビデオテープサイズの箱(セルフ・テスト・パッケージ)が送られてく る。

参加者は、取扱説明書に従って、自分で頬の内側の口腔粘膜を専用の綿棒(スクレイパー)で、1分間ほど擦ることによってサンプルを採取し、専用のプラス チックケースに密閉したあと返送用封筒に入れてテキサス州ヒューストンにあるジェノグラフィック・プロジェクトの遺伝子解析ラボに返送する。

ラボでは、PCR法によって目的のDNAを選択的に増幅し、それを基に解析が行われる。採取したサンプルが遺伝子解析ラボに到着し、分析が開始されてから 結果が出るまで約2ヶ月を要するが、その間、参加者たちは、ジェノグラフィック・プロジェクトのwebサイト上に、自身のID番号を入力することによっ て、分析過程の大まかな進捗状況を見ることが可能である。

以上のように、低価格で誰にでも扱いやすく簡単なプロセスを経て自己の父系もしくは母系の祖先の手掛かりを知ることが出来るため、欧米を中心として急速に 自己のハプログループや歴史上の人物、有名人のハプログループなどに関する興味が高まるきっかけとなった。日本ではフジテレビジョン系列で人類の足跡であ る南アメリカ・チリナバリーノ島からタンザニアまで(北ルート)のおよそ5万キロを逆ルートから遡って行く『グレート・ジャーニー』という、紀行ドキュメ ンタリー番組がシリーズとして放送された。

使用された遺伝子マーカー
【Y染色体ハプログループ】ジェノグラフィック・プロジェクトでは、個々の人々との祖系関係を識別にする指標に遺伝子マーカーを利用している。ヒトの常染 色体DNAは、父母の両系からの遺伝子を組み合せながら受け継がれるため、世代が離れるほど、遺伝的要素が薄められていくが、父から引き継がれるY染色体 は、母体に存在しないため、父系が続く限り(子孫に男性が生まれ続ける限り)父と全く同じものを引き継ぐことになる。しかし、世代間によって成されるY染 色体の複製は、物理的にはアナログコピーの繰り返しとなる為、何千年に一度の割合で、複写ミスが起こる。しかし、その多くは直ちに生存を脅かすものでは無 いため、その偶発的な複写ミスの痕跡は、そのまま男系子孫に何百世代にも渡って受け継がれるため、その痕跡のバリエーションを多数採取してハプログループ として比較をすれば、相互の分岐関係がわかるというものである。これを体系化したものがY染色体ハプログループと呼ばれるものである。
【ミトコンドリアDNAハプログループ】同様に母から全く同じものを子供が引き継ぐのがミトコンドリアDNAであり、この場合父には「父の母」から引き継 がれたミトコンドリアDNAが存在するものの、父から子には引き継がれず、母の持つミトコンドリアDNAと全く同じものを子供が引き継ぐため、子孫に女性 が生まれ続ける限り、母系に由来するハプログループが何千年にも渡って世代間に引け継がれる。この場合も物理的にはアナログコピーの連続となるため、どこ かの世代で複写ミスが起こったものが、さらに引き継がれるので、その痕跡のバリエーションを多数採取して体系化したものがミトコンドリアDNAのハプログ ループと呼ばれるものである[4]。


崎谷満は人類のY染色体ハプログループおよびミトコンドリアDNAハプ ログループは出アフリカ後、イラン付近を起点にして南ルート(イランからインド、オーストラリアへ)、北ルート(イランからアルタイ山脈付近へ)、西ルー ト(イランから中東・カフカス山脈付近へ)の3ルートで拡散したとしている[5][6]。すなわち南ルートをとった集団がオーストラロイド、北ルートがモ ンゴロイド、西ルートがコーカソイド、非出アフリカがネグロイドということになる。Y染色体ハプログループの拡散と人種。褐色がネグロイド、青色がオース トラロイド、黄色がモンゴロイド、桃色がコーカソイド。崎谷満『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史 日本人集団・日本語の成立史』(勉誠出版 2009年)。
https://bit.ly/3AjdKy6

●もちろん、そのような、自然人類学者のパラダイム上のサブカルチャーを揶揄するのがこのHPの目的ではない。

1)ゲノム・レイシズムを産出するのに、自然人類学者が再度、その役割を担おうとしている。

2)頭骨の計測マニアだった自然人類学者たちは、それ自体では罪のない学者であったが、研究対象の先住民の墓を暴いたり、優生学理論に積極的にかかわり、自然人類学者は「次第に悪に手を染めて」行った過去の歴史を反省すべき。

3)ゲノムサイエンスが醸し出す、全能感=完璧な資料があれば人類の由来のほぼすべてを説明できる。それを邪魔するのは「人権派の文化人類学者」という認識は、科学する人たちの良心を知らないあいだに捻じ曲げてしまう。

それらのことが問題なのである。

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