医療人類学の四象限
Four dimensions of medical anthropology
私はかって「医療人類学の下位領域」(1997-2001)で、この学問領域に属すさまざ まな諸学問——医療人類学は学際的な学問ですので、独立したさまざまな専門知識の助けが必要です——の分布について解説しました。
そのときに析出したのが、規範とするパラダイムを〈近代医療〉と〈文化人類学〉 の水平の軸で二分される領域と、研究の視座およびそれと不可分な 方法論として〈個人=方法論的個人主義〉と〈社会=社会学主義〉の垂直の軸で二分される領域の2×2の四象限で表現してみました。【上掲の四分類】
それらの領域に与えた学問をそれぞれ、第1象限から反時計まわりに2,3,4象限の学問をそれぞれ「文化とパーソナリティ」「自然人類学」「国際公衆衛生学」「民族医学」と名付けました。
しかし、これらの用語は現在では多少時代遅れの感じがします。そのための代替名称案を下記に記します。すなわち、それぞれに対応するものが「心 理人類学」「生態人類学」「国際保健協力学」「民族医療」です。
これらに対する水平の軸と垂直の軸も、それらの捉え方を少し変更します。水平の軸は、エティック(etic)/エミック=イーミック (emic)で、それぞ れ分析の際に客観的なデータを重視するか(etic)、行為者の主張や理解を重視する(emic)で二分します。
"In anthropology, folkloristics, and the social and behavioral sciences, emic and etic refer to two kinds of field research done and viewpoints obtained:[1] emic, from within the social group (from the perspective of the subject) and etic, from outside (from the perspective of the observer).... The terms were coined in 1954 by linguist Kenneth Lee Pike (1912-2000), who argued that the tools developed for describing linguistic behaviors could be adapted to the description of any human social behavior. As Pike noted, social scientists have long debated whether their knowledge is objective or subjective. Pike's innovation was to turn away from an epistemological debate, and turn instead to a methodological solution. Emic and etic are derived from the linguistic terms phonemic and phonetic, respectively, where phonemics effectively regard elements of meaning and phonetics regard elements of sound. The possibility of a truly objective description was discounted by Pike himself in his original work; he proposed the emic/etic dichotomy in anthropology as a way around philosophic issues about the very nature of objectivity.[citation needed]" - "Emic and etic"
人類学、民俗学、および社会科学や行動科学において、エミック(emic)とエティック(etic)とは、行われるフィールド調査や得られ
る視点の2種類を指す[1]。この用語は言語学者ケネス・リー・パイク(1912-2000)によって1954年に作られたもので、彼は言語的行動を記述
するために開発されたツールは、人間のあらゆる社会的行動の記述に適応できると主張した。パイクが指摘したように、社会科学者たちは長い間、自分たちの知
識が客観的なのか主観的なのかを議論してきた。パイクの革新は、認識論的な議論から目をそらし、代わりに方法論的な解決策に目を向けることだった。
EmicとEticはそれぞれ言語学用語のphonemicとphoneticに由来し、phonemicsは意味の要素を、phoneticsは音の要
素を効果的に扱う。真に客観的な記述の可能性は、パイク自身、当初の著作では否定していた。彼は客観性の本質に関する哲学的な問題を回避する方法として、
人類学においてエミックとエティックの二分法を提案したのである。
また垂直の軸は、行為者の具体的な実態の 観察と分析に焦点化されるもの(上方)か、行為者を取り囲む保健対処システムに焦点化されるもの(下方)の二分法によって四象限が構成されると考えます。
そのような四象限で表現される下位領域は以下のとおりです。
リン ク
文献
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