Lesson4
「憑依 病める身体は誰のものか?」
池田光穂・奥野克巳編『医療人類学のレッスン』学陽書房、2007年 解説編
◆ 読解のポイント
憑依現象の存在は、身体の固有性を信じてやまない近代的主体の概念に対して以下のような挑戦をつきつ けます。こころは、からだの主であるのか? 私のからだは唯一独自な存在なのか? 今日の私と昨日の私ははたして同じものなのか?そして私(心と体)とは 何ものか?ということです。
◆ 各節の構成
1.新しい自己の物語
2.イニシエーションとしての憑依治療儀礼
3.病気経験における身体と自己
4.狐憑きと近代
5.近代にとり憑かれたわたくし
◆ 確認チェック!
□ 病気に罹患した経験や治療の経験を中心に記述された文芸上のジャンルを日本語でなんといいますか。
□ 初潮を迎え少女、思春期の青年などが結社にメンバーとして迎えられること、成人式、結婚式、葬式など、人々が属する集団に入る際の儀礼的手続きのことで、加入儀礼ともよばれる用語をなんといますか。
□ 当事者が外部からやってきた精霊になどによって支配され、自分が自分でなくなる宗教的現象をなんといいますか。
□ シベリアのツングース系エヴェンキ語を語源とすることば(サマン)に由来し、精霊と直接交流し、病気直し・予言・占いなどに従事する職能者をなんといいますか。
□ 世界中の憑依現象を調べてみると、憑依にかかる男女比には明らかに偏りがみられるという。多い方のジェンダーを指摘してください。
□ 日本社会において神の使いや信仰対象となり、しばしば憑依する能力があると信じられている最も一般的な野生哺乳動物はなんでしょうか。
□ 鷲田清一『悲鳴をあげる身体』(2001)の所論で、現代社会において「身体の 〜 性」が失われた時に、ピアシングや摂食障害が生じるのだという主張があります。「〜」に入る用語はなにか。
◆ 各章の構成[『医療人類学のレッスン』ポータル]
1「医療人類学の可能性 健康の未来とは何か?」池田光穂
2「病気と文化 人間の医療とは何か?」奥野克巳・山崎剛
3「呪術 理不尽な闇あるいはリアリティか?」池田光穂・奥野克巳
4「憑依 病める身体は誰のものか?」花渕馨也
5「シャーマニズム シャーマンは風変わりな医者か?」奥野克巳
6「グローバル化する近代医療 医療は帝国的権力か?」奥野克巳・森口岳
7「リプロダクション 「産むこと」は単純ではないのか?」嶋澤恭子
8「女性の身体 身体は所与のものか?」松尾瑞穂
9「エイジングと文化 老いはどのように捉えられているか?」福井栄二郎
10「心と社会 狂気をどのように捉えればいいか?」池田光穂
11「今日における健康問題 なぜある人びとは病気にかからないのか?」池田光穂
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1「医療人類学の可能性 健康の未来とは何か?」池田光穂
2「病気と文化 人間の医療とは何か?」奥野克巳・山崎剛
3「呪術 理不尽な闇あるいはリアリティか?」池田光穂・奥野克巳
4「憑依 病める身体は誰のものか?」花渕馨也
5「シャーマニズム シャーマンは風変わりな医者か?」奥野克巳
6「グローバル化する近代医療 医療は帝国的権力か?」奥野克巳・森口岳
7「リプロダクション 「産むこと」は単純ではないのか?」嶋澤恭子
8「女性の身体 身体は所与のものか?」松尾瑞穂
9「エイジングと文化 老いはどのように捉えられているか?」福井栄二郎
10「心と社会 狂気をどのように捉えればいいか?」池田光穂
11「今日における健康問題 なぜある人びとは病気にかからないのか?」池田光穂