2019〈支縁=しえん〉のネットワークをひろげる:横断術
Participating Reciprocal communication in social involvement
池田光穂
社会福祉には一方的な物資の扶助(支援)だけでは解
決することのできない様々な問題が含まれている。大きな課題の一つは社会的包摂のためのコミュニティ形成であり、これを「支縁」と呼ぼう。この授業では、
「支縁」のためのコミュニケーションについて、いまや貧困と高齢化社会の縮図であり「福祉の(云々)」となった大阪・釜ヶ崎ならびに大阪・桃谷で認知症高
齢者のケア支援の現場でのフィールドワークを通じて
考える。
授業担当者:あなたの名前( your
name) |
池田光穂、田中均、宮本友介、山森裕毅
時間割コード:3B2605 |
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履修対象/Eligibility |
大学院生(博士課程前期/博士課程後
期)、社会人 |
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開講時期/Schedule |
秋学期(10月〜12月)月曜6/7限 (一部集中) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
講義室/Room |
人間科学部棟本館3階 31講義室 |
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講義題目/Course Name |
横断術:〈支縁=しえん〉のネットワーク
を広げる/Participating Reciprocal communication in social involvement |
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授業の目的と概要/Course
Objective |
この授業は、一方的な物資の扶助(支援)
だけでは解決できない、社会的包摂のためのコミュニティ形成のための活動つまり支縁(しえん)を実践状況のなかでおこなうものである。具体的には、い
まや貧困と高齢化社会の縮図であり「福祉の(云々)」となった大阪・釜ヶ崎でのフィールドワークを、そこで支援と支縁の両方のサービスに関わる実践家を訪
問し、またそれらの活動に関わることで、支縁の意味を考察し、体験したことをもとに方法論の錬成などめざす。具体的な方法としては、(1)基礎的なレク
チャーの受講、(2)(3)グループの編成とテーマ設定、(4)情報収集と議論(熟議)、(5)実践家へのインタビューと現地訪問、(6)成果報告と成果
のステイクホルダーへのフィードバックの検討、(7)支縁に関わるネットワーク形成の課題提言、という7つのステップ(Seven-Steps)
アプローチをとる。 ・→「支縁コミュニケーション入門」をまずは、ご覧ください! |
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学習目標/Learning Goals |
1.支縁という実践概念の誕生について理
解し、それが扶助(支援)方法との違いを理解し、それぞれの利点や弱点を、参加者の中で議論し、合意するまで議論できるようになる。 2.どのようなコミュニティにおいても、共時的な状況と経時的歴史があることを知り、人間科学や社会科学の方法を用いて、分析可能であることを理解できる ようになる。 3.グループワークを通して、また事案の当事者(ステイクホルダー)との接近、対話、交渉を通してコミュニケーション力を磨き、かつ、それが授業の終了後 も継続的に行えるようになる。 4.支援活動と同様に、支縁活動においても、さまざまな階層性が、この実践活動も社会のさまざまなアクターと協働することに如何により成否が決まることを 体感できるようになること。 |
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履修条件・受講条件
/Requirement; Prerequisite |
参加型の授業のために、毎回出席し、また 相互に見知らぬ受講生と積極的にコラボレーションすることが受講の条件になります。この授業は「CO*Design教育」 における【横断術】の位置付けにあります。そのため、「コミュニケーションデザイン科目」群のうち【訪問術】【対話術】【表現術】【協働術】の授業をこれ までに1科目以上受講したことのある大学院生に開講します。もし、上記の「コミュニケーションデザイン科目」群を受講経験のない方について、受講を制限す ることはありませんが、その場合は事前にご相談ください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
特記事項/Special Note |
シラバスをみていただき、事前にテーマを
想像されたり、情報を入手しておくと、学習意欲向上のインセンティブになると思います。復習用の資料のダウンロー
ドや、スケジュールの変更などは、ウェブページからリンクできるようにします。 |
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授業計画/Special
Plan (回)題目/Title:内容/Content |
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授業形態/Type of Class: |
講義とワークショップ |
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授業外における学習
/Independent Study Outside of Class |
復習用の資料のダウンロードや、スケ
ジュールの変更などは、指定するウェブページからリンクする情報をお伝えします。 |
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教科書・教材/Textbooks |
ありむら潜『漫画ホームレスじいさんの物
語』明石書店、2012年(ISBN 978-4750335490) ・senarimura_yumebatake_2012.pdf ・ありむら潜「最下流ホームレス村から日本を見れ ば」2007 |
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参考文献/Reference |
(池田のウェブページを介した)配布物、ウェブ等でお知らせします ありむら潜「最下流ホームレス村から日本を見れば」2007 |
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成績評価/Grading Policy |
ポートフォリオ管理による自己評価・他者評価・教員からの評価の総合
評価 |
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コメント/Other Remarks |
SNSをつかった連絡網を利用します。そ
のためにSNS利用の倫理に関してもオリエンテーションを用意します。 垂水源之介 https://www.facebook.com/quqchij.mitzubixi |
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キーワード/Keywords |
支縁(しえん)、扶助(支援)、貧困問
題、ソーシャルキャピタル、人権のエンタイトルメント、アクションリサーチ |
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受講生へのメッセージ/Messages
to Prospective Students |
多くの人が参加すれば喜びは倍増し、悲し
みや辛さは軽減されます。各人の個性を尊重しつつみんなとの協働でたのしく受講しましょう。この授業をとおして「書くことの楽しさ」を学んでください。楽しいことはSNSをはじめとして様々なメディア
を通して発表する。そして「研究倫理」を抑えつつ、公共のメディアで
の情報発信に関するさまざまな約束事について「実践状況のなかで学習」する、喜びに触れてくだ
さい。 ●この授業は大阪大学COデザインセンター「SDGs 達成に向けた高度汎用力教育開発」の支援をうけています。この授業に関連する項目は以下のとおりです。 「SDG5:ジェンダー平等」「SDG10:不平等をなくす」「SDG17:パートナーシップ」 |
●実習先候補
「ゆっ くりの部屋」認知症の人が輝ける場に(2019年7月)28日、大阪に拠点オープン(産経新聞 2019.7.23)大阪市天王寺区堂ヶ芝1丁目2番2号 冨士ハイツ102号 yukkuri-osaka@ak.wakwak.com
誰でも来所可。予約不要、無料。31日以降の開所は午前11時~午後5時(日曜は午後1時~7時)、定休日は月、火曜、第1・3日曜と 祝日。問い合わせは同事業所(06-4303-3301)
■授業の目的に使用する語彙(動詞)(大山 2018:7)を参照にした
習得する
身につける
理解する
創造する
位置づける
価値をみとめる
知る
認識する
■学習目標提示の3つのドメイン(領域)
学習には、1.情動的領域(affective domain)、2.認知的領域(cognitive domain)、3.心理=運動系領域(psychomotor domain)での達成や変化がみとめられると、分類する。学習目標には、それらの3つのドメインにおおいて、またドメインの内のレベルの階層化された、 下位領域にふさわしい動詞の語彙があると、考える(下図参照)。シラバスの「学習目標」には、上記の、1.情動的領域(affective domain)、2.認知的領域(cognitive domain)、3.心理=運動系領域(psychomotor domain)の内容の記述にふさわしい動詞の語彙があると考える。(大山 2018:8)を参照にした
■授業【横断術】の位置付け(→「CO*Design教育」)
■ ステップ1:【訪問術】【対話術】【表現術】【リテラシー】【協働術】
■■ ステップ2:【横断術】
■■■ ステップ3:【総合術】
リンク
文献
その他の情報
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