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支縁コミュニケーション入門

Student's Guide to Participating "Reciprocal communication in social involvement,"(SHIEN communication)

池田光穂

支縁コミュニケーション入門(※すでに終了した教育プログラムです——興味ある人は「自学自習ください」)

社会福祉には一方的な物資の扶助(支援)だけでは解決することのできない様々な問題が含まれている。大きな課題の一つは社会的包摂のためのコミュニティ形 成であり、これを「支縁」と呼ぼう。この授業では、「支縁」のためのコミュニケーションについて、いまや貧困と高齢化社会の縮図であり「福祉の(地域 名)」の代表例となった大阪・釜ヶ崎でのフィールドワークを通じて考える。

・用語集
今宮町
今宮町(いまみやちょう)は、かつて大阪府西成郡にあった町。現在の大阪市 西成区の北東部にあたる。……この地域は、津江の庄、下って、今宮庄、そして、今村と言われていた時期がある。津江の庄と言われていた頃には、日々宮中に 鮮魚を献上する漁村として存在し、下って徳川期には、鮮魚の献上は正月のみとなったが、麦や棉の栽培地として農村となった。」
釜ヶ崎(かまがさき)
釜ヶ崎は「かつて摂津国・大阪府西成郡今宮村(のちに今宮町)に 存在した字、および現在においてその一帯を指す地域通称。(この釜ヶ崎の 字としての名称は1922年になくなるが、現在でも「かま(釜)」の愛称で使われ続けている)現在では西日本旅客鉄道関西本線以南の西成区萩之茶屋一丁 目・萩之茶屋二丁目の各一部を主に指すが、当初は同線以北の浪速区恵美須西三丁目・恵美須東三丁目・戎本町二丁目の各一部も含んでいた。いわゆるあいりん 地区を含んでおり、同地区の通称としても使われる。」
あいりん地区
あいりん地区(あいりんちく)は、大阪府大阪市西成区の北部、西日本旅客鉄 道(JR西日本)・新今宮駅の南側に位置する簡易宿所・寄せ場が集中する地区 の愛称である。愛隣地区とも表記され、旧来からの地名である釜ヶ崎とも呼ばれる。宿泊料金が安いため、近年はバックパッカーの宿泊地としても人気を集めて いる。……あいりん地区という名称は、1966年5月に国や自治体などの行政機関と報道機関が使用の取り決めを行った名称である。/あいりん地区には路上 生活者が多く居住している(大阪市内の路上生活者は1,456人[1])。この地域は住所不定の日雇労働者が 多いため、人口統計は国勢調査でも明確に把握できていない可能性がある。/NPO団体や宗教団体などが炊き出しなどを頻繁に行っており、実施の際は公園に 人が列を作って並ぶことがある。また、この地域の物価(料金体系)は隣接している他地区と比べ、総じて低いのが特徴となっている。/一帯は暴力団事務所が 多数ある。西成区の生活保護者の出身地は、九州+沖縄が22%、中国 +四国が20%、大阪以外の近畿が15%、大阪府が19%となっている。大阪市が2009年12月に行った調査によれば、半年以内に31都府県から「大阪 市」に転入(+帰郷)しているのは生活保護者の内、およそ10%程度である」

●なぜ横断術で支縁コミュニケーションを 学ぶのか?
そして、COデザインセンターの7つの教育学習術について






支縁(しえん)とは?

    ✤    「先生っ『支援』の字が誤って『支縁』になっていますが?これでいいのでしょうか?」
    ✤    「はい、これでいいです。いままでの『支援(support)』は倒れないように支えるという意味でしたが、こちらの『支縁(keeping  connections)』ほうはご縁を続けるという意味に読み替える意図的なものだからです」
    ✤    「そうですか?!御趣旨がよくわかりました!」

互酬性(ご しゅうせい)reciprocity

ありむら潜(Sen ARIMURA, 1951- )さんの『震災・ガレキをこえて』明石書店(一部抜粋:senarimura_yumebatake_2012.pdf)、 をみると、大阪労働福祉センターの仕事の彼の仕事が、釜ヶ崎ならず、ゆるやかに、罹災地域の復興などに、ゆるやかに繋がっていく様子がわかる。これこそが 「支縁」のネットワークではないじゃろか???
・「ありむらのほとんどすべてのマンガで主人公となっているカマやんは戦災孤児であり、戦後の混乱期からずっと釜ヶ崎で生きてきた、生粋のカマの人間であ る。若い頃から日雇い労働を生業としており、初登場の70年代からバブル期前後の90年ごろまでは、梅雨時期などの野宿描写はあったものの、工事現場など で働くエピソードも多く収録されていた。明日をも知れないが、やりたいようにできる気楽な生活。カマやんが時間や会社、家庭に縛られたサラリーマンと対照 的な、自由人の象徴として描写されていた時期もある。しかしバブル崩壊以降あいりん地区の求人状況が悪化していくにつれ、高齢で日雇い労働につけないカマ やんは、ダンボールや空き缶などの回収しか仕事が無いためドヤ代が払えずホームレスとなっていく。食べるものは炊き出しに頼り、冬の野宿は凍死の危機、そ んな境遇になってもカマやんはそれなりに楽しんで生きているのだった。/ 基本はお人よしで楽天家の野宿者を主人公としたギャグマンガではあるが、あいりん地区に暮らして実際に同様の軌跡をたどっている者は数多くいるため、カマ やんの境遇はあいりん地区の労働者のひとつの典型であると言える」ウィキ・ありむら潜
・釜ヶ崎のまち再生フォーラム(http://www.kamagasaki-forum.com/
一心寺(〒543-0062 大阪市天王寺区逢阪2丁目8- 69)交通
・「一心寺敷地の一画で路上生活者など生活困難者のた めの無料シャワーサービス施設「慈泉処」を開設しています
「支縁」の語彙が使われる文脈

    ✤    支縁のまちネットワーク:宗教者と研究者のパートナーシップのもと、宗教者が関わる社会活動の「見える化」「エンパワメント」「相互交流」をはかるために 2011年1月に発足したネットワーク型の組織。物質的なサポートだけでなく、様々な存在との関係性を豊かにすることを重視し敢えて「支縁」という言葉を さす。

    ✤    (社)神戸国際支縁機構:真宗系のボランティア機関。旧称は神戸国際支援機構(Kobe International Supporting Organization])⇒ Kobe International Sustaining Organization. ca.2001

    ✤    しまね更生支縁ネット:島根県内の弁護士・社会福祉士・保護観察官らが罪に問われた障害者や高齢者の再犯罪防止をサポートする組織。2018

    ✤    ウレシパの会:アイヌ語で互いに育てあうの意味。べてるの会が中心になった浦河地域の精神保健福祉活動を物心両面にわたって支援することを目的に。 2006
Amigos de Yugoという比喩

記念写真(リンドと, Dolores, Copan. ca.1986)

Yugo es un artefacto de madera al cual, formando yunta, se unen las mulas o los bueyes, y en el que va sujeta la lanza o pértiga del carro, el timón del arado, etc.Yunta de bueyes unidos mediante un yugo cornal. Fotografía realizada en Carahue, Chile.
2015年度の支縁コミュニケーション

    ✤    社会福祉には一方的な物資の扶助(支援)だけでは解決することのできない様々な問題が含まれている。大きな課題の一つは社会的包摂のためのコミュニティ形 成であり、これを「支縁」と呼ぼう。この授業では、「支縁」のためのコミュニケーションについて、いまや貧困と高齢化社会の縮図であり「福祉の…」となっ た大阪・釜ヶ崎でのフィールドワークを通じて考える(宮本友介の言葉)。
2019年度横断術「《支縁》のネット ワークをひろげるソーシャル・イノベーション」

    ✤    教員:田中均・宮本友介・山森裕樹・辻田俊哉・池田光穂
    ✤    概要:大阪・釜ヶ崎(あいりん地区)への市民団体によるさまざまな活動への参加や取材を通して、ウェブメディアなどの情報発信をとおして、社会《支縁》の ネットワークをひろげるための「実習事業(アクションリサーチ)」のモデルを学生・院生自身が構築できるように、教員集団が《支縁》する。

・上掲の教員は、プロジェクト提案で、現在の運用体制は、池田光穂、宮本友介、田中均、山森裕樹の4名です(2019年10月現在)(→「〈支縁〉のネットワーク横断術」)

・「アクション・リサーチ(action resarch)あ るいは唱道的アプローチ(advocacy approach)はプロジェクトを施行する側と住民(行政モデルではしばしばクライアントや受益 者・ステイクホルダーと呼ばれた)を明確 に区別せず、住民の主体的な発展を促すため に人類学者がプロジェクトに参画しながら調査を行なうというスタイルのことをさす」
What is Cross-boundary?

・ここでは、大学の学部高学年(3年次以 上)と 大学院 生(一般社会人を含む)の人たち(=大人)を対象とした「教養」をつけること、すなわち自己陶冶(じこ・とうや:self-training, self-education, self-cultivation)としての「高 度教養教育(liberal arts education for adults, ilberal arts education as andragogy)」 について考える。陶冶(とうや)とは、陶器を焼き上げたり、鋳物をつくること(ともに他動詞)であるが、そこから 転じて、人の能力や資質をつけてあげることを、育成=陶器をつくりあげることに模して、陶冶(training, education, cultivation)あるいは「陶冶する」という。

・学習者じしんが中心となり、反省的反復の作業をともないながら、実践される少人数グループの 教育手法ことを、「問題にもとづく学習」とよぶ。PBLとは, Problem Based Learningのアクロニム(頭文字による略記法)である。医学・歯学・看護学・環境科学・法律実践・工学などのように実践の場での問題解決などが職業 的スキルとして重要視される教育課程でしばしば採用される。

・「CBPRとは「コミュニティにもとづく参加型研究=Community-Based Participatory Research」 北米では過去20年間のあいだに地歩を築きつつあるアプローチ(歴史的ルーツは半世紀以上前から.......)。コミュニティ(=共同体)に介入を前提 とする社会調査技法で、コミュニティのメンバー(=成員)の自己決定を最優先し、外部から参 与する専 門家の目的や意図をコミュニティとの合意をもとにするもの」コミュニティに基礎をおく参加型研究 (CBPR)とは何か?)
クロスバウンダリー・サブシティズ[=領域横断的なサポート]
(Cross-boundary subsidies)

領域横断的なサポート(クロスバウンダリー・サブシティズ) とは、生態学や生物環境科学の用語で、パッチ状になった生息域の境界を横断する生物や物質によって引き起こされる、その近隣の生き物に対するサポート効果 (サブシティ subsitdy)のことである。生き物にとってのサポートは、その自分の住み処にない栄養物や生き物の恩恵(捕食者にとっては外来の被捕食者=餌が)こ のサブシティズ=サポートにより得られるなどの効果のことである(下図のC.を参照)。
授業カリキュラムの実例
1)支援コミュニケーション入門
2)セーフティネット原論・過程論
3)リスク評価論
4)リスク社会論(1)
5)リスク社会論(2)
6)リスク社会論(3)
7)ショックドクトリン論
8)安全学
9)セーフティネット社会保障論
10)内発的発展論/セーフティネット・トランスファー論
11)支援のためのプレゼンテーション技法(1)
12)支援のためのプレゼンテーション技法(2)
13)支援のためのプレゼンテーション技法(3)
14)支援のためのプレゼンテーション技法(4)
15)まとめ:支援コミュニケーションのゆくえ
1) Introduction to Support Communication
2) Theory of safety net principles and processes
3) Theory of risk assessment
4) Theory of risk society (1)
5) Theory of risk society (2)
6) Social theory of risk (3)
7) Shock doctrine theory
8) Safety studies
9) Safety net social security theory
10) Theory of intrinsic development/safety net transfer
11) Presentation techniques for support (1)
12) Presentation techniques for support (2)
13)Presentation techniques for support (3)
14) Presentation techniques for support (4)
15) Summary: The future of support communication

■授業横断術の位置付け(→「CO*Design教育」)(→COデザインセンターとは?

■ステップ1:【訪問術】【対話術】【表現術】【リ テラシー】【協働術】

■■ステップ2:【横断術】

■■■ステップ3:【総合術】

みなさまによる……
ご〈支縁〉をおまちしております!

・リンク
senarimura_yumebatake_2012.pdf

●2021年のプロジェクト

子ども食堂への支縁
認知症者の人への支縁
障害者への支縁
・新型コロナウイルス感染症流行下における子ども食堂の運営実態の把握とその効果の検証のための研究(全国子ども食堂支援センター「むすびえ」)
https://www.mhlw.go.jp/content/000800261.pdf
文献
・つながり続けるこども食堂  / 湯浅誠著, 中央公論新社 , 2021年
・むすびえのこども食堂白書 : 地域インフラとしての定着をめざして  / 湯浅誠編 ; 全国こども食堂支援センター・むすびえ著, 本の種出版 , 2020年
認知症の人と家族の会

認知症カフェってどんなところ?『コロナ禍の認知症カフェ ~オレンジ色の街景色~』神奈川県支部(2021/06/28)YouTube

家族が認知症になる経験(→「認知症者に語ることを学ぶこと」)
公益社団法人全国脊髄損傷者連合会(活動)
・脊損ニュースの発行
・新制度及び改正された制度などの最新情報の提供
・「インターネット版全国車いす宿泊ガイド」
・ピア・サポート
・スポーツ振興
・ふれあい教育
・バリアフリー推進
・調査研究
・請願活動、各省庁交渉及び民間企業等への要請活動

このサイトは、コミュニケーションデザイン科目「支 縁コミュニケーション(社会的包摂における相互コミュニケーション)」(2015年度第2学期、一部集中:担当:宮本友介、西川勝、池田光穂)の授業にお ける資料などをお知らせする、受講ガイド、支援サイトです。

2019年度より横断術「《支縁》のネットワークをひろげる」を計画中です。

教員:田中均・宮本友介・山森裕樹・池田光穂

概要:大阪・釜ヶ崎あい りん地区)への市民団体によるさまざまな活動への参加や取材を通して、ウェブメディアなどの情報発信をとおして、社会《支縁》のネットワークをひ ろげるための「実習事業(アクションリサーチ)」のモデルを学生・院 生自身が構築できるように、教員集団が《支縁》する。


旧シラバスは、こちらをごらんください。syllabus2015_44-45.pdf

旧・授業目的・概要

社会福祉には一方的な物資の扶助(支援)だけでは解 決することのできない様々な問題が含まれている。大きな課題の一つは社会的包摂のためのコミュニティ形成であり、これを「支縁」と呼ぼう。 この授業では、 「支縁」のためのコミュニケーションについて、いまや貧困と高齢化社会の縮図であり「福祉の......」となった大阪・釜ヶ崎でのフィールドワークを通 じて考える。

キーワード

支縁コミュニケーション、社会的包摂、遊動的ドライ ブ、生活知、実践知、ソーシャル・イノベーショ ン、、、、、、

学習目標

    1. 支縁コミュニケーションに関する基本的な考え方について、受講生間での議論ができる。
    2. フィールドワークを通して得られた体験を、他者へ説明することができる。
    3. 社会保障制度など、現代社会が抱える様々な問題に対し、その解決のための具体的な方策を提案できる。
    4. 社会的包摂のための取り組みに、コミュニティ形成の重要性を意識しながら貢献ができる。

授業計画

参考文献

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以下、学習ガイド

支縁リンク集(リンク先から先は保証しません。自己責任でリンクください)

リンク

その他の情報

Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

第1回目授業風景:2015年10月15日大阪大学コミュニケーショ ンデザインセンター・オレンジショップ

Do not copy and paste, but you might [re]think this message for all undergraduate students!!!

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